IBM PureApplication System パターンを利用したシステム・デザイン 1 ISE.PureSystemsソリューション 清水 宣行()
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IBM PureApplication System パターンを利用したシステム・デザイン 1 ISE.PureSystemsソリューション 清水 宣行()
IBM PureApplication サマー・スクール 第2部 プランニング編:PureApplication Systemによるクラウド基盤の設計と構築 IBM PureApplication System パターンを利用したシステム・デザイン ISE.PureSystemsソリューション 清水 宣行([email protected]) © 2013 IBM Corporation 1 Disclaimer この資料は日本アイ・ビー・エム株式会社ならびに日本アイ・ビー・エム システムズ・エ ンジニアリング株式会社の正式なレビューを受けておりません。 当資料は、資料内で説明されている製品の仕様を保証するものではありません。 資料の内容には正確を期するよう注意しておりますが、この資料の内容は2013年7月 現在の情報であり、製品の新しいリリース、修正などによって動作/仕様が変わる可 能性があるのでご注意下さい。 PureApplication Summer School 2 © 2013 IBM Corporation 2 Agenda §1. パターンとは §2. システム・デザイン §2.1. Service domain §2.2. Management domain §2.3. Tailor domain §3. ハイブリッドクラウド・デザイン §4. まとめ ライセンス管理デザイン バックアップデザイン 高可用性デザイン モニタリングデザイン 拡張性デザイン 自律化デザイン キャッシュデザイン 注:ワークショップでは上記アイコンが右上にあるペー ジは説明を省略します。 災対デザイン プレセールスや実案件のノウハウを詰め込んだシステム・デザインを定義。 プレセールスや実案件のノウハウを詰め込んだシステム・デザインを定義。 高品質なシステムを少ない時間とコストで構築・運用すべく、PureApp特有の設計指針 高品質なシステムを少ない時間とコストで構築・運用すべく、PureApp特有の設計指針 をご理解下さい。 をご理解下さい。 3 © 2013 IBM Corporation はじめに、PureAppが提供するパターンとそのパターンを構成するコンポーネント が何であるかをご説明します。その上でPureAppが提供するパターン、仮想システ ムパターンと仮想アプリケーションパターンを利用したシステム・デザインを、 Service、Management、Tailorという3つのドメイン毎にご説明します。3章では、 Private CloudとしてPureApp、Public CloudとしてIBM SmartCloud Enterpriseを 利用したハイブリッドクラウドのシステムデザインをご説明し、4章でこのセッションを まとめます。 私のプレセールスや実案件のノウハウを詰め込んだシステム・デザインを定義しま した。 PureAppというPrivate Cloud / PaaSをターゲットとした垂直統合型製品を 利用して、高品質なシステムを少ない時間とコストで構築・運用すべく、今までとは 異なるPureApp特有の設計指針をご理解頂けたらと思います。 3 §1. パターンとは 4 © 2013 IBM Corporation 1章、「パターンとは」を説明します。 4 パターンとは 元々は、建築工学で定義された用語 Christopher Christopher Alexander Alexander (1977) (1977) 美しい建物や街を構成する共通の法則性を「パ 美しい建物や街を構成する共通の法則性を「パ ターン」と定義。誰もがその「パターン」を基に街 ターン」と定義。誰もがその「パターン」を基に街 作りに参加できることを目的とした。 作りに参加できることを目的とした。 ソフトウェアの分野に普及 The Gang of Four デザイン・パターン Amazon Web Services クラウド・デザイン・パターン オブジェクト指向プログラミング パブリック・クラウドのシステム・アーキテクチャー パターンは、「法則性」にすぎない。 自分なりに考えて、具現化して、実践する ことが求められる。 5 © 2013 IBM Corporation パターンとは、元々は、建築工学で定義された用語です。1977年、ウィーンの建築 家であるクリストファー・アレグザンダー氏が、美しい建物や街を構成する共通の法 則性を「パターン」と定義し、建築・都市計画の理論としてパターン・ランゲージを提 唱しました。同じようなデザインの建物が写真で確認できるかと思います。こちらは 埼玉県の入間市にある東野高校です。そして、それが、ソフトウェアの分野に普及 し、オブジェクト指向プログラミングのGoFデザインパターン、最近ではパブリック・ク ラウドのシステムアーキテクチャーであるAmazon Web Servicesクラウド・デザイ ン・パターンなどが定義されました。 ここでは、パターンの背景がどうだとか、ソフトウェアの世界でどんなパターンがある のかを確認したい訳ではありません。パターンとは、誰もがその「パターン」を基に、 デザインプロセスに参加できることを目的に提唱されたものであり、法則性にすぎま せん。使えるようにするためには、「自分なりに考えて、具現化して、実践する」こと が求められます。PureAppのパターンには専門家の知見がインテグレートされてい るのですが、それだけでは使い物になりません。Gang of Fourのデザイン・パター ンを熟知していることと、Javaのコーディングスキルが高いことは必ずしも一致しな いことと同じです。お客様要件をふまえた上で、パターンをどうやってデザインすべ きかについて、これからみなさんと一緒になって考えていきます。 <補足> クリストファー・アレグザンダー(Christopher Alexander 1936年10月4日)はウィー ン出身の都市計画家・建築家。イギリスで数学、建築学を学んだ後、アメリカに渡り、 カリフォルニア大学バークレー校教授になる。建築・都市計画の理論としてパター ン・ランゲージを提唱したことで知られる。 5 PureAppが提供するパターン 6 仮想システム・パターン 仮想アプリケーション・パターン トポロジー視点 トポロジー視点 … become what is deployed ワークロード視点 ワークロード視点 What What the the business business wants… wants… © 2013 IBM Corporation では、PureAppが提供するパターンが何であるかと言うと、仮想システム・パターン と仮想アプリケーション・パターンの2つです。トポロジー視点でシステムを捉えてい るのが仮想システム・パターン、ワークロード視点でシステムを捉えているのが仮想 アプリケーション・パターンです。 6 PureAppのパターンを構成するコンポーネント 仮想システム・パターン システム・プラグイン システム・プラグイン パターン・タイプ パターン・タイプ Hypervisor Hypervisor Edition Hypervisor Edition Virtual Appliance Software application 仮想アプリケーション・パターン 業界標準 Operating system IBM独自実装 Metadata OSとミドルウェア( + IBM独自拡張)を 組み合わせた仮想イメージ OVAファイル WebSphere Application Server IBM HTTP Server DB2 WebSphere MQ WebSphere Message Broker システム・プラグイン: コンポーネント、ポリ シー、リンクの実体 パターン・タイプ: 特定のワークロード向けに グループ化されたプラグインの論理セット etc Web Application Pattern Transactional Database Pattern DataMart Pattern IBM Application Pattern for Java IBM Mobile Application Platform Pattern IBM Business Intelligence Pattern etc http://www.ibm.com/software/websphere/products/hypervisorfamily/ 7 © 2013 IBM Corporation 続いて、そのパターンを構成しているコンポーネントが何であるかと言うと、仮想シ ステム・パターンはHypervisor Editionです。Hypervisor Editionは、図のようにOS とミドルウェアにIBM独自拡張を組み合わさった仮想イメージです。仮想マシンの 業界標準であるOVA(Open Virtualization Format Archive)の形式で提供されま す。現時点では、ミドルウェアとして、WAS、IHS、DB2、 MQ、WMBなどが提供さ れています。何が提供されている/提供されていないかについては、リンク先をご確 認下さい。 仮想アプリケーション・パターンは、システム・プラグインとパターン・タイプから構成 されています。システム・プラグインは、コンポーネント、ポリシー、リンクの実体で、 パターン・タイプは特定のワークロード向けにグループ化されたプラグインの論理 セットです。パズルのピースがシステム・プラグインで、パズルのピースの集まりがパ ターン・タイプです。これは、IBMが独自実装した仮想イメージであるとお考え下さ い。業界標準の仮想イメージでは実現できないために、あえてIBMが独自拡張した 仮想イメージです。現時点では、Webアプリケーションの実行環境を提供するWeb Application Pattern、RDBの実行環境を提供するTransactional Database Pattern、モバイルの実行環境を提供するIBM Mobile Application Platform Patternなどがあります。 7 その他、PureAppが提供するコンポーネント 共有サービス アプリケーションに対する共通のサービスを提供 Elastic Load Balancerプロキシサービス キャッシュサービス モニタリングサービス z z z z IBM独自拡張 システム WebSphere Application Server データベース HTTP システムプラグイン + パターン・タイプ 共有 サービス① 共有 サービス② 8 System A(開 発) System A(本 番) SystemB System C © 2013 IBM Corporation その他、パターンではないのですが、PureAppが提供するコンポーネントとして共 有サービスがあります。システムをデザインする上で、仮想システム・パターンや仮 想アプリケーション・パターンと同じように重要なグルーピングになります。 共有サービスは、アプリケーションに対する共通のサービスを提供しています。リク エストの割り振りを行うELBプロキシサービスであったり、データをキャッシュする キャッシュサービスであったり、CPUやMemoryなどのシステムリソースなどを監視 するモニタリングサービスがあります。システム毎に利用したい共有サービスを選択 します。 仮想アプリケーション・パターンと同様に、システム・プラグインとパターン・タイプか ら構成されています 8 期待されていること、実現しなければいけないこと 社内に専門家を抱えたり、外部のシステムインテグレータに 社内に専門家を抱えたり、外部のシステムインテグレータに 依頼したりしなくても、システムを構築・運用できるようになる。 依頼したりしなくても、システムを構築・運用できるようになる。 さらに、一歩進んだシステムが出来上がる。 さらに、一歩進んだシステムが出来上がる。 今までと同じシステムは、 今までよりも少ない時間とコストで 構築・運用する (Time to Value) 9 今までにはないシステムを 構築・運用する (Never before) © 2013 IBM Corporation そして、PureAppのパターンを利用してシステムをデザインすることで、広くは PureAppを利用することで、社内に専門家を抱えたり、外部のシステムインテグ レータに依頼したりしなくても、システムを構築・運用できるようになる。そして、さら に一歩進んだシステムが出来上がると、利用者側が期待されています。PureAppと いう高い買い物をされていますので、当然このようなことが実現できるものだと考え られています。 この期待に答えるためには、 1. 今までと同じシステムは、今までより少ない時間とコストで構築・運用する 2. 今までにないシステムを構築・運用する を実現しなければいけません。パフォーマンスが良くて障害のない安定したシステ ムをPureApp上で構築・運用したとしても、それはPureAppでない環境でも実現で きるので、何のためにPureAppにしたの?と言う評価になってしまいます。 PureAppを利用するからにはこの宿命があることを念頭において下さい。 9 §2. システム・デザイン 10 © 2013 IBM Corporation それでは、PureAppのパターンを利用したシステム・デザインを、2章で説明してい きます。 