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○専門教育科目(修士) 授 業 科 目 指導教授 講 義 等 の 内 容
○専門教育科目(修士) 指導教授 授 業 科 目 環境保健予防医学 宮 特論(講義) 藪 池 下 内 田 和 昭 裕 講 義 等 の 内 容 久 個人および集団の健康が社会の体制、文化、経済等のあり方によって大きく変 男 化することを理解させる。その上で健康に影響を及ぼす広義の環境要因を明ら 明 かにし、疾病予防や健康の維持増進に寄与する知見を検証する疫学的手法を修 得させる。さらに、組織的な活動により、健康問題の解決手法を修得させる。 環境保健予防医学 特論(演習) 公衆衛生学特論 (講義) 上記のねらいに基づいて、地域、学校、職域の各現場における妥当性・信頼性 を有する健康評価尺度の開発方法の実際を学習する。さらには実際のデータを 使って多変量解析等を用いた分析疫学的手法により疾病と社会環境要因、自然 ・生物環境要因の関連性を評価する手法を体得する。 竹 武 下 田 達 好 也 現在の予防医学および臨床医学を理解し実践するためには、疫学的方法論の理 史 解が極めて重要である。本講義においては、疫学の目的、方法、意義および応 用について、具体的実例に基づいて概説を行う。また疫学研究の倫理指針等に おいて求められている研究計画作成上のポイントにも言及する。この講義を通 して、疫学的アプローチへの総合的理解を深める。 公衆衛生学特論 (演習) 生活習慣病のような多要因疾患の発症に関連する諸要因を解析する方法を習得 する。実際のデータをもとに、各変数の統計量の要約の仕方、散布図、ヒスト グラム等を用いた基本的な解析手法を身につける。目的とする変数間の関連性 の統計学的解析方法を学ぶ。最終的には、重回帰分析、多重ロジスティック回 帰分析等の多変量解析を用いた解析および結果の表現の方法を身につける。 地域医療マネジメ 上 ント学(講義) 野 雅 巳 「地域医療マネジメント学」では地域医療に関する経済経営・政策・法律の視 点と疫学的な視点から、学際的・多領域統合的分野での問題解決志向型の研究 ・考察を行っていく。また、地域医療の実情に関する情報収集やニーズを捉ま えて政策決定に結びつけるような研究成果を出すことを目指す。 「地域医療マネジメント学」は、公衆衛生学・医療政策・医療経済・医療社会 学などを包含した学際的な科目であり、これらの知識・知見を駆使しながら指 導していく。本講義を通して、地域医療における様々な問題を分析・検討し、 見直し、政策提案までできる(PDCA)医療人材を目指していく。 地域医療マネジメ ント学(演習) 放射線医学特論 (講義) 地域医療政策に関わる重要な要素は、医療サービスに対する需要・供給両面に わたる様々なステークホルダー間(利害関係人)の多様な利害を調整し、コン センサスを形成していくという極めて高度かつ専門的なスキルが要求される。 従って、地域住民・行政・大学などのそれぞれの立場を尊重しながら、県の「地 域医療ビジョン」としての政策決定の過程を地域ニーズを捉まえた中から、地 域医療のあるべき姿を考察していく。 (教養物理学) 牧 野 誠 司 放射線医学特論 (演習) 臨床病態解析学特 論(講義) 臨床病態解析学特 論(演習) 精神医学特論 (講義) 篠 崎 和 精神医学特論 (演習) リハビリテーショ 田 ン医学特論(講義) リハビリテーショ ン医学特論(演習) 弘 生物・心理・社会的な視点から精神医学と医療について基本的な理解を深め る。診断分類方法、主要な精神疾患について生物学的及び心理学的な理解を深 め、薬物治療、心理療法、認知行動療法などの適応と有効性の根拠について講 義を行う。 