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Lotus Notes/Domino 6 日本語ディレクトリー環境移行ガイド

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Lotus Notes/Domino 6 日本語ディレクトリー環境移行ガイド
Lotus Notes/Domino 6
日本語ディレクトリー環境移行ガイド
− R4.6 漢字アドレス帳/R5 DJX からNotes/Domino 6 DJX への移行について −
1
日本語ディレクトリー環境移行ガイド
1. はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
2. R4.6 漢字アドレス帳と R5/6 DJX の違い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
3. R5 と 6 の DJX の違い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
4. DJX 移行時の制限事項・注意点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
5. R4.6 漢字アドレス帳から 6 DJX への移行手順・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
6. R5.0.x DJX から 6 DJX への移行手順・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22
− 特記事項 −
•
本資料の記載内容は、正式な IBM のテストやレビューを受けておりません。内容について、できる
限り正確を期すよう努めてはおりますが、いかなる明示または暗黙の保証も責任も負いかねます。本
資料の情報は、使用先の責任において使用されるべきものであることを、あらかじめご了承ください。
•
掲載情報は不定期に変更されることもあります。他のメディア等に無断で転載する事はご遠慮くださ
い。
•
本資料の著作権は日本アイ・ビー・エムにあります。非営利目的の個人利用の場合において、自由に
使用してもかまいませんが、営利目的の使用は禁止させていただきます。
•
IBM、は IBM Corporation の商標。
Lotus、Lotus Domino、Lotus Notes、は IBM-Lotus の商標。
•
Microsoft、Windows、Windows NT、Windows ロゴは、Microsoft Corporation の米国およびその他の
国における商標。
その他、記載された社名および製品名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。
2
1.はじめに
Notes/Domino のユーザー名は標準ではアルファベット表記ですが、R4.x では漢字アド
レス帳、R5 からは「ドミノ・ディレクトリー日本語拡張機能(Domino Directory Japanese
eXtension、以下 DJX と表記します)」を利用することにより、ユーザー名に日本語を用い
ることができる他、所属部署や役職といった会社の組織体系に応じたユーザー管理を行う
ことができます。
このドキュメントでは、既に Notes/Domino R4.6.x または R5.0.x で上記のように日本
語名でのユーザー管理が行われている環境を、Notes/Domino 6 に移行する方法について触
れています。
具体的には、次の 2 通りの移行方法について記述されています。
・Notes/Domino R4.6.x 漢字アドレス帳(ファーストステップ・キット)
→ Notes/Domino 6 DJX
・Notes/Domino R5.0.x DJX → Notes/Domino 6 DJX
(※ 他社製品の日本語ディレクトリー機能を利用したり独自に日本語ディレクトリー
環境を構築している場合、あるいは漢字アドレス帳や DJX の一部または全部をカスタ
マイズしている場合を除きます。)
これにより、Notes/Domino 6 で次のような機能を利用して日本語名でユーザー管理を行
えるようになります。
<Notes/Domino 6 DJX の主な機能>
・部署、役職の管理
ユーザーに割り当てる部署、役職の情報を管理します。会社 (組織) に含まれる部署
や役職を実際の体系どおりに表現できます。
・ユーザーの管理