10 全体像 責務から、Service、Management、Tailorの3つのドメインに分割 責務から、Service、Management、Tailorの3つのドメインに分割 各ドメインに、仮想システム、仮想アプリ、共有サービスを配置 External External System System PureApplication PureApplication System System Smart Phone Service Service Domain Domain Management Management Domain Domain Virtual Virtual System System Pattern Pattern Virtual Virtual System System Pattern Pattern Virtual Virtual Application Application Pattern Pattern Virtual Virtual Application Application Pattern Pattern Shared Shared Service Service Shared Shared Service Service VSPとVAPの 組み合わせも可能 Management/Tailor domain を考慮して、リソースを見積もる Client PC Virtual Virtual System System Pattern Pattern Virtual Virtual Application Application Pattern Pattern Tailor Tailor Domain Domain 11 © 2013 IBM Corporation 全体像です。はじめに、その責務からServiceとManagement、Tailorの3つのドメイ ンに分割することができます。分割することで、システムの全体をとらえやすくなりま す。 Service Domainとは、お客様の業務アプリケーションが稼動するコンポーネントそ のものです。Javaの実行環境を提供しているWASやリレーショナルな形式でデー タを保管するDB2などが当てはまります。Management Domainとは、Service Domainの稼動を管理しているコンポーネントです。リソースを監視するITM(IBM Tivoli Monitoring)や、WASの問題判別ツールであるITCAM(IBM Tivoli Composite Application Manager)などが当てはまります。Tailor Domainとは、仮 想イメージやパターンをカスタマイズするコンポーネントです。仮想システムパター ンの構成要素であるHVをカスタマイズするICCT、仮想システムパターンの構成要 素であるシステム・プラグインやパターン・タイプをカスタマイズするPDKが当てはま ります。 そして、お客様要件を実現すべく各ドメインに、仮想システム・パターン、仮想アプ リケーションパターン、共有サービスを配置します。Service Domainの仮想システ ム・パターンとManagement Domainの仮想システム・パターンを利用するというよう なドメインをまたがった組み合わせも可能です。その他、システムリソースを見積も る際には、PureAppのCPU数でお伝えすると32/64/96/192/384/608の6つのモデ ルから選択することになりますが、業務アプリケーションが稼動するService Domain だけではなく、Management DoimainとTailor Domain上で稼動するコンポーネントも 必要になることをご考慮下さい。 11 PureApplication PureApplication System System 9 仮想システム WAS、DB2、MQ Service Service Domain Domain Management Management Domain Domain Virtual Virtual System System Pattern Pattern Virtual Virtual System System Pattern Pattern Virtual Virtual Application Application Pattern Pattern Virtual Virtual Application Application Pattern Pattern Shared Shared Service Service Shared Shared Service Service 9 仮想アプリケーション Web Application Pattern Data Mart Pattern 9 共有サービス キャッシュサービス、ELBサービス etc §2. パターン・デザイン Virtual Virtual Application Application Pattern Pattern Virtual Virtual System System Pattern Pattern Tailor Tailor Domain Domain Service Domain 12 © 2013 IBM Corporation 1つのグルーピングであるService Domainを説明します。 12 A. 基本デザイン ~仮想システム Service Service Domain Domain WAS WAS Hypervisor Hypervisor Edition Edition WAS DB2 DB2 Hypervisor Hypervisor Edition Edition スクリプト・パッケージを作成 スクリプト・パッケージを作成 し、仮想イメージと紐付け し、仮想イメージと紐付け DB2 負荷分散装置 (外部) AP PureAppの機能で、トポロジー構築までを実現。 それ以降の作業をどうするか? 手動 or 自動 目的 DB 3層Webアプリケーションを実現 ポイント パラメーター設定をスクリプト化し、他環境/他システムに横展開 JVMヒープサイズ変更、WAS – DB2間接続設定、アプリケーションのインストール データベースの作成、データimport / export etc 成果物の横展開により、SIと運用にかかる時間とコストを削減 13 © 2013 IBM Corporation はじめは、仮想システムパターンの「A.基本デザイン」です。 クライアント、APサーバー、データベースの3層Webアプリケーションを実現します。 仮想システム・ビルダーというお絵かきツールを使って、WAS HVとDB2 HVを選択 しドラッグ&ドロップでトポロジーを定義します。 PureAppの機能によって、複数台構成等のWASトポロジーまでを実現してくれま す。ポイントはその次で、WASトポロジー構成以降の作業、例えば、JVMヒープサ イズの変更であったり、WAS-DB2間の接続設定をどうやって実現するかです。今 までと同じようにOSにログインして、WAS管理コンソール経由で手動で設定するこ とができます。ただ、それでは、検証環境や本番環境などの同一システム内の他環 境や他システムに横展開することができません。最初は手間がかかるかもしれませ んが、 SIと運用にかかる時間とコストをトータルで削減すべく、インフラ構築・運用を 是非スクリプト化して下さい。このように成果物を横展開しないと、はじめて、SIと運 用にかかる時間とコストを大きく削減することが可能になります。 13 【Tips】 インフラ構築・運用をコード化しよう! 背景 PureApp PureApp 設計指針 設計指針 ITシステムの役割の変化 (業務効率化→柔軟性とAgility) 揺らぐことのない安定稼動を求めるシステム VS 市場の変化や消費や行動の着実なフォローが必要なシステム 常に新たなユーザー・エクスペリエンスを取り込む必要があるシステム 分析や最適化、予測などを行うシステム Infrastructure as a Code の実現が求められる DevOps (開発と運用の一体化) アプリケーションおよびインフラの迅速化 14 ハードウェア能力の増強 ハードウェア・ミドルウェアの構成変更 © 2013 IBM Corporation PureAppの設計指針に関するTipsです。「インフラ構築・運用をコード化しよう!」 です。ITシステムの役割が、かつてまでの業務効率化という観点から、ビジネス ニーズに即座に対応できる柔軟性とアジリティーを確保しようという状況に変わりつ つあります。もちろん、環境や経済状況の変化にそれほど敏感に反応しなくてもい いITシステムは多数存在します。そうしたシステムにとってはビジネス・ニーズへの 即応性よりも、揺らぐことのない安定稼動が最重要課題となります。反面、市場の変 化や消費や行動の着実なフォローが必要なシステム、常に新たなユーザー・エクス ペリエンスを取り込む必要があるシステムや、分析や最適化、予測などを行うため のシステムにおいては、いかにスピーディーに機能追加、機能修正を行えるかが問 われ、時には安定稼動のレベルを多少下げてでも実現しなくてはならない場面が 出てきています。そのためには、Agile、scrum、XPなど、アプリケーション開発が迅 速化されるだけでなく、ハードウェア能力の増強やハードウェア・ミドルウェアの構成 変更など、インフラストラクチャーの迅速化も必要になります。アプリケーションだけ 早くても、それを支えるインフラが遅ければ、意味がありません。そしてインフラの迅 速化を実現するためには、インフラ運用をコード化する必要があります。前のペー ジでご説明した「SIと運用にかかる時間とコストを削減する」という目的と、「ビジネス ニーズに対応できる柔軟性とアジリティーを確保する」という目的で、インフラ運用 のコード化を是非、実現して下さい。 その他、構築・運用を自動化するオープンソースのソフトウェアでChefやPuppetな どがあります。 14 B. 高可用性デザイン ~仮想システム (WAS-DB2編) Service Service Domain Domain Active-Active構 成 Active-Standby構 成 WAS DB2 IHS ODR 192.168.0.1 WAS DB2 TSA TSA 192.168.0.2 Proxy 目的 高可用性を実現 Client Client Reroute Reroute DB HADR HADR なぜ、PowerHA / LifeKeeper等を利用し た DB2のActive-Standby構成ではないの か? ポイント 15 AP WAS Client Reroute + DB2 HADR (Shared nothing) + Tivoli System Automation IPアドレス管理の責務は、PureApp クラスタソフトウェアでIPアドレスを付け替えると、PureAppで管理できなくなる © 2013 IBM Corporation 続いて、仮想システムパターンの「B.高可用性デザイン」です。 ミドルウェアレベルの高可用性を実現します。APサーバー層は、WASのクラスター 機能によってActive-Active構成にします。そして、Active-Standby構成であるDB2 に対して、WASのClient Reroute機能を用いてActiveのDB2に処理を割り振ります。 DBサーバー層は、HADR(High Availability Disaster Recovery)機能によって Active-Standby構成における高速テイクオーバーを実現し、TSA(Tivoli System Automation)機能によって自動テイクオーバーを実現します。 ポイントは、「IPアドレス管理の責務はPureAppである」です。なんで、PowerHAや LifeKeeperのようなクラスターソフトウェアを利用できないのかおわかりでしょうか? これは、クラスターソフトウェアが仮想IPでもってIPアドレスを付け替えると、 PureAppでは管理できなくなるからです。具体的には、PureAppはデプロイ後の仮 想マシンに対してプロセス監視やログ監視などの運用管理を実施しているため、ク ラスターソフトウェアによって勝手にIPアドレスが変更されてしまう、プロセス監視や ログ監視できなくなります。ネットワークの足をサービス用と管理用の2つにすること も可能なのですが、構成が複雑になるとともにその分の作業工数がかかってしまい ます。 PureAppではPowerHA構成を実現できないという話ではなくて、提供される 機能や状況をシンプルに考えると、HADRとTSAがファーストチョイスになるという話 です。 WAS Client Reroute、DB2 HADR、TSAを利用して、高可用性を実現しましょう。 その際、IPアドレス管理の責務がPureAppであることを考慮して下さい。 15 B. 高可用性デザイン ~仮想システム (WAS-MQ編) Service Service Domain Domain Active-Standby構 成 MQ IHS ODR WAS NFSマウント 192.168.0.1 Redhat MQ /MQShare MQ MQ マルチインスタンス マルチインスタンス 192.168.0.2 Proxy 目的 高可用性を実現 ポイント MQ なぜ、PowerHA / LifeKeeper等を利用し た MQのActive-Standby構成ではないの か? MQ マルチインスタンス IPアドレス管理の責務は、PureApp 16 AP クラスタソフトウェアでIPアドレスを付け替えると、PureAppで管理できなくなる © 2013 IBM Corporation 続いて、仮想システムパターンのMQの「B.高可用性デザイン」です。 MQマルチインスタンスの機能によって、Active-Standby構成におけるMQ層のテイ クオーバーの仕組みを実現します。MQのキューマネージャーの情報等を共有する ため、共有サーバーを別途構築し、各MQサーバーからNFSマウントする構成にし ます。前ページと同じ理由で、IPアドレス管理の責務はPowerHAのようなクラス ターソフトウェアではなくて、PureAppです。そのため、MQマルチインスタンス機能 を利用しています。 その他、WAS/MQ – MQというトポロジーの場合、MQクラスターが選択肢になりま す。 16 【Tips】 Simple is best PureApp PureApp 設計指針 設計指針 背景 / 理由 デフォルトから変更すると、その分の作業が発生 仮想化の特徴であるシステムリソースの柔軟性を有効活用 前システムの設定踏襲という考えを捨て去り、Simple 前システムの設定踏襲という考えを捨て去り、Simple is is Best Best に回帰 に回帰 例1: トポロジー設計 垂直・水平クラスター構成 垂直・水平クラスター構成 物理筐体1 物理筐体2 JVM JVM JVM JVM → → 水平クラスター構成 水平クラスター構成 仮想マシン JVM X4 例2: パフォーマンス対応 17 1VM、1JVM 1VM、1DB 1VM、1NIC 物理筐体ではなく、Private Cloud / PaaS環 境 パフォーマンス低下の原因が、アプリであることが判明 アプリ改修まで、CPUやMemoryを増強して一時をしのぐ アプリ改修に時間とコストがかかる場合、リソース増強で恒久対応するのも一案 © 2013 IBM Corporation 再び、PureAppの設計指針に関するTipsです。