心理検査、症状評価尺度など臨床症状評価を行い、治療計画の立案ならびに治 療効果の評価に参加し実践的な理解を得る。 島 文 博 リハビリテーション医学は全人的観点に立脚し、疾病という臓器レベルの障害 だけではなく、能力レベルの障害を対象とする。リハビリテーション医学の基 本となる臨床・基礎医学を講義する。 リハビリテーション関連職の問題点として、職業人として職務は果たせている ものの、一歩進めて能力障害の病態生理を解明し、リハビリテーションの方法 論を研究する手法が教育されていない点がある。そこで、職場で日夜取り組ん でいる臨床上の課題をテーマとしてとりあげ、科学的手法が身につくように指 導する。職場で経験した課題を討議し、根本的な問題点を探り、その解決法を 職場に持ち帰り試みるという実践的な実習とする。 ○専門教育科目(修士) 指導教授 授 業 科 目 麻酔科学特論 (講義) 川 股 知 麻酔科学特論 (演習) 之 麻酔の3要素(意識消失・鎮痛・不動化)について、その生理的基盤を理解す る。 麻酔のメカニズムに関する論文を精読し、レポートを作成する。 救急・集中治療医 加 学特論(講義) 藤 正 救急・集中治療医 学特論(演習) 総合内科学特論 (講義) 講 義 等 の 内 容 哉 心肺蘇生法について講述する。特に医療従事者及び一般市民に対する心肺蘇生 法教育と啓蒙についての現状と問題点を解説し、社会全体としての普及に関す る議論を行う。 病院前、病院内、心拍再開後のそれぞれの心肺蘇生に関する内外の論文を抄読 し、ガイドラインの背景についてグループ討論を行いレポートを作成する。 佐々木 秀 総合内科学特論 (演習) 行 臨床徴候から考えられる疾患を想起して、検査により診断にいたる臨床推論の 基本を講義します。また、軽度肥満(メタボリックシンドローム)から高血圧 ・糖尿病・脂質異常症に至り、さらに腎障害や脳心血管障害に進展するプロセ スについて解説します。 内科診断学や生活習慣病などに関する文献につき、抄読会やセミナーをおこな う。慢性疾患重症化を予防するために方策について、医療チームとしてどのよ うに取り組むか討論し、レポートを作成する。 総合外科学特論 (講義) 総合外科学特論 (演習) 法医学特論(講義) 近 藤 稔 法医学特論(演習) 医学教育・集団医 羽 療学特論(講義) 法医学:死因論に関する文献抄読を担当させ自己の研究に基づく考察を行わせ る。 個人識別学:個人識別に関する文献抄読を担当させ自己の研究に基づく考察を 行わせる。 物体検査学:物体検査に関する文献抄読を担当させ自己の研究に基づく考察を 行わせる。 野 卓 医学教育・集団医 療学特論(演習) 生殖病態医学特論 井 (講義) 生殖病態医学特論 (演習) 生殖保健学特論 (講義) 生殖保健学特論 (演習) 和 法医学:死因論について講述する。特に脳死を取り巻く様々な問題点について 個人識別学:遺伝的多型に基づく個人識別法について講述する。 物体検査学:種々の物体検査法について講述する。 三 医学教育に関する教育倫理、教育手法、教育評価の方法について講述する。 集団医療学については、集団を対象にした疾病予防、治療法についてEBMの 創出をはかるための方法論を講述する。 医学教育については、臨床技能教育、シミュレーション教育の開発、教育評価 法の開発についての演習を行い、文献的考察を踏まえ議論を行う。集団医療学 については、地域における生活習慣病の状況および介入についての分析方法と 解析手法についての演習を行い、文献的考察を踏まえ議論を行う。 箟 一 彦 婦人科腫瘍学、生殖・内分泌学、周産期医学についての講義を行う。これらの 臨床および研究について解説し、議論する。 婦人科腫瘍学、生殖・内分泌学、周産期医学について、セミナー、抄読会を行 う。 ○専門教育科目(修士) 授 業 科 目 指導教授 講 義 等 の 内 容 発達小児医学特論 (講義) 発達小児医学特論 (演習) 小児保健学特論 (講義) 小児保健学特論 (演習) 生体情報形態学特 論(講義) 生体情報形態学特 論(演習) 分子機能形態学特 論(講義) 分子機能形態学特 論(演習) システム神経生理 金 学特論(講義) 桶 吉 システム神経生理 学特論(演習) 統合分子生理学特 前 論(講義) 脳機能研究の多面的な理解のために必要な知識を習得するために、最新の研究 論文数編を選択して、特にその方法論についてくわしく検討する。これにより 種々の方法における利点や欠点を理解する。 田 正 統合分子生理学特 論(演習) 機能調節薬理学特 岸 論(講義) 岡 史 細胞分子生物学特 論(演習) 郎 内因性疼痛制御機構、オピオイド鎮痛薬の体内動態(脳内移行を含む)、なら びにオピオイド鎮痛薬の反復投与によって形成される耐性および依存の形成機 序に関する最近の知見について講義する。 講義内容に関する国内外の文献の検索、発表及び論文の内容に関する討論を行 う。 原 義 代謝生物化学特論 (演習) 細胞分子生物学特 坂 論(講義) 信 生体の個々の機能を理解させ、それらを統合して他の機能との関連、さらには 生体全体との関連を理解させる。生体が統合機能を発揮する基盤となる分子機 能を理解させる。自律神経と循環の観点より統合と分子の両方より循環調節を 理解させる。 統合生理学、分子細胞生理学、自律神経生理学、循環生理学に関する文献の抄 読を担当させる。そして、国内学会できれば国際学会にて、自己の研究に関し て発表、討論を行う。 機能調節薬理学特 論(演習) 代謝生物化学特論 井 (講義) 起 脳機能研究の歴史、研究手法の発達について概説することにより今後の脳研究 のあり方を考察し、ひとつのシステムとしての脳機能の考え方について講義を 行う。また脳機能と病態との関連についても講義する。 人 生命科学はポストゲノムの時代に入ったと言われる。タンパク質はゲノムの一 次的な産物ではあるが、その多くはリン酸化など様々な化学的修飾を受けて生 理機能を発揮する。このような修飾はタンパク質の翻訳後修飾と呼ばれ、ポス トゲノム研究のトピックスのひとつである。本科目では、特にタンパク質の糖 鎖/糖質付加修飾に焦点を絞り、糖質科学の観点からその生物学的意義につい て講義する。 関連する英文原著論文の解読と発表を通じて、糖質科学と生命科学/医学との 接点について考察し理解する。 口 和 成 個体を形成する最小単位である細胞につき、特にその生存、増殖、分化および 遊走を司るシグナル伝達機構につき分子レベルで講議を行う。増殖に密接に関 与する細胞周期やその異常として発生する発ガン、細胞死の一種であるアポト ーシスのシグナル機構、および個体発生に関与する分化機構に関して最近の知 見について触れる。 細胞の生存、増殖、分化および遊走に関わる新しいシグナル伝達機構およびそ の制御機構につき最近の論文の精読および討論を行う。また、これらの生命現 象に関連する研究過程で、遺伝子組み換え、種々のベクターを使っての遺伝子 発現、蛋白質相互作用の解析、ウエスタンブロッティング、免疫細胞学的研究 手法などの手技を習得し、自己の研究結果について発表を行う。 ○専門教育科目(修士) 指導教授 授 業 科 目 発生制御医学特論 山 (講義) 田 源 本講義では哺乳類の生殖器官系、消化器官系、四肢、頭部など重要な器官形成 過程を制御する発生制御遺伝子群について、その機能解析の現状、世界的なレ ベルでの発生プログラム解明の最前線について講義する。 これらの発生プログラムは細胞増殖因子群や転写因子群によって構成されてお り、それらの制御因子群は興味あることに癌や組織分化、細胞増殖異常などの プロセスにも関与する事が知られている。