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全国語学教育学会 日本語教育研究部会 日本語教育

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全国語学教育学会 日本語教育研究部会 日本語教育
部会からのお
からのお知
部会
からのお知らせ
2
日本語教育研究部会役員
日本語教育研究部会役員
第38回全国語学教育学会
年次国際大会 報告
コーディネーター:
コーディネーター:代表
川手川手-ミヤジェイエフスカ 恩
『Making a Difference』を大会テーマに、10
月12-15日、浜松ACT Cityにて、2012年全国語
学教育学会年次大会が行われました。
Email: [email protected]
Email: [email protected]
企画担当
山下 早代子
全国語学教育学会 日本語教育研究部会
日本語教育ニュースレター
ニュースレター 9 (3
日本語教育
(3) [第
[第21号], 2012
2012年 秋号
Email: [email protected]
日本語教育研究部会
日本語教育研究部会(JSL)は、第二言語とし
ての日本語指導・日本語学習・日本語教育研
究の向上を目指し、指導・学習・研究のため
の資料や情報を提供していきます。更に、専
門家の育成の為の外国語教育における日本語
教授法や言語学(心理・社会言語学なども含
む)の研究推進にも力をいれています。日本
語の指導者・学習者・研究者の積極的なご参
加を歓迎致します。
部会代表からの
部会代表からのメッセ
からのメッセージ
メッセージ
会員の皆さま、いよいよ11月、霜月となりま
した。日本語教育研究部会は、現在70名の会
員に支えられ、とてもうれしく思います。今
年10月に静岡県浜松市のアクトシティ・浜松
で開催された第38回全国語学教育学会年次国
際大会においては、10月13日(土)に『日本語
能力の試験と評価』と題してのフォーラムを
開催し、同日に日本語教育研究部会の総会も
行いました。会員の皆様ととても有意義な時
間を共有できたことをご報告させていただき
ます。
川手-ミヤジェイエフスカ 恩
ニュースレター編集長
ニュースレター編集長からの
編集長からのメッセージ
からのメッセージ
すっかり涼しくなりました。夜長に無理
をして風邪などひかれないよう、皆様ど
うぞ暖かくして、お体ご自愛ください。
今号では、まず、10 月に静岡県浜松市
にて行われた 2012 年全国語学教育学会
年次大会の日本語教育研究部会年次総会
の報告をいたします。次に、大会中行わ
れた JSL フォーラムの報告を、浅見先生、
柿山先生、蒲原先生、服部先生からいた
だきます。ご参加いただきました皆様、
ありがとうございました。更に後半では、
今年の初夏号に引き続き、野口先生の
「日本語ワンポイントコーナー」②と、
松澤先生からの「中国からの便り」②を
お届けします。どうぞお楽しみ下さい。
本号を作成するに当たりまして、ご協力
いただいた方々に感謝申し上げます。ま
た、ニュースレター、掲載記事に関して
皆様のご意見やコメントをお寄せくださ
い。会員の皆様の貴重なフィードバック
を心よりお待ちしております。
高野のぞみ
会員担当
会員担当
服部 珠予
Email: [email protected]
高野 のぞみ
Email: [email protected]
会計担当
会計担当
神田 みなみ
JSL SIGでは、10月13日土曜日、日本語教育研
究部会年次総会にて、右記の表の通り来年度
の部会役員が選出されました。
Email: [email protected]
出版担当
ティモシー・
ティモシー・ニューフィールズ
Email: [email protected]
川手川手-ミヤジェイエフスカ 恩
Email: [email protected]
宣伝担当
高野 のぞみ
Email: [email protected]
ウェブサイト担当
ウェブサイト担当
ティモシー・
ティモシー・ニューフィールズ
日本語教育研究部会年次総会
また、同日「日本語能力の試験と評価」と題
して、日本語教育研究部会フォーラムを開催
しました。発表の詳細は次ページをご覧くだ
さい。
大会中、JSL-SIGテーブルにて広報活動も行い
ました。ご協力ありがとうございました。
Email: [email protected]
記録担当
ヨウ・
ヨウ・カセン
Email: [email protected]
岡田 こずえ
Email: [email protected]
ニュースレター編集
ニュースレター編集担当