「Simple is best!」です。 HVのデフォルトから変更すると、当然その分の作業が発生してしまいます。 PureAppは仮想化環境ですので、システムリソースの柔軟性があります。この事実 を考慮して新しくシステムを設計すべきであり、前システムの設定をそのまま踏襲す るという考えを捨て去るべきではないでしょうか。PureAppは、物理筐体ではなくて、 Private CloudのPaaS環境です。 例えばトポロジー設計において、今までは、プロセス障害を考慮して1つの物理筐 体に複数のJVMを、物理筐体障害を考慮して複数の筐体にする垂直・水平クラス ター構成を選択されたかと思います。仮想化環境では筐体数の制約がなっていま す。デフォルト値の1仮想マシン1JVMの水平クラスター構成とすることで構築工数 を削減し、構成をシンプルにすることで運用工数を削減できます。前システムの設 定を踏襲するという理由で、無理に左側の垂直・水平クラスター構成にするのはや めましょう。 また、パフォーマンス対応において、パフォーマンス低下の原因がアプリケーション であることが判明したとします。この時、仮想化環境ではシステムリソースの柔軟性 がありますので、アプリケーションを改修するまで、CPUやMomoryを増強して一時 をしのぐというアプローチが可能になっています。アプリケーション改修に時間とコ ストがかかるのであれば、リソース増強で恒久対応とするのも一案です。 PureAppは、Private CloudのPaaSをターゲットとした垂直統合型製品ですので、 物理筐体の時とは異なるシンプルな設計が求められます。 17 C. 拡張性デザイン ~仮想システム Service Service Domain Domain CPU CPU DB2 100% WAS 100% IHS ODR CPU、Memoryを増 CPU、Memoryを増 減 減 WAS 台数を増減 台数を増減 Proxy 目的 トランザクション処理量や障害等に応じて、手動でシステム構成を変更 DB AP WAS DB2 スケールアップ、スケールアウト(=クローン) スケールアップ PureAppコンソールから操作 PureAppコンソールから操作 ポイント システム構成の動的拡張/縮小が可能 増減を検知し自動で割り振るためには、ODRを利用 18 © 2013 IBM Corporation 続いて、仮想システムパターンの「C.拡張性デザイン」です。 トランザクション処理量や障害等に応じて、手動でシステム構成を変更します。AP サーバー層はCPUやMemoryを増強するスケープアップと、仮想マシン数を増や すスケールアウトの両方のアプローチを選択できます。DBサーバー層はスケール アップのアプローチを選択できます。 ポイントは、スケールアップ/スケールアウトのシステム構成の変更を、PureAppのコ ンソール経由で、システム無停止で容易に実現できます。また、WASの台数の増 減を検知し、自動でリクエストを割り振るためには、WASの前段にIBM HTTP Serverではなくて、JavaのProxyサーバーであるODRを配置して下さい。仮想シス テムパターンを作成する際に、コンポーネントとしてIHSではなくてODRを選択して 下さい。 18 D. キャッシュデザイン ~仮想システム / 仮想アプリ Service Service Domain Domain WAS ODR DB2 共有サービス 共有サービス キャッシュ Enterprise Application HTTPSession Data Cache Proxy 目的 Cache Data Store AP DB ODR / WXSを積極的に利 WXSを積極的に利用 用! しよう 共有キャッシュサービス(=WXS)にてキャッシュされたデータを保管 リクエストの高速化と使用できるキャッシュサイズの増加を実現 ポイント 19 Session Data Cache :HTTPセッション用キャッシュ Dynamic Cache :WASの動的キャッシュ Simple Data Grid :key/valueデータストア © 2013 IBM Corporation 仮想システムパターン、アプリケーションパターンの「D.キャッシュデザイン」です。 共有サービスのひとつである共有キャッシュサービスを利用して、WASの前段のコンポー ネントでデータを保管することで、リクエストの高速化と使用できるキャッシュサイズを増加さ せることが実現できます。実は、共有キャッシュサービスの中身がWebSphere eXtreme Scale(以降、WXS)というソフトウェアであり、WXSの機能でもって、HTTPセッション用 キャッシュ、WASの動的キャッシュ、Key/Value形式のデータストアのキャッシュを、APサー バーの前段に配置される共有キャッシュサービスにて保管できます。今までは、ライセンス 料や設計・設定の手間がかかるという理由で良い機能なのですがあまり使われていなかっ たODRやWXSを、PureApp上でライセンスフリーで使えますので、是非、積極的にご利用 下さい。 <補足1> HTTPセッション用キャッシュについて補足します。WAS障害時でも、例えばAmazonなど のECサイトで住所やクレジットカードを入力しているページを他のWASでも利用できるよう にするため、HTTPのセッションデータを、WASのメモリー上かDB上に保管していました。 そのため、使用できるメモリー量に制限があったり、DBのコンポーネントを別途用意する必 要があったり、パフォーマンス劣化の原因となるケースもありました。そこで、APサーバーの 前段にキャッシュ専用のコンポーネントを配置することでもって、これらの課題を解決しよう というアプローチです。共有キャッシュサービスデプロイし、簡単な設定で使用できますの で、是非、共有キャッシュサービスの利用をご検討下さい。 <補足2> 仮想アプリケーションパターン(Enterprise Application)では、共有キャッシュサービスとし て利用できるのは、事実上、HTTPSessionのみです。 19 E. 自律化デザイン ~仮想システム Service Service Domain Domain ③PureAppがWASの仮想マシンをデプロイ ④ODRが、追加されたWASを割り振り対象とする ①WASが、条件を満たしていないことを検知 ②WASの追加をPureAppに命令 共有サービス 共有サービス Proxy DB2 WAS 台数を増減 台数を増減 キャッシュ HTTPSession Cache DB AP 目的 CPU 100% WAS ODR トランザクション処理量や障害等に応じて、自動でシステム構成を変更 ポイント WASがコントローラーとなり、PureAppに命令 ODRがWASのスケールアウト/インを検知し、自動でリクエストを割り振る WASのスケールインに対応すべく、共有キャッシュサービスにてHTTPSessionを保管 20 © 2013 IBM Corporation 続いて、仮想システムパターンの「E.自律化デザイン」です。 トランザクション処理量や障害等に応じて、自動でAPサーバー層のシステム構成を 変更します。前ページの「C. 拡張性デザイン」では手動でしたが、ここでは自動で Webアプリケーション・サーバーの台数を増減します。 具体的な挙動は、WAS(APC:Application Placement Controller)がCPU使用率 などの任意の条件を満たしていないことを検知すると、WASの追加をPureAppに 命令します。PureAppをその命令を受け付けてWASの仮想マシンをデプロイし、 ODRが追加されたAPサーバーを割り振り対象とします。PureApp上でODRと WASを利用することで、このようなシステムの自律化を実現できます。その他、 WAS台数の削減時でも、ユーザーへの影響をなくしたい、HTTP Sessionが無効 になることを避けたい場合には、共有キャッシュサービスを利用して下さい。 <補足> ProxyサーバーであるODRも、台数を増減させる設定とすることが可能です。 20 【Tips】 全てのシステムで自律化を! 背景 / 理由 PureApp PureApp 設計指針 設計指針 12月のクリスマス商戦や月末・月初処理がなく、トランザクション処理量の増減が ほとんどないため、自律化は関係ないと考えていませんか? 「トランザクション処理量への対応」と「 障害対応」の2つの要件を実現 設計例 トランザクション処理量への対応 障害対応 通常:2台、最大:4台 通常:2台、最大:2台 WAS ODR WAS WAS 21 DB2 最低稼動台数2台を守り抜く 最低稼動台数2台を守り抜く © 2013 IBM Corporation PureAppの設計指針に関するTipsをお話します。全てのシステムで自律化を実装 しようです。 12月のクリスマス商戦や月末・月初処理がなく、トランザクション処理量の増減がほ とんどないため、ご担当されているシステムは自律化は関係ないと考えていません か?実は、自律化は、「トランザクション処理量への対応」だけではなく「障害対応」 の要件でも利用できます。 トランザクション処理量への対応として、通常時は2台、過負荷時には4台というよう な設計が考えられます。ここで、通常2台、最大2台に設定することで、万が一、ある サーバーが障害でダウンしたとしても、最低稼動台数の2台を守るべく、1台を自動 で復旧させる仕組みを実現できます。 最低稼動台数を守るという障害対応の観点でも、この自律化を実装することをご検 討下さい。 21 A. 基本デザイン ・Web Application Pattern Enterprise Application DB 目的 Service Service Domain Domain RDB AP ~仮想アプリケーション 3層Webアプリケーションを実現 ポイント 設定できるパラメーター数が数十個程度 PureAppコンソール経由で、運用管理を実施 自由度が低いという制約を許容することで、時間とコストを大幅に削減 デフォルトではOSにログインできない、WAS管理コンソールを利用できない 22 © 2013 IBM Corporation 続いて、仮想アプリケーションパターンの「A.基本デザイン」です。 クライアント、APサーバー、データベースの3層Webアプリケーションを実現します。 仮想アプリケーション・ビルダーというお絵かきツールを使って、WASやDB2などの コンポーネントを選択しドラッグ&ドロップでシステムトポロジーを構築します。設定 できるミドルウェアのパラメーターが数十個程度です。例えばWASの場合、数千個 程度のパラメーターが提供されていますが、仮想アプリケーションパターンで変更 できるパラメーターは数十個程度です。このようにあえてパラメーター変更などの自 由度が低いという制約を許容することで、構築と運用にかかる時間とコストを大幅に 削減しようとするパターンです。従いまして、PureAppのコンソール経由で運用管 理を実施しましょう。WASの構成管理を行うツールである管理コンソールを利用す る必要はありません。(デフォルトでは、仮想アプリケーションパターンの仮想マシン のOSにログインできません。また、WASの構成管理を行うツールであるWAS管理 コンソールがデプロイされていませんので利用できません。) <補足>WASで変更できるパラメーター WAR/EAR/EBAファイル、非同期応答タイムアウト、合計トランザクション存続期間 タイムアウト、クライアント非アクティブ・タイムアウト、最大トランザクション・タイムアウ ト、最大セッション・カウント、冗長ガーベッジ・コレクションを使用可能にする、一般 JVM引数、クラス・ローダー順序、WARクラス・ローダー・ポリシー、ログ詳細レベル、 管理ユーザー・パスワード、インテリム・フィックス URL。 22 Short Low 【Tips】 仮想システムと仮想アプリケーションのパターン選択指針 WorkSheet 仮想システムパターンと 仮想アプリケーションパ ターンの選択フロー COST MW OS HW 1 High 23 仮想イメージ 仮想システム・パターン ワークロード視点 専門家がインテグレートされたパター ンを利用し、高度に自動化されたデ プロイメント ビジネス・ポリシー主導の弾力性 弾力性のあるワークロード管理サー ビスを活用 トポロジー視点 ミドルウェアのデプロイメントを自動化 従来型のマネジメント・モデル アプリケーションおよびインフラストラク チャー主導の弾力性 自由度 (Customization / Control) Long High Hypervisor 2 仮想アプリケーション・パターン TIME 3 Low © 2013 IBM Corporation ここで、仮想システムパターンと仮想アプリケーションパターンの選択指針を説明し ます。 どちらのパターンもPaaSを実現できるのですが、自由度を低くすることでより時間と コストを下げることができるのが、仮想アプリケーションパターンです。どの程度自由 度がなくなっているか、どのような業務であれば仮想アプリケーションパターンを利 用できるかについては、WorkSheetが用意されていますので、質問に回答するだ けで答えが出てきます。ただ、お客様要件をそのままWorkSheetでチェックすると、 日本のお客様は100%、仮想システム・パターンです。例えば、Web Application Patternでは、Webサービス、JTA、EJB、JMXなどが使用できません(2013/04時 点)。時間とコストを削減するために、ある程度制約を許容し、お客様要件を変更す るというようなアプローチが必要です。 また、仮想アプリケーションパターンをデフォルトからカスタマイズすることで、仮想 システムパターンに近づけることができます。しかしカスタマイズする際に時間とコス トがかかってしまうと同時に、あまり仮想システムパターンとの違いがなくなってしま います。