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IBM System i サーバー向けの統合アプリケーション開発 ページ 1

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IBM System i サーバー向けの統合アプリケーション開発 ページ 1
IBM System i サーバー向けの統合アプリケーション開発
ページ 1
IBM Rational ソフトウェア製品を使用した IBM System i 開発
ホワイト・ペーパー
2007 年 2 月
IBM System i サーバー向けの統合アプリケーション開発
IBM System i サーバー向けの統合アプリケーション開発
ページ 2
目次
2
複雑化が進む IBM System i 開発
3
複数開発環境の管理
5
並行開発
5
資産の保護
6
分散開発チームの管理
7
コンプライアンスの管理
8
結論
複雑化が進む IBM System i 開発
IBM System i ™ プ ラ ッ ト フ ォ ー ム の 世 界 は 、 以 前 と 比 べ て 劇 的 に 変 化 し ま し た 。 つ い 最 近 ま で
、System i のソース・コードとリソースの管理は比較的単純なものでした。データベース・ファイル、IBM
5250 画面レイアウト、およびレポートにはデータ記述仕様 (DDS) が使用されていました。開発者は報
告書作成プログラム (RPG)、コマンド言語 (CL)、および COBOL (Common Business Oriented
Language) プログラムでコードを作成し、IBM eServer™ i5 プラットフォーム上の System i ライブラリー内
のソース・ファイルにコードを格納していました。このソース・コードは、その後実行可能なオブジェクトまたはプ
ログラムにコンパイルされ、テスト・ライブラリーにコピーまたは移動されます。統合テストが完了すると、新し
いオブジェクトが実動マシンまたは実動環境にデプロイされました。開発者は全員 1 カ所で作業しており
、新規または変更後のアプリケーションのデプロイメントに関する問題について調整が必要な際にはチーム・
メンバーのブースに歩いて行って相談していました。
今日、System i の開発プロセスは、グローバリゼーション、高速に進むテクノロジーのイノベーション、および
ビジネスのやり方が新しくなったことによって複雑化しています。企業は、自社のコンピューター・システムが
規制当局によって課される要件および監査人のコンプライアンス要求を満たすものであることを実証しなく
てはならなくなりました。また、企業の情報技術 (IT) とシステムを担当する組織は、新しいテクノロジー、
オペレーティング・システム、および分散開発環境を統合するという技術的な課題に対処する必要がありま
す。
本書では、IBM Rational® ClearCase® および IBM Rational ClearQuest® ソフトウェアがどのようにし
て、以下のものを含む、複雑化の進む環境における System i アプリケーション開発の管理を支援するか
について解説します。
• 複数の言語、テクノロジー、さらにはオープン・ソースまたはプラットフォーム・ベースの環境
• 世界各地に分散した社内、オフショア、およびサード・パーティー開発者が関与するプロジェクト
• 多数の法的規制および業界規制の順守
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複数開発環境の管理
ソフトウェアはもはや、単一の言語で記述されるものでもなければ、単一マシン上の単一オペレーティング・
システムで実行されるものでもありません。ソフトウェアが実行される場所は企業全体に分散する多数のテ
クノロジーに及び、多くの場合、取引相手や他の地理的に分散したユーザーのマシンにまで広がります。
IBM Rational ClearCase および IBM Rational ClearQuest ソフトウェアは、複数プラットフォームのサポ
ートにより、そのような異機種混合の環境における開発を簡素化します。Rational ClearCase ソフトウェ
アは、高度なバージョン管理、自動化されたワークスペース管理、並行開発サポート、ベースライン管理、
およびビルド/リリース管理を通じて、ソフトウェア資産への制御されたアクセスを可能にします
。Rational ClearQuest ソフトウェアは、プロセスの自動化、レポート作成、欠陥と変更の追跡、およびライ
フサイクルの追跡可能性を実現して、ソフトウェアとシステムのデリバリー・ライフサイクルの制御を向上させま
す。これらの製品は、UNIX®、Linux®、Microsoft® Windows®、IBM System z™ プラットフォームを含む
分散環境のためのソフトウェアの変更と構成の管理の分野において明らかな優位性を発揮してきた実績
があります。
Rational ClearCase の機能には、IBM WebSphere® Development Studio Client for System i 統合
