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パープルリボンキャラバン2014 日本肝胆膵外科学会市民公開講座 特定非営利活動法人パンキャンジャパン
パープルリボンキャラバン2014 日本肝胆膵外科学会市民公開講座 ~ わたしたちにできること ~ 特定非営利活動法人パンキャンジャパン 眞島 喜幸 発がんの過程 前駆病変が浸潤癌となり、遠隔転移する 膵上皮内腫瘍性病変 (PanIN) 浸潤癌 肝転移 Source: R. Hruban Johns Hopkins Medical Center 2011 膵がんが発生するまでに12年 Yachida S, et al, Nature. 2010 Oct 28;467(7319):1114-7. Distant metastasis occurs late during the genetic evolution of pancreatic cancer. 膵がんの危険因子 1. 家族歴: 家族歴 膵がん、遺伝性膵がん症候群 2. 合併疾患: 糖尿病、肥満、慢性膵炎、遺伝性膵炎 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN) 3. 嗜好 : 喫煙 1. 危険因子を複数有する場合は、膵がん検出のための検査を 行うよう勧められる 2.IPMNはがんへ進展することや膵がんを合併することがあるの で、的確な診断と慎重な経過観察が勧められる (膵癌診療ガイドライン 2009年版) 家族性膵がん FAMILIAL PANCREATIC CANCER Research 日本にも必要ながん研究の例: 家族性膵癌登録(NFPTR)によるハイリスクグループの同定 個別化予防や新たな検診手法の実用化を目指した 前向き大規模追跡研究(PACGENE) 米国:遺伝性膵癌症候群のリスク 個人 リスク 50歳 70歳 1 0.05% 0.5% BRCA2 (乳がん-卵巣がん) 3.5-10 0.5% 5% P16(家族性メラノーマ 多発性症候 FAMMM) 20-34 1% 10-17% 家族性膵がん 14-32 0.8-1.6% 8-16% PRSS1 (遺伝性膵炎) 50-80 2.5% 25-40% STK11/LKB1 (ポイツ ・ジェガース症候群) 132 6.6% 30-60% 家族歴なし 家族性膵癌登録制度 (NFPTR) ジョンズ・ホプキンス大学の National Familial Pancreatic Tumor Registryプログラム (NFPTR)は、親、兄弟、こどもの なかに一人以上の膵癌患者の いる家庭が対象となります。 特に50歳前で発病した方がいる 場合は登録の対象になります。 ひとりでも膵癌が発病 した家族からの相談を受け ています。 Source: http://www.path.jhu.edu/pancreas/ nfptr/who.php 膵がん啓発パープルリボンキャラバン 眞島様 母が亡くなりました。 眞島様に お会い出来るだろう…その日に 亡くなりました。亡き 父の 誕生日に 父が 迎えに来たかのように…逝きました。9月 29日…に 逝きました。 でも,何故に,親子で膵臓癌かと 思います。…発症が 同じ時期 …私の看病をしてる間に 母の病気が どんどん進行し…ツライ です。生きている私は どうすればよいのか わかりません。身 代わり?…私が先に逝っていれば…と 母の写真を見るたびに 思います。 膵臓癌…母は 入院して以来ずっと 「遺伝かなぁ…すまんなぁ ……ごめんなぁ」が 口癖になっていました。 パープルリボンの活動を ぜひ 皆様に知って頂き …皆様に 親子で膵臓癌という 悲しみがないようにと,切に思います。 米国第39代大統領 ジミーカーター氏 ■Brother – died of Pancreatic cancer Smoker ●Sister – died of Pancreatic cancer Smoker ●Sister – died of Pancreatic cancer Smoker □Former President Jimmy Carter Non-smoker “Several of my children smoke, it grieves me. I hate cigarettes worse than anything.” New York Times, 8/7/2007 ●Mother – died of Breast cancer Smoker ■Father – died of Pancreatic cancer Smoker Jimmy Carter’s family 膵癌 58 生存 89 膵癌 63 乳癌 85 膵癌 54 膵癌 51 家族性膵癌 第1度近親者(FDR): 親、兄弟姉妹、子供に膵癌 Expected Incidence per 100,000 in the General U.S. Population 350 32X 300 288 250 200 150 100 4.6X 6.4X 57.6 41.4 50 9 0 General Population 一般 1 2 3 Number of FDR with Pancreatic Cancer 第1度近親者の膵癌発現数と膵癌罹患リスク Klein, Cancer Research, April 1, 2004 アンジェリーナ効果:BRCA1陽性の36%が手術 遺伝性乳がん卵巣がん症候 群(HBOC)の原因遺伝子で あるBRCA1/BRCA2 の病的 変異(0.1%of Women)は乳が ん、卵巣がんのみならず、膵 がんのリスクを各々2~3 倍、4~8倍高くすることが報 告されている 日本膵臓学会 家族性膵癌登録制度 2013 ドラッグラグ 問題 日本:部位別がんと保険適用薬 21 BREAST 乳がん 13 LUNG 肺がん 12 COLON 大腸がん PROSTATE 前立腺がん 10 STOMACH 10 LIVER 10 胃がん 肝臓がん PANCREAS 膵臓がん 