発生制御遺伝子の機能解析という軸 を通じて、学際領域としての分子発生医学の本質に迫る。 発生制御医学特論 (演習) 分子免疫学特論 (講義) 分子発生医学の最新の知見について世界の論文などを読破して議論する。実際 に得られつつある生殖器官や、種々の器官系のミュータントマウス解析のデー タを元に演習、議論する。必要に応じて、研究室内の海外研究員などを含め、 英語を用いて討議する。 改 正 恒 分子免疫学特論 (演習) 生体分子解析学特 岩 論(講義) 病原微生物学特論 西 (講義) 橋 秀 尾 真智子 近年問題となってきている新興・再興感染症についての総論を講義した後、各 論としてウイルスによる感染症について述べる。 ウイルスが原因でおこる新興・再興感染症に関した最新の研究論文の抄読検討 を行う。そして、自己の研究に関して発表・討論を行う。 井 秀 分子神経科学特論 (演習) 糖尿病・内分泌代 赤 謝内科学特論 (講義) 夫 本講義では種々の分析手段(X線結晶解析,核磁気共鳴法,質量分析法,電子 スピン共鳴法,高速液体クロマトグラフィー,紫外・可視吸光法等)を用いて 生体を理解する上で必須である生体分子の立体構造、反応性、分子内あるいは 分子間相互作用がどのように明らかにされたか解説する。さらに、それぞれの 分析手段の分析原理とそれぞれの手段を用いるとどのような情報が得られるか を具体例を引きながら解説する。 生体分子の立体構造,反応性,相互作用の解明には種々の分析手段(X線結晶 解析,核磁気共鳴法,質量分析法,電子スピン共鳴法,高速液体クロマトグラ フィー,紫外・可視吸光法等)が有効である。たとえば核酸塩基対の核磁気共 鳴スペクトルを測定し,その結果から核酸塩基間に特異的な水素結合の存在を 明らかにできる。種々の分析手段の原理と、それからどのような情報が得られ るかを実際のデータをもとに演習する。 病原微生物学特論 (演習) 分子神経科学特論 平 (講義) 康 本講義では、自然免疫と獲得免疫がいかに制御されているか、またその破綻に よりどのような病態が生じるか、その機構を分子レベル、細胞レベル、個体レ ベルで講義する。 免疫学の最前線の知見を原著論文を抄読して議論する。得られた実験データを 基に考察、議論し、更なる実験計画を立案するための論理的思考を習得する。 生体分子解析学特 論(演習) 糖尿病・内分泌代 謝内科学特論 (演習) 講 義 等 の 内 容 一 生命現象を分子レベルで理解しようとする分子生物学的研究の対象は、大腸菌 の様な単純体制を持つものから、近年ではヒトを含む哺乳類の組織にまで広が って来ている。数ある組織の中で最も神秘的とされていた大脳皮質もその例外 ではなく、いかにしてこのように複雑な組織が形成されるのかを明らかにしよ うとする発生学的なアプローチから、多くの新しい知見が得られている。ここ ではその概要について講義すると共に、神経細胞の分化を制御する分子機構に 関する最新のトピックスの中で、精神・神経疾患との関連が明らかになってい るものを中心に講義する。 神経科学、分子生物学、細胞生物学に関連する幅広い分野の最新の原著論文を 読むことにより、現在基礎研究の最先端でどのようなことがわかって来ている のかを理解すると共に、その意義について、生物・医学の視点から考察する。 水 尚 史 内分泌システムは神経系や免疫系とともに生体の恒常性維持に必須である。そ の異常を引き起こす疾患は多種多様に存在するが、特に甲状腺疾患と糖尿病が 多くを占める。これらの疾患の病因・病態・治療法に関し講義を行うとともに、 研究を行うに必要な生化学、分子生物学、遺伝学、統計学の基本的知識に関し ても解説を行う。 