どこを目標にするのかは、要件定義の段階で十分に検討して頂き、パター ンを選択して下さい。 23 B. 高可用性デザイン ~仮想アプリケーション ・Web Application Pattern Service Service Domain Domain Active-Active構成 Enterprise Application ELB RDB Enterprise Application 共有サービス 共有サービス Proxy APサーバー層の高可用性を実現 DB2 DB2 ポイント DBサーバー層は、高可用性を実現できない (案1) 仮想システム・パターンのDB2 HADR with TSA (Shared nothing) (案2) PureApp外のDB2 with PowerHA (Shared everything)を利用 (案3) DBサーバー層は、高可用性構成とはしない。緊急時は、再デプロイ。 z 24 DB 目的 AP WAS Client Rerouteを設定するためには、Plugin Development Kitを利用してカスタマイズ © 2013 IBM Corporation 続いて、仮想アプリケーションパターンの「B.高可用性デザイン」です。 APサーバー層のみ高可用性を実現できます。APサーバーの台数をスケーリング ポリシーにて設定し、前段に共有ELBプロキシサービスを配置することでもって、複 数台のEnterprise Applicationに対してリクエストを割り振ります。共有ELBサービス の実体がODR、Enterprise Applicationの実体がWASであるとお考え下さい。 ただし、DBサーバー層は、仮想アプリケーションパターンでは高可用性を実現でき ません。DBサーバー層のみ仮想システムパターンのDB2 HADRを利用するか、 PureApp外にPower HAなどで高可用性が確保されたDB2などをご利用下さい。 APサーバー層は仮想アプリケーションパターン、DBサーバー層は仮想アプリケー ションパターンを利用するというような構成をとることが可能です。 また、仮想アプリケーションパターンでDB2の1台構成にします。万が一の障害時 には、再デプロイしてDB環境を作り直し、ユーザーデータはDBバックアップからリ ストアするというような、ある程度割り切った対応もひとつの選択肢です。OSやMW のモジュール自体は仮想イメージとしてPureApp上に保管されていますので、万が 一の場合でも、数十分程度でDB環境を作り直せます。MTTR(Mean Time To Repair:平均修復間隔)の非機能要件を満たせればどんな方法でも問題ないはず です。 仮想アプリケーションパターンでは、DBサーバー層の高可用性を別途検討して下 さい。 24 C. 拡張性デザイン Service Service Domain Domain トランザクション処理量や障害等に応じて、手動でシステム構成を変更 ポイント WAS DB2 25 DB AP 目的 CPU RDB CPU、Memoryを増減 CPU、Memoryを増減 CPU、Memoryを増減 CPU、Memoryを増減 する する 共有サービス 共有サービス Proxy CPU 100% Enterprise Application ELB 100% ・Web Application Pattern ~仮想アプリケーション スケールアップ、スケールアウト(※) スケールアップ 「システムを停止する」という選択も可能。 「システムを停止する」という選択も可能。 仮想イメージとして保管できるため、 仮想イメージとして保管できるため、 再び必要になった時に起動できる。 再び必要になった時に起動できる。 システムリソースの動的拡張/縮小が可能 増減を検知し自動で割り振るために、共有ELBサービスを利用 (※)デプロイ時に指定した最大数の範囲内 © 2013 IBM Corporation 続いて、仮想アプリケーションパターンの「C.拡張性デザイン」です。 APサーバー層もDBサーバー層もスケールアップのアプローチを選択できます。た だし、仮想システムパターンで実現できたAPサーバー層のスケールアウトは実現 できません。 また、クリスマス商戦などで本番環境にたくさんのシステム・リソースが必要な場合に は、開発機の仮想マシンを停止しシステムリソースを本番環境に回すという思い 切ったアプローチも選択できます。仮想マシンを停止したとしてもPureAppに仮想 イメージとして保管されているため、再び必要になった時に元に戻せます。時には システムを停止するという英断を下して、仮想化環境におけるシステム・リソースを 有効活用して下さい。 25 E. 自律化デザイン ~仮想アプリケーション ・Web Application Pattern Service Service Domain Domain ③WASの仮想マシンを追加(デプロイ) ④ELBが、追加されたWASを割り振り対象とする ①WASが、条件を満たし ていないことを検知 ②WASがWASの追加を PureAppに命令 Enterprise Application CPU 100% Enterprise Application ELB RDB 台数 台数 and and リ リ ソースを増減 ソースを増減 キャッシュ HTTPSession 共有サービス 共有サービス Proxy トランザクション処理量の増減や障害等に応じて、自動でWAS構成を変更 ポイント 26 DB 目的 AP Cache Enterprise Application(=WAS)がコントローラーとなり、PureAppに命令 ELB共有サービス(=ODR)がWAS台数の増減を検知し、自動でリクエストを割り 振る © 2013 IBM Corporation ビ 続いて、Service Domainの仮想アプリケーションパターンの「D.自律化デザイン」 です。 仕組みとしては、仮想システムパターンの「自律化デザイン」と同じです。WASでは なくEnterprise Application、ODRではなく共有ELBプロキシサービスを利用します。 26 【Tips】 スケーリングポリシー V1.1 V1.1 New New Function Function リソースのスパイクを短時間で対応し、業務応答性能を維持 リソースのスパイクを短時間で対応し、業務応答性能を維持 垂直スケーリング VM VM 垂直スケーリング(=スケールアップ) 水平スケーリング(=スケールアウト) コンビネーション パターンにより 選択項目が異なる VM 秒のスケール 水平スケーリング VM VM VM VM 分のスケール 27 © 2013 IBM Corporation ここで、V1.1で拡張された仮想アプリケーションパターンのスケーリングポリシーを ご説明します。 V1.0は水平スケーリングのみだったのですが、V1.1で垂直スケーリングと、垂直ス ケーリングと水平スケーリングが合わさったコンビネーションが追加されました。右下 の図でご説明すると、垂直スケーリングが「vCPUのみ追加」、水平スケーリングが 「ノードの追加または削除」、コンビネーションが「ノードの追加または削除。最初に vCPUを追加し、次にノードを追加します。」になります。 V1.0では、過負荷状態になってからシステムが拡張されるまで10分程度の時間が かかってしまったのですが、V1.1で垂直スケーリングが追加されたことでもって数秒 程度でシステムを自動拡張できることになります。 27 【Tips】 スケーリングポリシー設計指針 PureApp PureApp 設計指針 設計指針 DBサーバーに十分なリソースを付与し、パフォーマンスの問題は発生しないと いう前提を置く。その上で、何に合致したらAPサーバーの台数を増減したいか で、ポリシーの条件を選択する。 ✓CPU ✓CPU ✓応答時間 ✓応答時間 ✓WASからDB ✓WASからDB EL B Enterprise Application Enterprise Application Enterprise Application 28 RDB リソースを増減できるのは、 APサーバー層のみ。 どのポリシーの条件を選択しても、 DBサーバーの問題は解決できない。 © 2013 IBM Corporation 仮想アプリケーション・パターンのスケーリング・ポリシーとして、CPUベース、応答 時間ベース、WebからDBベースを選択できます。ただし、注意して頂きたいのは、 現時点でシステムリソースを増減できるのは、WAS層のみです。DB層はシステムリ ソースを増減できません。従いまして、DBサーバーには十分なシステムリソースを 付与し、パフォーマンスの問題は発生しないという前提を置くべきではないかと考え ます。CPUベース、応答時間ベース、WebからDBベースのどれを設定しても、DB サーバーがボトルネックの場合、いくらWASサーバーのシステムリソースを拡張さ せても問題は解決できません。逆に、WASサーバーのシステムリソースを増やす負 荷が余計にかかってしまいます。 その上で、システムの特徴を考慮し、どの条件に合致したらWASサーバーの台数 を増やしたいかで、ポリシーを検討する。システム毎に、CPUと応答時間、Webか らDBのどれが異常状態と判断するしきい値を超えやすいかが異なります。 28 【Tips】 パターンの考え方 PureApp PureApp 設計指針 設計指針 システムを、”1台単位”ではなく、”パターン単位”で捉える スケーリングポリシーの条件: CPU使用率90% Enterprise Application EL B Enterprise Application Enterprise Application RDB EL B Enterprise Application RDB Enterprise Application 185 (=90 + 95) > 180 (=90 x 2) ○ :仮想マシンが追加される 29 175 (=95 + 80) > 180 (=90 x 2) × :仮想マシンが追加されない © 2013 IBM Corporation クイズです。スケーリングポリシーの条件としてCPUを選択し、CPU使用率が90% を超過した場合にシステムリソースを拡張する設定をします。左側の例では仮想マ シンが追加されますが、右側の例では仮想マシンが追加されません。なぜだかお わかりでしょうか? PureAppは、システムを1台単位ではなく、パターン単位でとらえているからです。 左側の例では平均のCPU使用率が92.5%になりますが、右側の例では平均の CPU使用率が87.5%になり、パターン全体で見るとCPU使用率が90%を超えてい ないため仮想マシンが追加されません。1台単位で捉えた方がよいケースがあるの は事実ですが、SIと運用に関する時間とコストを削減するために、パターン単位で システムを捉えていると考えて下さい。 29 F. 災対デザイン ~仮想システム/仮想アプリケーション V1.1 V1.1 New New Function Function 構成容易な災対機能を製品機能として提供 Active/Standby構成の災対環境を、わずか5ステップで構成可能 8000kmまでのPureApplicationラック間で構成可能 ラック全体でのみ構成可能 データ・センター間、データ・センター内 IBM SAN Volume Controller (SVC) hardware disk replication機能を利用 非同期複製(Global Mirroring)のみサポート Active Standby Fiber 2クリックで切替え/切戻しの操作が可能 非同期複製 目標回復ポイント 目標回復時間 30 計画フェイル・オーバー:0データ損失 非計画フェイル・オーバー:Near0データ損失 アプリケーションの起動のため2~6時間 © 2013 IBM Corporation ITをシンプルに簡単にするPureApplicationシステムらしい非常に構成容易な災対 機能が製品機能として提供されます。 Active/Standbyの構成をわずか5ステップで構築可能です。これはV7000のもつ ディスクの複製機能を利用したものであり、非同期複製のみがサポートされます。 RPOとしては計画フェイル・オーバーはデータ損失0、非計画フェイル・オーバーは 非同期で伝送中のもののみが失われますので、Near0のデータ損失です。 ただし、この災対構成ではStandby機では仮想マシンを動かすことはできず、 Standby機を通常時は開発用途で利用するといった構成は採ることはできません。 災対機をStandbyとして遊ばせておくことはもったいない場合には、次ページ以降 のRPOに応じた災害対策の方法を検討していくことになります。 30 PureApplication System 9 仮想システム Advanced Middleware Configuration Service Domain Management Domain Virtual System Pattern Virtual System Pattern Virtual Application Pattern Virtual Application Pattern Shared Service Shared Service 9 仮想アプリケーション IBM Image Construction and Composition Tool 9 共有サービス モニターサービス (システム、WAS、HTTP、DB) Virtual Application Pattern etc §2. システム・デザイン 31 Virtual System Pattern Tailor Domain Management Domain © 2013 IBM Corporation 続いて、2つのグルーピングであるManagement Domainを説明します。 