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IBM Rational ClearCase V2003J for Windows 評価ガイド

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IBM Rational ClearCase V2003J for Windows 評価ガイド
IBM Rational ClearCase V2003J
for Windows
評価ガイド
Version 1.2
2006/05/16
日本アイ・ビー・エム株式会社
ラショナル事業部
0.
はじめに................................................................................................................................................1
1.
基本的な操作 ........................................................................................................................................2
ClearCase エクスプローラ ..........................................................................................................................2
Windows エクスプローラとの統合 ...............................................................................................................4
1.1. CLI .......................................................................................................................................................5
2.
管理者の作業 ........................................................................................................................................6
VOB の作成...................................................................................................................................................6
VOB のアンマウントとマウント ..................................................................................................................9
2.1.1. VOB のアンマウント..........................................................................................................................9
2.1.2. VOB のマウント.................................................................................................................................9
VOB 作成時の注意 ......................................................................................................................................10
3.
開発担当者の作業 ...............................................................................................................................11
ビューの作成...............................................................................................................................................11
ビューのアクティブ化 ................................................................................................................................14
ビュー作成時の注意 ....................................................................................................................................15
ClearCase で管理するエレメントの追加....................................................................................................15
チェックアウト ...........................................................................................................................................16
チェックイン...............................................................................................................................................18
前バージョンとの比較 ................................................................................................................................19
バージョンツリー........................................................................................................................................20
ラベル .........................................................................................................................................................21
4.
ブランチと並行開発............................................................................................................................26
構成仕様......................................................................................................................................................26
ブランチ......................................................................................................................................................27
4.1.1. ブランチを作成するためのビューの作成 .........................................................................................29
4.1.2. ブランチの作成 ................................................................................................................................32
マージ .........................................................................................................................................................35
4.1.3. マージ作業を行うための前準備 .......................................................................................................35
4.1.4. マージ作業........................................................................................................................................37
5.
運用について ......................................................................................................................................42
6.
分散環境開発 ......................................................................................................................................42
7.
UNIX との共存環境............................................................................................................................43
0. はじめに
この評価ガイドでは、ClearCase の基本的な使用方法を説明します。また、さまざまなプロジェクト管理
における ClearCase の適用方法の一例をご紹介し、より深く理解していただくための指針を紹介します。
また、この評価ガイドは、初めて ClearCase を使用されるユーザ及び評価を対象としているユーザ向け
に作成されており、Windows 環境に対してある程度の知識があることを前提としています(エキスパー
