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ミャンマー投資ガイド www.pwc.com/jp
www.pwc.com/jp
ミャンマー投資ガイド
目次
はじめに
1.
2.
3.
4.
5.
ミャンマーにおけるビジネス
4
1-1.
1-2.
1-3.
1-4.
5
7
7
9
法人形態
外資規制
投資優遇措置
投資保証及び保護
ミャンマーにおける税制
10
2-1.
2-2.
2-3.
11
14
16
法人税
個人所得税
商業税
その他の税金
18
3-1.
3-2.
3-3.
3-4.
19
19
19
19
固定資産税
印紙税
関税
物品税
人事·雇用法
20
4-1.
4-3.
21
21
外国人の雇用
労働法
その他の考慮事項
23
5-1.
5-2.
5-3.
5-4.
5-5.
24
24
25
25
25
商業登記と許認可制度
外国為替管理に関する規定
外国人による土地や不動産の保有
仲裁法
経済・貿易協定
PwC Japanのご紹介
PwC
27
2
はじめに
近年のミャンマーにおける急激な経済、政治、社会的変革を無視することはできま
せん。ミャンマーは急速に変化しており、欧米の経済組織からミャンマーへの外国投資
の制限は緩和されつつあります。同時に重要なことは、ミャンマーは国家管理経済から
自由経済に移行しつつあるという点です。
これらの発展はミャンマーへの投資を模索している企業に多大なビジネス機会をもた
らしますが、多くの課題もあります。このミャンマー投資ガイドはミャンマーでビジネスを
営むための実務的なガイダンスや留意事項にとどまらず、様々な情報を包括的に提供
する目的で作成されています。又、投資ガイドではミャンマーへの国際制裁に関する
近年の進展及び成長見通しを含むミャンマー経済及び投資環境の詳細にふれて
います。
ミャンマーの経済、政治面における魅力的な進展は全世界から楽観的に考えられる
かもしれませんが、実務上の考慮しなければならないことも多くあります。PwCでは
外国為替、土地等の不動産の所有権及び銀行システムだけでなく、税制、人事及び
雇用に関する様々な情報提供を行っています。
この投資ガイドが皆様のミャンマーにおける事業の成功の一助となることを願っており
ます。
PwC Japan
お問い合わせ
PwC Japan
PwC Singapore
プライスウォーターハウスクーパース株式会社
服部基之、パートナー
内田士郎、パートナ―
電話: +63 623 63658
あらた監査法人
E-Mail: [email protected]
齊藤剛、パートナー
電話: 03-3546-8540
E-Mail: [email protected]
PwC Japanは、あらた監査法人、プライスウォーターハウスクーパース株式会社、税理士法人プライスウォーターハウスクーパース、およびそれらの
関連会社の総称です。各法人はPwCグローバルネットワークの日本におけるメンバーファーム、またはその指定子会社であり、それぞれ独立した別
法人として業務を行っています。
この投資ガイドは日本企業のご要望にお応えするために、PwCシンガポールにより作成された『Myanmar Business Guide/August 2012』の一部を日
本語訳したものです。従って、英語版の『 Myanmar Business Guide/August 2012』をご参照の上、ご利用下さいますようお願い申し上げます。
オリジナルはこちらからダウンロードすることができます。www.pwc.com/sg/en/assets/document/myanmar_business_guide.pdf
尚、この投資ガイドには2012年11月2日に成立した新外国投資法の内容は反映されておりません。新外国投資法に関連する項目は新外国投資法の
改正点や今後制定される施行細則をご確認いただきますようお願い申し上げます。又、投資ガイドの記載情報は一般参考情報であり、各情報につき
総合的な分析はされておりません。個別事情につき何らかの判断をされる場合は、専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。
PwC
1. ミャンマーにおけるビジネス
1-1.
1-2.
1-3.
1-4.
PwC
法人形態
外資規制
投資優遇措置
投資保証及び保護
4
1. ミャンマーにおけるビジネス
1-1. 法人形態
外国投資法に基づき外国企業により採用が
可能な主要な法人形態は以下の通りです:
• 有限責任会社(閉鎖型または公開型)
• 支店及び駐在員事務所
• 個人事業主
• パートナーシップ又はジョイントベンチャー
• 国営企業(State-Owned Economic
enterprise: SEE)
など
尚、外国企業は国営企業と共同生産契約
(PSA)を締結することにより石油及び天然ガス
の探査、採取及び販売などの事業を行うことが
できます。
(1)
有限責任会社
政府の規定する特定の業種を除き、外国企
業による100%出資の有限責任会社の設立が
可能です。例外的に政府との合弁会社設立せ
ずに規制業種への参入が認められる場合もあり
ます。
ミャンマーには閉鎖型有限責任会社と公開型
有限責任会社という2種類の有限責任会社の形
態があります。現在、外国企業のミャンマー子会
社で株式を公開している会社はありません。閉
鎖型有限責任会社は少なくとも2名の株主が要
請され、株主の上限は50名と制限されています。
外国人への出資権の譲渡は制限されています。
公開型有限責任会社は少なくとも7名の株主が
必要とされています。
法人の登記
外国企業は会社法(Myanmar Companies
Act:CA)または外国投資法(the Union of
Myanmar Foreign Investment Law: MFIL)のい
ずれかに基づき会社を登記します。CAとMFIL
に基づく会社登記の違いは
PwC
以下の通りです:
• MFILに基づき、登録された会社は税務上
の優遇措置を受けることができますが、CA
に基づいて登記された会社には当該優遇
措置の適用がなされません。
• CA及びMFILに基づいて登記されたいず
れの会社も製造業及びサービス業を行う
ことができます。但し、要請される最低資
本金額が以下の通り異なります:
MFIL:
製造業の場合、50万USドル、
サービス業の場合は30万USドル
CA:
製造業の場合、15万USドル、