ユーザーに日本語ユーザー名、部署、役職を割り当てます。ユーザーの新規登録、
登録内容の変更、削除もできます。
・グループの管理
部署と役職の組み合わせで条件を指定し、条件に該当するユーザーを含めるグルー
プ文書を Domino Directory に作成します。
3
2.R4.6 漢字アドレス帳と R5/6 DJX の違い
漢字アドレス帳は R4 において、DJX は R5 以降において Notes/Domino で日本語のユ
ーザー名を扱う為の機能ですが、両者の構成やユーザー管理方法は大きく異なります。こ
の章では漢字アドレス帳と DJX の主な違いを説明します。
<R4.6.x の漢字アドレス帳の構成>
申請 DB に入力されたユーザー情報は、公開アドレス帳
ユーザー情報
と漢字アドレス帳の両方に反映される
を入力
公開アドレス帳に無い
公開アドレス帳にも漢字で名前が表示され
ユーザー情報(漢字名、
るがクライアントからは参照されない
部署、役職等)を登録
各日本語対応 DB が
漢字名を参照
メール DB
・
漢字名での宛先の選択
・
送信者フィールドに漢字名を設定
(受信メールの送信者名が漢字名に設定される)
掲示板/電子会議
・
文書の作成者フィールドに漢字名を設定
等
・漢字アドレス帳(namesknj.nsf)
漢字名の情報を保持するサブ・アドレス帳です。漢字メール使用時には漢字アドレ
ス帳からメールの宛先指定が可能です。
・申請データベース(regist.nsf)
漢字アドレス帳と公開アドレス帳の管理を一括して行うデータベースです。ファー
ストステップ R4.6 データベースからだけでなく、このデータベースからも漢字名
ユーザーとグループの登録・更新が行えます。
・漢字メール・テンプレート(kjmail.ntf/1stmail.ntf)
漢字名で宛先指定できるように拡張された Notes/Domino R4.6 対応のメール・テン
プレートです。インターネット・メールに対応した拡張機能がついています。
4
この他、日本語名に対応した掲示板、電子会議、文書ライブラリー・テンプレート、ヘル
プ・データベースも含まれます。
<DJX の構成>
・部署マスター、役職マス
部署、役職、グ
ループ選択マス
部署、役職等
ター等をあらかじめ設定
・ユーザー情報を入力
ター情報、各種
設定文書を蓄積
ユーザー情報(日本語含む。ユーザーID ファイルにも日本語名を付加)
ユーザー文書内
に”別名”として
日本語名を保存
メール DB
各 DJX 対応 DB が
・
部署別宛先選択機能
漢字名(別名)を参照
・
送信者フィールドに別名を設定
(受信メールの送信者名が漢字名に設定される)
掲示板/電子会議
・
文書の作成者フィールドに別名を設定
等
・ドミノ・ディレクトリー日本語拡張管理ツール (DJX 管理ツール;djxadmin.nsf)
DJX を利用するためのツールです。システム管理者はこのツールを使って、DJX に
関するさまざまな操作や管理を実行します。DJX での操作の結果は Domino
Directory のユーザー文書、グループ文書に反映されます。
・ドミノ・ディレクトリー日本語拡張データベース (DJX 管理データベース;djxmstr.nsf)
部署、役職、グループ選択に関する情報など、DJX に必要な情報を保管するデータ
ベースです。部署マスター、役職マスター、グループ選択マスターはこのデータベ
ースに保存され、DJX 管理ツールによって作成、閲覧されます。
・ドミノ・ディレクトリー日本語拡張メール・テンプレート (DJX メール;djxmai60.ntf)
DJX 管理ツールによって管理されている Domino Directory の情報を用いてユーザ
ーの選択を行えるようにしたメール・テンプレートです。拡張された部署別の宛先
選択機能を持っています。送受信者名欄は日本語ユーザー名で表示されます。
5
・DJX ドミノ・ディレクトリー・テンプレート
標準の Domino Directory は、そのままでは日本語拡張機能を利用できない為、DJX
利用時にはこのテンプレートで標準の Domino Directory を設計置換します。
漢字アドレス帳(漢字メール・アプリケーション)と DJX の主な違いは下記の通りです。
<日本語ユーザー名が保存される場所>
漢字メール・アプリケーションでは、公開アドレス帳とは別に漢字アドレス帳という
サブ・アドレス帳があり、漢字アドレス帳にユーザーの漢字名が登録されています。
一方 DJX では、Domino Directory(R4 までの”公開アドレス帳”を、R5 では”Domino