トである必要はありません)
。
評価ガイドを終えたあとには、以下の知識が身につきます。
ClearCase の機能の概略 がご理解いただけます。
簡単なモデルケースを通じて環境が構築していただけます。
ClearCase の基本機能を体験していただけます。
並行開発を体験していただけます。
この評価ガイドでは、非常にシンプルなプロジェクトを想定しておりますが、ソフトウェア構成管理が適
応される実際のプロジェクトにおいて発生するほとんどの問題を解決する時の基本になります。この資料
に記述されていることは、ClearCase を使った作業は実際のプロジェクトに、適用できます。
以下は、ここで ClearCase を使用する際の注意事項です。
これは、行う作業をあらわします
abc
これは、入力する文字をあらわします
この評価ガイドは Windows2000 での作業が前提になっています。
1
1. 基本的な操作
ClearCase では、操作のために、ClearCase エクスプローラ、Windows エクスプローラ、CLI の3種類
のユーザインターフェースが用意されています。
ClearCase エクスプローラ
ClearCase をインストールすると、デフォルトでは、デスクトップ上で「ClearCase エク
スプローラ」ショートカットが作成されます。また、スタートメニューから[プログラム]→
[Rational Software]→[Rational ClearCase]→[ClearCase エクスプローラ]を選択して起動
することができます。
2
ClearCase エクスプローラが起動されます。
ClearCase エクスプローラを立ち上げると、以下のような画面が表示されます。
ここでは、このガイドで使う機能についてのみご紹介します。
管理者用
管理者用
基本機能
開発者用
基本機能
VOB 作成用ウィザードが立ち上がり
ます
VOB をマウントします
VOB を作成
VOB のマウント
ビュー作成用ウィザードが立ち上がり
ます
ビューのアクティブ化を行います
ビューを
ビューを作成
ビューの
ビューのアクティブ化
アクティブ化
チェックアウト、チェックイン、比較機
能、変更履歴など
ClearCase マ ー ジ を 実 行 し 解 析 す る
GUI ツール
ラベルやブランチのタイプをここで設
定します
編集作業用機能
マージマネージャ
その他
その他
メタデータの
メタデータの作成方法
3
Windows エクスプローラとの統合
ClearCase をインストールすると、Windows エクスプローラと統合され、エクスプローラ
から直接 ClearCase の操作を行うことができます。
メニューはコンテキストに依存していますので、エクスプローラから操作できる ClearCase
の機能は状態によって異なります。
4
1.1. CLI
ClearCase には、コマンドラインインターフェイス(CLI)があります。CLI には、
ccase-home-dir¥bin に保存されている 1 組の実行モジュールとして導入されます。
(ccase-home-dir は ClearCase ドキュメントを通して、ClearCase 製品ファミリーのインス
トール・ディレクトリを表します。デフォルト値は C:¥Program Files¥Rational¥ClearCase
です。各ユーザは、このディレクトリを検索パスに追加する必要があります。)
CLI ユーティリティの筆頭は cleartool です。このユーティリティの一群のサブコマンドに
よって、ユーザが普段使用する多くの機能が提供されます。
5
2. 管理者の作業
管理者は管理対象である成果物を ClearCase 専用のデータベース(DB)で管理します。その DB を
ClearCase では VOB(Versioned Object Base)と呼びます。VOB の管理には、VOB の作成,VOB のマウ
ントなどがあります。
VOB の作成
VOB を作成するには、GUI と CLI の方法がありますが、この評価ガイドでは GUI(VOB
作成ウィザード)から作成する方法を紹介します。
①
スタートメニューから[プログラム]→[Rational Software]→[Rational ClearCase]→
[管理]→[VOB の作成]を選択します。
②
[VOB 作成ウィザード]が立ち上がります。
ⅰ「新しい VOB の名前を指定してください(M)
」では VOB のタグ名称を指定します。
⇒例
my-vob
ⅱ「VOB を UCM コンポーネントとして作成」のチェックをはずしてください。
ⅲ「VOB のコメントを入力してください」に必要に応じてコメントを入力してください。
ⅳ「次へ」ボタンをクリックしてください。
6
VOB を作成する場所を指定します。
VOB 記憶場所に VOB の実体を作成する場所が表示されますので、環境に合わせて設定して
ください。ClearCase はネットワークで使用されるため、VOB 記憶場所は UNC パス名で
共有ディレクトリの場所を指定しなければいけません。ClearCase インストール後、記憶作
成ウィザードを起動して作成された VOB の記憶場所がデフォルトとしてここに表示されま
す。この後、「次へ」ボタンをクリックします。
VOB のオプションの設定
VOB のオプションを必要であれば設定し、「完了」ボタンをクリックします。
7
⑤VOB の構成情報が表示されますので、「OK」ボタンをクリックします。
VOB が作成され、この時点ですでにマウントされています。
⑥VOB が作成され、その要約が表示されます。表示内容を確認して、
「閉じる」ボタンをク
リックします。
以上が、VOB の作成手順です。
ここまでの手順で、ClearCase で管理するための場所が決定され、器が出来上がった状態に
なります。
8