サービス業の場合は5万USドル
MFILに基づく法人の登記手続き概要は以下
通りです:
a. 投資委員会(Myanmar Investment
Commission:MIC)からの投資認可の
取得
b. 投資企業管理局(the Directorate of
Investment and Company
Administration:DICA)に対する営業
許可の申請。
c. 企業登記室(the Companies
Registration Office:CRO)に対する法
人登記申請
CAに基づく会社の登記の場合にはMICから
の許認可の取得は要請されず、DICAに対する
営業許可の申請及びCROに対する登記申請の
みが要請されます。
会社機関
少なくとも2名の出資者と2名の取締役が要請
されます。出資者は個人である必要はなく、また
取締役はミャンマーの居住者である必要はあり
ません。
5
1. ミャンマーにおけるビジネス
最低資本金額
(3)
最低資本金額は業種によって異なり、下表の
通りとなります。
(2)
駐在員事務所
ミャンマーにおける商取引や投資案件を有す
る外国企業は、ミャンマーに駐在員事務所を開
設することがあります(銀行業では駐在員事務
所形態がよく採用されています)。支店とは対
照的に、外国企業の駐在員事務所は事業活動
及び営利活動を行うことは認められていません
が、本社との連絡業務及び本社のための情報
収集活動など補助的、準備的な活動を行うこと
は認められています。
支店
外国企業はミャンマーに支店を開設ができま
す。CAに基づいて設立される支店はMICから
許認可の取得は要請されず、営業許可及び登
記の申請が必要となります。支店では製造業ま
たはサービス業を行うことが認められています
(例:石油会社のほとんどは支店形態を採用し
ています)。
(4)
合弁会社(ジョイントベンチャー)
外国企業はミャンマーのパートナー(個人、
民間会社、協同組織又は国営企業)と、パート
ナーシップまたは合弁会社を設立することがで
きます。全ての合弁会社の外国法人の出資比
率の下限は35%となっています。
一方、MFILに基づいて開設される支店は営
業許可及び登記に加え、MICからの許認可の
取得が要請されます。
支店登記の手数料は2,500USドルとなってい
ます。
会社の種類
最低資本金額
最低資本金額
製造業
50万USドル
サービス業
30万USドル
製造業
15万USドル
外国投資法に基づいて登記される会社
会社法に基づいて登記される会社
サービス業
5万USドル
※会社登記手数料は2,500USドルとなっています。
PwC
6
1. ミャンマーにおけるビジネス
1-2.外資規制
ミャンマーにおける外国投資は外国投資法
(the Foreign Investment Law: FIL)に規定され
ています。本年度にFILの改正が予定されてお
り、改正草案は本年度中に議会の承認を得る
予定です。MICは外資参入が可能な業種リスト
を公表しており、国営企業法(the State-owned
Economic Enterprises Law: SEE)によって規定
される国営企業のみが参入できる一部の戦略
産業を除いたほとんどの産業を網羅しています。
国営企業法により民間参入が禁止されている
分野
国営企業法は以下の12の分野について民間
参入を制限しています。
1. チーク材の伐採とその販売・輸出
2. 森林の植林及び管理(家庭消費用薪材
を除く)
会社であるかどうかにかかわらず、規制分野へ
の参入が認められる場合もあります。
外資参入が認められている分野
MICの通達(No. 1/89 of 30 May 1989)によ
れば、外国企業は以下のとおり9つの分野に参
入することができます(上記の国営企業法で規
定されている12の業種は除きます。)
1. 農業及び潅漑
2. 家畜及び漁業
3. 林業
4. 鉱業
5. 電力
6. 石油及びガス
4. 真珠、ひすい及び宝石の採掘・輸出
7. 食料品、織物、人的財貨、家庭用品、革
製品及び類似品、輸送機器、建築材、
パルプ及び紙、化学製品及び薬、鉄及
び鋼材、機械設備関連の産業
5. 政府指定の漁場での魚・エビの養殖
8. 建設業
6. 郵便・通信事業
9. 運輸及び通信
3. 石油及び天然ガスの採掘・販売
7. 航空・鉄道事業
8. 銀行・保険事業
9. テレビ放送事業
10. 金属の探鉱・採掘及び輸出
11. 発電事業(法律で許可されているものを
除く)
12. 治安、国防上必要な製品の製造
個別案件ベースで、例外的に政府との合弁
PwC
上記以外の投資業種はMICが個別に判断す
ることになります。
1-3. 投資優遇措置
MFILに基づく投資優遇措置
MICからの投資許可を取得しMFILに基づき
登記された会社は以下の様な優遇税制度を
MICの裁量により受けることができます。
• 製造又はサービス開始から3年間の法人
税の免除(会社の業績により、MICの判断
で免除期間を延長できる可能性あり)
7
1. ミャンマーにおけるビジネス
• 留保利益を1年以内に再投資に充当する
場合の当該留保利益に対する課税の減
免措置
みに適用されます(南部のタニダーリ地方にあ
るダウェイ経済特区で、ミャンマーにおいて最初
の経済特区)。
• 機械設備、建物、その他の資産について
MICが定める率による加速減価償却の採
用
ミャンマー経済特区法及びダウェイ経済特区
法の下、外国投資を扱う主な管理機関は2011
年4月に大統領府によって組織されたミャン
マー経済特区に関連する中央委員会となります。
下部管理組織は同じように2011年4月に大統領
府によって組織された中央実行委員会及びダ
ウェイ経済特区暫定支援中央実行委員会となり
ます。
• 商品の輸出から生じる利益に対する課税
の最大50%までの減免措置
• 外国人従業員の個人所得税を会社が負
担する場合、当該負担額の法人課税所得
からの控除
• 外国人従業員に対しミャンマー国民と同
様の所得税率の適用すること
• ミャンマー国内での事業遂行のために必
要となる研究開発費の法人課税所得から
の控除
• 損失が発生した時点から連続3年間を限
度とする税務上の欠損金の繰越
• 工場等の建設期間中に用いられる輸入機
械及び設備等にかかる関税及びその他
諸税の減免措置
• 工場等の完成後3年間の間に輸入される
原材料にかかる関税及びその他諸税の
減免措置
経済特区
MFILに基づく外国投資に加えて、外国投資家
はミャンマー経済特区法(Special Economic