自己免疫性甲状腺疾患の病態や治療、新規ペプチドホルモン・グレリンの作用、 糖尿病の病態や治療に関する最新の知見からテーマを選び、文献を検索、発表 ・討論を行い、実験データの見かたなどもふくめ研究に必要な論理的思考を習 得する。 ○専門教育科目(修士) 指導教授 授 業 科 目 消化器内科学特論 一 (講義) 瀬 雅 消化器内科学特論 (演習) 本 信 呼吸器内科学特論 (演習) 之 各種呼吸器疾患(COPD、喘息、間質性肺炎、感染症、悪性腫瘍など)の理解 に必要な基本的な事項(呼吸器の構造および機能、各種診断方法、現在の標準 的治療、分子生物学)及び新規治療法、診断法の開発のための統計学的基本知 識などを解説する。 呼吸器診断手技(画像診断、内視鏡、呼吸機能検査など)を修得する。 これまでの知見を踏まえた上での新規問題点を提起し、それを解決するための 基礎実験もしくは臨床研究の立案方法を習得する。 循環器内科学特論 赤 (講義) 阪 隆 循環器内科学特論 (演習) 史 冠動脈や大動脈、末梢動脈における動脈硬化性疾患が循環器疾患に占める割合 は極めて高く、循環器疾患の研究・治療の中心になっている。その動脈硬化の 始まりである血管内皮機能の低下を理解し、冠動脈硬化の終末像である心筋梗 塞と虚血再灌流による冠微小循環障害の病態を理解することは極めて重要であ る。これらの背景から、血管内皮機能の評価法と意義、動脈硬化の進行過程と 諸因子の関与、微小冠循環と虚血再灌流時の冠循環動態について解説する。 1.カテーテル型センサーによる生体内一酸化窒素(NO)の測定と内皮機能評価 2.光干渉断層法(OCT)による動脈硬化初期像の形態観察 3.動脈硬化初期像の形態的特徴と内皮機能との関係評価 4.虚血再灌流モデルによる冠微小循環障害評価と冠循環保護薬による梗塞心 筋縮小効果の検討、血管内皮機能への影響評価 5.各種画像診断による動脈硬化発生機序の検討 伊 東 腎臓・体内環境調 重 節内科学特論 (講義) 秀 文 難治性神経疾患を克服するためには、神経疾患の病態を理解し、神経変性のプ ロセスを解明することによって、病的過程に介入する分子標的アプローチが有 望である。本講義では、これまでの研究で明らかになった神経変性機序につい て教授するとともに、現在開発が進められている神経変性疾患の新規治療法の 現状を解説する。 1.アルツハイマー病、ALS、パーキンソン病、紀伊 ALS-PDC 等の難治性神 経変性疾患の剖検脳における組織化学・免疫組織化学的研究 2.ALS、 パーキンソン病患者から作製した疾患特異的 iPS 細胞由来神経細 胞の免疫組織化学的研究 3.パーキンソン病患者における血中 L-ドパ濃度測定による至適薬剤治療法 の検討 4.生検筋を用いた封入体筋炎・炎症性筋疾患の病態機序解明のための組織学 的・免疫組織化学的研究 神経内科学特論 (演習) 腎臓・体内環境調 節内科学特論 (演習) 夫 消化器内科学を支える消化器細胞生物学(発生、形態形成、増殖分化・アポト ーシス、細胞運動、臓器再生)消化器腫瘍学(臨床疫学、病因論、発癌分子機 構、腫瘍生物学、浸潤転移の分子機構)、消化器病態学(消化器疾患の分子機 構および診療の現況、将来の展望) 消化器内科学を支える消化器細胞生物学、消化器腫瘍学、消化器病態学などの 領域に関するトピックスをテーマに、最新の文献に基づいてレポートを作成、 これを対象に発表、討論を行う事により、本領域の問題解決の手法、考え方を 具体例を通じて習得する。 呼吸器内科学特論 山 (講義) 神経内科学特論 (講義) 講 義 等 の 内 容 松 隆 腎機能が低下していく過程で体内環境に狂いが生じていくが、この狂いを可能 な限り修復しようとするホメオスタシスによる適応現象が見られる。この過程 を担う中心臓器の一つに腎臓がある。また進化の過程からは腎臓は肺・骨と並 び比較的新しい臓器で高度に分化している。