編集担当
高野 のぞみ
Email: [email protected]
<目次>
目次>
代表からの
代表からのメッセージ
からのメッセージ
編集長からの
編集長からのメッセージ
からのメッセージ
部会からのお
部会からのお知
からのお知らせ
JSLフォーラム
JSLフォーラム報告
フォーラム報告
日本語ワンポイントコーナー
日本語ワンポイントコーナー
中国からの
中国からの便
からの便り
記事・
記事・会員募集
会員募集
1
1
2
3
5
7
8
JSL-SIGテーブル
http://jalt.org/jsl/
抱返り渓谷(秋田県)の紅葉
JALT JSL SIG 日本語教育ニュースレター
日本語教育ニュースレター
2012年
2012年 秋号
JALT JSL SIG 日本語教育ニュースレター
日本語教育ニュースレター
2012年
2012年 秋号
38回年次大会
回年次大会 JSLSIGフォーラム
フォーラム報告
第38
JSL-SIG
フォーラム報告
日本語教育研究部会フォーラムでは、10月
13日(土曜日)5:00–6:30PMに「日本語能
力の試験と評価」と題して、4つの発表が
行われた。
[フォーラム概要
フォーラム概要]
概要]
試験には、教師が個々に作成しクラス内で
使われる試験やそれぞれの学校の基準に沿
って作成される試験の他に、外部機関・団
体等によって公的に作られた標準試験や認
定試験がある。このフォーラムでは、日本
語 能 力 試 験 、 ACTFL Oral Proficiency
Interview (OPI) 、 CAL (Center for Applied
Linguistics) Oral Proficiency Exam (COPE)、
Student Oral Proficiency Assessment (SOPA)を
主に取り上げ、日本語能力を評価する標準
試験の種類や特徴、役割について考えた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
新日本語能力試験
浅見かおり
浅見かおり(
かおり(国際交流基金)
国際交流基金)
[email protected]
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日本語能力試験は日本語を母語としない人
の日本語能力を測定し認定する試験として
1984年に国際交流基金と日本国際教育支援
協会の2団体の共催として開始され、2009
年からは年1回12月のみに実施されていた
試験が、7月と12月の年2回の実施されるよ
うになった。2010年にはこれまで蓄積され
たデータと多様化した学習者のニーズに対
応できるよう新しい日本語能力試験が開始
され、2011年には世界62か国・地域で約61
万人が受験する世界最大規模の日本語試験
となった。この発表では、新試験の4つの
改訂のポイント、①課題遂行のための言語
コミュニケーションの測定、②レベルを1
つ追加し4段階から5段階に、③得点等化、
④日本語能力試験Can-doリストを紹介する
とともに、現在日本語能力試験がどのよう
に利用されているのかについて報告した。
3
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
評価からみた
的な会話授業」
評価からみた「
からみた「 OPI的
会話授業」とは
柿山礼美(
柿山礼美(上智大学)
上智大学)
[email protected]
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
近年、評価は日本語教育においても注目さ
れている重要な課題の一つであり、大学評
価という組織レベルのものから、ある特定
のプログラムや授業の学習目標の達成度や
学習者の日本語熟達度を評価する教育現場
の評価活動まで多様な領域に渡っている。
本発表では、まず、日本語能力を客観的に
測る試験として公的に認められる代表的な
ものとして、米国外国語教育協会(American
Council on the Teaching of Foreign Languages,
以下ACTFL)が開発した面接式口頭能力試
験 (Oral Proficiency Interview, 以 下 ACTFL
OPI)の概要を説明した。次に、多くのOPI
試験官資格保持者やOPI研究者が著書や論
文等で示してきたように、OPIが教育現場
へ応用できるものであることを、OPIとOPI
的な会話授業の手順を概念で対比し、用例
でOPI活用の可能性について考えた。言語
能力を測る基準なしには評価ができないよ