VOB のアンマウントとマウント
VOB をアンマウントとマウントするには、GUI と CLI の方法がありますが、この評価ガイ
ドでは GUI からアンマウントとマウントする方法をご紹介いたします。
2.1.1. VOB のアンマウント
①
スタートメニューから[プログラム]→[Rational Software]→[Rational ClearCase]→
[管理]→[VOB のアンマウント]
②
すでにマウントされている VOB の一覧がタブ名で表示されるので、アンマウントする
VOB を選択し、
[アンマウント]ボタンをクリックします。
2.1.2. VOB のマウント
①
スタートメニューから[プログラム]→[Rational Software]→[Rational ClearCase]→
[管理]→[VOB のマウント]
②
すでに作成されている VOB の一覧がタブ名で表示されるので、マウントする VOB を
選択し、[マウント]ボタンをクリックします。
③
デフォルトでは[ログオン時に再接続]チェックボックスがチェックされています。
チェックされている場合は Windows ログオン時に自動的に VOB がマウントされるよ
うになります。
9
VOB 作成時の注意
■ 同時アクセスユーザが 10 ユーザ以上だと予想されるとき、Windows 2000 Professional
ではなく、Windows 2000 Server 或いは Windows 2003 Server で使用してください。
■ VOB 記憶ディレクトリには、NTFS 圧縮ユーティリティを使用しないでください。
10
3. 開発担当者の作業
開発担当者が ClearCase を利用する際に行う作業として、ビューの作成,ビューの起動,ビューのアクティ
ブ化,チェックイン,チェックアウトなどがあります。
ビューの作成
ビューを作成するには、いくつかの方法がありますが、この評価ガイドでは ClearCase エ
クスプローラから作成する方法をご紹介いたします。
①
ClearCase エクスプローラ→「ベース ClearCase」ページで[ビューの作成]ボタンをク
リックします。
②
「次へ」ボタンをクリックします。
11
③
[ビュー作成ウィザード]が立ち上がります。
この画面では、
『動的ビュー』 を選びます。
『スナップショットビュー』は、ネットワー
ク非接続環境で ClearCase を使用する場合に選びます。この評価ガイドではスナップ
ショットビューは作成しません。
④
ここでは、VOB と同じように ビュー に対するタグ名を指定します。「完了」ボタン
をクリックします。
また、ここで保存場所を個別に設定する場合は、
「詳細設定オプション(A)」をクリック
します。ビュー記憶場所を設定し、
「OK」ボタンをクリックします。
12
ビューの作成を開始する場合は、
「OK」ボタンをクリックします。
構成仕様の編集および詳細を確認する場合は、それぞれ「構成仕様の検査」
、
「詳細」
ボタンをクリックし目的の作業を行って「OK」ボタンをクリックします。
⑤
確認画面がでてきたら完了です。
これで、ビューの作成手順の終了です。この時点でビューのアクティブ化が自動的に行
われています。
13
ビューのアクティブ化
ビューをアクティブ化するには、いくつかの方法がありますが、この評価ガイドでは
ClearCase エクスプローラからアクティブ化する方法をご紹介いたします。
①
ClearCase エクスプローラ→「ベース ClearCase」ページで[ビューの開始]ボタンをク
リックします。
②
すでに作成されているビューの一覧がタブ名で表示されるので、アクティブ化する
ビューを選択し、[OK]ボタンをクリックします。
③
デフォルトでは[ログイン時に自動的に開始]チェックボックスがオンになっています。
オンの場合は Windows にログオン時に自動的にビューがアクティブ化されるようにな
ります。
14
ビュー作成時の注意
■ ビュータグと記憶ディレクトリ名は、ネットワークリージョン全体で一意でなければな
りません。
■ 記憶域が存在するディレクトリ(またはその上位レベルディレクトリのうちの1つ)は、
共有ディレクトリとして設定されなければなりません。
ClearCase で管理するエレメントの追加
ここまでの手順では、管理対象物(成果物)を保存するための VOB とその成果物を参照す
るためのビューを作成してきました。ここで、成果物(ClearCase では、成果物をエレメン
トと呼びます。
)を登録する手順を説明します。ClearCase で管理するエレメントを追加す
るには、いくつかの方法がありますが、この評価ガイドではエクスプローラから追加する方
法をご紹介いたします。
①
エクスプローラからエレメントを VOB ディレクトリにコピーします。
②
エレメントを選択して、そのコンテキストメニューから[ClearCase]>[ソース管理に追
加]を選択します。
上図は、今までの手順で作成した VOB(My_VOB)をマウントし、ドライブ U:に割り
当てたビュー(My_view)がアクセスしている My_VOB に4つのファイルをコピーし
た後 ClearCase に登録しようとしている状態です。
③
コメントを入れたい場合は、ここで表示されるダイアログボックスでコメントを追加し
15
ます。
④
デフォルトではこのエレメントはこの後チェックアウトされたままになります。エレメ
ントを自動的にチェックインするには、[チェックアウト状態を保持]ボックスをオフに
します。
⑤
[OK]または[すべてに適用]をクリックします。この場合は複数のファイルを一度
に登録しようとしていますから、[すべてに適用]をクリックします。[OK]をクリッ
クしますとファイルを一個ずつ確認されますので、個別にコメントを変更したいような
ときに便利です。
チェックアウト