Zone Law of 2011)とダウェイ経済特区法(the
Dawei Special Economic Zone Law of 2011)に
基づいて投資することができます。
ミャンマー経済特区法はミャンマー国内におけ
るすべての経済特区に対する基本的な法律で、
一方、ダウェイ経済特区法はある特定の地域の
PwC
ミャンマー経済特区法とダウェイ経済特区法
は開発者及び投資家、免税及び減税、規制、
開発者または投資家の義務、土地利用、銀行
及び資産運用及び保険業務、税関による商品
の管理及び検査、検疫、労働に関する規定が
含まれています。
一般的にダウェイ経済特区における投資案件
は中央委員会による承認が必要となります。税
務上の優遇措置はダウェイ経済特区法の下、
投資家からの申請により付与されます。
ミャンマー経済特区法に規定される優遇措置
は以下の通りです:
•
最初の5年間の課税免税
• 次の5年間にについては、輸出から生じる
収益に対する法人税の50%の減税
• 輸出から生じる収益を再投資する場合、5
年間の当該投利益に対する法人税の50%
の減税
• 特定の製品(機械、車両など)に対する5
年間の関税の免税。当該関税の免税措
置後の5年間は50%の免税措置
ダウェイ経済特区法では30年間(または60年)
の土地利用のためのリース期間が認められ、以
下の通り更新が可能:
8
1. ミャンマーにおけるビジネス
• 大規模な事業会社に対してリース契約の
30年間の延長(さらに15年間延長が可能)
• 中規模な事業会社に対してリース契約の
30年間の延長(さらに15年間の延長が可
能)
投資保護協定
ミャンマーは中国、インド、クウェート、ラオス、
フィリピン、タイ及びべトナムと投資保護協定を
締結しています。
• 小規模な事業会社に対してリース契約の
5年間の延長(さらに5年間の延長が可
能)
リース期間の延長は投資金額及び業績に基
づき付与されます。
ダウェイ経済特区法及び既存のミャンマーの
法令に準拠した政府及び中央委員会承認によ
り、開発者または投資家はダウェイ経済特区内
で付与されているリース期間内で、土地及び建
物を投資目的で、賃貸、担保、または売却する
ことができます。
ミャンマー経済特区法及びダウェイ経済特区
法にはその規則及び手続きはまだ規定されて
おらず、そのような規則及び手続きが規定され
ることが期待されている。
1-4.投資保証及び保護
投資保証及び保護
MFILはMIC許可を得ている会社が事業認可
期間または認可延長期間に国有化されないこと
を明確に保証しています。MFILには事業認可
期間終了時に関する規定も含まれています。外
国通貨で行われた投資に対して、投資家が投
資及び利益を送金できることを保証しています。
ダウェイ経済特区における投資案件はダウェ
イ経済特区法に基づき、国有化されないことが
保証されています。ダウェイ経済特区法では、
外国投資家はダウェイ経済特区内及び海外で
の外貨の両替及び送金を認めています。
PwC
9
2. ミャンマーにおける税制
2-1.
2-2.
2-3.
PwC
法人税
個人所得税
商業税
10
2. ミャンマーにおける税制
2-1. 法人税
納税義務者の区分
居住者は全世界所得が課税対象となり、ミャ
ンマー国外源泉所得も課税対象となります。
1913年の会社法及びその他のミャンマーの法
律に基づいて設立された会社は居住者とみな
されます。MFILに基づいて設立された会社は
居住者として扱われますが、国外源泉所得は
課税対象となりません。
非居住者はミャンマー国内源泉所得のみが
課税対象となります。1913年の会社法及びその
他のミャンマーの法律に基づいて設立されてい
ない会社、外国企業の支店は原則として非居
住者とみなされます。ミャンマー国内の固定資
産に帰属する源泉所得やあらゆるミャンマー源
泉所得が課税対象となります。異なる税率が適
用されるものを除いて、一般的に居住者に対す
る通常の規則に基づいて課税されます。
新設会社及びMFILに基づいて設立された会
社は優遇税制度を受けることができます。
パートナーシップは会社として課税され、各
パートナーに分配された個人の利益には課税
されません。
税率
法人税率は納税者の種類及び所得の種類
により異なります。
表5 法人税率
納税者または所得の種類
税率
会社法に基づき設立されたミャンマー国内の会社
• 商業/事業所得
25%
• 動産及び不動産の賃貸収入
25%
MFILに基づく事業会社
25%
特別許可の下、政府事業、国営企業、またはその他の仕事に従事する外国組織
25%
外国企業の支店のような非居住者とみなされる外国組織
35%
キャピタルゲイン
(株式譲渡益の40%から50%の税率が適用される石油及びガス会社を除く)
• 居住者
10%
• 非居者
40%
PwC
11
2. ミャンマーにおける税制
税制一般
事業年度
税務上の事業年度は会計年度と同様であり、
4月1日から3月31日となります。当該期間に獲
得された所得に対して、当該年度の翌年に税
額を算定します。
申告
原則として、法人税の申告書を課税年度末か
ら3か月以内、つまり6月末までに提出しなけれ
ばなりません。キャピタルゲインに関する申告書
は資産の譲渡日から1か月以内に提出しなけ
ればなりません。譲渡日は譲渡契約締結日ま
たは当該資産の引き渡し日か、いずれか早い
日となります。
会社を清算した場合、申告書は会社清算日
から1か月以内に提出しなければなりません。
課税所得があるにも関わらず、所得税の申告
書を提出しなかった納税者は、不正行為とみな
されます。
納税
年間の見積り所得に基づいて、月々または四
半期毎に前払いができます。前払いされた税
額と源泉税は年次申告時に控除ができます。
最終的な税額の納付期限は税務当局(Inland
Revenue Dept:IRD)からの賦課決定通知書に
明記されます。
時効
追徴課税の時効は事業年度末から3年となり
ます。不正行為の場合には、時効は適用されま
せん。仮申告及び納付だけでは申告が完了し
たことにはなりません。
課税基準
課税所得は、役務、事業、不動産、キャピタ
ルゲイン、その他の源泉からの所得に分類され、
PwC
キャピタルゲインは別途課税されます。動産か
らの所得は事業所得として扱われ、利子所得
は事業に関するものでなくても事業所得として
課税されます。課税所得は損金算入が認めら
れる費用や減価償却費を控除することにより算
定されます。