うに、教育現場の評価においても、例え
ば、各々のテストに特定の基準を設けて授
業が行われている。OPIの手法、つまり、
プロフィシエンシーを測る手段が教育現場
では言語教育の機会を増やし、学習者の学
習の改善や発展、さらには能力の向上につ
ながっていくと考えられる。言語教室活動
において、OPIの手法は評価にとどまらず
幅広い活用と重要な役割があると言えよ
う。
38回年
回年次大会
次大会 JSLSIGフォーラム
フォーラム報告
第38
回年
JSL-SIG
フォーラム報告
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
年少者向け
年少者向けオーラルアセスメントを
オーラルアセスメントを
検討する
検討する:
する:特徴と
特徴と利点
蒲原順子(
蒲原順子(明海大学)
明海大学)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
年少者向け
年少者向け口頭インタビューテスト
口頭インタビューテスト:
インタビューテスト:
データ分析
データ分析の
分析の結果から
結果から
服部珠予(
服部珠予(早稲田大学)
早稲田大学)
[email protected]
[email protected]
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
本発表では、年少の言語学習者に対するオ
ーラル アセ スメント につ いて具体 例を示
し、分析考察を行った。発表の前半では、
米国のthe Center for Applied Linguistics (CAL)
が考案した年少者向け口頭インタビューア
セスメント-the Early Language Listening and
Oral Proficiency Assessment (ELLOPA), the
Student Oral Proficiency Assessment (SOPA),
and the CAL Oral Proficiency Exam (COPE) な
どを紹介した。これらは、「小学校におけ
る外国語活動」(FLES programs)やイマー
ジョンプログラムを取り入れた学校区・教
育委員会からの要望に応えて開発されたも
ので、そのほとんどが口頭インタビュー形
式で、内容は言語能力を項目化し学習度/習
得度のレベルをグリッドに分類している。
ここではこれらのアセスメントについて、
個々の特徴や具体的な実施方法を紹介し、
利点と難点を指摘した。後半では、これら
のアセスメントから伺えることを土台にし
て、年少者を評価することと、大人を評価
することは何が異なるのか、年少者にはど
のようなタスクが適しているか、アセスメ
ントの 意義 とは何か などについて考察 し
た。
高野のぞみ
高野のぞみ(
のぞみ(上智大学)
上智大学)
[email protected]
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
口頭インタビューを実施した後に、生徒の
発話データをどのようにまとめ、評価・分
析するかは教師の課題の一つである。この
発表では、ある米国の日本語イマージョン
プログラムで、教師が児童の口頭インタビ
ューテストデータを分析したアクションリ
サー チの 試みを 紹介 した。 SOPA (Student
Oral Proficiency Assessment) は、イマージョ
ンプログラムで学ぶ児童の言語能力を評価
す る た め に CAL (Center for Applied
Linguistics)が開発したインタビュー形式テ
ストで 、教科概念を 説明する、物 語を語
る、ロールプレーをするなどのタスクから
成っている。実際のインタビューの映像を
見ながら、イマージョンプログラムで学ぶ
日本語学習者の発話の特徴やエラーの傾向
を考察するとともに、発話データの分析の
仕方・ 分析結果のま とめ方の 例を説明 し
た。更に、口頭インタビューテストのデー
タ分析を行ってみて、現場の教師として気
付いた利点と評価の難しさについても述べ
た。
蒲原先生ご発表
JSLフォーラム発表者
浅見先生
JALT JSL SIG 日本語教育ニュースレター
日本語教育ニュースレター
2012年
2012年 秋号
4
柿山先生
JALT JSL SIG 日本語教育ニュースレター
日本語教育ニュースレター
2012年
2012年 秋号
日本語ワンポイント
日本語ワンポイントコーナー
ワンポイントコーナー
5
日本語ワンポイントコーナー
日本語ワンポイントコーナー
6
・・・・・・・・・・・・・・・・・
