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遺伝子に注目 ~ 肺がんに対する最新の抗がん剤治療~

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遺伝子に注目 ~ 肺がんに対する最新の抗がん剤治療~
遺伝子に注目
~肺がんに対する最新の抗がん剤治療~
和歌山県立医科大学 内科学第三講座
山本信之
肺癌の死亡率
‐がん統計 75歳未満年齢調整死亡率‐
肺がん75歳未満年齢調整死亡率(男女計)が高い5県
2009年 北海道、青森県、大阪府、和歌山県、高知県
2010年 鳥取県、青森県、北海道、大阪府、和歌山県
2011年 鳥取県、北海道、和歌山県、大阪府、青森県
がんの進行・転移
肺がん
転移が見つかった場合
がんは全身に広がっている
全身治療
検査では
発見できない
がんがある
目に見えない
小さな転移のある
可能性
がんに対する主な治療法
局所療法
• 手術
目に見える腫瘍をまる
ごと取り除く方法
• 放射線
腫瘍に放射線をあてて
焼き切ってしまう方法
• 化学療法(抗がん剤)
全身治療
2013/5/15
薬を使って全身のがん
に対して攻撃する方法
遺伝子異常から『がん』になるまで
多段階発がん
正常
多くのがん
何種類かの遺伝子異常
を生じて
初めてがんになる
がん
遺伝子異常から『がん』になるまで
強力な
がん化遺伝子
正常
1種類の
遺伝子異常
がん
になる
ALK
融合遺伝子
の
肺癌
がん
Soda M, et al. Nature 2007
肺腺癌における
Oncogenic Driver Mutation
1987
日本人腺癌
2012
2009
2004
Pao W. Lancet Oncol 2011改変
非小細胞肺癌におけるがん化遺伝子変異
喫煙歴と地域差
喫煙者
非喫煙者
喫煙者
非喫煙者
Suda K, et al. Cancer Metastasis Rev 2010
EGFR遺伝子変異陽性NSCLCを対象にした
EGFR-TKIと従来の抗がん剤治療を比較した
第III相試験
Study
Regimen
WJTOG3405
CDDP/TXT vs Gefitinib
Lancet Oncology 2010;11:121-128
NEJ002
CBDCA/PTX vs Gefitinib
N Engl J Med 2010;362:2380-2388
OPTIMAL
CBDCA/GEM vs Erlotinib
Lancet Oncology 2011
EURTAC
Lancet Oncology 2012
Plt-doublet vs Erlotinib
PFS
Chemo EGFR-TKIs
6.3
9.2
HR:0.49 (95% 0.34-0.71)
5.4
10.8
HR:0.30 (95% 0.22-0.41)
4.6
13.1
HR:0.16 (95% 0.10-0.26)
5.2
9.7
HR:0.37 (95% 0.25-0.54)
NEJ002試験の結果
PFS: がんの増悪までの期間
RR: がんの縮小率(奏効率)
Gefitinib
:10.8 months
CBDCA/PTX : 5.4 months
HR= 0.30
(95%CI; 0.22-0.41)
P< 0.001
73.7% 30.7%
Maemondo et al. N Engl J Med 2010;362:2380-2388
日本における
Gefitinib承認前後での
EGFR遺伝子変異を有する進行肺癌(腺癌)の
生存期間の比較
承認前: 13.6か月
承認後: 27.2か月
Takano T, et al. J Clin Oncol 2008
肺腺癌における
Oncogenic Driver Mutation
1987
日本人腺癌
2012
2009
2004
Pao W. Lancet Oncol 2011改変
ALK陽性肺癌に対するcrizotinib使用の有無での
生存期間に与える影響
ALK陽性肺癌 HR=0.36
Crizotinib有
ALK陰性肺癌 11か月
ALK陽性肺癌 6か月
Crizotinib無
1
2
3 years
Shaw AT, et al. Lancet Oncol 2011
ALK陽性肺癌(既化学療法例)に対する
抗がん剤とALK阻害剤(Crizotinib)の比較試験
PFS: がんの増悪までの期間
RR: がんの縮小率(奏効率)
CH5424802 for patients with ALK-rearranged
advanced NSCLC(AF-001JP study): phase I/II study.
奏効率:93.5%,
重篤な有害事象:11%
(Grade4以上は無し)
Seto T, Yamamoto N, et al: Lancet Oncol. 2013 Apr 29.
肺癌の治療(化学療法)
• 有力な遺伝子変異の検索
• 肺癌細胞に遺伝子変異がある場合
– 遺伝子変異に応じた薬剤を選択
遺伝子変異に
対応した薬剤
従来の
がん剤
奏効率
70%~90%
30%~40%
癌が増悪する
までの期間
10~12か月
4~5か月
生存期間
22~30か月
2~3
倍
10~12か月
肺腺癌における
Oncogenic Driver Mutation
1987
日本人腺癌
2012
2009
2004
Pao W. Lancet Oncol 2011改変
肺癌のDriver Mutationをターゲットにした
新規抗がん剤(分子標的薬剤)の候補
Oncogene
Activation
RET
Translocation
Drug
Sunitinib, Sorafenib
Vandetanib
新規抗がん剤の臨床試験が
最新の治療への参加することだけではなく
ROS
Translocation
Crizotinib
最も効果の高い治療を受ける
ことにつながる
Trastuzumab
可能性が高くなってきている。
HER2
Mutation
Afatinib,
Dacomitinib
静岡がんセンター呼吸器グループにおける
胸部悪性腫瘍の包括的遺伝子プロファイリングシステム
主任研究者;山本信之
2013年3月
1000例達成
438人の
肺癌患者の解析
腺癌 遺伝子変異
52.5%
日本癌学会総会2012
日本肺癌学会総会2012
全肺癌
遺伝子変異 45%
腺癌・非喫煙者
遺伝子変異 80%
血液循環癌細胞検出装置
Cellsearch (Veridex)
米国FDAが唯一認可している検査装置
抗EpCAM抗体標識磁気ビーズでCTCを磁気濃
縮し、磁気を帯びた基板に滴下した細胞をス
キャニング・カウント
Microcavity array system (MCA)
(東京農工大 松永研究室との共同研究)
100~250000個の直径数 µmの微細貫通孔
を精密加工した基板(マイクロキャビティ
アレイ)を介して血液サンプルを吸引し、
各孔に循環腫瘍細胞を一つずつ回収する。
進行非小細胞肺癌患者における
CTC数の比較 CellSearch vs MCA
Hosokawa H, Yamamoto N, et al. AACR 2013
近い将来(一部現在)の肺癌の治療形態
治療前・治療中の
バイオマーカーの検討
適切な治療を適切な患者に
新規治療方法の開発
A gene
mutation
E gene
expression
D gene
B gene
rearrangement
mutation C gene
amplification
大学と地域基幹病院との連携
大学と地域医療機関
との連携
診療情報の共有
資料(組織・血液も含
む)の共有
⇒ 地域の病院でも
大学のリソースを使用
しながら
最新の診療が可能
和歌山県立医科大学ホームページより
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