政府承認により、財務省は書面によりチャット
(ミャンマー通貨)及び外貨での所得に対する
税率及び課税所得を規定・変更することができ
ます。
損金の計上基準
事業所得についは、収益獲得活動との因果
関係が認められる費用及び減価償却費はを損
金計上することができます。動産からの所得は
事業所得とみなされ、減価償却費を損金計上
することができます。不動産からの所得は一般
的に事業所得と同様の算定方法となりますが、
減価償却費は損金計上の対象外となります。
損金不算入項目は資本的支出、個人的な費
用、事業規模にふさわしくない費用、会社及び
協同組合というより人的関係に対する支出、及
び不適切な費用等となります。
キャピタルゲイン
資産の売却、交換及び譲渡から発生する譲
渡所得に対して課税され、売却価額から取得
原価(減価償却費控除後)及びその他の費用
を控除して算定されます。
法人税法上、固定資産とは、土地、建物、車
両、及びその他の資産であり、株式、債券、及
び類似した証券を含みます。無形固定資産が
固定資産の定義に該当する場合、当該資産か
ら発生するキャピタルゲインも課税対象となりま
す。
石油及びガス分野での固定資産の売却、交
換及び譲渡から発生するキャピタルゲインは異
なる税率にて課税されます。
12
2. ミャンマーにおける税制
源泉税
別表の項目の支払い時に源泉徴収義務が発
生します。源泉徴収後、7日以内に税務当局に
源泉税を納付しなければなりません。
居住者または
外国人(%)*1
表6:源泉税率
利子
非居住者または
外国人(%)*3
0
15
ライセンス、商標、特許権等の使用に対するロイヤルティー
15
20
国営企業、地方当局、協同組合、提携企業、調達及び
サービス提供に関する法律に基づいて設立された会社との
契約書、覚書及びその他約定に基づく支払い
2
3.5
国内におけるサービス及び調達に対する支払い
2
3.5
租税条約
税法では、政府が所得税に係る契約を他国
若しくは国際機関と締結する場合や、その契約
が通知される場合に、税法に規定される内容に
かかわらず、当該契約が適用されると規定して
います。
す(タイとの租税条約は、まだ発効されていませ
ん)。このように、租税条約の適用はIRDの裁量
により行われています。
欠損金
通常の損失
租税条約は、バングラデシュ、インド、インド
ネシア、マレーシア、シンガポール、韓国、タイ、
英国、ベトナム、ラオス、バングラデシュとの間
で締結されましたが、英国との条約のみがミャ
ンマー官報による公表が行われています。イン
ド、韓国、マレーシア、シンガポール、タイ、英
国、ベトナムとの条約は、IRDウェブサイト上で
公表されています。
通常の欠損金は、その年に他の源泉所得と
相殺することができますが、その損失が資産的
資産から生じている場合や、人的組織からの欠
損金については除きます。当該事業年度にお
いて控除できない欠損金については、3年間の
繰り越しが認められます。
通常、税務当局(the Company Circle Tax
Office:CCTO)はインド、韓国、マレーシア、シン
ガポール、英国、ベトナムからの非居住者企業
への支払いから源泉税を控除する前に、
CCTOに問い合わせを行うことを提案していま
資本損失と人的組織からの損失については、
他の源泉所得と相殺、または繰り越すことは認
められません。
*1:
*2:
*3:
PwC
資本的損失
居住者について、上記のような源泉税は年次申告において、税額から控除できます。
配当、支店の利益及び人的関係における分配利益は非課税のため、源泉税は控除できません。
非居住者について、非居住者に対して支払われる上記の源泉税が最終の税額となります(財務省からの通達No. 41/2010 of 10 March 2010)
13
2. ミャンマーにおける税制
租税回避防止規定
概要
税法では意図な租税回避とみなされる場合、
税額の賦課決定や更正はいつでも行うことがで
きます。納税者の申告ミスや、IRDの通告に従
わないこと、納税申告書や損益勘定を含む勘
定及び書類を提出期限までに提出しないこと、
偽造された文書、書類を提出することなどは、
不正目的があるものとみなされます。
税務当局が捜査の過程において、納税者が
所得または所得に関連する事項を隠蔽してい
ることが発覚した場合、納税者は特定の期間に
おいて事実を完全に開示することが認められま
す。また、納税者は追徴課税額の50%に相当す
る罰科金を支払わなくてはなりません。納税者
が指定された期間内に事項を開示していない
か、または所得を過小に開示する場合、納税者
は、追徴課税と罰科金の支払いに加え、行政
罰の対象となり、納税者は3から10年の間の禁
固刑に罰せられることがあります。
2-2. 個人所得税
納税義務者の区分
ミャンマー国籍を有する居住者は、全世界所
得に対して課税されます。ミャンマーに居住す
る外国人は、ミャンマー源泉所得に対して課税
されます。所得年度中183日以上ミャンマーに
滞在する外国人は、居住者とみなされます。
MFILに基づいて設立された法人で働く外国人
駐在員は、ミャンマーにおける滞在期間に関係
なく外国人居住者とみなされますが、ミャンマー
国外で発生する所得には課税されません。外
国人非居住者は、ミャンマー内の源泉から生ず
る所得に対してのみ課税されます。所得年度中
に183日間以下の期間ミャンマーに常駐する外
国人は非居住外国人と見なされますが、ミャン
マーにおける個人的な国外所得については課
税されません。
税率
個人の税率は、納税者や所得の種類に応じ
て異なります。
移転価格税制
現在、ミャンマーには現在、移転価格税制は
ありません。
過少資本税制
現在、ミャンマーには過少資本税制はありま
せん。
タックスヘイブン税制(CFCルール)
現在、ミャンマーにはタックスヘイブン税制は
ありません。
PwC
14
2. ミャンマーにおける税制
個人所得税率
納税者の区分/所得の種類
税率
給与
特別許可の下、国策プロジェクト、国営企業に従事す
る外国人がチャット払いの報酬
20%
累進課税(1% ~20%)
MFILに基づいて設立された法人で働く外国人
MFILに基づいて設立された法人以外で働く外国人
35%
• 居住外国人
累進課税(1% ~20%)
• 非居住外国人
その他の収益
2% ~30%
居住者
2% ~30%
外国人居住者
35%
キャピタルゲイン
• 居住者
10%
• 非居住者
40%
課税所得
給与所得