総合的コミュニケーション
総合的コミュニケーション能力
コミュニケーション能力
獲得のために
獲得のために②
のために②
野口潔
上智大学
まず、学期当初学生に以下のようなものを提示
しました。
プロジェクトワークハンドアウト参照
プロジェクトワークハンドアウト参照
[email protected]
・・・・・・・・・・・・・・・・・
この指示をもとに、学生たちは素晴らしいパフ
ォーマンスを見せてくれました。今夏は全部で
4つのグループが作られ、それぞれが独自のパ
フォーマンスを行いましたが、以下に、その中
でも秀逸だったものを簡単に紹介します。
パフォーマンスサンプル参照
パフォーマンスサンプル参照
前回初夏号にて、公益財団法人国際文化
フォーラムが発行した「学習のめやす2
011-高校からの中国語・韓国語-」の
目標をもとに、初級の既存教科書を使っ
た活動を紹介いたしました。今回は、同
じ「学習のめやす2011」が提唱する
プロジェクト型の学習活動を紹介いたし
ますが、その前にまず、改めて「学習の
めやす2011」のキーコンセプトであ
る「3領域・3能力・3連携」を表にし
て、従来のコンセプトとどのように異な
るかを確認しておきます。
表1参照
従来のコミュニカティブ・アプローチが
想定しているのは「言語」と「文化」の
2領域において、「わかる」「できる」
という2つの能力を養うこと、つまり上
の表の「✔」部分のみです。しかし、上
の表からもわかるように「学習のめやす
2011」のキーコンセプトは、「✔」
部分に加え、「◎」部分、つまり「グロ
ーバル社会」領域における「つながる」
能力の育成、そして、「学習者」「他教
材」「教室外」との連携能力の育成も求
めています。これだけ付加されたもの
を、既存教科書で網羅することは相当に
困難です。そこで、必要になってくるの
が、既存教科書の枠を超えたプロジェク
ト型の学習活動です。以下に、私が今夏
(2012年)のサマーセッション・プログ
ラム(7月26日から8月15日)で行ったプ
ロジェクト・ワークを紹介します。
このグループの学生の一人が美術専攻であった
ことから、見事なパフォーマンスが仕上がりま
した。この内容を「学習のめやす2011」の
キーコンセプトに照らし合わせてみると、以下
のようにまとめることができると思います。
表2参照
このように、プロジェクト・ワーク型の活動を
行うことで、結果的に「学習のめやす201
1」が掲げているキーコンセプトをすべて網羅
することができます。確かに、このような学習
活動は、地道なドリル活動とは相当に異なるも
ので、特に正確さを求める方には敬遠されがち
に思われます。しかし、これからのグローバル
社会を生き抜くためには、日本語教育において
もプロジェクト・ワーク型の学習活動が今後よ
り重要視されていくべきであると考えます。
表1 「学習のめやす
学習のめやす2011
のめやす2011」
2011」のキーコンセプト
言語
文化
グローバル社会
グローバル社会
わかる
✔
✔
◎
できる
✔
✔
◎
つながる
◎
◎
◎
学習者
◎
◎
◎
他教材
◎
◎
◎
教室外
◎
◎
◎
プロジェクトワークハンドアウト
プロジェクト・ワーク
皆さんは、8月15日(水)に行われる「さよならパーティ」で日本語によるパフォーマンスを行いま
す。このパフォーマンスは準備段階から評価され、期末テストの一部となります。以下の点が満たさ
れるようなパフォーマンスをクラスの皆で話し合い、計画を立て、実行してください。これから15日
当日までに合計3回(3時間)授業中に話し合う時間を設けます。それ以上に時間が必要な場合は、授
業時間外で行ってください。
1. にぎやかなパーティです。その観客の注目を集め、彼らを楽しませてください。
2. パフォーマンスは日本語で行うこと。しかし、日本語の分からない観客もいるため、パフォー
マンスだけでは伝わらないところは、英語訳も入れること。
3. 日本人ボランティアと十分話し合い、協力し合って行うこと。
4. 日本の文化を取り入れ、他の文化との違いを見せること。
5. インターネットやパワーポイントなどの情報機器を活用すること。
6. 制限時間は 30 分。
パフォーマンスサンプル
タイトル:色理論
1.12名の学生が一色ずつを担当し、合計12色を紹介する。
2.各学生は自分の色の服をまとう。
3.赤、青、黄の3原色から紹介し、それらを混ぜてできる二次色、三次色を順に紹介。
4.上の紹介では、各色を使った日本の代表的なものもパワーポイントを使って紹介する。例えば、
「青」であれば「藍染」「サムライジャパン」など。
5.色が混ざり合うところなど、必要に応じて回転などの踊りを披露する。