Directory”と呼ぶようになりました)にアルファベットのユーザー名、日本語のユーザー
名の両方が保存されます(日本語ユーザー名はユーザー文書の”別名”に保存されます。ま
た、ユーザーID 自体にも日本語のユーザー名の情報が格納されます)。
<ユーザー登録手順>
漢字アドレス帳利用時には、ユーザー登録は「申請データベース」より基本名(アルフ
ァベットのユーザー名)の他、漢字のユーザー名、部署名、役職、メール・ファイルやユ
ーザーID ファイルの名前等を指定します。
一方、DJX では DJX 管理ツールよりユーザー登録を行います。あらかじめ、管理ツ
ールで部署マスター、役職マスターに部署、役職情報を登録しておき、ユーザー登録時
には各マスターに登録されている部署・役職情報から該当するものを選択します。
<部署・役職情報が保存される場所>
前の項目とも関連しますが、部署および役職等の情報は、漢字アドレス帳のユーザー
文書に個別に登録する必要がありました。DJX では管理ツールより部署、役職をあらか
じめ登録でき、その情報は DJX 管理データベースに保存されます。DJX 管理ツールよ
りユーザーを登録する際には各マスターより該当する部署、役職等を選択します。従い
まして、例えば部署自体の名前が変更になった場合に、漢字アドレス帳利用時は申請デ
ータベースでユーザー1 名 1 名に対して個々に変更を加える必要がありましたが、DJX
では部署マスターの該当する部署情報 1 つを変更するだけで済みます。
漢字アドレス帳から DJX へ移行することで、Notes/Domino 6 の新機能が利用できる
だけでなく、漢字アドレス帳、公開アドレス帳の二重管理だった状態が解消し、部署・
役職情報のメンテナンスが容易になる、といったメリットがあります。この他、DJX の
構成と仕組みについては「日本語環境設定ガイド」(通常 Domino 6 をインストールする
と、データ・ディレクトリーの help¥jconfr6.nsf にコピーされます)を参照して下さい。
6
3.R5 と 6 の DJX の違い
Notes/Domino 6 の DJX は基本的に Notes/Domino R5.0 の DJX の仕様を継承し、同等
の機能を持っています。R5 の DJX で未修正だった障害の一部が修正されたほか、次のよ
うな機能が変更/追加されました。
・ポリシー・ベースのユーザー管理に対応
Notes/Domino 6 の新機能の 1 つである、ポリシー・ベースのユーザー管理を DJX で
も行うことができます。あらかじめ、Domino Directory にポリシー設定文書、ポリシー
文書を設定することで、ユーザー登録、管理の手間が大きく省けます。
(下の画面では明示的ポリシーを指定していますが組織的ポリシーにも対応しています)
7
・iNotes Web Access への対応
iNotes Web Access において、部署別宛先選択機能が利用できるようになります(6.0 では
未実装です。今後のメンテナンス・リリースで対応予定です)。
DJX 用の以下のテンプレートが 6 の最新のものに対応しました。
・DJX メール(mail6.ntf)
・DJX 管理ツール(djxadmin.ntf)
・DJX ドミノ・ディレクトリー(djxdd.ntf)
・DJX 管理データベース(djxmstr.ntf)
R5 であった、DJX 会議室予約テンプレート(djxrsrc.ntf)は無くなりました。
(標準の会議室予約テンプレートが 別名の表示に対応した為)
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4.DJX 移行時の制限事項・注意点
<Notes/Domino 6 DJX へのアップグレード・パスについて>
アップグレードのサポート対象となるのは、R4.6 から 6、R5 から 6 のみです(全ての
メンテナンス・リリースからのアップグレードがサポート範囲内です)。R4.5 以前のバー
ジョンからのアップグレードはサポート範囲外となりますのでご注意下さい。
<DJX サポート・プラットフォーム>
サーバー
・Windows NT、Windows 2000 Server/Advanced Server
・AIX 4.3.3/5.1
・iSeries(サーバー・エージェントによるユーザー・リクエスト処理は未サポート)
・Linux(サーバー・エージェントによるユーザー・リクエスト処理は未サポート)
・Solaris 2.8
クライアント
・ Windows 32
(Macintosh クライアントは DJX は未サポート。部署別宛先機能は動作しません)