給与所得の定義は広く、給料、賃金、年金
(annuity)、年金(pension)、現物給付、謝礼、及
び手数料、コミッション、あるいは給料や賃金に
加えて、受け取った手当などが含まれます。外
国人居住者は、毎月の給与から所得税が源泉
徴収されます。給与所得に関連する費用控除
はありません。
非給与所得
課税対象となる非給与所得は以下の通り:
• 事業所得(不動産、印税、金利などからの
収入)
• 専門的職業からの収入。"専門的職業は
サービス提供を行い"報酬を得ることので
きることとされる(医師、看護師、弁護士、
PwC
エンジニア、建築家、映画スター、演劇の
芸術家、作家、画家、彫刻家、会計士、
監査人、教師など)
• 資産売却などから発生するキャピタルゲイ
ン
• その他の投資収入(所得税を免除されて
いる会社からの受取配当金を除く)。
非雇用所得が120万チャット以上とならない場
合(キャピタルゲインを除く)は、課税されません。
キャピタルゲインは、売却額が5百万チャット以
上でない場合、課税されません。
社会保障制度
1954年に施行された社会保障法では5人以上
の従業員が帰属する組織については、一般的
な医療保険や雇用保険のなどの社会保障制度
の導入が要請されている。
15
2. ミャンマーにおける税制
従業員と従業員による拠出金の率は、それ
ぞれ給与総額の1.5%、2.5%となっています。
拠出金は、従業員に支払われている通貨に
応じて、チャットまたはUSドルで支払われること
が要請されています。
拠出金は、従業員の税務上の控除対象とな
りません。雇用者は、従業員の給与から拠出金
の源泉徴収が義務付けられています。
税制一般
所得年度
所得年度は4月1日から3月31日となります。
当該年度中に獲得した所得は所得年度の翌年
に税額の賦課決定がなされます。
税務申告
申告は、所得年度終了の日から3か月以内
に提出しなければなりません。すなわち所得年
度の翌6月30日が期限となります。キャピタルゲ
インに関する申告書は、資産の処分日から1か
月以内に提出しなければなりません。納税者が
自分の事業を廃止した場合は、申告書は事業
の廃止の日から1か月以内に提出しなければ
なりません。
納税
前払いは、見積もられた年間の総所得に基
づいて、毎月または四半期のいずれかにより、
行います。前払いされた金額は、最終的な税額
から控除されます。最終的な税額の支払い期
日は、IRDから発行される賦課決定通知書に指
定されます。
雇用主は、従業員への給与の支払い時に
所得税の源泉徴収が要請され、源泉徴収日か
ら7日以内に納税を行わなければなりません。
PwC
雇用者が源泉徴収を怠った場合、支払いにつ
いての一切の責任を負い、滞納者であるとみな
されます。また、雇用主は、所得年度終了後3
か月以内に気従業員の年収の情報を提出する
ことが要請され、期日までに提出がなされない
場合、当該年収の税額の10%の罰科金が課さ
れる可能性があります。
2-3. 商業税
ミャンマーにおいて、付加価値税は存在しま
せん。商業税は、物品やサービスの売上につ
いて課税されます。商業税は、特定の取引に
付加的な税であるものの、それは付加価値税
の概念に拡張されていません。商業税は税法
に記載されている取引に対して適用されます。
商業税は国内の商品及びサービスの売上に
対して、広い範囲で課税されます。また運賃保
険料込み条件(CIF)価額の合計、ポート財の
CIF価額の5%の率で計算した、および関税で
上陸コストに基づいて、輸入品に課税されてい
ます。これらの税の徴収は、入国地点と認可の
時に行われます。
商業税は、商業税法の追加スケジュールに
説明がなされているように、財やサービスの性
質に応じており、その範囲は0%から100%であ
る。
取引、輸送、エンターテインメント、保険、印
刷といったサービスについては、総収入の5%
で商業税の対象となります。
売上高又は事業年度のサービスからの領収
書の金額が1,000万チャットを超えない場合は、
商業税は課されません。
商業税は、5つの天然資源品目である、天然
ガス、原油、ヒスイ、宝石の石や木を除いて、商
品のすべての輸出について免除されています。
16
2. ミャンマーにおける税制
営業費用及び収集し、出力税として知られ
ている商業税は税務当局に支払わなければな
らない。
ビジネスの購入や経費負担の商業税は商業
税法のスケジュール6などの特殊商品の18項目
以外の仕入税額として知られている。条件が満
たされた場合に、商業税が登録されたビジネス
について、仕入税額を請求することができます。
PwC
17
3. その他の税金
3-1.
3-2.
3-3.
3-4.
PwC
固定資産税
印紙税
関税
物品税
18
3.その他の税金
3-1. 固定資産税
外国人は、ミャンマーにおいて不動産の所有
を禁止されており、これについて固定資産税は
対象とはなりません。
ヤンゴン開発エリア内に位置する不動産は
(土地及び建物)次のように固定資産税の対象
となります。
• 一般的な税は、年間評価額の20%を超え
ない。
• 照明税は、年間評価額の5%を超えない
• 水税は、年間評価額の12%を超えない
• 水利税は、年間評価額の15%を超えない。
年間評価額は、土地や建物に家具等がない
と仮定した場合の年間の総賃料を意味します。
これはまたヤンゴン市開発委員会がその時々
において、課税される資産の価値から決定した
割合を含みます。
•
不動産の売却または譲渡のような移動に
係る対価の金額または価値の5%
• 不動産がヤンゴン開発エリアに位置する
場合は、2%が追加されます。
• 株式の譲渡のための株式価値の0.3%
• 社債取得に係る金額または価値の2%
• 相続財産について承認した財産の金額
または価値の2%
3-3. 関税
関税は、2007年のミャンマーの関税率(the
Customs Tariff of Myanmar)に基づき、0%から
40%の範囲ので課税されます。
3-4. 物品税
物品税は、アルコール飲料に課税されます。
税は内務省(the Ministry of Home Affairs)の総
務部(the General Administration Department)
によって徴収されます。
3-2. 印紙税
印紙税は、印紙法1891(the Myanmar Stamp
Act 1891)の下で課税され、レートは法の別表1
に記載されています。レートは以下の通りです:
PwC
19
4. 人事·雇用法
4-1.