31 CCRA と PureApp Cloud Computing Reference Architecture OSSをいかに実現するかがクラウドの運用を成功に導く鍵 PureApp環境におけるクラウド運用設計の進め方 OSSサービス項目と、お客様要件のつき合わせ 実装すべきサービス項目と、PureAppが提供している機能のつき合わせ PureAppで提供していない機能は、別製品と組み合わせる Cloud Service Consumer Cloud Service Developer Cloud Service Provider サービス・カタログ Business-Process-as-a-Service Software-as-a-Service API Cloud Services User Interface Consumer End user Platform-as-as-Service Infrastructure-as-a-Service Developer テンプレート Virtualized Infrastructure – Server, Storage, Network, Facilities Partner Clouds Common Cloud Management Platform BSS Business Support System Customer Mgmt Order Mgmt Entitlements Subscriber Mgmt Invoicing Peering & Settlement SLA Reporting Service Offering Catalog Metering, Analytics & Reporting OSS Operational Support System Service Delivery Catalog Service Templates Service Automation Management Service Request Management Configuration Mgmt Image Lifecycle Management Provisioning Incident, Problem & Change Management IT Service Level Management IT Asset & License Management Capacity & Performance Management Monitoring & Event Management Virtualization Mgmt Consumer Administrator Service Transition Manager Service Development Tools Service Definition Tools Image Creation Tools Service Provider Portal Service Business Manager サービス自動化管理 Pricing & Rating Service Development Portal Offering Mgmt Accounting & Billing Contract Mgmt API Customer In-house IT Service Delivery Portal Consumer Business Manager Service Operations Manager OSS Operational Support Services サービス・リクエスト管理 構成管理 イメージ ライフサイクル管理 プロビジョニング インシデント管理 、 問題管理 & 変更管理 サービス・レベル管理 監視 &イベント管理 アセット & ライセンス管理 キャパシティー & パフォーマンス管理 Security & Resiliency 仮想化管理 32 © 2013 IBM Corporation はじめに、弊社IBMが提供するCloud Computing Reference Architectureである CCRAと、PureAppの関係について確認します。CCRAとは、IBMの持つクラウドの ノウハウを蓄積しアセット化したアーキテクチャーです。このCCRAのOperational Support Service(OSS)をいかに実現するかが、クラウドの運用を成功に導く鍵で す。 そのOSSでは、「サービス・カタログ」、「構成管理」、「サービス・リクエスト管理」など、 クラウドを運用するに当たって必要なサービス項目が定義されています。これをふ まえて、OSSのサービス項目とお客様要件を突き合わせて、サービス項目のいる/ いらないを判断します。その次に、実装すべきサービス項目に対して、PureAppが 提供する機能で実現できる/できないのを判断します。PureAppでは実現できない 機能は、別製品を組み合わせます。 以降では、PureAppで実現できる代表的な運用系のシステム・デザインについて、 説明します。 32 G. モニタリングデザイン Service Service Domain Domain H/W情報 (PureApp自身) DB2 ①H/Wイベント検知、②共有サービスのイベン ①H/Wイベント検知、②共有サービスのイベン ト情報受信、③SNMP ト情報受信、③SNMPtrapにて外部へ通知 trapにて外部へ通知 Management Management Domain Domain External External System System PureSystem Manager (PSM) 外部監視ツール (ex.Netcool) ITM Agent SNMPトラップ SNMPトラップ Enterprise Application ITM ITCAM Agent Agent Monitorin g 共有サービス OS view 目的 システム状態(ログ、プロセス)を監視 ITCAM view PSM(HW)、ITM (OS)、 ITCAM (WebSphere)、OPM (DB2) ポイント OPM view PSMからSNMPトラップ経由で外部システムへのメッセージ連携が可能 33 モニタリング・ ポータル ERRORメッセージ等、特定のメッセージのみ外部連携することは不可 © 2013 IBM Corporation 「G. モニタリングデザイン」です。システム状態を監視します。ログ監視とプロセス監 視です。 PureAppには、PureSystems Manager(以降、PSM)というコンポーネントが事前 に組み込まれており、PSMにてPureAppのH/Wを監視します。また、共有サービス のひとつに共有モニタリングサービスがあり、この共有モニタリングサービス経由で OS、MWを監視します。それぞれ、ITM(IBM Tivoli Monitoring)、ITCAM(IBM Tivoli Composite Application Manager)、OPM(Optim Performance Manager) というソフトウェアにて実現します。 その他、モニタリング・ポータルというJavaで動くWebアプリケーションが用意されて おり、図のようにグラフィカルにシステムを監視できます。また、PSM経由で、 SNMPトラップを飛ばし、外部システムにメッセージを連携することも可能です。た だしその際に、ERRORメッセージのみ転送するなど、特定のメッセージのみを転 送することはできません。外部システム側で、PureAppから全てのメッセージを受け 止め、必要なメッセージのみを表示するなどの工夫が必要になります。 PureSystem Manager(PSM)とは、PureApplication Systemを統括管理するコン ポーネントです。 ・仮想化レイヤーの管理(インスタンス・仮想リソース・ユーザー全般を管理、リソー ス情報の参照) ・PureApplication の監視を統合(H/Wのイベントを検知、システム・モニター、デー タベース・パフォーマンス・モニターのイベント情報を受信、統合したイベントを SNMP trapにて外部へ通知) 33 H. ライセンス管理デザイン Service Service Domain Domain ~仮想システム Management Management Domain Domain 手動でレポート化 手動でレポート化 DB2 監査レポート MQ 「強制」を設定すると、ラ 「強制」を設定すると、ラ イセンス超過した場合、 イセンス超過した場合、 デプロイさせない デプロイさせない 目的 サブキャパシティーによるライセンスコストの削減 ライセンス使用状況を、IBMからの要求により提出 ポイント PureApp同梱のソフトウェアはライセンス管理する必要なし (ライセンス料込み) PureApp同梱外のソフトウェア(MQ、WMB等)は、マニュアルカウンティング 34 © 2013 IBM Corporation 続いて、「H.ライセンス管理デザイン」です。 IBMソフトウェアの多くはプロセッサー・バリュー・ユニット(PVU)課金です。つまり CPU課金です。仮想化環境では物理CPUではなくて仮想CPU単位になりますが、 物理CPU数のフルキャパシティーラインセンスではなくて、仮想CPU数のサブキャ パシティーランセンスでの課金が可能になっています。ただし、サブキャパシティー ランセンスの場合にはライセンス使用状況をレポートし、IBMからの要求に応じてそ のレポートを提出しなければいけません。 PureApp上のミドルウェアは、PureAppの機能でもって管理できます。ILMT(IBM License Metric Tool)を使用する必要はありません。ただし、監査レポート化の機 能はありませんので、手動で作成する必要があります。対象となるソフトウェアは、 PureApp同梱外のソフトウェアです。MQやWMBなどです。その他、ライセンスを超 過した場合、デプロイさせない設定も可能です。 Virtualization Capacity License Counting Rules http://www01.ibm.com/software/lotus/passportadvantage/Counting_Software_licenses_ using_specific_virtualization_technologies.html 34 I. 共有サーバーデザイン Service Service Domain Domain WAS H/W情報 (PureApp自身) RD B TCP/UD P Redhat NFSマウント NFSマウント ファイル転送等 ファイル転送等 RedhatのOSイメー RedhatのOSイメー ジをデプロイ ジをデプロイ 目的 ログやアプリケーションなどを、システム/環境(開発、本番)をまたがって共有 Management Management Domain Domain PureApp自身(System Console/Workload Console)、各VMのOS/MWのログ Linux Libraries (Yum Repository)、Fixpack etc ポイント NFSマウントやファイル転送にて実現。Logbackupプラグインでも実現可能 自律化デザインの場合、スケールイン時にログが消える スケールイン時のイベントで、共有ログサーバーにログを転送する仕組みを実装 35 © 2013 IBM Corporation 続いて、「I.共有サーバーデザイン」です。 ログやアプリケーションなどを、システムや環境(開発、ST、本番)をまたがって共有 します。共有サーバーを利用してモジュールを一元管理すること自体は、PureApp だからこその話ではないです。ただ、複数のシステムがPureApp上で稼動する所 謂マルチテナントシステムですので、共有サーバーを利用する効果が大きく、SIと 運用にかかる時間をコストを更に削減して下さいというメッセージです。 自律化デザインの場合、CPU使用率などの任意の条件でサーバー台数が増減す ることになります。サーバーを削減するスケールイン時にログも消えてしまうので、ス ケールイン時のイベントにシェルを登録し、共有ログサーバーに退避させておくな どの工夫が必要です。 35 J. WebSphereパラメーター管理デザイン ~仮想システム 従来のようにExcel 従来のようにExcel でパラメーター管理 でパラメーター管理 しなくて済む しなくて済む Service Service Domain Domain WAS WAS WAS MQ MQ MQ Param AMC Client パラーメーターとアプリケーションを、別VMに保管 ポイント Advanced Middleware Configuration(以降、AMC)を利用 36 EAR AMC Server 目的 Param Management Management Domain Domain ミドルウェア環境の構築、構成管理、アプリケーション実装を自動管理 WebSphere (WAS、MQ、WMB等)、JBoss、WebLogicが対象 ジョブのスケジュール化が可能 AMCの仮想イメージがプレインストールされているため、10分後にReady © 2013 IBM Corporation 続いて、 「J.WebSphereパラメーター管理デザイン」です。ミドルウェアの構成情 報とアプリケーション(EARファイル)を、別の仮想マシンで保管できます。これにより、 万が一の障害時でも、元の状態に戻せます。 ポイントはどうやってどこに保管するかです。従来と同じように、Excelを利用して、 約千個のWASのパラメーターを管理することも可能なのですが、とても大変です。 そこで、Advanced Middleware Configuration(AMC)というソフトウェアを利用して 下さい。GUI操作でもって、ミドルウェアの構成情報やアプリケーションのバックアッ プとリストアが実行可能です。現時点では、WAS、MQ、WMB、JBoss、WebLogic が対象です。毎日夜中の2時に実行するなどのジョブのスケジュール化も可能です。 またPureAppの中にAMCの仮想イメージが登録されていますので、AMCを利用し たいと考えてから、デプロイボタンを押して10分待って頂ければ、AMCを利用する ことができます。ソフトウェアの仮想イメージがPureAppの中にプレインストールされ ていることは、利用者にとって非常に便利です。 このAMCというソフトウェアの実体は、Rational Application Frameworkというソフト ウェアになり、PureAppにプレインストールされるにあたってAMCという名称になっ ています。Rational Application Frameworkは、数年前に発表・出荷されています ので、実績のある製品であると言えます。