この腎臓の体内環境調節に果たす 役割を中心に講義する。特に血圧の維持と体液・電解質恒常性の意義と、リン 過剰による血管石灰化を含む老化現象について教授する。 1)腎臓の絶対量を減じる5/6腎臓摘出モデル(慢性腎不全モデル)を作成する。 2)上記モデルに、塩負荷を行い生体の反応を観察する。腎臓で産出されるレニ ン・腎臓を標的臓器とするアンジオテンシンⅡとアルドステロン作用を理解検 証する。 3)上記モデルに、リン負荷を行い骨組織と血管を中心に生体反応を観察する。 リン負荷により惹起される加齢現象(血管石灰化を中心とする血管障害)発症 機序を検証する。さらに同時に進行する生命予後に関する腎臓の果たす役割を 検証する。 4)2)と3)の現象が、実際の臨床にても進行していることを患者データの分析よ り導き出し、対応策を考察する。 ○専門教育科目(修士) 指導教授 授 業 科 目 血液内科学特論 (講義) 園 木 孝 血液内科学特論 (演習) 胸部外科学特論 (講義) 岡 村 吉 血球の形態診断 細胞培養法 フローサイトメトリーによる細胞表面抗原の同定 PCR 法や各種ブロット法による遺伝子解析 細胞への外因性遺伝子の導入 免疫細胞によるキリングアッセイ 隆 近年、手術手技、補助手段、術後管理などの進歩により心臓手術成績は大きく 向上した。適応が拡がり、対象は、より重症となっている。一方、同じ疾患の 内科的治療の進歩も目を見張るものがあり、手術適応も変化している。このよ うな環境の中、患者の負担を減らし、術後の QOL の改善を目指した外科治療 が注目されている。体外循環非使用の心臓手術や、自己組織を温存した弁手術 などについて講義する。また、呼吸器外科領域の主要対象疾患である肺癌に対 しては、分子標的治療の進歩や蛍光気管支鏡、PETによる質的画像診断技術 の普及、胸腔鏡による手術の低侵襲化などにより、年々治療成績の向上が得ら れている。これらの様々な診断治療技術の進歩の役割について述べる。 心臓手術は、刻一刻と変化する環境動態、血液凝固系、人工素材など、研究項 目にあふれている。講義において学んだ最新の心臓手術について、実際の手術 を見学し、術後経過を観察することにより、その利点と、今後の課題を学習す る。また、欧米の最新の論文を抄読することにより、今後の心臓手術がどうあ るべきかを考える。また、呼吸器外科疾患において実際の診断と治療の現場を 見学し、治療方針の決定に際して最新の知見がどのように反映されているかを 考える。 消化器外科学特論 山 (講義) 上 裕 消化器外科学特論 (演習) 機 1.消化器外科学概論:消化器外科の歴史および総論 2.消化器癌の外科治療:とくにリンパ節郭清術の意義について 3.消化器癌の再建術式の検討 4.消化器癌の免疫療法:腫瘍特異的T細胞の誘導、ペプチド癌ワクチン療法 5.消化器癌の遺伝子治療:アデノウイルスおよびへルペスウイルスベクターを 用いた癌遺伝子治療 6.消化器癌の化学療法:抗癌剤感受性規定遺伝子の網羅的解析 1.腫瘍浸潤リンパ球の培養法と活性化について 2.樹状細胞の活性化(ペプチドによるパルス法) 3.アデノウイルスおよびへルペスウイルスベクターを用いた遺伝子組み換え実 験 4.マイクロダイセクション法の習得 5.DNA チップを用いた網羅的遺伝子解析法 脳神経外科学特論 中 (講義) 尾 直 脳神経外科学特論 (演習) 整形外科学特論 (演習) 志 血液疾患の診断や治療には、造血細胞の「形態」 「細胞表面抗原」 「遺伝子異常」 の知識が必須である。講義では血液内科学の歴史を振り返り、既存の疾患単位 ・診断法・治療法が如何にして確立されてきたのかを述べる。同種造血幹細胞 移植は、免疫学的抗腫瘍効果が実証されている数少ない治療法である。