表2 「学習のめやす
学習のめやす2011
のめやす2011」
2011」に沿ったパフォーマンス
ったパフォーマンスのまとめ
パフォーマンスのまとめ
野口先生と2012年サマープログラムの学生たち
言語
文化
わかる
自己紹介や色の
表現が理解でき
る
できる
自己紹介や色の
表現が言える
つなが
る
人前で自己紹介
や色の紹介を
し、聞き手との
つながりを持つ
各色を代表
する日本の
ものがわか
る
各色を代表
する日本の
ものが言え
る
日本以外の
国の各色を
代表するも
のと関連づ
ける
グローバル
社会
インターネッ
トの色に関す
る情報が理解
できる
インターネッ
トとパワーポ
イントを活用
できる
パフォーマン
スのため、日
本人ボランテ
ィアとの連携
を深める
学習者
他教材
教室外
パフォーマン
スのための自
分の役割を理
解する
上記の自分の
役割をこなせ
る
色理論を理解す
る
上記の役割を
クラスメート
と連携して行
う
日本語と色理
論、そして日本
文化をつなげる
工夫をする
パーティの状
況(場所や雰
囲気)を理解
する
パーティで観
客を惹きつけ
るパフォーマ
ンスができる
パーティで
様々な人との
交流を深める
JALT JSL SIG 日本語教育ニュースレター
日本語教育ニュースレター
JALT JSL SIG 日本語教育ニュースレター
日本語教育ニュースレター
2012年
2012年 秋号
色理論をパフォ
ーマンスにつな
げられる
2012年
2012年 秋号
中国からの
からの便
中国
からの便り
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
中国からの
中国からの便
からの便り②
松澤隆志
浙江師範大学
[email protected]
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今年の初夏号に「中国からの便り①」を書
いてから、私には大きな変化があった。日本
語教師として勤務していた会社を退社し、こ
こ浙江省の浙江師範大学で9月から教えること
になったからである。深センでは60歳超の外
国人が働くことが厳しくなってきたこともあ
り 、 公 益 財団 法 人日 中技 能 者交 流 セ ン タ ー
(以下、交流センター)派遣の日本語教師に
採用されたのを機に、事情を話し円満に退社
したのだった。交流センターの日本語教師派
遣 プ ロ グ ラム は 任地 を自 分 で選 べ な い も の
の、60歳を超えていても働けるメリットがあ
る。これは中国政府の専家(専門家のこと:
外国から専門家を招聘することを管轄してい
る)局とタイアップしているからである。5月
に交流センターの研修を修了し、直後に浙江
師範大学に派遣されることが決まった。6月一
杯で退社し、7月初めに帰国。8月20日に上海
経由で着任した。
浙江師範大学は浙江省立の大学で学部生2万
5千人というマンモス大学である。また教員養
成を特色とし、女子学生が圧倒的に多い。キ
ャンパスも広く、外国人教師用のアパートが
キャンパスの東はずれに建っているのだが、
商店街がある北門まで歩いて30分弱くらいか
かる。9月3日から授業が始まった。私が担当
しているのは日語会話2(2年生)、日語会話4
(3年生)、ビジネス文書(選択、3年生)、
旅行通訳(選択、3年生)の4教科で週16コマ
である(1コマは40分で、2コマ連結)。赴任
前 か ら 教 える 教 科の 情報 を 集め て い た の だ
が、担当を決める先生が交代したりして、情
報 が 集 ま らな い うち に赴 任 とな っ て し ま っ
た。来てからの情報で、日語会話2は「みんな
の日本語 初級」を使うことと、旅行通訳は
指定の教科書があることが分かった。日語会
話4とビジネス文書は指定の教科書は無く、自
由にやって良いとのことだがそういわれても
7
困ってしまう。来る前に一応、ビジネス文書
に関しては、私がビジネスマン出身のことも
あり、期待されるだろうとビジネス文書検定
の対策本を中心に数冊持ってきたのでそれを
使って教材を作っている。日語会話4のほうは
仕 方 が な い の で 、 Can-Do ア ン ケ ー ト を 実 施
し、できないと回答のあった項目から授業を
組み立て開始した。そうこうするうちに日語
生活交際会話という中国で出版された本が見
つかった。みると内容的にも実践で使える会
話が多く、ロールプレイもついていることか
ら現在はそれから教材を起こして使用してい
る。
後半になってしまったが、学生について。
さすがに今思うと深センでの私の生徒は全員