ただ、聞いたことがないよという方が大半 だと思います。ライセンス料などの課題があり、日本での実績がなかったのが現実 です。 36 【Tips】 AMCを利用して、構成情報/EARファイルを管理しよう! PureApp PureApp 設計指針 設計指針 構成情報とアプリケーションのリモート管理 (事前準備) AMCのデプロイ 手順1. 稼動中のミドルウェア構成を、AMCに抽出 手順2. (任意)AMC Clientを導入し、抽出した構成情報をAMC上でカスタマイズ 手順3. 構成情報の反映 Service Service Domain Domain Management Management Domain Domain External External System System 事前準備: AMCのデプロイ 手順1:WAS構成情報の抽出 WAS 手順3:WAS構成情報の反映 AMC Server 手順2:WAS構成情報の カスタマイズ AMC Client (Eclipse Base) 37 © 2013 IBM Corporation 1つ目のAMCの具体的なユースケースは、「構成情報とアプリケーションのリモート 管理」です。 はじめに、事前準備としてPureAppにプレインストールされているAMCの仮想イ メージをデプロイします。続いて、管理対象となるミドルウェア構成情報をAMC Serverに抽出します。EclipseベースのAMC Clientを別途導入すると、抽出したミ ドルウェア構成情報をカスタマイズすることができます。そして、好きな時に、ミドル ウェア構成情報を反映、リストアすることができます。 37 【Tips】 AMCを利用して、移行・バージョンアップをしよう! 移行・バージョンアップ (事前準備) AMCのデプロイ 手順1. 稼動中のミドルウェア構成を、AMCに抽出 手順2. (任意)抽出した構成情報をAMC上でカスタマイズ 手順3. 構成情報をPureAppの仮想システム・パターンに登録 手順4. PureAppからデプロイ Service Service Domain Domain Management Management Domain Domain 事前準備: AMCのデプロイ 手順3:WAS構成情報をPureAppに登録 手順4: PureAppからデプロイ WAS (移行先) 38 PureApp PureApp 設計指針 設計指針 External External System System 手順1:WAS構成情報の抽出 AMC Server WAS (移行元) 手順2:WAS構成情報の カスタマイズ AMC Client © 2013 IBM Corporation 2つ目のAMCの具体的なユースケースは、「移行・バージョンアップ」です。 前ページと同様に、はじめに、事前準備としてPureAppにプレインストールされて いるAMCの仮想イメージをデプロイします。続いて、移行元Serverのミドルウェア構 成情報をAMCに抽出します。抽出したミドルウェア構成情報をPureAppの新機能 仮想システム・パターンに登録し、PureAppからデプロイすることで、ミドルウェア構 成を移行することができます。ミドルウェア構成情報をPureAppの仮想システム・パ ターンに登録する際に、仮想イメージとしてWASV7、V8、V8.5を選択することで、 ミドルウェアのバージョンアップも実現できます。 また、ネットワークが接続されていれば、PureApp外で稼動しているWASをAMC経 由でPureAppにマイグレーションすることが可能です。 管理と移行という観点からご説明しましたが、AMCは、ミドルウェア環境の構築、構 成管理、アプリケーション実装を自動化できる非常に便利なソフトウェアです。 WASやMQなど、AMCの対象となるミドルウェアを使用する場合には、是非、AMC を利用して、GUIでパラメーターを管理して下さい。 38 K. DB2運用管理デザイン PureApp外の環境に構 PureApp外の環境に構 築することも(当然)可能 築することも(当然)可能 Service Service Domain Domain Management Management Domain Domain DB2 RedhatのOSイメー RedhatのOSイメー ジをデプロイ ジをデプロイ Data Studio Redhat Data Data Studioを別途 Studioを別途 導入する必要あり 導入する必要あり RD B 目的 Data Studioを利用してImport/Exportやbackup/restore、reorg等、DB2運用管 理をGUI経由で操作 ポイント 仮想アプリケーションパターンの場合は、Data Studioの利用が基本コンセプト 39 © 2013 IBM Corporation 続いて、 「K.DB2管理デザイン」です。 別途導入して頂く必要があるのですが、Data Studioというソフトウェアを利用するこ とで、Import/Exportやbackup/restore、reorg等、DB2管理をGUI経由で操作する ことが可能になります。特に、仮想アプリケーション・パターンは、DataStudioを利 用してDB2の運用管理することが基本コンセプトです。デフォルトではOSにログイ ンすることができません。SIと運用にかかる時間と工数を削減すべく、DataStudio 経由でグラフィカルにDB2の運用管理を実施して下さい。 39 L. データバックアップデザイン Service Domain External System TSM Agent TSM TSM Agentを別途 Agentを別途 導入する必要あり 導入する必要あり DB2 TSM RDB TSM Agent TSM TSM Agentがプラグイン Agentがプラグイン として導入されている として導入されている 目的 耐障害設計として、データベース上のユーザーデータ等を、PureApp外に保管 ポイント PureAppでは、エージェント型のみ利用可 仮想化環境では、エージェント型、ストレージ機能連携型、仮想機能連携型が選択肢 Flash CopyやLANフリーバックアップ、vStorage APIの利用不可 (2013/07時点) 40 © 2013 IBM Corporation 「L.データバックアップデザイン」です。 はじめに、PureAppにおけるバックアップに関する制約を説明します。 一般に仮想化環境では、バックアップ・エージェント型とストレージ機能連携型と仮 想機能連携型の3つが選択肢になります。バックアップ・エージェント型とは、バック アップサーバーやメディアサーバーを配置して、データを取得する手法です。 (TSM、DB2 Replication等) ストレージ機能連携型とは、ストレージの持つスナッ プショットやクローン等の機能と連携する手法です。(Flash Copy、LANフリーバック アップ等) 仮想機能連携型とは、Hypervisorが提供するAPIを通じて、データを保 護する手法です。(vStorage API for Data Protection) ただし、PureAppで選択で きるのはバックアップ・エージェント型のみです。Flash CopyやLANフリーバック アップ、vStorege APIは利用できませんので、ご注意下さい。 耐障害設計として、データベースに格納されているユーザーデータを、PureApp外 に保管します。仮想システム・パターンの場合には、TSM Agentを別途導入する必 要があります。仮想アプリケーション・パターンの場合には、TSM Agentがプレイン ストールされています。そして、外部システムにTSM Serverを構築して頂くことで、 ユーザーデータをPureApp外に保管することが可能になります。 40 【Tips】 耐障害設計を考慮して、パターンを分割しよう! PureApp PureApp 設計指針 設計指針 制約 仮想システム・パターン単位の スナップショット機能(1世代) 対応策 耐障害時のリストアを考慮して、 パターンを設計 Pro/Con WASとDB2を分割 etc 運用管理のしやすさ リストア時の影響範囲 WAS WAS DMで障害が発生したとすると、サービスを提供している DMで障害が発生したとすると、サービスを提供している Custom Custom nodesを含めてリストアする必要がある。 nodesを含めてリストアする必要がある。 41 © 2013 IBM Corporation PureAppの設計指針に関するTipsを説明します。耐障害設計を考慮して、パター ンを分割しようです。 PureAppが提供するシステムバックアップ・リストア機能は、個々の仮想マシン単位 ではなく、仮想システム・パターン単位の(1世代)スナップショットです。 そのため、WASとDB2を同一パターンに定義した場合、WAS DMに障害が発生し たとすると、サービスを提供しているWAS CustomやDB2の仮想マシンを含めてリ ストアする必要があります。WAS DMは管理ノードでありサービスを提供していない のですが、リストア時にサービスを停止する必要があります。まずは、仮想システム・ パターン単位のスナップショット機能(1世代)という制約があることと、障害時のリスト アを考慮してパターンを設計する必要があります。 41 【Tips】 万が一の場合、再デプロイして、環境を作り直そう! 背景 Reusableなシステム構成の実現 ビジネスニーズに即座に対応できるプラットフォームの実現 PureApp PureApp 設計指針 設計指針 PureApp V1.0/V1.1では、 システムバックアップの取得が不可 今稼動している環境と同じシステムを構築 実現方法 パラメーター / アプリ / ユーザーデータを定期的にバックアップ サービスイン後の環境変更をスクリプト化し、仮想イメージに紐付ける Service Service Domain Domain パラメーター Management Management Domain Domain DB2 Other Other System System DB Backup TSM パラメーター WAS / DB2 OS パラメーター WAS AMC Server アプリ Hypervisor 42 © 2013 IBM Corporation PureAppの設計指針に関するTipsを説明します。万が一の場合、システムバック アップから戻すのではなく、再デプロイして、環境を作り直しましょう。 V1.0では、PureAppではシステムバックアップを取得できないという制約があるの ですが、主旨はビジネスニーズに即座に対応できるプラットフォームを実現するで す。そのためには、OSとミドルウェアのイメージそのものはPureAppの中に仮想イ メージとして保管されていますので、お客様要件を実現するために変更したミドル ウェア構成情報とユーザーデータのバックアップを定期的に取得する仕組みを実 装する必要があります。また、サービスイン後の環境変更に対応するため、スクリプ トを開発し、スクリプト・パッケージに登録します。ここが、今までにないPureAppとい うPrivate Cloud環境特有の設計指針になるかと思います。WASに関しては、「J. WebSphere管理パターン」でご説明したAMCを利用することで、ミドルウェアの構 成情報とアプリケーション(EARファイル)を保管することが可能です。 ビジネスニーズに即座に対応するためには、ITシステムの機能を追加したり変更し たりすることが迅速かつ容易に実現することが求められます。 42 PureApplication System Service Domain Management Domain Virtual System Pattern Virtual System Pattern Virtual Application Pattern Virtual Application Pattern Shared Service Shared Service 9 仮想システム Virtual Pattern Kit for Developers 9 仮想アプリケーション IBM Image Construction and Composition Tool Virtual Application Pattern etc §2. システム・デザイン 43 Virtual System Pattern Tailor Domain Tailor Domain © 2013 IBM Corporation 続いて、3つ目のグルーピングであるTailor Domainについてご説明します。 43 M. 仮想システム・カスタマイズデザイン Service Domain ④ TSM Agent TSM Agent DB2 DB2 DB2 ① ②/③ DB2 IBM Image Construction and Composition Tool (以降、ICCT)を利用して、仮想 システム・パターンのHypervisor Editionをカスタマイズ ICCT Tailor Domain 目的 ICCT環境を、PureAppからデプロイ ICCT環境を、PureAppからデプロイ 例1) WAS Hypervisor Editionのパラメーターを変更 (JVMヒープサイズ等) 例2) IBM製品(Lotus Connections)、他社製品(Cosminexus、Oracle、Hadoop、InterStage) 例3) 運用系製品のエージェント(TSM、JP1、Hinemous、SystemWalker) ポイント 仮想アプリケーションパターンとして提供されているため、10分後にReady 横展開するために、手動ではなくICCTを利用 ICCTのスキル習得 スクリプトパッケージ機能、Extend & Capture機能も選択肢 44 © 2013 IBM Corporation 「M.仮想システム・カスタマイズデザイン」です。 仮想システム・パターンの実体であるHypervisor Editionのデフォルトでは要件を 満たせない場合、カスタマイズする必要があります。WAS Hypervisor Editionの JVMヒープサイズを変更したり、Oracleなどの他社製品やTSMなどの運用系製品 のエージェントを導入するなどです。