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映画「ダークナイト」で考える、 実践組織の作 り方

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映画「ダークナイト」で考える、 実践組織の作 り方
®
渋谷テクニカルナイト
映画「ダークナイト」で考える、ITIL実践組織の作
り方
2009年3月19日
日本アイ・ビー・エム株式会社
ソフトウェア事業Tivoliテクニカル・セールス&サービス
ITIL Manager Certified
ISMエバンジェリスト
渡辺義明
ITILは英国Office of Government Commerceの登録商標および共同体登録商標であって、米国特許商標庁にて登録されている。
IBM、TivoliはIBM Corprationの商標。
他の会社名、製品名、サービス名等は、それぞれ各社の商標または登録商標。
© 2009 IBM Corporation
渋谷テクニカルナイト
バットマンとは
ƒ 1939年、DCコミックの前身である会社が発行する『Detective Comic』誌27
号にて初登場。同誌は現在まで続く同社の看板雑誌の一つとなり、他にも
『Batman』誌、登場キャラクターのタイトル誌など、様々な派生誌を生んだ。
多くは現在も発行され、他メディア展開も盛んと、今なお人気の衰えないキャ
ラクターの一つである。
ƒ 当時は同社の『スーパーマン』が好評であり、それに次ぐヒーローものが多く
出版されていた。アーティストのボブ・ケーン(Bob Kane)と作家のビル・フィ
ンガー(Bill Finger)により、多くの仮面のヒーローや、探偵たち、レオナルド・
ダ・ヴィンチのイラストなどを参考に作られた。現在は契約問題などの諸事情
でケーンのみが公式な作者となっている。
(ウィキペディア 「バットマン」より)
2
渋谷テクニカルナイト
ダークナイト概要
ƒ 『ダークナイト』(The Dark Knight)は、2008年のアメリカ映画。ボブ・
ケインによるアメリカン・コミックス『バットマン』を原作とした、1989年
から続く実写映画版の第6作であり、『バットマン ビギンズ』から再ス
タートした新生バットマンシリーズとしては2作目となる。監督は前作に
続きクリストファー・ノーラン。
ƒ 第81回アカデミー賞助演男優賞、撮影賞、美術賞、メイクアップ賞、視
覚効果賞、音響編集賞、編集賞ノミネート。 うち助演男優賞、音響編
集賞受賞。
(ウィキペディア 「ダークナイト」より)
3
渋谷テクニカルナイト
ダークナイト主要登場人物
ブルース・ウェイン/バットマン(主人公)
クリスチャン・ベール
ジョーカー(敵役)
ヒース・レジャー
ハービー・デント(地方検事)
アーロン・エッカート
ジム・ゴードン(警部補)
ゲイリー・オールドマン
レイチェル・ドーズ(幼なじみ/恋人)
マギー・ギレンホール
アルフレッド・ペニーワース(執事)
マイケル・ケイン
ルーシャス・フォックス(部下・技術者)
モーガン・フリーマン
(ウィキペディア 「ダークナイト」より)
4
渋谷テクニカルナイト
ダークナイトの見方
ƒ 映画自体のテーマは
– 正義とは何か、悪とはなにか
– 100%純粋な悪に対峙した時に、人はどこまで倫理的でいられるか
ƒ ITIL的に見ると
– ブルース・ウェイン=バットマンが非合法に実施していた「ゴッサム・
シティの治安維持サービス」を市の公式プロセスとして定着させる
べく、開始したプロジェクトの顛末
– サービス・マネジメント・プロセスを確立させるためにやって良いこと、
悪いことの見本市
5
渋谷テクニカルナイト
継続的サービス改善
Continuous Service Improvement Plan (CSIP)
ITIL v2/サービスマネジメント導入計画立案
ƒ Continual Service Improvement (CSI)
ITIL v3/継続的サービス改善
6
渋谷テクニカルナイト
CSIP:継続的サービス改善プログラム(V2)とは
ƒ
特定の作業分野または作業プロセス内で測定できる改善を明確にし、導
入するために組織の中で実行する正式なプロジェクト(SIPと同義)
定義はSIPと同じだが、粒度が異なる(更にスコープが広い)。
ƒ
サービスマネジメント導入計画立案で解説
1. シングルプロセス・アプローチ
2. マルチプロセス・アプローチ
3. 全プロセス・アプローチ
7
渋谷テクニカルナイト
ITサービスマネジメント導入計画立案のタイプ
シングルプロセス・アプローチ
マルチプロセス・アプローチ
全プロセス・アプローチ
ƒ クイック・ウィンを狙う