ブラウザー
・Domino 6 と同様
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5.R4.6 漢字アドレス帳から 6 DJX への移行手順
R4.6 で漢字アドレス帳を利用して日本語名でのユーザー管理を行っている場合、日本語
名を 6 でも利用するかどうか考慮した上で次の点に留意してアップグレードを計画します。
・DJX 移行の時期の検討
Notes/Domino システム全体の移行作業の中で、漢字アドレス帳から DJX への移行時
期を検討します。DJX に移行した後は R4.x クライアントは利用できなくなりますので注
意が必要です。全てのサーバーおよびクライアントが R5 ないしは 6 にバージョンアップ
した段階で DJX への移行作業を行います。
・漢字アドレス帳と DJX は併用しない
上記の通り、R5/6 クライアントからも漢字アドレス帳の参照は可能ですが、新規に
Domino にユーザーを登録する場合、漢字アドレス帳を利用する場合は「申請データベー
ス」
、DJX では「DJX 管理ツール」をそれぞれ使用します。両方のツールで登録したユ
ーザーの整合性を取るのは困難な為、漢字アドレス帳と DJX の併用は避ける事を強く推
奨します。
その他、既存のアプリケーション DB で漢字アドレス帳を参照しているものについては
DJX 対応作業、DJX で利用できる各種の機能(部署別宛先選択、ポリシー設定を利用した
ユーザー管理等)を利用するかどうか検討した上で実際の移行作業に入ります。以下に典
型的な移行手順を示します。あらかじめ移行作業の手順を確認した上で、余裕を持って移
行スケジュールを立てて実行してください。
○手順1: ドミノ・ディレクトリー日本語拡張機能の設定
あらかじめバックアップを取った上で、まずシステム管理者ヘルプ等を参照してサー
バーを 6 にアップグレードします。
サーバーが正常に稼動している事を確認した上で、
「日
本語環境設定ガイド」の「2.セットアップ」の項を参照して DJX を新規で使用する設定
を行って下さい。
○手順2: 漢字アドレス帳のドミノ・ディレクトリーへの移行
漢字アドレス帳のユーザー情報をドミノ・ディレクトリーに移行します。移行後も漢
字アドレス帳を用いたユーザー名の参照は可能ですが、漢字アドレス帳に対して情報を
追加または修正した場合でもドミノ・ディレクトリーには反映されませんので注意して
ください。移行作業の終了後は、ユーザーに対して DJX の利用を徹底すると共に、ユー
ザー情報の追加および変更に関しては DJX 管理ツールで行って下さい。
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移行作業は大きく「部署、役職、グループ選択マスターの読み込み(オプション)
」
「外
部読み込みの設定」と「移行処理」の 3 段階に分かれます。以下の移行作業は基本的に全
て管理者のユーザーID で行ってください。
<部署、役職、グループ選択マスターの読み込み>
漢字アドレス帳ではユーザー個々に部署、役職等を設定していましたが、DJX ではあ
らかじめ部署、役職、グループを DJX 管理ツールから登録しておき、個々のユーザーを
登録する際にはマスターから該当する部署、役職、グループを選択して設定します。DJX
管理ツールでは、漢字アドレス帳のユーザー文書を読み込む機能がありますが、各マス
ターに部署等の情報を読み込む機能はありません。従って、DJX で部署、役職等の管理
を行いたい場合は、あらかじめ部署等の情報を DJX 管理ツールを用いて登録しておきま
す。登録方法については「日本語環境設定ガイド」を参照して下さい(個別に 1 つずつ
部署情報などを登録するほか、CSV ファイルから一括して情報を読み込ませることも可
能です)
。
<外部読み込みの設定>
漢字アドレス帳に保存されているデータをドミノ・ディレクトリーに転送する前に、
どのデータをどのように転送するのかを定義する必要があります。これを行うのが外部
読み込み設定文書です。外部読み込みの設定の手順は以下の通りです。また、必要であ
れば部署、役職、グループの読み込みを行います。
1. DJX 管理ツールを開き、左ペインから[設定]タブを選択し、[外部読み込みの設定]をク
リックします。
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2.[ファーストステップ・キット用の設定] の右のボタンをクリックします。