4-2.
PwC
外国人の雇用
労働法
20
4.人事·雇用法
4-1. 外国人の雇用
4-2. 労働法
外国人雇用者の数に制限はありません。しか
し、外国人はCAにより形成された企業および、
ミャンマーの市民が所有する企業の取締役とし
て選任することができません。加えて、ミャン
マーの市民が所有する企業が、専門家、技術
者、管理職、一般管理職または管理エージェン
トなどについて、外国人を雇用する場合は、
MICによって承認されなければなりません。
MICの許可の下で形成された組織が職員を選
任する場合、選任権は市民に与えられなくては
なりません。しかし、MICはケースバイケースで、
海外からの専門家や技術者の選任の要求を考
慮することができます。
ミャンマーにおける、既存の労働法は次のと
おりです。
許可下に基づく管制組織は、現地担当者
が自身の仕事に精通して、より高いランクの
サービスのランクに昇格できるように、現地及び
外国の訓練のための措置を講じなければなら
ない。
労働組合法(2011)
(Labour Union Law)
労働許可証の取得手続きとその要件
総務省の許可の下に形成された企業による
外国人専門家や技術者の雇用は、認められて
ています。
外国人専門家や技術者を採用するためには、
以下の手順を完了させる必要があります:
• 投資家は、MICに提出する投資申請書に
おいて、雇用される外国人専門家/技術
者の数に言及しなくてはなりません。
• MICの許可を取得した後、会社は選任及
び滞在許可の申請をする必要があります。
• MICの承認と共に、会社は労働許可を労
働省(the Ministry of Labour)の労働局長
に、滞在許可とビザを移民人口省(the
Ministry of Immigration and Population)の
国家登録局に申請する必要があります
PwC
雇用訓練法(1950年)
(Employment and Training Act)
雇用規制法(1959年)
(Employment Restriction Act)
雇用統計法(1948年)
(Employment Statistics Act)
工場法(1951)
(Factories Act)
休暇と祝日に関する法律(1951年)
(Leave and Holidays Act)
最低賃金法(1949年)
(Minimum Wages Act)
油田労働福祉法(1951年)
(Oilfields Labour and Welfare Act)
賃金支払法(1936年)
(Payment of Wages Act)
社会保障法(1954年)
(Social Security Act)
店舗事業所法(1951年)
(Shops and Establishments Act)
貿易紛争法(1929年)
(Trade Disputes Act)
労災法(1923年)
(Workmen’s Compensation Act)
21
4.人事·雇用法
これらの法律は、労働関係の問題を管理し、
労働時間、休日、不在、女性と児童労働、賃金、
残業、退職金、労災、社会福祉、就業規則及
びその他の事項などをカバーしており、最低賃
金も規定されています。社会保障法に基づき、
雇用者、従業員、政府の拠出金のための基金
が設立されています。ミャンマー経済特区法と
ダウェイ経済特区法は、外国人従業員、労働許
可証、市民でなければならない従業員の割合
について規定しています。ミャンマーは1948年
以来、国際労働機関(ILO)のメンバーとなって
います。
PwC
22
5. その他の考慮事項
5-1.
5-2.
5-3.
5-4.
5-5.
PwC
商業登記と許認可制度
外国為替管理に関する規定
外国人による土地や不動産の保有
仲裁法
経済・貿易協定
23
5. その他の考慮事項
5-1. 商業登記と許認可制度
輸出/輸入事業
2001年後半に出された指針によると、輸出/
輸入活動は、MICの許可のあるMFILに基づき
登記された会社によって行うことができ、CAの
下で登記された外国企業は行うことができませ
ん。
輸出/輸入取引に関わるビジネスを行う投資
家は、最初に輸出/輸入者として登録し、商務
省(the Ministry of Commerce)の貿易総局長
(the Directorate of Trade)から輸出業者/輸入
業者登録証明書を取得する必要があります。
証明書を受け取った後、輸出/輸入業者登録
は、すべての輸出/輸入のために、別々に輸出
/輸入のライセンスを申請する必要があります。
企業の代表者
商務省1989年10月13日番号2/89(企業代表
の登記)は、企業代表者の要件を詳述していま
す。
企業の代表者は、「注文書を受け入れ、コ
ミッションベースで海外のサプライヤーに対して
注文書を発行する者であり、個人または海外の
組織とビジネスの取引を実行するために会社の
代表者は雇用されており、第三者との取引の中
で他人を代表する」と定義されている。(注文の
パラグラフ1(a)参照)。
政令の下で登録されていない人は、ミャン
マーでの企業代表者として事業を行うことはで
きません(パラグラフ2)。政令はさらに手数料や
給与がエージェントに支払われるミャンマーで
の販売やマーケティング活動を行える者は、商
務省にエージェントとして登録されたミャンマー
の市民/企業に限定しています。
成されたすべての利益のためにミャンマーで銀
行口座を開設することが必要であり、適切な関
係書類、請求書、メモを用いて、真実かつ公正
な会計記録を行う必要があります。
5-2. 外国為替管理に関する規定
外国為替は、外国為替管理規制法1947
(FERA)によって規制され、ミャンマー中央銀行
法は、FERAを管理するミャンマー中央銀行
(CBM)に権限を与えています。外国為替管理
は、FERAと財政歳入省の指示に従って、CBM
の外国為替管理部門および外国為替管理委
員会(FEMB)によって管理されます。
"外国為替"はFERAにおいて、"外国為替
及びすべての預金、外国におけるクレジット·ア
ンド·バランスまたは外国の通貨で支払いが行
われるもの、ミャンマー通貨で記載されている
任意の書類や文書で外国通貨で支払いが行
われるもの"を含むと定義されています。
CBM法も“外国為替”を“外国紙幣と硬貨、
政府金融機関、中央銀行、財務省、海外商業
銀行の預金、外貨建の有価証券及び外国政府、
外国の金融機関や政府間金融機関によって発
行または保証される文書、資金の国際転送に
使用される文書”を含むものとして定義していま
す。
一般的には、市民、外国人やミャンマーの