ƒ マルチプロセス/全プロ
セス・アプローチへの移
行が必須
ƒ 通常内部IT組織のイニ
シアティブで開始される
ƒ エントリー・ポイント
–問題管理
–サービスデスク & イ
ンシデント管理
–変更管理
8 ステルス作戦は失敗の
元
ƒ 複数プロセスの同時並
行的な導入・開発・改善
ƒ ビジネス/IT顧客との議
論を通じて開始される
ƒ エントリー・ポイント
– 顧客満足度調査/ビ
ジネス・インパクト分
析アプローチ
– SWOT分析アプロー
チ
– ベンチマーク・アプ
ローチ
– サービスターゲット・
アプローチ(SLA策
定)
ƒ 10個のサービスマネジメ
ント・プロセスを同時に導
入・開発・改善する
ƒ 全体を統括する責任者
(オーナー)の配下に個々
のプロセスの責任者を配
置
ƒ アプローチ方法は一つだ
け
– ビジネス/ITの戦略
とビジョン
– CSIP
– ベンチマーク
ƒ 成熟度レベル4以上に到
達する唯一の手法
8
渋谷テクニカルナイト
CSI:継続的サービス改善(V3)とは
ビジョンは何か
ビジョンは何か
ビジネスのビジョン、
ビジネスのビジョン、
ミッション、ゴールと
ミッション、ゴールと
オブジェクティブ
オブジェクティブ
現状はどこか
現状はどこか
ベースライン評価
ベースライン評価
ƒビジネス・プロセスを支援するITサー
ビスの改善ポイントを識別・導入する
ことで、ビジネスニーズの変化に継続
的にITサービスを整合させていく。
ƒモデル図はV2のCSIPとほぼ同じ
ƒプロセス改善だけでなく、
どのように推進力を
どのように推進力を
維持するか
維持するか
目標をどこに
目標をどこに
設定するか
設定するか
測定可能な
測定可能な
ターゲット
ターゲット
どのようにして
どのようにして
目標を達成するか
目標を達成するか
サービスとプロセス
サービスとプロセス
の改善
の改善
ビジネス改善
↓
ITサービス改善
↓
ITサービスマネジメント改善
の一連の関係性を強調
達成したことをどの
達成したことをどの
ようにして調べるか
ようにして調べるか
測定と基準
測定と基準
(出典:OGC 「継続的サービス改善」)
9
渋谷テクニカルナイト
オープンループ・システムとクローズドループ・システム
基準
基準
コントロール
コントロール
•クローズドループ・システム
•環境をモニターし変化に対応する
•例)ネットワーク・ロードバランシン
グ・システム
比較
比較
モニター
モニター
インプット
インプット
アクティビティ
アクティビティ
アウトプット
アウトプット
•オープンループ・システム
•周囲の環境・条件に影響されない
•例)設定された時刻と周期で開始
されるバックアップ処理
(出典:OGC 「継続的サービス改善」)
10
渋谷テクニカルナイト
ITSM モニターコントロール・ループ
ビジネス・エグゼクティブ&ビジネス・ユニット・マネージャー
ビジネス・エグゼクティブ&ビジネス・ユニット・マネージャー
2
継続的サービス
継続的サービス
改善
改善
3
サービスデザイン
サービスデザイン
ポートフォリオ、
ポートフォリオ、
標準、ポリシー
標準、ポリシー
サービストランジション
ユ
ーザ
ザー
ー
ユ
ー
I
T
管理
理&
&ベ
ベ
ンダ
ダー
ーア
アカ
カウ
ウン
ント
ト管
管理
理
I
T
管
ン
1
サービスストラテジ
サービスストラテジ
技術アーキテクチャー、
技術アーキテクチャー、
パフォーマンス標準
パフォーマンス標準
サービス
サービス
オペレーション
オペレーション
コントロール
コントロール
インプット
インプット
基準
基準
比較
比較
サービス
サービス
オペレーション
オペレーション
コントロール
コントロール
モニター
モニター
アウトプット
アクティビティ
アクティビティ アウトプット
基準
基準
比較
比較
サービス
サービス
オペレーション
オペレーション
コントロール
コントロール
モニター
モニター
インプット
インプット
アウトプット
アクティビティ
アクティビティ アウトプット
基準
基準
比較
比較
モニター
モニター
インプット
インプット
アウトプット
アクティビティ
アクティビティ アウトプット
内部/外部の技術スタッフおよびエキスパート
内部/外部の技術スタッフおよびエキスパート
(出典:OGC 「継続的サービス改善」) 11
渋谷テクニカルナイト
7つのステップによる改善プロセス
修正アクション
の導入
情報、評価、
提供と活用
アクションプラン
関係は?傾向は?計画では?
データを
目標を達成したか?
分析する
修正アクションは?
頻度は?フォーマットは?
データを
システムは?精度は?
処理する
誰が?どうやって?いつ?
データを
データの統合は?