しかし ながら、同種造血幹細胞移植に伴って患者体内に発生する免疫反応は「両刃の 剣」であり、本治療法の成否の鍵は免疫反応の制御にかかっている。本講義で は同種造血幹細胞移植における免疫病態を述べる。 1. 2. 3. 4. 5. 6. 胸部外科学特論 (演習) 整形外科学特論 (講義) 講 義 等 の 内 容 之 脳神経外科総論(病態性生理、診断学、神経画像診断学) 脳神経外科疾患の病態を理解し、現病歴、神経現症、神経画像診断から正確な 診断を学ぶ。 脳腫瘍、脳血管障害、頭部外傷、脊髄疾患、機能的脳神経外科疾患(不随意運 動、三叉神経痛、顔面痙攣など)の症例に接し、実際の診断・治療を学ぶ。 脳腫瘍、脳血管障害などの顕微鏡手術を見学し、脳神経外科手術の要点を学ぶ。 吉 田 宗 人 整形外科学は運動器を対象とする学問である。運動器とは身体活動を担う筋・ 骨格・神経系の総称であり、人間らしい生活や活動を行う上で必要不可欠な機 能的連合である。講義では、運動器疾患の病態や障害を的確に把握できること を目標に、各種運動器疾患、外傷について教授する。具体的には運動機能診断 学および治療学、四肢骨折・外傷、脊椎脊髄疾患・外傷、関節の疾患・外傷、 スポーツ医学などについて各分野のスペシャリストによる講義を行う。 運動器疾患の実際とその最新の治療法について習得することを目標に、医療現 場での演習を行う。具体的には運動器疾患を有する患者の身体所見を観察し、 機能傷害との関連性について考察する。また、われわれが行っている最小侵襲 手術の実際を見学し、術後の運動機能障害回復について評価法を学ぶ。スポー ツ選手への指導や運動器疾患の疫学調査への参加を希望する場合には、大学関 連施設や検診現場でのフィールドワークも可能である。 ○専門教育科目(修士) 指導教授 授 業 科 目 脊椎脊髄病学特論 川 (講義) 上 守 1.脊椎脊髄病の症候、診断、補助診断について理解し、習得する。 2.脊椎脊髄病による身体的、精神心理的、社会的障害について理解する。 3.脊椎脊髄病に対する薬物療法やリハビリテーションなどの保存的治療ならび に最新の手術的治療について理解する。 4.脊椎脊髄病に対する生物学的アプローチについて理解する。 脊椎脊髄病学特論 (演習) 泌尿器科学特論 (講義) 1.臨床の場で脊椎脊髄病患者の診断、治療の実際を理解する。 2.脊椎脊髄病患者の身体的、社会的、精神的機能の種々の評価法を習得する。 3.脊椎脊髄病の治療成績評価は治療担当者が行うべきではない。脊椎脊髄病の 各疾患の治療成績を治療に携わらない立場から治療法別に比較検討し、統計 学的評価の方法を習得する。 4.腰痛症、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄の動物モデルを用いた行動薬理学的実 験や生物学的治療法確立のための実験を行う。 原 勲 泌尿器科総論 泌尿器科学の中においても特に頻度が高くかつ治療的意義の大きい3疾患(尿 路生殖器悪性腫瘍、尿路結石症、排尿障害)につき概説する。 泌尿器科学特論 (演習) 基礎的な検討としてはマウスモデルを用いた動物実験の手技、培養細胞を用い た腫瘍免疫に関する実験を行う。臨床的には実際の外来及び手術の見学を行い 治療に関する概念を確立する。 視覚病態眼科学特 雑 論(講義) 賀 司珠也 眼科学総論 1)眼疾患の内科的治療 ブドウ膜炎や緑内障などの内科的治療が第一選択に なる疾患の理解、習得。 2)眼疾患の外科的治療 白内障などの外科的治療を要する弛緩の理解、習得。 3)眼疾患の遺伝子治療 アデノウィルスベクターを用いた眼線維化疾患に対す る線維化抑制の可能性の探究。 4)ロービジョンケア 視覚障害者のQOLについて理解を深める。 視覚病態眼科学特 論(演習) 1)臨床現場を通して診断、治療を習得する。 