2 参考:2011 年度板 ガンを薬で治す 抗がん剤・分子標的薬・ホルモン剤 畠清彦 癌研有明病院 米国:NCCN膵臓ガイドライン2014 私たちにできること ドラッグ・ラグ解消に向けたアクションを起こすこと +6剤 行政 早期承認 製薬企業 メディア 署名活動 日本での活動 患者・家 族・友人 ドラッグラ グ解消 厚労省医薬食品局審査課へ15,402筆を提出 2011.5.30 2011.7.01 エルロチニブの早期承認要望書提出 エルロチニブ承認される 早期承認の要望書と署名活動 approval 2011.7.1 エルロチニブの適応症追加(膵臓がん) Gemcitabine (Gemzar® ) FDA 1996.5 PMDA 2001.4 ※ Lag 5.0 Yr Signature Drive、Submit to MHLW Erlotinib(Tarceva®) FDA 2005.11 PMDA 2011.7 ※ Lag 5.7 Yr Signature Drive、Submit to MHLW 適応外薬の承認問題 USA Gemcitabine Capecitabine Gem+Erlotinib FOLFIRINOX Gem+Nab-PTX Gem+Cis Gem+Cap G+T+X G+A+X Cape+Ox 5FU+Leu+Ox JAPAN Gemcitabine TS-1 Gem+Erlotinib FOLFIRINOX ドラッグラグ解消の要望書提出 2013-6-25 Shiozaki Ochiai Majima Konno Tamura August 1, 2013 (Yomiuri) MHLW announced that it will accept early approval requests from patient groups any time instead of once every two years as it has done in 2009 and 2011. Mr. Majima of NPO Pancan Japan, said this is a welcome move for patients suffering from Drag Lag problem. 23 ドラッグラグ解消の要望書 2013.12.20 FOLFIRINOX承認される Erlotinib(Tarceva®) FDA 2005.11 ※ Lag PMDA 2011.7 Signature Drive、Submit to MHLW FOLFIRINOX NCCN 2010.x (Off Label) ※ Lag PMDA 2013.12.20 Signature Drive、Submit to MHLW 5.7 Yr 3.0 Yr 適応外薬の承認問題 USA Gemcitabine Capecitabine Gem+Erlotinib FOLFIRINOX Gem+Nab-PTX Gem+Cis Gem+Cap G+T+X G+A+X Cape+Ox 5FU+Leu+Ox JAPAN Gemcitabine TS-1 Gem+Erlotinib FOLFIRINOX Gem+Nab-PTX 膵がん治療薬2013年ガイドライン比較;日本vs米国 薬剤 フッ化ピりミジン プラチナ系 トポイソメラーゼ阻害 タキサン系薬剤 分子標的薬 有効性の 証明 日本の保健 適用 日本のガイド ライン ○/○ ○/○ △ UFT × ○ × S-1 ○ ◎ ◎ カペシタビン × × × ゲムシタビン ○ ◎ ◎ ドキソルビシン × ○ × マイトマイシンC × ○ × シスプラチン(家族性膵癌) ○ X △ オキサリプラチン ○ ○ △ イリノテカン ○ ○ △ パクリタキセル × × × ナブパクリタキセル ○ × △ ドセタキセル × × × エルロチニブ ○ ◎ ◎ 5-FU/ロイコボリン 資料:古瀬純司 杏林大学(承認されたFOLFIRINOXを追加) 作成日: 2014.1.24 今年の目標:nab-PTXの承認 • FDA 承認: nab-PTX(Abraxane® 2013.9) Gem( 6.8mo) vs Gem+Nab-PTX Gem(8.4mo) • PMDA 承認: Gem+nab-PTX 年内承認を目指して Nab-Paclitaxel (Abraxane®) ※ Lag FDA 2013.9 PMDA 2014.12 Signature Drive、Submit to MHLW 1.3 Yr?? 政策提言活動 Cancer Research Advocacy 日本における「がん研究」の大切さ 世界一の高齢化社会で、がん患者増加中 欧米に少なく、アジアに多い難治性がん(例:胆道癌) 患者の命を救えるのは、日本のがん研究・臨床試験 国際共同治験のジャパン・パッシング問題 欧米医薬品に依存している限り、ドラッグラグ/未 承認薬問題 は解決されない 米国:NCIのがん研究予算 5,067億円(2012) 乳がん 前立腺がん 大腸がん 肺がん 膵がん 米国の五大がん研究予算の推移(2008~2013) 乳がん 5億円 億円 700.0 乳がん 600.0 膵臓がん 1.5億円 500.0 2008 400.0 前立線がん 2009 肺がん 2010 大腸がん 2011 300.0 2012 200.0 膵臓がん 100.0 0.0 Prostate Cancer Breast Cancer Colorectal Cancer Lung Cancer Pancreatic Cancer 日本の問題:TR死の谷、DrugLag 国際標準治療薬が使えない日本 国内のが ん研究 • 基礎研究 • TR・POC • 死の谷 • 治験・承認 × 研究成果を 待ち望む患 者 海外のが ん研究 • 基礎研究 • TR・POC • 治験・承認 • ドラッグラグ × 国際標準薬 を待ち望む 患者 Stakeholder(患者の声/アクション/協働) 患者・ 家族 医療者 世界の 標準治療を がん研究 受ける権利 教育・啓発 政策提言 草の根運動 署名活動