企業は、海外から外貨を借りて元本と利息のそ
れらの返済に関連して外国為替を扱う場合や
海外の人間に任意の支払いを行う場合は海外
の銀行に口座を開設して利益を送金する場合
のすべてにおいてFEMBの許可を得なければ
ならない。しかし、規定によりMFILに基づき登
記された会社は、このような投資により得た外貨
への投資や利益を本国に送還することが許可
されています。
すべての企業代表者は、ミャンマーに設立
または登録された事務所を持っている必要があ
ります。さらに、企業を代表することによって生
PwC
24
5. その他の考慮事項
FERAは、CBMの許可なく通貨や外国為替を
エクスポートすることと同様に、ミャンマー外の
居住者に外国通貨を支払うことを禁止していま
す。CBMの事前の承認がある場合を除き、す
べての人は、購入/借入、販売/貸与、任意の
外国為替の転送または交換に関して、正規代
理店と取引をしなくてはなりません。
外国為替取引は、CBMによって認可された
為替レートで行うことのみが許可されています。
FERAの設定や任意のルールに基づく運用
方法により、直接的または間接的に回避または
無効となる、人との契約や合意は、CBMの許可
が得られない限り、この状況での注文などを無
効とする。したがって、外国為替を支払い及び
取引において利用する場合は、すべてFERAの
規定の対象となり、外国為替取引に関連して
FEMBからの許可や承認が必要とされます。
5-3. 外国人による土地や不動産の保有
外国人による土地や不動産の所有は、不動
産制限法(the Transfer of Immovable Property
Restriction Law)1987により禁止されています。
この法律の下、不動産の外国人や外国企業に
よる売却、購入、贈与、抵当、抵当の受け入れ、
交換、譲渡、譲渡の受け入れなどが禁止されて
います。
しかし、2011年9月30の通達(39/2011)による
と、MICからの承認に基づき外国人は政府から
土地の賃借を最長30年行うことができるようにな
りました(2度の15年の延長が可能)。当該プロ
ジェクトが投資家と国家の双方に有益と認めら
れることによりリース契約の延長が可能です。
外国人または外国企業は、土地の賃貸借契
約書またはリースをする権利を有する者と賃借
契約を締結したことを示す文書をMICに申請す
る必要があります。土地の賃貸借契約は、MIC
からの承認を受けた時点で締結され、書類は
MICに送付される必要があります。
PwC
5-4. 仲裁法
ミャンマーには仲裁に関連する法律が2つあ
り、それはミャンマー国内における仲裁法(the
Arbitration Act 1944)と外国の仲裁判断に関連
する仲裁(議定書と条約)法(the Arbitration
(Protocol and Convention) Act)です。商務省に
よるミャンマーの輸出入に関する規定によると、
外国企業との取引に関する争いを持つ企業は
1944年仲裁法に従ってミャンマーにおける仲裁
が要請されています。
5-5. 経済・貿易協定
ミャンマーは、以下の国々と経済・貿易協定
を締結しています:
• 中国、キューバ、クウェート、マレーシア、
シンガポールとの経済協定
• バングラデシュ、中国、インド、イスラエル、
韓国、ラオス、マレーシア、パキスタン、
フィリピン、スリランカ、タイ、ベトナムとの
貿易協定
• トルコとの経済·貿易協定
ミャンマーは1992年に開始されたASEAN自
由貿易地域(the ASEAN Free Trade Area:
AFTA)のメンバーです。AFTAは、ASEAN諸国
における関税障壁を撤廃しようとしており、その
実現の鍵となる制度は関税を2010年または
2015年までに0%〜5%に軽減していく共通実
行特恵関税スキーム(CEPT)です。
ミャンマーはまた、ASEANサービス枠組み協
定(ASEAN Framework Agreement on
Services:AFAS)に調印しています。これらは、
ASEAN地域でのサービス分野における協力を
強化すること、自由化を進めることを目的として
います。加えて、ミャンマーはASEAN投資地域
枠組み協定(the Framework Agreement on the
ASEAN Investment Area:AIA)の当事者にも
なっています。これは、競争力のある投資領域
25
5. その他の考慮事項
としてASEAN地域を確立すること、および、
2020年までに地域において自由かつ透明性の
ある投資環境の整備と投資の自由な流れを促
進することを目指し2010年1月1日に締結されま
した。
その他、ASEAN加盟国として、ミャンマーは
以下の経済・貿易協定の当事者になっていま
す:
ASEAN中国自由貿易協定(the ASEANChina Free Trade Agreement):この協定の下
2010年1月1日にASEAN6のために多くの品目
につきゼロ関税が適用される。2015年までには
残りの加盟国にも適用される見込みです。
包括的経済協力に関するASEAN韓国枠組
み協定(the ASEAN-Korea Framework
Agreement on Comprehensive Economic
Cooperation):この協定の下、90%の品目につ
いて2009年1月1日からゼロ関税が適用されて
います。物品の貿易のための自由貿易地域は
ASEAN6について2012年、その他の加盟国に
PwC
ついて2018年までされる予定です。
包括的経済連携に関する日本ASEAN協定
(the ASEAN-Japan Agreement on
Comprehensive Economic Partnership):この協
定の下、協定発効から10年以内に日本からの
ASEAN-6に輸入される90%の物品にかかる関
税の撤廃されます。その他の加盟国について
は徐々に関税の減免が予定されています。
包括的な経済協定であるASEAN·インド枠組
み協定(ASEAN-India Framework Agreement
on Comprehensive Economic Agreement):この
協定は2012年12月31日までにASEAN加盟国5
か国とインドの自由貿易圏の確立を目指し、
2017年12月31日で残りの加盟国とも協定を締
結する予定です。
ASEANとオーストラリア/ニュージーランド自
由貿易協定(a free trade agreement between
ASEAN and Australia and New Zealand)。EUASEAN自由貿易協定の交渉は、2007年5月に