開発環境 (IDE) から直接アクセスすることが可能です。Rational ClearCase は、RPG、CL、COBOL
、C、C++、および Programming Language 1 (PL/1) を含む IBM i5/OS® の諸言語をサポートします。
ま た 、 Web 作 成 物 、 Java ™ 、 Java Platform, Enterprise Edition (Java EE) 、 お よ
び Enterprise Generation Language (EGL) といった System i リソースもサポートし ます。さらに
、Rational ClearCase ソフトウェアは、IBM i5 言語をサポートするオペレーティング・システムを管理して、
i5、IBM eServer iSeries™、および IBM AS/400® のユーザーが従来の環境からソフトウェア資産のアク
セスと制御を行うことを可能にします。例えば、高度な Web またはリッチ・クライアント開発により、RPG ま
たは COBOL のアプリケーション・コード作成を統合および管理することができます。
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図 1:IBM Rational ClearCase および IBM Rational ClearQuest ソフトウェアは、IBM System i と独立
型プラットフォームの両方をサポートします。
Rational ClearCase Versioned Object Base リポジトリーおよび Rational ClearQuest サーバーは
、IBM POWER™ Linux 環境内の System i サーバーまたは IBM AIX® ロジカル・パーティション
(LPAR) 上で動作します。この構成は、統合または接続された IBM System x™ サーバー上の Intel®、
Linux、または Microsoft Windows システム上でも動作します。さらに、Rational ClearCase およ
び Rational ClearQuest ソフトウェアは独立型サーバー上でも動作し、さらなるデプロイメントの柔軟性と
プラットフォームの選択肢を提供します。
Rational
ClearCase
ソ
フ
ト
ウ
ェ
ア
向
け
の
機
能
強
化
さ
れ
た
WebSphere Development Studio Client for System i プラグインは、i5/OS ソース・コードおよびその他
の資産を Rational ClearCase リポジトリーからチェックアウトする機能、Windows ワークステーション上で
WebSphere
ソ フ ト ウ ェ ア 内 の オ ブ ジ ェ ク ト を 操 作 す る 機 能 、 お よ び
WebSphere Remote System Explorer プラグインを通じて i5/OS システムにオブジェクトをデプロイする
機能を提供します。そのような実装により、広範で堅固な機能と利点を得ることができます。
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並行開発
Rational ClearCase アプリケーションでは、並行開発もサポートしています。この機能は、即時に対処しな
ければならない問題や緊急に修正が必要な状況が発生して System i 開発者がチェックアウトするリソー
スへのアクセスが必要となった際に特に有益です。チェックアウトを行う開発者、また他の担当者が、プログ
ラム・ソースを別のプロジェクトまたはアクティビティーにチェックアウトして、必要なコード調整を行うことができ
ます。修正が完了したら、Rational ClearCase の Diff/Merge 機能を使用して、変更を処理中のコード
開発に組み込むことができます。
この Diff/Merge 機能では、競合ソフトウェアの単純な比較機能に比べてはるかに多くのことが可能です
。操作を自動化して、同じソース・ファイルの複数のバージョンのマージ処理を行うことができます。
System i 組織では並行開発は推奨されないことが多いものの、並行開発を行わなければならないケース
は実際に発生します。並行開発を効果的に管理する機能は、組織全体にとって成功を左右する重要な
要素です。
資産の保護
Rational ClearCase ソフトウェアは、開発ライフサイクル全体を通じて組織がソフトウェア資産を保護する
ことを可能にします。i5/OS 言語およびその他の資産に関する優れたソース管理を実現します。また
、Java テクノロジーに加え、パーソナル・ホーム・ページ (PHP) スクリプト、Net.Data マクロ、HTML ファイ
ル、および System i 環境内の Web や Java EE 開発を必要とするリソースといったその他の比較的新
しい i5/OS リソースもサポートします。
基本的に、Rational ClearCase ソフトウェアは System i サーバーに適した包括的な管理ソリューション