(手動で参照するフィールド名を 1 つずつマッピングする事で、カスタマイズを加え
たアドレス帳からの移行も可能です。今回は R4.6 の漢字アドレス帳をカスタマイズせ
ずにそのまま利用しているという前提で作業を進めます)
3.「サーバー名」に漢字アドレス帳の置かれているサーバーのサーバー名、
「データベー
ス名」に漢字アドレス帳のファイル名(デフォルトは namesknj.nsf)を指定します。
4. 入力した内容を確認し、<保存・終了>をクリックして文書を保存します。
以上で<外部読み込みの設定>は終了です。続いて<移行処理>を実行します。
<移行処理>
1.DJX 管理ツールのナビゲータで [ユーザー] タブをクリックし、アクション・バーで<
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リクエスト作成> → <読み込み> を選択します。
2. 読み込み元の指定で<データベース>を選択し、エージェントの指定でリクエストを
実行させるエージェントを選択します。
3.<OK>をクリックします。漢字アドレス帳に含まれる各ユーザーの情報に基づいて、
ユーザー変更リクエスト文書が作成されます。
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4. ナビゲーターで [ログ一覧] をクリックして [ログ一覧] ビューを表示し、[ユーザー
リクエスト読み込み NSF] 文書をダブルクリックして表示します。このログ文書には
移行処理の結果の概略が記録されています。移行処理の結果を確認してください。
5. ナビゲーターで [ユーザーリクエスト] をクリックして [ユーザーリクエスト] ビュ
ーを表示します。このビューには、作成したユーザー・リクエストの一覧が表示され
ます。
6. 実行したいリクエスト文書を選択して、アクション・バーの<実行> → <選択リク
エストを実行>をクリックします。エージェントが定期的にリクエストを実行するよ
うに設定している場合には、実行する時間になるとエージェントが処理を行います。
7. 実行が終了するとログが作成されます。ナビゲーターの [ログ一覧] をクリックして
[ログ一覧] ビューに切り替え、実行結果を確認します。処理が実行されると、ユーザ
ー変更リクエストに基づいて、ユーザー情報がドミノ・ディレクトリーへ転送されま
す。
※ 日本語ユーザー名の追加に関して、リクエストの実行によって行われるのは、システ
ム管理プロセスへの要求の登録です(このとき、ユーザーの再認証が行われます)
。実
際のユーザーID への日本語名の割り当ては、システム管理要求が処理されたのちに、
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ユーザーがサーバーにアクセスしたときに行われます。
エージェントが実行され、ユーザー・リクエストに基づいて、ユーザー情報がドミノ・
ディレクトリーへ転送されます。
○手順3: 漢字名使用データベース(ファーストステップ・キット使用)の変換
ファーストステップ・キットのテンプレートを用いて作成した会議データベース等の
データを Notes/Domino 6 で使用できるように変換します。単純に、既存のデータベース
の設計を Notes/Domino 6 のものに置き換えても、日本語ユーザー名の扱いが漢字アドレ
ス帳と DJX では異なる為、日本語でユーザー名が表示されません。製品版の Domino 6
の CD-ROM に収録されている「移行ツール」を用いてデータの変換を行ってから、改め
て Domino 6 のテンプレートに設計置換します。
尚、R4.6 の各テンプレートは、下記のように 6 のテンプレートに対応しています。適
当なテンプレートで設計置換を行ってください(移行ツールに含まれるテンプレートは、
R4.6 と同じ名前になっています。また、R4.6 の「掲示板」に相当するテンプレートは 6
にはありません)
。
R4.6 テンプレート名 ファイル名 6 テンプレート名
ファイル名
電子会議
fk_dis.ntf
ディスカッション(6)
discsw6.ntf
Web 電子会議
fk_disw.ntf
文書ライブラリ
fk_doc.ntf
文書ライブラリ(6)
doclbw6.ntf
Web 文書ライブラリ fk_docw.ntf
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1.Domino 6 の製品版 CD-ROM をドライブにセットします。
2.Windows エクスプローラー等で CD-ROM の内容を表示し、Apps¥FSKMigration