エレメントをチェックアウトするには、いくつかの方法がありますが、この評価ガイドでは
エクスプローラからチェックアウトする方法を紹介します。
①
エクスプローラで、チェックアウトするエレメントを選択します。複数のファイルに対
して一括でチェックアウトすることも可能です。
②
コンテキストメニューから[ClearCase]>[チェックアウト]を選択します。
16
③
コメントを入れたい場合は、ここで表示されるダイアログボックスでコメントを追加し
ます。
複数のファイルを一括でチェックアウトする時、
「すべてに適用(A)」をクリックしてく
ださい。
④
[OK]ボタンをクリックします。
17
チェックイン
エレメントをチェックインするには、いくつかの方法がありますが、この評価ガイドではエ
クスプローラからチェックインする方法を紹介します。
①
エクスプローラで、チェックインするエレメントを選択します。複数のファイルを一括
でチェックインすることもできます。
②
コンテキストメニューから[ClearCase]->[チェックイン]を選択します。
③
チェックアウト時、入れたコメントを変更したい場合は、チェックイン時に、内容を変
更することも可能です。ファイルに変更がないけれども、チェックインをする場合は、
「前バージョンと同じでもチェックインする」をチェックしてください。
④
[OK]ボタンをクリックします。
18
前バージョンとの比較
エレメントに加えた変更を確認するには、いくつかの方法がありますが、ここでは、エクス
プローラから確認する方法を紹介します。
①
エクスプローラで、変更を確認したいエレメントを選択します。
②
コンテキストメニューから[ClearCase]>[前バージョンと比較]を選択します。
③
対象エレメントの現バージョンと前バージョンが比較されます。
ファイルの
ファイルのバージョン比較画面
バージョン比較画面
ディレクトリの
ディレクトリのバージョン比較画面
バージョン比較画面
右側のスクロールバーには、どのような変更が加えられたかを色で表示します。
青:変更
緑:追加
赤:削除
19
バージョンツリー
エレメントのバージョンをグラフィカルに表示し、確認することができます。このとき表示
されるツリーをバージョンツリーと言います。
バージョンツリーを表示するには、いくつかの方法がありますが、ここではエクスプローラ
から表示する方法を紹介します。
①
エクスプローラで、バージョンを確認したいエレメントを選択します。
②
コンテキストメニューから[ClearCase]->[バージョンツリー]を選択します。
③
バージョンツリーブラウザが表示され、現在のビューから参照しているエレメントの
バージョンが確認できます。
この画面において、参照しているバージョンは2であることがわかります。
20
ラベル
ある時点で、バージョンにラベルをつけることができます。これによって、そのラベルを元
に、そのバージョンを取り出すことが可能になります。一見シンプルですが、ラベルは非常
に重要な役割を果たします。
たとえばリリースのタイミングでラベルを割付けておけば、ビューの構成仕様でラベルを指
定することによって、そのリリースに用いたファイルバージョンのみを見ることができます。
ラベルタイプの作成
ラベルを作成・使用する前に、VOB の中でラベルタイプを作成します。
ラベルタイプを作成するには、GUI と CLI の方法がありますが、この評価ガイドでは GUI
から作成する方法を紹介します。
①
[スタート]→[プログラム]→[Rational Software]→[Rational ClearCase]→[タイプエク
スプローラー]を起動します。
②
ラベルを作成する VOB を選択します。
③
ラベルタイプを作成するので、[label type]を選択します。
21
④
ラベルタイプのエクスプローラが立ち上がるので、メニューの[タイプ] >[作成]を選択
します
⑤
作成するラベルタイプ名を入力します。
⑥
ラベルのプロパティの画面が出て、
「OK」をクリックする。
22
ラベルの添付
ラベルを添付するには、GUI から行う方法を紹介します。
①
[スタート]→[プログラム]→[Rational Software]→[Rational ClearCase]→[ラベルの適
用]を選択します。
②
ラベル適用ウィザードが立ち上がるので、[動的ビューに適用]を選択し、ラベルを適用
するビューのタグ名を指定します。
③
④
ラベルを適用するエレメントを選択します。
[参照]ボタンをクリックして適用するラベルを選択します。
23
24
⑤
確認画面で確認すると、ラベルの適用の完了です。バージョンツリーには以下のように
表示されます。
25
4. ブランチと並行開発
ClearCase の強いところは、その同時並行開発をサポートする機能です。すなわち、同じソースコードの
セットを元に別のバージョンの製品を作成することができます。よくあるケースは、新しいバージョンの
製品を開発しながら、現行のバージョンのメンテナンス、あるいはバグフィックスをする場合です。 並行
開発を効率よく行えるようにするため、ClearCase ではエレメントのブランチを作成します。
ブランチを作成するためには、構成仕様で指定する必要があります。
構成仕様
各ビューにはどのバージョンのエレメントを取り出して参照するのかを定義する構成仕様
があります。新しいビューを作成すると、デフォルト構成仕様が自動的に設定されます。
デフォルト構成仕様
element * CHECKEDOUT
element * /main/LATEST
ワイルドカード(*)で、すべてのエレメントを指定することができます。C 言語ソースファ
イルを指定したいときは、[*.c]と指定することもできます。
CHECKEDOUT は
構成仕様のキーワードで、選択したビューにおいて「チェックアウト」
されているものを表します。
LATEST は「最新版」をあらわすキーワードで、/main/LATEST