そのカスタマイズすることができるツールが ICCTになり、Tailor Domainに配置します。 例えば、TSMエージェントの導入は、インストーラーを起動して手動で導入すること も当然可能なのですが、それでは他システム/他環境に横展開することができませ ん。ICCTなどを利用して、その成果を他システム/他環境に横展開して下さい。イン フラ運用のコード化の件で、お伝えした内容です。ICCTは、PureAppの仮想アプリ ケーション・パターンのひとつとして提供されているため、利用したいと考えてから、 デプロイボタンを押して頂き、10分待てば利用可能になります。ただし、ICCTという 新しいソフトウェアのスキルを習得しなければいけない点が考慮点になります。 44 N. 仮想アプリケーション・カスタマイズデザイン Service Domain PDK環境は、別途構築 PDK環境は、別途構築 物理筐体 物理筐体 or or 仮想化環境 仮想化環境 ④ RDB JP1 RDB JP1 ① RDB ②/③ PDK Tailor Domain 目的 Plugin Development Kit (以降、PDK)を利用して、仮想アプリケーション・パター ンのシステムプラグイン/ パターンタイプをカスタマイズ RD B 例1) Web Foundation Patternのパラメーターを変更 (ポリシーの変更) 例2) IBM製品(Lotus Connections)、他社製品(Cosminexus、Oracle、Hadoop、InterStage) 例3) 運用系製品のエージェント(TSM、JP1、Hinemous、SystemWalker) ポイント システムプラグイン/パターンタイプの理解、PDKのスキル習得 45 © 2013 IBM Corporation 続いて、「N.仮想アプリケーション・カスタマイズデザイン」です。 仮想アプリケーション・パターンの実体であるシステムプラグインとパターンタイプの デフォルトでは要件を満たせない場合、カスタマイズする必要があります。 Web Application Patternのポリシーを変更したり、Oracleなどの他社製品やTSMなどの 運用系製品のエージェントを導入するなどの具体的なシナリオが想定されます。そ のカスタマイズすることができるツールがPDKになり、Tailor Domainに配置します。 IBMが独自に開発したシステムプラグインとパターンを理解し、さらにPDKという新 しいソフトウェアのスキルを習得しなければいけない点が考慮点になります。IBMが 独自に開発したものに対する理解と、 Python言語のスキルが必要になり、それなり の壁がありますので、スケジュール見積もり等では十分に注意して下さい。 45 【Tips】 お客様標準を変更するアプローチを取ろう! PureApp PureApp 設計指針 設計指針 要件 社内標準遵守等の理由で、PureAppが提供していないミドルウェアに置き換える Tomcat WAS × MySQL Cosminexus DB2 Redhat Redhat Hypervisor Hypervisor HW WAS Hypervisor Editoin × Oracle HW DB2 Hypervisor Edition 理由 ICCT等にてカスタマイズすることは可能。ただし、その分の時間とコストがかかる もしくは、Pure Centreから、公開されているアプリケーションを利用 お客様の目的は、品質の高いJava/RDBの実行基盤を利用するであって、どのベ ンダーの製品を使うかではない PureApppで、WAS/DB2を利用するメリット 商用、ITCAMによるWAS運用、OPMによるDB2運用、ライセンス料が別途かからない 46 © 2013 IBM Corporation PureAppの設計指針に関するTipsを説明します。お客様標準を変更するアプローチを取ろうです。 「社内標準準拠等の理由で、ミドルウェアを置き換えたい」というケースでは、まず、その社内標準の 変更を試みて下さい。もちろん、WASをOSSのWebアプリケーション・サーバーであるTomcatや日 立社のWebアプリケーション・サーバーであるCosminexusに置き換えることができますが、その分 の時間とコストがかかってしまいます。時間とコストをかけるだけのメリットがあるかを十分に検討して 下さい。お客様の目的は、品質の高いWebアプリケーション・サーバーを利用するであって、どのベ ンダーの製品を使うかではないはずです。 WASとTomcatの比較という観点では、WASはOSSではなく商用製品ですので、障害時のサポート があり、品質が高いと考えられます。また、PureAppが提供するミドルウェアに関してはライセンス料 がかかりません。WASとCosminexusの比較という観点では、同じ商用製品なのですが、WASの問 題判別ツールであるITCAMがPureAppにプレインストールされており、ITCAMを利用してWASを運 用できるというメリットを享受できます。とは言え、ミドルウェアを移行するのは大変ではないかと考え られた方もいらっしゃるかと思いますが、Tomcat、Jboss、WebLogicに関してはWASに移行する ツールが用意されています。DB2もWASと同じように考えることができます。 IBM WebSphere Application Server Migration Toolkit http://www.ibm.com/developerworks/jp/websphere/library/was/was_migration_toolkit/compmi g.html IBM Data Movement Tool(他社データベース上のデータをDB2に移行するためのツール ) http://www.ibm.com/developerworks/data/library/techarticle/dm-0906datamovement/ 46 【Tips】 Windows Support Microsoft Windows 2008 R2 /2012 V1.1 V1.1 New New Function Function 仮想システムパターン、仮想アプリケーションパターン Bring-your-own-license 例: Microsoft Windows volume licenses Microsoft Pattern スクリプトパッケージやExtend & Capture機能を利用して、カスタマイズが可能 Microsoft SQL Server、Microsoft Sharepoint .vmdk IBM独自拡張 ( Activation Engine) Windows Hypervisor HW .ISOイメージ 47 © 2013 IBM Corporation その他、PureAppV1.1にて、Windowsがサポートされました。ここでは、PureApp からWindowsをデプロイするまでの作業についてご説明します。 まず、Windowsの実体そのものであるISOイメージを用意し、vCenterにImportする ことで仮想イメージに変換します。その後、仮想イメージ化されたWindowsをICCT にImportし、PureAppからデプロイするがためのIBM独自拡張を行います。 (Activation Engineを追加しています。)そして、IBM独自拡張した仮想イメージを PureAppにImportすることでもって、PureAppからWindowsをデプロイすることが 可能になります。 47 ゴールから 逆算する 小さくはじめ て、大きく育 てる §3. ハイブリッドクラウド・デザイン 48 © 2013 IBM Corporation 次のTopicです。 PureAppは、Private Cloud / PaaS をターゲットした垂直統合型製品です。IAモデ ルでは、CPU数でお伝えすると32/64/96/192/384/608の6つのモデルから選択で きるのですが、ある程度の初期投資額が必要になります。いわば、「ゴールから逆 算する」アプローチです。そうではなくて、「小さくはじめて、大きく育てる」アプロー チを選択したいビジネスケースがあるかと思います。そのような要件を実現できる、 ハイブリッドクラウド・デザインについてご説明します。 48 ハイブリッドクラウドを視野に入れたソリューション 共通の「パターン」モデルを利用し、ポータビリティーを最大限確保 Monitoring Lifecycle Management パターン Private Clouds PureApplication Systemへ SmartCloud Foundation パターンを展開、実行可能 の既存インフラへ パターンを展開、実行可能 Public Cloud SmartCloud Application Servicesへパターンを 展開、実行可能 SmarterCloud Application Services SmartCloud Enterprise 49 © 2013 IBM Corporation はじめに、何を実現できるかというソリューションをお伝えしますと、「パターン」を利 用したインフラのPortabilityです。 今までご説明してきた仮想システムパターンや仮想アプリケーションパターンのパ ターンは、PureAppのコンポーネントであるIBM Workload Deployerだけでなく、 Private CloudであればIBM SmartCloud Orchestrationというソフトウェアでも利用 できます。Public Cloudであれば、弊社IBMが提供しているPublic CloudのIBM SmartCloud Enterpriseで利用できるSmarterCloud Application Servicesというソ フトウェアでも利用できます。つまりは、PureAppで開発したパターンを他のIBM Private CloudやIBM Public Cloudに展開できます。SmartCloud Orchestartion やSmarterCloud Application Servicesで開発したパターンをPureAppに展開でき ます。どこかでパターン単位でインフラを構築して頂ければ、パターン単位でインフ ラのPortabilityを実現できます。 49 パターンを無料で体験する • SmarterCloud SmarterCloud Application Application Services (SCAS)の無料トライアルを利用 (SCAS)の無料トライアルを利用 Public Cloud 50 © 2013 IBM Corporation ここから具体的なユースケースに落として、ご説明します。 SmartCloud Application Serviceというソフトウェア、略してSCASは、パターン機 能が実装されています。そのSCASを、弊社IBMが提供するIaaS型のPublic CloudであるIBM SmarterCloud Enterpriseで無料で体験することができます。 Collaborative Lifecycle Management Service・・・Rational Continuous Delivery ベースのチーム開発環境 Smarter Cloud Application Workload Service・・・パターン・ベースのデプロイメン ト・サービス 50 Public環境を利用してスモール・スタートアップを実現 • Public Cloud環境で、開発を試行 –– パターン パターン & & チーム開発を、月額の従量課金で使用 チーム開発を、月額の従量課金で使用 • Private Cloud環境で、本番を運用 PureApplication System SmartCloud Application Services Public Cloud コレクション Private Cloud 開発計画 テスト計画 テストケース ユーザー・ストーリー ワークアイテム テストスクリプト 要求 ディフェクト テスト結果 開発 51 本番 © 2013 IBM Corporation パターンを気に入って頂けた場合には、無料期間が終了しても、月額の従量課金 でそのまま継続して利用できます。そして、Public Cloud環境上で開発したパター ンを、Private Cloud環境であるPureAppに移行することができます。従量課金の Public Cloudで開発することでスモール・スタートアップでビジネスを開始し、パ ターン単位でインフラを移行することで、本番のPrivate Cloud環境を迅速かつ正 確にシステムを構築することができます。 また、PureAppのデフォルトでは提供されていないアプリケーション開発系のソフト ウェア、Rational Requirements Composer:ソフトウェア要求定義ツール、 Rational Team Concert:変更とリリースの管理ツール、Rational Quality Manager:テスト管理と品質管理の支援ツールをSCASで利用できます。アプリ ケーション開発は、Public Cloudで実施するというアプローチを選択できます。 <参考> IBM® Rational® Requirements Composer ソフトウェアは、開発プロジェクトのラ イフサイクルでチームによる要求定義、管理、レポートを支援します。この Web ベース・アプリケーションでは、軽量の要求プロセスを使用して、反復型、ウォー ターフォール型、およびアジャイル開発のスケールアップといった開発手法をサ ポートします。これで、再作業やコストの削減、製品化までの時間の短縮、ビジネス 成果の向上を図ることができます。 51 Public環境を災対環境として利用 • 通常時は、Private 通常時は、Private Cloud環境でサービスを提供 Cloud環境でサービスを提供 • 災対時は、Public 災対時は、Public Cloud環境でサービスを提供 Cloud環境でサービスを提供 –– 数時間の復旧時間が許容される場合、災対環境としてパブリック・クラウド環境が 数時間の復旧時間が許容される場合、災対環境としてパブリック・クラウド環境が 選択肢となる 選択肢となる –– パターン単位でシステム移行できるため、災対環境の迅速な構築が可能 パターン単位でシステム移行できるため、災対環境の迅速な構築が可能 通常時 パターン単位で システム移行! Private Cloud 災対時 52 Public Cloud © 2013 IBM Corporation また、通常時はPrivate Cloud環境でサービスを提供し、万が一の災対時はPublic Cloudでサービスを提供するソリューションも選択可能です。 