フォルダーを、フォルダーごと Domino のデータ・ディレクトリー下にコピーし
ます。
3.2.でコピーした FSKMigration フォルダーおよびその下にあるテンプレート・ファ
イルのファイルのプロパティーを開き、読取専用属性を解除します。
4.Domino 管理クライアントを起動し、管理者のユーザーID で、2.でコピーした
FSKMigration フォルダーの下にある全てのテンプレートに署名します。
5.R4.6 ファーストステップ・キットのテンプレート・ファイルから作成した既存の
電子会議、文書ライブラリー・データベースを、上記の対応表に従って 3.でコピ
ーしたテンプレートに設計置換します。R4.6 ファーストステップ・キットと、
Domino 6 添付のファーストステップ・キット移行ツールのテンプレートはデータ
ベース名およびファイル名が同じなので、必ず FSKMigration フォルダーの下に
あるテンプレートであることを確認して設計置換してください。
6.設計置換後、それぞれの DB を開き、メニュー・バーの<アクション> → <R5
への移行の準備>(Notes/Domino 6 でも画面表記は<R5 への移行の準備>とな
っていますが動作に支障はありません)を選択します。
16
7.「R5 への移行の準備」のダイアログ・ボックスで<OK>をクリックします。
8.「実行セキュリティー警告」画面が出た場合は、
「この操作について署名者を信頼
する」をチェックして<OK>をクリックします。
「○文書の処理が完了しました。
R5 のテンプレートで設計を置換して下さい。
」と表示されれば処理は終了です。
9. 前述のテンプレート対応表に従って、Notes/Domino 6 標準テンプレートで再び設
計を置換します。
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10.1 度データベースを閉じ、再度開きます。ビューや文書の作成者フィールドに日
本語でユーザー名が表示されていることを確認します。
もし、日本語名が表示されない場合は、クライアントの個人アドレス帳を開いて該
当するロケーション文書の[基本]タブの「デフォルトの表示名」を“ユーザーの別名
を表示”に設定し、再度データベースを開いてみてください。
○手順4: 各ユーザーの変換作業の準備と通知
R4.6 の形式の個人アドレス帳を使用しているユーザーが Notes 6 にアップグレードした
場合、そのままでは [氏名読み] フィールドに入力したデータが表示されません。各ユーザ
ーは Notes 6 テンプレートにアップグレード後、次の処理を実行して [氏名読み] を Notes
6 形式に変換する必要があります(R4.5 形式の個人アドレス帳には [氏名読み] フィール
ドは存在しないため、この処理は不要です)
。管理者は、R4.6 を利用しているユーザー全員
に対し、以下の作業を行うよう通知します。
1. Notes 6 に移行が完了した個人アドレス帳を開きます。
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2. [氏名読み] を Notes 6 の形式に変換したい文書を選択します。
3. メニューから<アクション> → <よみがなの移行>を選択します。
4. 「選択した文書のよみがなを、Notes 6 用に変換しますか?」と確認が表示されます。
[はい] を選択すると移行を開始します。
○手順5: メール・ファイルのアップグレード
既存の漢字メール・データベースを、6 の DJX メール・テンプレートに置き換えます。
ただし、電子会議、文書ライブラリーと同様、単純に既存のデータベースの設計を
Notes/Domino 6 のものに置き換えても、日本語ユーザー名の扱いが漢字アドレス帳と
DJX では異なる為、日本語でユーザー名が表示されません。ここでも「移行ツール」を用
いてデータの変換を行ってから、改めて Domino 6 のテンプレートに設計置換します。R4.6
の各メール・テンプレートは、いずれも 6 の DJX メール・テンプレートに置き換えます。
R4.6 テンプレート名 ファイル名 6 テンプレート名
ファイル名
漢字メール R4.6
kjmail46.ntf DJX メールテンプレート djxmai60.ntf
メール(1stStepKit)
1stmail.ntf
1. 全ユーザーのメール・ファイルの設計を、先のステップでコピーした移行ツールの