収集する
何が測定
可能か
何を測定
すべきか
識別
識別
•ビジョン/戦略/
•戦術的ゴール運用上ゴール
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渋谷テクニカルナイト
データから知恵への流れ(DIKW)
ビジネス・コンテキスト
知恵 (なぜ)
「知恵(Wisdom)」
監視と測定がもたらすビジネスに対する価値
•検証:以前の決定の検証
•方向性:目標達成のための活動の向きを決めるため
•正当化:活動の必要性を示す証拠、証明の獲得
•修正:活動の変更や修正が必要なポイントの識別
ナレッジ (どうやって)
情報 (誰が、何を、いつ、どこで)
データ
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渋谷テクニカルナイト
サービスナレッジマネジメント・システム
ユーザー
(システム利用者)
問い合わせ
ユーザー
(システム責任者)
ユーザー 海外拠点
各種回答
RFC
メンテ依頼インシデント
RFC
各種回答
各種承認
RFC
オペレーター
インフラチーム
運用・保守チーム
各種承認
インシ
デント
管理
問題管理
リリース
作業受
付
各種作業
受付
サービスコール管理
インシデント管理
変更管理
サービスレベル管理
ナレッジ管理
問題管理
作業指示
マスタ管理
共通DB(CMDB)
共通DB(CMDB)
監査用情報
レポート
外部データ
既存システムデータ
資産情報
監視センター
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渋谷テクニカルナイト
組織文化:2つの側面
ITIL準拠のプロセ
ス管理製品が直接
支援できる側面
ƒ ハードな側面は、ドキュメント化され、明確な指示命令系統のもと遂行されるルール:
– タスク、責任、権限レベルの明確さ
– 達成目標、最終目標の明確さ
– 会議やコミュニケーションの構造
– 公式のトレーニングやスキル、能力開発プランと機会
ƒ ソフトな側面は、組織の人々の態度や振る舞いにより強く作用する暗黙の了解:
– 明文化されていない慣習(「空気読めよ」)
– 仕事の満足度
– 組織のリーダーシップに見られる信念(belief)や信頼(trust)
– 目的・方向性に対するコミットメント
– 報酬と業績評価のシステム
製品が直接に
は支援できない
側面(間接的に
は可能)
このような組織文化はどのように育まれるのか?
このような組織文化はどのように育まれるのか?
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渋谷テクニカルナイト
5匹のサル
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渋谷テクニカルナイト
風土・習慣が形成される順序
【例:自動車の運転】
行動習慣
行動習慣
法定速度を守って走っていると、他の車から
法定速度を守って走っていると、他の車から
煽られる。
煽られる。
=>仕方なく、自分も速度超過する。
=>仕方なく、自分も速度超過する。
思考習慣
思考習慣
速度超過は問題ない。むしろ周りのペース
速度超過は問題ない。むしろ周りのペース
を乱す方が危険だと考えるようになる。
を乱す方が危険だと考えるようになる。
感情習慣
感情習慣
法定速度を守って走っている車を見るとイラ
法定速度を守って走っている車を見るとイラ
イラするようになる。
イラするようになる。
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渋谷テクニカルナイト
組織の文化を変える方法
自然と形成された組織文化
意図的な変革:業務改革プロジェクト
行動習慣
行動習慣
行動を変える
行動を変える
思考習慣
思考習慣
感じて(※)
感じて(※)
感情習慣
感情習慣
見て
見て
(※:ジョン・コッター:「企業変革力」「ジョン・コッターの企業変革ノート」「カモメになったペンギン」)
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渋谷テクニカルナイト
企業変革の道筋 (ジョン・P・コッター )
1.緊急課題であるという認識の徹底
1.緊急課題であるという認識の徹底
2.強力な推進チームの結成
2.強力な推進チームの結成
3.ビジョンの策定
3.ビジョンの策定
4.4.ビジョンのコミュニケート
ビジョンのコミュニケート
5.5.ビジョンに向けた社員の行動のサポート
ビジョンに向けた社員の行動のサポート
6.6.短期的成果を上げるための計画と実行
短期的成果を上げるための計画と実行
7.7.改善された成果の定着とさらなる変革の前進
改善された成果の定着とさらなる変革の前進
8.8.新しいアプローチを根付かせる
新しいアプローチを根付かせる
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渋谷テクニカルナイト
チャンピオンを支援する
プロセスオーナーは
チャンピオンでなけ
ればならない
影のリーダーに
気をつけろ
Rock Throwers
Majority
75%
Early Adopters
10-15%
大人の抵抗の2つの理由
ƒ 成功の可能性があると思えない
ƒ シニアマネージャーがやると言っ
ていることに反対していると思わ
れたくない(保身術)
Resistances
15-20%
彼らにも言い
分はあるけれ
ど...
20
渋谷テクニカルナイト
サマリー
ƒ ITILでの継続的改善活動
– V2
• SIP / CSIP
– V3
•
•
•
•
CSI
ビジネスの改善⇒ITサービスの改善⇒ITサービスマネジメントの改善
継続的サービス改善の7つのステップ
日常のITサービス・オペレーションで収集されたデータを起点に、データから情報、
情報からナレッジへと昇華し、ビジネスの方向を決める「知恵」へと転ずることで、
ビジネスにITの価値をもたらす
• サービスナレッジ管理の必要性(DIKW)
• ITサービスマネジメントを実現する成熟度に達するには、人/組織文化の成熟が
不可欠
• お客様のIT組織文化の成熟度により、ISM製品のオポテュニティの確度が変化
する
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