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膠原病エリテマトーデスの皮膚病変に抗マラリア薬が承認発売 ―日本発・世界初の承認申請臨床試験を経て-
膠原病エリテマトーデスの皮膚病変に抗マラリア薬が承認発売 ―日本発・世界初の承認申請臨床試験を経て- 抗マラリア薬ヒドロキシクロロキンは、皮膚エリテマトーデス・全身性エリ テマトーデス・関節リウマチの世界的な標準的治療薬です。本剤は1955年米国 での承認取得以降、欧州諸国を含む70ヵ国以上で承認されています。しかし、 日本ではクロロキン網膜症問題(例えば http://cine.co.jp/detail/0021.html などが参考になります。)が起きて以降、抗マラリア薬は使用されなくなると ともに改良薬ヒドロキシクロロキンも国内での開発は行われてきませんでした。 しかし、ヒドロキシクロロキンは皮膚病変に対して大変有効であることは分 っていましたが、それが本邦では使えない為、患者さんの QOL は大変低下し、 時にステロイド薬の過剰使用になっていたこともあります。 そこで、日本ヒドロキシクロロキン研究会(※)が主体となり、皮膚科、リ ウマチ・内科、眼科が協力した世界初の承認申請臨床試験が無事終了し、9月 7日に販売されることになりました(保険収載)。 安全に十二分に配慮した使用で、患者の治療に大きな貢献が出来るものと思 われます。まさに、薬禍を乗り越えた臨床試験であり、協力いただいた患者さ んに心から敬意を表する次第です。 ※日本ヒドロキシクロロキン研究会 総括及び皮膚科代表 古川福実(和歌山県立医科大学皮膚科学) リウマチ・内科代表 山本一彦(東京大学医学部アレルギーリウマチ学) 事務局長 横川直人(多摩総合医療センターリウマチ膠原病科)