2)臨床現場での診断、治療。動物眼を用いたウェットラボ。 3)アデノウィルスベクターによる遺伝子組み換え治療。 4)臨床現場を通して視覚障害者の立場を経験、理解する。 耳鼻咽喉科・頭頸 山 部外科学特論 (講義) 中 昇 言語聴覚士資格を持つ学生が、さらに言語、聴・平衡覚理論の知識を深め、言 語や発声障害に対する治療、嚥下のメカニズムおよび誤嚥の病態と治療、難聴 治療の知識を習得することを目標とする。すなわち、言語、発声障害の病態、外科 的治療、リハビリテーションの実際、嚥下の外科的治療、リハビリテーションの 実際、めまい、難聴の診断、遺伝相談、分子遺伝学的研究、人工内耳理論、手術及び マッピングの方法論などについて学習する。 耳鼻咽喉科・頭頸 部外科学特論 (演習) 発声障害に対する検査、診断手順について実習するとともに、喉頭微細手術によ る治療、声帯可動手術などを演習する。さらに嚥下障害の検査、リハビリテーシ ョンの実際について実習する。精密聴覚検査および平衡機能検査を実習し、検査 結果について解析演習を行う。人工内耳埋め込み患者のリハビリテーションの 実際を演習する。 口腔顎顔面外科学 藤 特論(講義) 田 茂 口腔顎顔面外科学 特論(演習) 皮膚病態学特論 (講義) 皮膚病態学特論 (演習) 講 義 等 の 内 容 之 年々増加傾向を示す顎関節症に対する合理的な治療法について学習する。 歯原性腫瘍の治療にあたって留意すべき項目とは何かを理解、学習する。 顎顔面外傷の治療において考慮しなければならない重要点を学習したうえで、 その手技を習得する。 古 川 福 実 1)美容皮膚科学に必要な皮膚の生理機能や組織学を学ぶ。更に、痤瘡、しみ、 しわなどの病態やその測定機器の原理を学ぶ。 2)何故、傷が治るのか、その機序を学ぶ。 3)光線過敏の原因を探る。 4)アトピー性皮膚炎の原因を探る。 5)皮膚のマスト細胞の病態を学ぶ。 実際に画像肌測定装置を用いて、様々な病態や状態の検討を行う。 ○専門教育科目(修士) 指導教授 授 業 科 目 分子病理学特論 (講義) 村 垣 泰 分子病理学特論 (演習) 人体病理学特論 (講義) 人体病理学特論 (演習) 講 義 等 の 内 容 光 組織病変の基本となる細胞の増殖または死はどのような分子機構によって起こ るのかを種々の疾患を例に挙げ解説する。また各臓器に線維化をきたす疾患に おける病因論についても詳説する。さらに各種遺伝性疾患における表現型およ び遺伝子異常を分子機能異常という点から解説する。 実験動物を用いることにより臓器の中で実際に細胞の増殖あるいはアポトーシ スをおこさせることにより形態学的観察あるいは生化学的分析を行う。また臓 器線維化モデルの作成を行い組織学的変化を観察し、実験的解析方法を学ぶ。 さらに遺伝性疾患における遺伝子異常の同定の方法を実習する。 村 田 晋 一 ほとんどの疾患において、細胞あるいは組織に形態の変化や異常が出現する。 特に腫瘍性疾患では、細胞異型や構造異型と呼ばれる形態異常が、腫瘍発生の 初期から出現し、さらに腫瘍が進展や悪性度を増すに従い、より高度になる。 また、様々な良性疾患においても,、常細胞や組織では見られない変化(化生 や再生など)が起こることが多い。この様な各疾患における細胞・組織の形態 の変化や異常について、その特徴や形成機序のみならず、病理発生や臨床的関 係について解説する。 疾患における細胞・組織の形態変化や異常を顕微鏡下で解析するための手法に ついて演習する。特に蛍光特性を利用した解析法は、DNA や蛋白などの細胞 内物質の相互作用、局在あるいは構造を解析するために有用である。具体的に は、多重蛍光免疫染色、FISH 法、FRET 法、FRAP 法、FLIP 法などの原理と 実際の応用法を実習する。