は main ブランチの最新
版を意味しています。
ルールは先頭から順に評価されます。したがって、このデフォルトの構成仕様には
・そのビューでチェックアウトされているすべてのエレメントを選択
・チェックアウトされているエレメントがなければ、main ブランチの最新版を取得
というルールが適用されます。
26
ブランチ
ClearCase ではブランチを利用して同時並行作業を行うことができます。
作業をさまざまなブランチで同時に実行し、あとで統合することができます。
ブランチ数に制限はありません。
ブランチタイプの作成
ブランチを作成・使用する前に、VOB の中でブランチタイプを作成しなければいけません。
ブランチタイプを作成するには、GUI と CLI の方法がありますが、
この評価ガイドでは GUI
から作成する方法をご紹介いたします。
①
[スタート]→[プログラム]→[Rational Software]→[Rational ClearCase]→[タイプエク
スプローラー]を起動します。
②
ブランチを作成する VOB を選択します。
③
ブランチタイプを作成するので、[branch type]を選択します。
④
メニューの[タイプ] >[作成]を選択します。
27
⑤
表示されたダイアログボックスで、[名前]と[説明]フィールドのコメントを記入し、[OK]
ボタンをクリックします。
⑥
ブランチのプロパーティ画面が出てから「OK」をクリックします。
ブランチを作成する
構成仕様に
–mkbranch 句を指定すると、チェックアウト時にブランチが作成されます。
「REL1」というラベルをもつエレメントをチェックアウトした場合に、ブランチが自動的
に生成されるように構成仕様を変更します。
element *
CHECKEDOUT
element *
¥main¥rel1_bugfix¥LATEST
element *
REL1 –mkbranch rel1_bugfix
element *
¥main¥LATEST
この構成仕様は以下のように解釈されます。
―
REL1 というラベルがついたバージョンを選択します。
―
ユーザが REL1 バージョンをチェックアウトすると、rel1_bugfix ブランチ
が自動的に作成されます。
―
rel1_ bugfix ブランチ上の最初のバージョンをチェックアウトします。
構成仕様規則により、REL1ラベルを持つバージョンが選択されるようになります。
28
4.1.1. ブランチを作成するためのビューの作成
①
ClearCase エクスプローラ→「ベース ClearCase」ページで[ビューの作成]ボタンをク
リックします。
②
「次へ」ボタンをクリックします。
③
この画面では、
『動的ビュー』 を選びます。
29
④
ビュータグ名を入力して、「完了」をクリックしてください
⑤
ビューの作成を開始する場合は、
「OK」ボタンをクリックします。構成仕様の編集およ
び詳細を確認する場合は、
「構成仕様の検査」ボタンをクリックします。
⑥
「構成仕様の検査」ボタンをクリックします。
30
⑦
「編集」ボタンをクリックし、構成仕様を編集し、「保存」をクリックして「閉じる」
ボタンをクリックします。
⑧
「OK」ボタンをクリックします。
⑨
確認画面がでてきたら完了です。
これで、ビューの作成手順の終了です。この時点でビューのアクティブ化が自動的に行
われています。
31
4.1.2. ブランチの作成
ClearCase エクスプローラを起動し、
「Rel1_bugfix」ビューを使って MyVOB にアクセス
してください。構成仕様規則により、REL1 ラベルを持つバージョンが選択されるようにな
ります。
①
ブランチを発生する前、ファイルのバージョンツリーを確認します。
32
チェックアウト前のバージョンツリーです。
②
エレメントをチェックアウトします。
チェックアウト時、コメントを入れます。
33
③
[バージョンツリー]には、新規ブランチとチェックアウトバージョンが表示されます。
新ブランチの
ブランチの下にチェックイン状態
チェックイン状態
新ブランチの
ブランチの下にチェックアウト状態
チェックアウト状態
34
マージ
エレメントに対して行った変更を、ブランチからブランチへ簡単に反映できます。
ClearCase にはマージを自動化するためのユーティリティが用意されています。
互いに排他的な変更を自動的に処理しますが、矛盾する変更内容については、競合(コンフ
リクト)が発生し、手作業でマージを行うことができます。
4.1.3. マージ作業を行うための前準備
ブランチを作成したエレメントの修正作業を行い、その後チェックインを行います。
ここでは、バージョンツリーブラウザを利用した場合のチェックインを説明いたします。
①
チェックアウトされているバージョンにマウスを合わせます。右クリックでコンテキス
トメニューを表示し[チェックイン]をクリックします。
35
②
チェックインした後のバージョンツリーです。
36
4.1.4. マージ作業
マージ
マージを行うには、いくつかの方法がありますが、この評価ガイドではバージョンツリーブ
ラウザーから行う方法を紹介します。
①
エクスプローラで、マージするバージョンを持つファイルを選択し、[バージョンツリー
ブラウザ]を開きます。
②
[バージョンツリーブラウザ]で「マージ元」のバージョンを選択し、メインメニューか
ら[ツール]→[マージ]を選択(または右クリックして「マージ」を選択)します。
37
③
カーソルがターゲットのような形に変わったら、「マージ先」バージョンをクリックし
ます。
④
確認画面で内容を確認し[OK]をクリックします。
38
⑤
¥main¥ブランチのバージョン番号2がチェックアウトされます。ここでマージを実施
した内容を説明するコメントを入力します。コメントは省略することもできますが、で
きるだけ入力することをお勧めします。[OK]をクリックします。