を提供する製品です。開発者は、プログラムまたはその他のオブジェクトをチェックアウトし
、 Rational ClearCase の 制 御 さ れ た プ ロ セ ス 内 で 作 業 を 開 始 す る と 、 ClearCase Versioned
Object Base リポジトリーに作業内容を保存することができるようになります。これは、ディスクが破損した
場合、または処理中の作業が開発者によって誤って削除されたりその他の形で破損したりした場合でも、
失われる作業内容は (あったとしても) ごくわずかであることを意味します。開発者は、作業内容を最終
保存バージョンから簡単に復元することができます。
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IBM Rational ClearCase では、他のベンダーの System i サーバー向けソフトウェア変更管理製品と異
なり、ソース・ファイルになされた変更のみが保存されます。開発者がファイルを保存するたびに、変更がバ
ージョンに関連付けられるため、プロジェクト・ライフサイクル中のどの安定状態にもロールバックすることが可
能です。
DDS、RPG、CL、COBOL、またはその他の i5/OS ソースをリポジトリーに保存するというのは、多く
の System i 開発者にとって新しい概念ですが、これにより卓越したレベルの保護とセキュリティーが実現
します。i5/OS オペレーティング・システムにはセキュリティー機能が組み込まれていますが、依然として開
発者に付与された権限のレベルに依存します。例えば、テスト環境において開発者にグローバル権限が付
与されていれば、i5/OS セキュリティーは無効になってしまいます。Rational ClearCase ソフトウェアは独
自の許可を行うため、組織はソフトウェア資産に二重の保護を施すことができます。組織は、コンプライアン
ス管理要件を満たすために、許可された開発者のみがコードへのアクセスとその変更を行うことができること
、およびすべての変更が例外なく ClearCase ソフトウェアを介して行われることを実証することができます。
分散開発チームの管理
多くの企業は、開発者の在宅勤務を推奨しています。一部の企業では、オフショア開発パートナーと契約
して世界中に分散した開発者と共同作業を行っています。また、3 つのタイム・ゾーンに分散した開発者
を稼働させて 24 時間の開発作業を実現している企業もあります。
Rational ClearCase および Rational ClearQuest ソフトウェアは、分散開発のための複数のアプローチ
をサポートします。中央リポジトリーへのリモート・アクセスは、広域ネットワーク (WAN) アクセスまたは Web
クライアントを通じて提供されます。単一のクライアントで複数のサーバー上のデータにアクセスすることがで
きるため、開発者は複数の場所で、リポジトリーからワークスペースを構築することができます。
さらに、Rational ClearCase および Rational ClearQuest の両製品で、分散拠点間でリポジトリーを自
動的に複製および同期化するオプションを利用可能です。増分変更のみが送信されるため、ネットワーク・
トラフィックが少なくなり、パフォーマンスが向上します。開発者のチームは共同でも単独でも作業を行うこと
ができます。組織は、開発資産のコピーをローカル・サーバーに格納して、ネットワーク内の他のサーバーに
自動的に複製および同期化することができます。
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コンプライアンスの管理
法的規制と業界規制による義務は、組織が業務運営に使用するアプリケーションを開発および変更する
方法に多大な影響を及ぼしています。企業は、自社のソフトウェア開発のアーキテクチャーとプロセスが、
監査に対する準備が整っているとともに不正行為防止措置が施されていることを実証するために必要な
セキュリティー、追跡可能性、および再現性を実現するソフトウェア開発インフラストラクチャーをデプロイす
る必要があります。
プロセスの実行
Rational ClearQuest ソフトウェアは、組織が一貫性のある反復可能で実行可能なプロセスを実装する
ことを可能にします。そのまま使用できるワークフローが用意されており、固有のニーズに合わせて簡単にカ
スタマイズできます。自動電子メール通知機能により、変更または更新があったことがチームのメンバーと管
理職に通知されます。そして、最終段階として承認と通知のワークフローを確立することができます。
ライフサイクル追跡可能性
要件、開発、構築、テスト、およびデプロイメントのツールが統合された Rational ClearQuest ソフトウェア
は、完全なライフサイクル追跡可能性と包括的な監査証跡を提供します。Rational ClearQuest アプリケ
ーションでは、誰が何を、いつ、どのような理由で変更したのかが記録されます。アクティビティーの変更が追