数時間の復旧許容時間が許容される場合には、災対環境としてパブリッククラウド 環境を利用することが選択肢のひとつになっています。さらに、パターン技術を利 用頂ければ、パターン単位でPrivate Cloud環境であるPureAppから、Public Cloud環境であるSCEに移行することができ、災対環境を迅速かつ正確に構築す ることができます。災対環境を構築するからと言って、一から手作りする必要はあり ません。 52 Public環境を海外展開時の稼働環境として利用 • 日本は、Private 日本は、Private Cloud環境でサービスを提供 Cloud環境でサービスを提供 –– サービスが定着した拠点は、PureApplicationで展開 サービスが定着した拠点は、PureApplicationで展開 • シンガポールは、Public Cloud環境でサービスを提供 Cloud環境でサービスを提供 –– 成長が予測できない拠点は、SCASにてサービスを展開 成長が予測できない拠点は、SCASにてサービスを展開 グローバルで、一貫した SCAS / SCEのサービスを提供 サービス が定着 Public Clouds Private Clouds Public Clouds 53 Public Public Clouds Clouds 成長予測 が難しい © 2013 IBM Corporation また、サービスが定着しトランザクション処理量が安定している日本は、Private Cloud環境でサービスを提供します。成長が予測できずトランザクション処理量が 不安定なシンガポールは、同じシステムをPublic Cloud環境でサービスを提供する というような、拠点毎の特徴をふまえて、Private Cloud環境とPublic Cloud環境を 使い分けることが可能です。 各国のコンプライアンスが異なるケースがあります。コンプライアンスを考慮しなくて もよい場合にはPublic Cloud環境を選択する、コンプライアンスを考慮する必要が ある場合にはPrivate Cloud環境を選択するというような使い分けも可能です。 データセンターの場所が異なっていても、パターンレベルでシステムを移行できま すので、迅速かつ正確なシステム構築が可能です。 53 IBMオープンクラウド戦略 2013年3月 クラウド・サービスやソフトウェアを「オープン・アーキテクチャー」をベースにする 。 ベンダーロックインのない世界を目指す。 PaaS環境でのアプリケーションやサービスの連携強化、可搬化を目指す技術標準を策定。 IBMは開発に参加し、PaaSサービスに採用。 Organization for the Advancement of Structured Information Standards Topology and Orchestration Specification for Cloud Applications 仮想マシンのイメージのスタンダード。IBMの製品・サービスで採用。 Distributed Management Task Force Open Virtualization Format パブリック&プライベート・クラウドで使える IaaS基盤スタンダード。 2012年にファウンデーションが発足。IBMは創設メンバーとして貢献。 OpenStackをベースとしたIBM SmarterCloud Orchestratorを発表(2013年5月) 開発ツール連携のスタンダード。 W3C の Linked Data をベースにしている。 IBMではRational CLMなどで採用。Open Services for Lifecycle Collaboration 54 クラウド利用者による利用者のための会議体、各種オープンスタンダードへの要求をインプット したり利用者の知見(ユースケース、ベストプラクティスなど)を共有。 Cloud Standards Customer Council © 2013 IBM Corporation その他、2013年3月に弊社IBMが「オープンクラウド戦略」を発表しました。 LinuxやEclipseなどのように、クラウドサービスやソフトウェアを「オープンクラウド アーキテクチャ」をベースにすることによって、ベンダーロックインのない世界を目指 すことを宣言しました。具体的には、オープンクラウドアーキテクチャとして、仮想マ シンイメージの標準化を進めている「DMTF OVF」や IaaS基盤スタンダードである 「OpenStack」などの標準化に準拠します。 今回、お話したいのは、OASICのTOSCAです。TOSCAに準拠することでもって、 今までご説明したパターン単位で、異なるクラウド間のインターオペラビリティーと ポータビリティーを実現できるようになります。現時点では、IBMのPrivate Cloudの PureAppやSCO、IWDと、IBMPのPublic CloudであるSCE間の話だったのです が、今後、IBM外のクラウドでもパターン単位でインフラのポータビリティーを実現で きることになります。 54 §4. まとめ 55 © 2013 IBM Corporation 55 まとめ ~ 提案活動や実案件にご活用下さい 今までと同じシステムは、今までよりも少ない時間とコストで構築・運用する 今までにない高品質のシステムを構築・運用する 今までとは異なる発想で、システムをデザインする 「インフラを意識しないで済む、アプリ開発に専念できる」世界を築く PureAppが提供する機能 9 9 システムリソースの動的拡張 システムリソースの動的拡張 // 縮小 縮小 9 9 ODRによるシステムの自律化 ODRによるシステムの自律化 9 9 AMCによる構成管理の自動化 AMCによる構成管理の自動化 9 9 ITCAMによるWAS問題判別 ITCAMによるWAS問題判別 9 9 OPMによるDB2問題判別 OPMによるDB2問題判別 9 9 Data Data StudioによるDB2運用管理 StudioによるDB2運用管理 etc etc New think 9 9 Simple Simple is is bestへの回帰 bestへの回帰 9 9 お客様標準の変更 お客様標準の変更 9 9 インフラ構築・運用のコード化 インフラ構築・運用のコード化 9 9 PureAppの「制約」を「インフラを意識しないで PureAppの「制約」を「インフラを意識しないで 済む世界」と考える 済む世界」と考える 9 etc 9 再デプロイして環境を作り直す 再デプロイして環境を作り直す etc パターン単位でクラウド間のPortabilityを実現可能 56 + 「ゴールから逆算する」 <> 「小さくはじめて大きく育てる」アプローチ © 2013 IBM Corporation 56 §5. 参考資料 57 © 2013 IBM Corporation 57 【Info】 ますます広がるパターン・バリエーション Data Management Solutions Information Server 9.1 Compute Node Pattern WebSphere Commerce 7.0 WebSphere Transformation Extender w/Launcher 8.4.1 SAP Business Suite* Software Delivery and Lifecycle Asset and Facilities Management Collaborative Lifecycle Management* Rational App Developer* IBM Maximo Asset Management 7.5 Business Analytics & Data Warehousing Social Collaboration Business Intelligence 2.0 Security, Risk Management , Compliance QRadar SIEM* QRadar Log Manager* IBM Security Access Mgr* IBM Notes and Domino* Business Process Mgmt BPM 8.5 ODM 8.5 WAS 8.5.5 •IBM intends to deliver these new software patterns in the future (2013/1H plan) 58 App Infrastructure Connectivity, Integration and SOA Mobile Development and Connectivity Mobile Application Platform 6.0 IBM CastIron 6.4 IBM API Management 2.0 IBM DataPower Gateway Appliances (XG45, XI52) © 2013 IBM Corporation 58 【Info】 スケールアップ / スケールアウト操作方法 ワークロード・コンソール > インスタンス > 仮想システム 任意の値に変更 任意の値に変更 59 追加する台数を指定 追加する台数を指定 © 2013 IBM Corporation 左側がCPUとMemoryの変更する方法で、右側がWASの台数を追加する方法で す。この図のように、PureAppのWebコンソール経由で簡単に操作することが可能 です。 59 【Info】 共有サービスが提供するモニタリングサービス Foundation pattern Plugins and Monitoring agents Workload Deployer Monitoring (base monitoring) Workload Deployer Autoscaling ITM Agent for Linux OS ITM Agent for Workloads ワークロードコンソール インスタンス > 共有サービス Database Performance Monitoring pattern Monitoring Services - Database Performance Monitoring OPM v5.1.1 Plugins and Monitoring agents OPM scripts for DB2 PureApplication System Monitoring pattern Monitoring Services - PureApplication System Monitoring ITM v6.2.3.1 (RTEMS, Hub TEMS, TEPS, TDW) Plugins and Monitoring agents ITCAM Agent for WebSphere Applications ITM Agent for PureApplication System PureApplication System Extended Monitoring pattern Plugins and Monitoring agents ITCAM Agent for WebSphere Message Broker ITCAM Agent for WebSphere MQ (2013年4月時点) 60 © 2013 IBM Corporation 共有サービスが提供するモニタリングサービスの一覧です。例えば、Foundation patternには、ITM Agent for Linux OSなどが含まれています。Database Performance Monitoring patternにはOPMが、PureApplication System Monitoring patternにはITCAMなどが含まれています。 PureApplication System Extended Monitoring patternについて、MQ/WMBは、 別途ライセンス料が必要になるのですが、ITCAMにて管理することが可能です。 60 【Info】 PureAppコンソール経由のロギング WAS : SystemOut.log 1. 1. 「ロギング」を選択する 「ロギング」を選択する 2. 2. 該当のログを選択する 該当のログを選択する WASだけでなく、OSのログ出力内容も確認でき WASだけでなく、OSのログ出力内容も確認でき る る 61 ログ内容がWebブラウザ上に表示される ログ内容がWebブラウザ上に表示される © 2013 IBM Corporation PureAppのコンソール経由で、ログを確認できます。上記は、WASの SystemOut.logです。仮想アプリケーションパターンの場合、デフォルトではOSに ログインできませんので、このコンソール経由でミドルウェアのログを確認することに なります。 61 【Info】 Image Backup / Restore 仮想イメージを外部筐体に保管し、戻すことができる機能 Backup 機能 V1.1 V1.1 New New Function Function 稼動中の仮想マシンを 稼動中の仮想マシンを 仮想イメージとして保管 仮想イメージとして保管 仮想イメージを自動でバックアップ 前回から変更された仮想イメージのみをバックアップ WAS Restore機能 PureApp上に存在しない仮想イメージのみをリストア 複数の仮想イメージを同時にリストア ホスト名、パス、証明書等をリストア時に指定 Service Service Domain Domain Other Other System System この仮想イメージを この仮想イメージを バックアップ/リストア バックアップ/リストア 62 © 2013 IBM Corporation Image Backup / Restoreとは、仮想イメージを外部筐体に保管し、戻すことができ る機能です。 62 ITを、もっと手早くカンタンに。 63 © 2013 IBM Corporation 63