開始されました。
26
PwC Japanのご紹介
・ あらた監査法人
・ プライスウォーターハウスクーパース株式会社
・ 税理士法人プライスウォーターハウスクーパース
PwC
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各法人のご紹介
あらた監査法人について
Assurance
あらた監査法人は、卓越したプロフェッショナルサービスとしての監査を提供することをミッションとし、
世界最大級の会計事務所であるPwCの手法と実務を、わが国の市場環境に適した形で提供していま
す。さらに、国際財務報告基準(IFRS)の導入、財務報告に係る内部統制、また株式公開に関する助
言等、幅広い分野でクライントを支援しています。
業
■ 設立
2006年6月1日
製造・流通・サービス
■ 代表者
代表執行役 木村浩一郎
■ 所在地
東京、名古屋、大阪
■関連法人
(株)あらたサステナビリ
ティ認証機構
■ウェブサイト
www.pwc.com/jp/assurance
ハイテク
情報通信
エンタテイ
メント
サービスライン
■ 人員
2,105名
(2012年7月1日現在)
種
化学 /
医薬
エネルギー
産業財
金融
自動車
小売・流
通・消費財
サービス
銀行・証券
資産運用
アシュアランス
財務諸表監査 / 内部統制監査 / その他の証明業務
財務報告アドバイザリー
財務報告 / 財務報告にかかわる内部統制 / 株式公開アドバイザリー
リスク・アシュアランス
ガバナンス / リスク管理 / コンプライアンス
システムおよびプロセスアシュアランス / 内部監査サービス
あ
PwC
保険・共済
各法人のご紹介
プライスウォーターハウスクーパース株式会社について
Advisory
プライスウォーターハウスクーパース株式会社は、ディールアドバイザリーとコンサルティングサービス
を提供する国内最大規模のコンサルティングファームです。M&Aや事業再生・再編の専門家である
ディールアドバイザリー部門と経営戦略の策定から実行まで総合的に取り組むコンサルティング部門
が連携し、クライアントにとって最適なソリューションを提供しています。
業
■ 設立
1999年6月15日
■ 代表者
代表取締役社長
椎名茂
■ 所在地
東京、名古屋、大阪
■ ウェブサイト
ソ リ ュー シ ョン
■ 人員
約1,300名
( 2012年7月1日現在)
種
製造
情報通信
メディア
金融
流通・サービス
官公庁
自動車
重工業・産業機械
化学 ・ 医薬・
ライフサイエンス
エネルギー・資源
建設
情報通信
エンタテイメント・
メディア
テクノロジー
金融サービス
銀行・証券
資産運用
保険
消費財・小売・流通
航空・運輸
ホスピタリティ・
レジャー
総合商社 /
ヘルスケア
官公庁 /
公的機関
ディールアドバイザリー
事業再生/ コーポレートファイナンス / M&Aにかかわる統合支援
トランザクションサービス /バリュエーション&モデリング
PPP(官民パートナーシップ)・インフラ
www.pwc.com/jp/advisory
コンサルティング
ストラテジー / オペレーションズ/人事・チェンジマネジメント
ファイナンス&アカウンティング /テクノロジー
ガバナンス・リスク・コンプライアンス
PwC
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各法人のご紹介
税理士法人プライスウォーターハウスクーパースについて
Tax
税理士法人プライスウォーターハウスクーパースは、日本最大級のタックスアドバイザーとして、税務
コンプライアンスサービス、税務コンサルティングサービスを提供しています。コンプライアンスサービ
スでは、法人・個人の税務申告書の作成支援に加え、税務調査対応や税務リスクマネジメントに係る
アドバイスを提供しています。コンサルティングサービスでは、国際税務、移転価格税制対応、M&A、
組織再生・再編、金融、不動産ビジネスに係る税務コンサルティング等、国際的なネットワークを駆使
したサービスを提供しています。
業
■ 設立
1999年7月1日
■ 代表者
CEO
(理事長 宮川和也)
■ 所在地
東京、名古屋、大阪
■ウェブサイト
www.pwc.com/jp/tax
ソ リ ュー シ ョン
■ 人員
約470名
(2012年7月1日現在)
種
製造・流通・
サービス
金融
官公庁・公的機関
自動車/ 重工業・産業機械/
化学・医薬・
ライフサイエンス
エネルギー・資源/ 建設/
航空・ 運輸
消費財・小売・流通
テクノロジー/ 情報通信
エンタテイメント・メディア
ホスピタリティ・レジャー/
総合商社
不動産
金融サービス/
銀行・証券
保険/ 資産運用
政府・公的機関
(国際機関・NPO/
NGO・教育含む)
ヘルスケア
税務コンプライアンス
税務申告書・届出書作成/ 税務調査対応 等
税務コンサルティング
国際税務 / 移転価格 / M&A、組織再生・再編 / 金融、不動産 等
PwC
30
www.pwc.com/jp
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This content is for general information purposes only, and should not be used as a substitute for consultation with professional advisors.
この投資ガイドはPwCシンガポールにより作成された『Myanmar Business Guide/August 2012』の一部を、PwC Japanで日本語訳したものです。
オリジナルはこちらからダウンロードすることができます。www.pwc.com/sg/en/assets/document/myanmar_business_guide.pdf
尚、この投資ガイドには2012年11月2日に成立した新外国投資法の内容は反映されておりません。新外国投資法に関連する項目は新外国投資法の
改正点や今後制定される施行細則をご確認いただきますようお願い申し上げます。又、投資ガイドの記載情報は一般参考情報であり、各情報につき
総合的な分析はされておりません。個別事情につき何らかの判断をされる場合は、専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。
日本語版発刊月: 2012年11月
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