跡され、アクティビティー履歴に記録されます。さらに、電子署名により、特定の操作を行った個人の ID
が検証されます。これは、承認を確立する上で不可欠です。ソフトウェア・ライフサイクル全体にわたってトラ
ンザクションを自動的に文書化することにより、組織はすべてのアクティビティーの起点と詳細をすばやく追
跡し、許可やサインオフを検証することができます。
Rational ClearCase ソフトウェアは、リポジトリー内に格納されたすべてのオブジェクトに対する操作を記録
します。履歴ブラウザーにより、開発タスクの記録が表示され、フォルダーやファイルに加えられた変更につい
て自動的に履歴レポートが作成されます。また、構築監査機能により、アプリケーションおよび実動環境に
デプロイされた特定バージョンのコードの構築に使用されたファイルの記録を作成することも可能です。
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アクセス制御
Rational ClearCase ソフトウェアは、許可された個人のみが情報にアクセスできるようにすることを支援し
ます。企業は、オペレーティング・システムの認証メカニズムを通じて、または
Lightweight Directory Access Protocol (LDAP) テクノロジーを使用した業界標準のディレクトリー・サー
バーを通じて、アクセス制御を行うことができます。ユーザー・ベースおよびグループ・ベースのアクセス権設定
により、ファイルやディレクトリーへのアクセスを制限します。さらに、Rational ClearCase オブジェクト (ブラン
チ、ラベル、要素、およびメタデータ) にユーザー・ベースでロックをかけることができるため、実行中の操作に
基づいてプログラマチックにアクセスを許可することができます。
Rational ClearQuest ソフトウェアは、Rational ClearQuest のユーザー・ディレクトリーを通じて、または
LDAP テクノロジーを使用した業界標準のディレクトリー・サーバーを通じて、ユーザー認証を実行します
。Secure Sockets Layer (SSL) による暗号化のサポートにより、Rational ClearQuest ソフトウェアと
LDAP テクノロジー間の通信のセキュリティーが確保されます。組織は、スクリプト記述を通じて、主要なセ
キュリティー・チェックポイントをアクセス制御の対象とすることができます。
結論
Rational ClearCase と Rational ClearQuest ソフトウェアの連携により、System i アプリケーション開発
ライフサイクルの高水準の制御が実現します。両製品は、組織の手順およびプロセスにシームレスに統合
できるシンプルなツールで手動プロセスを自動化することにより、生産性の向上を支援します。また、複数
の言語、プラットフォーム、および分散環境をサポートするとともに、コンプライアンス管理を容易にすることに
より、System i プラットフォーム上のアプリケーション開発を統合および簡素化します。
参考情報
IBM
System
i
環
境
で
作
業
す
る
開
発
者
が
ど
の
よ
う
に
し
て IBM Rational ClearCase と IBM Rational ClearQuest ソフトウェアを活用できるか、詳細については
、次のサイトを参照してください。
ibm.com/software/rational/offerings/scm.html
IBM System i サーバー向けの統合アプリケーション開発
ページ 9
当資料は発行時点の情報に基づいて作成されていますが、事前の予告なく変更される場合があり
ます。
•
IBM、AIX、WebSphere、iSeries、ClearCase, ClearQuest, Rational は、IBM Corporation の
商標。
•
JavaおよびすべてのJava関連の商標およびロゴは Sun Microsystems, Inc.の米国およびその他の国に
おける商標。(http://w3.java.ibm.com/java/legal/logo_guide.htmlを参照して下さい。)
•
Microsoft, Windows, Windows NT および Windowsロゴは Microsoft Corporationの米国およびその他
の国における商標。
•
Intel, Intel(ロゴ), Intel Inside, Intel Inside (ロゴ), Intel Centrino, Intel Centrino(ロ
ゴ), Celeron, Intel Xeon, Intel SpeedStep, Itanium, Pentium は Intel Corporationまたは子会
社の米国およびその他の国における商標または登録商標。
•
UNIXはThe Open Groupの米国およびその他の国における登録商標。
•
Linuxは、Linus Torvaldsの米国およびその他の国における商標。
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