FSKMigration¥KJMail46.ntf に置換します。各ユーザーに個別に設計置換を行うよ
う通知する他、サーバー・コンソールで下記のコマンドを実行することで管理者側で
一括して全ユーザーのメール・ファイルの設計置換を行うことができます。
19
tell router quit
load convert mail¥*.nsf KJMailR46 KJMail46.ntf
load router
tell router quit
→設計置換中にメールの送受信を行わないよう、メール・ルーターを停止します。
load convert mail¥*.nsf KJMailR46 FSKMigration¥KJMail46.ntf
→Domino データ・ディレクトリーの mail フォルダーの中にあるファイルのうち、
“KJMailR46”という名前のテンプレートを使用しているデータベースの設計を、移
行ツールのテンプレート(FSKMigration¥KJMail46.ntf)に置き換えます(環境に合
わせ適宜読み替えてください)
。
load router
→設計置換終了後、停止させていたメール・ルーターを再開させます。
2.各ユーザーに、設計置換してメール・データベースを開いてメニュー・バーの<アクシ
ョン> → <R5 への移行の準備>の手順を行うよう案内します。
※ 各ユーザーにアップグレード通知メールを送信する際、次のようにメール本文に「 R5
への移行の準備」を 1 クリックで実行できるボタンを配置すると、より簡単に各ユー
ザーにエージェントを実行させることができます。下記は単純なエージェントの実行
をさせるだけのボタン配置の手順ですが、ボタンをクリックした後に移行準備が完了
した旨を管理者宛てにメールなどで通知するスクリプトを埋め込むと、より確実です。
20
1. [新規メール] で新しいメールを作成します。
2. [宛先] を入力します。アップグレードの準備を実行させるユーザーを選択します。
3. 本文を入力します。
4. メニューから<作成> → <ホットスポット> → <ボタン>を選択しメールの
本文中にボタンを作成します。次のように入力します。
ボタンのラベル:アップグレードの準備
実行:式
式:@command([ToolsRunMacro]; "MigrateFSK2R5")
5.<送信>をクリックして、ユーザーにメールを送信します。
このメールを受信したユーザーは、メール本文に付いている<アップグレードの
準備>ボタンをクリックするだけで、メニューからエージェントを選択すること
なくアップグレードの準備が完了します。
3.全ユーザーが<R5 への移行の準備>を終えた事を確認し、各ユーザーのメール・ファ
イルの設計を 6 の DJX メール・テンプレート(djxmai60.ntf)に置換します。管理者
側で一括して行う場合は上記のサーバー・コンソールのコマンドを参照して入力して
ください。
実行するコマンドは“load convert mail¥*.nsf KJMailR46 djxmai60.ntf”となります。
(環境に合わせ適宜読み替えてください)
○手順6: その他のアップグレード処理
『Lotus Domino Administrator 6 ヘルプ』の「Lotus Notes 6 と Lotus Domino 6 にアッ
プグレードする」-「検索のアップグレード」以降のアップグレード処理を行ってください。
21
6. R5.0.x DJX から 6 DJX への移行手順
既に Domino R5.0.x の DJX を使用している場合は、下記の手順でアップグレードしま
す。DJX に関しては R5 の全てのメンテナンス・リリースからのアップグレードが可能で
す(R5 の最新メンテナンス・リリースを経由する必要はありません)
。
1.R5 サーバーに Domino 6 を上書きインストールします。
2.Notes/Domino 6 で変更があった DJX 関連のテンプレートは以下の通りです。
Domino サーバーのアップグレードにより、これらのテンプレートが更新されます。
・DJX Domino ディレクトリー(djxdd.ntf)
・DJX メール・テンプレート(djxmai60.ntf)
(既存の R5 の DJX メール・テンプレートはファイル名が違う為、そのまま残り
ます)
・DJX 管理ツール(djxadmin.ntf)
・DJX 管理データベース(djxmstr.ntf)
(Notes/Domino 6 では DJX 会議室予約(djxrr50.ntf)はテンプレートは無くなり
ました)
3.Domino 管理クライアントを使用して、DJX を管理するユーザーID を使い、上記のテ