⑥
確認メッセージが表示されますので詳細内容が参照したい場合は、[はい]をクリックし
ます。[いいえ]をクリックすると詳細内容は表示されません。
「OK」ボタンを押して Hello.c は Rel1_Bugfix ブランチから Main ブランチへのマージ完
了します。
39
⑦
マージが完了すると、マージ元からマージ先へ赤い線がひかれ、ブランチが統合されま
す。
⑧
main ブランチのバージョン番号2がチェックアウトされた状態です。ここで、main
ブランチの下でテストを行って、問題がなければ、チェックインします。問題があれば、
チェックアウトを取り消すことによって、マージを取り消すことができます。
40
以上が、マージ作業の手順です。
コンフリクト
自動マージを行った結果、同一行への変更があった場合に、どちらの変更を有効にするかを
ClearCase からグラフィカルに問い合わせます。
マージマネージャ
マージマネージャを使うと、まだマージされていないエレメントを検索し、一括して自動、
もしくは手動でマージすることができます。
41
5. 運用について
サーバーアカウント
サーバープロセスは albd_server 下で実行します。
ClearCase のサービスはユーザアカウント clearcase_albd として実行します。
ALBD サービスが開始しなければ、ClearCase は使用できません。
バックアップ
ClearCase にはデータをバックアップするツールは用意されていません。ClearCase のすべ
てのデータは、標準ディレクトリ・ツリー内の標準ファイルに保存されるため、どのような
バックアップ・ツールでも使用することができます。
ネーミング規約
ブランチタイプに名前を付けるときは以下の規則に従います。
・名前が整数または実数であってはいけません
・名前には文字、数字、アンダースコア、ハイフンおよびピリオドだけを使用します。
ブランチタイプとラベルタイプは同一のネームスペースを使用するので、以下のような標準
命名規則に従うことをお勧めします。
・ブランチタイプ名には小文字を使用します。
・ラベルタイプ名には大文字を使用します。
6. 分散環境開発
地理的に離れた環境での開発でも、それぞれに VOB を作成し、VOB の同期を取ることができます。方法とし
ては、片方の VOB で発生した変更内容(差分)をパケットにして、それを片方の VOB に反映させるというも
のです。パケットをファイルに落としてメールなどで送付する方法と、ネットワークベースまたはテープで行
う方法があります。
42
7. UNIX との共存環境
Windows と UNIX は互換姓がないため、ClearCase を混在環境で運用する場合、アカウント名とグルー
プの設定が正しくないと、うまく動かないことがあります。相互運用の詳細設定について、「Rational
ClearCase Rational ClearCase LT 管理ガイド」をご参照ください。特に注意しなければならないことは
下記のように述べてあります。
■ UNIX と Windows のビューを使って、UNIX の VOB で作業することができます。UNIX
のクライアントから Windows の VOB にアクセスしようとした場合、UNIX の動的
ビューを使用することができなく、スナップショットビューを使用してください。この
際、Clearcase の CCFS を設定する必要がありますので、詳細設定は「Rational
ClearCase Rational ClearCase LT 管理ガイド」をご参照ください。
■ Clearcase 自体は S-JIS コードから EUC コードへの変換(逆もそうです)をサポート
していません。従って、例えば、Windows の CleraCase クライアントから UNIX サー
バ上の VOB に存在するテキストファイル (EUC コード) にアクセスするような場合
でも、メモ帳等の EUC コードをサポートしない標準的なエディタでファイルを開くと、
データが一切変換されないために文字化けした状態で表示されることになります。他社
のツールを使ってコード変換の問題を解決して下さい。
ただし、唯一の例外として、Diff/Merge ツールのみ EUC-SJIS の日本語コード変換
機能を提供しています。詳細については、下記 TechNote を参照して下さい。
「ClearCase の UNIX/Windows 混在環境での日本語コード変換について」
http://www-1.ibm.com/support/docview.wss?uid=swg21119647
■ エレメントが改行コードを含む場合、ビューの設定によって、改行コードを自動変換す
ることができます。
■ UNIX ではファイル名の大文字・小文字を区別するので注意してください。コントロー
ルパネルの ClearCase プロパティの MVFS タブで「Case Insensitive MVFS」
及び
「Case
Preserving」で指定可能です。
43
当資料は発行時点の情報に基づいて作成されていますが、事前の予告なく変更され
る場合があります。
•
IBM、ClearCase, Rational は、IBM Corporation の商標。
•
"Microsoft" "Windows" "Windows NT" および "Windows"ロゴは Microsoft
Corporationの米国およびその他の国における商標。
•
"Linux"は、Linus Torvaldsの米国およびその他の国における商標。
•
"UNIX"はThe Open Groupの米国およびその他の国における登録商標。
•
他の会社名、製品名およびサービス名等はそれぞれ各社の商標。
44
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