ンプレートすべてに署名します。
・署名を行うユーザーID:現在のユーザーID(DJX を管理するユーザーID)
・署名する設計要素:全ての設計要素
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3.6.ステータス・バーに「4 データベースを処理しました。0 エラー」と表示されたこと
を確認します。
4.更新されたテンプレート(前ページ参照)で、以下のデータベースの設計を置換しま
す。注意点は下記の通りです。
・エージェントの設定が無効になるのを防ぐため設計の引継は行わないようにしま
す。
・設計置換後の DJX 管理ツールは Notes/Domino 6 の新機能を使用している為 Notes 6
でアクセスしないとエラーが発生します。
・R5 で DJX ドミノ・ディレクトリーを利用していた場合でも、Domino 6 サーバーの
初回起動時に DJX 非対応のドミノ・ディレクトリーに置換される為、再度 6 の DJX
ドミノ・ディレクトリー・テンプレートで置換する必要があります。
・R5.0 で DJX を導入した際、ドミノ・ディレクトリーの設計を djxdd.ntf によって
置換せずに、標準のテンプレート pubnames.ntf に djxdd.ntf からビューのコピー
を行った場合は、同様に "($DJX" から始まるすべてのビューを新しい djxdd.ntf
から pubnames.ntf にコピーします。
5.djxmai60.ntf で、ユーザーのメール・ファイルの設計を置換します。これにより、Web
メールでも日本語名による宛先選択(よみがな順・部署順)ができるようになります。
ユーザー自身に設計置換を行うよう指示する他、サーバーのコンソール画面から下記
のコマンドを入力することで管理者が一括して全てのユーザーのメール・テンプレー
トの設計置換を行う事もできます。
tell router quit
load convert mail¥*.nsf DJXMail djxmai60.ntf
load router
tell router quit
→設計置換中にメールの送受信を行わないよう、メール・ルーターを停止します。
load convert mail¥*.nsf DJXMail djxmai60.ntf
→Domino データ・ディレクトリーの mail フォルダーの中にあるファイルのうち、
“DJXMail”という名前のテンプレートを使用しているデータベースの設計を DJX メ
ール・テンプレート( djxmai60.ntf)に置き換えます(環境に合わせ適宜読み替えてく
ださい)
。
load router
23
→設計置換終了後、停止させていたメール・ルーターを再開させます。
6.DJX 管理ツールのユーザー設定文書を開き、以下の項目を設定します。
<R5.0.1 から追加された項目(既に 5.0.1 以降のリリースを利用している場合は、再
設定する必要はありません)>
・ユーザーID ファイルを保存するディレクトリー(サーバー)
・ユーザーID の認証の有効期間
<Notes/Domino 6 から追加された項目>
・メール・データベースのテンプレート・ファイル名の項目を djxmai60.ntf に置き
換えます。
・Notes/Domino 6 の新機能であるポリシー・ベースの管理機能を DJX 管理ツール
上で使用する場合、あらかじめドミノ・ディレクトリーにポリシー文書、ポリシ
ー設定文書を作成してから DJX 管理ツールで下記の設定を行います。
・組織的ポリシー機能を有効にするにはポリシーの設定の後、認証者名の[参照...]を
クリックし認証者名を再選択します。
・ポリシー・サーバーの項目を設定します。
(デフォルトでは基本設定のサーバー名
が引き継がれます)
・明示的ポリシーについては、個別のユーザー登録時に指定します。
7.Web メールでの日本語名による宛先選択(よみがな順・部署順)ができるようにサー
バーを設定します(R5.0.1 以降のリリースを利用しており、既に設定されている場合、
また Web メールを利用しない場合は設定は不要です)
。
「日本語環境設定ガイド」の「DJX Web メールのための設定」を参照して設定を行っ
て下さい。
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日本アイ・ビー・エム株式会社
ソフトウェア事業部
ロータス技術部
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