会社員で大人だった。そのせいか大学の2年
生、3年生は失礼だが子供に見え、かわいい感
じである。1クラス20人前後だが、外国語学院
(本部)で1クラス、併設されている行知学院
( 大 学 が 運 営 す る独 立し た 私大 の よ う で あ
る)で1クラスと1学年2クラスしかない。男子
学生は1-2名しかおらず残りは全員女子学
生である。中国の学生は良く勉強すると聞い
ているが、確かに2年生でも結構基本的な聴解
は 問 題 無 く 、 授 業を 進め る こと が で き て い
る。3年生になると、こちらが笑いを取ろうと
して言ったことに反応する学生がそこそこい
る。やる気がある学生は先生を励ます一番の
薬だと思うので幸せなことである。契約は1年
だ が 学 生 の 期 待 に応 えら れ るよ う 頑 張 り た
い。
最後に、昨今、日中間の問題がニュースを
にぎわしており、日本から心配してくれるメ
ールが来る。少なくとも私はこの件でいやな
思いをしたこともなければまして身の危険を
感じたことは一度もない。学生も、大学や町
で関わる中国人も普通に対応してくれる。ニ
ュースで暴徒化している中国人も確かにいる
のだろうが一部であって大多数の中国人は冷
静 で あ る こ と を 、深 セン を はじ め 中 国 の 友
人 、 旧 同 僚 ・ 生 徒の 面目 に かけ て報 告 した
い。(心配してくれるメールは深センからも
届いた。)
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記事・
会員募集
記事
・会員
募集
8
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ニュースレター記事募集
日本語教育研究部会メンバー
日本語教育研究部会メンバー募集
メンバー募集
日本語教育研究学会のニュースレターに投
稿しませんか。当部会では、
・ 研究論文
・ ブック・レビュー
・ 学会・研究・視察報告
・ 日本語教育関係者や学習者のインタビ
ュー記事
・ 学習者からの意見や作文
・ 教案・教材
・ 学会・募集のお知らせ
など、常時受け付けております。また、日
本語教育研究部会の会員ではなくても投稿
できますので、会員の皆様の同僚や友人に
もご周知ください。
本部会JSL SIGは現在70名ほどの会
員がおりますが、会員数を増やし、更にネ
ットワークを広げるべく、常時会員を募集
しています。皆様のご同僚やご友人などに
もお声をかけていただきたく、何卒よろし
くお願い致します。
記事は、WORDで作成し英語と日本語の両方
を添付で送ってください。もし翻訳者がい
ない場合はご相談ください。なお、ご投稿
いただいた記事は、スペースや文字数の関
係により、多少の修正を加えることがあり
ます。予めご了承の程ご理解ください。次
回の締め切りは201
2013
2013 年 1 月 20 日 です。皆様
からの投稿をお待ちしております。
送付先: 高野のぞみ
Email: [email protected]
会員の
会員のメリット:
メリット:
1) 2年に1回発行する論文集に投稿できる
(査読あり)
2) 年3回ニュースレターが配布される
3) ニュースレターに論文(1000-3000字程
度)や学会レポート、日本語の教え方・学び
方、その他会員の学会発表・研究テーマ・教
授経験など、紹介したい記事を投稿できる
4) Pan-SIGで発表できる(Pan-SIG official
Webを通して申し込む)
5) JALTやPan-SIGのForumに、発表者として
参加できる(興味のある方は、川手までご連
絡を [email protected]
6) JSLの会合やSIGの研究会に参加し
意見交換など交流ができる
7) リクエストに応じて、日本語教材・教授
法、異文化交流、語用論などに関する情報を
受け取れる<[email protected]>
8) 学会や発表募集などの最新情報を得られ
る
9) JALTに関連した学会では、会員の参
加費が適用される
入会方法(まだ会員ではない方へご周知下さい):
① まずはJALTの会員になります。JA
LTのホームページからの入会が簡単です。
入会申込書 https://jalt.org/joining/
メンバーシップの種類・費用などの詳細はホ
ームページをご覧下さい。
http://jalt.org/main/membership
② 同時にこの申込書で、Special Interest
Group (SIG) へも入会できます。SIGには
いくつでも参加できますが、1つのSIGに
つき1500円の参加費用が必要です。
③ その他、2500円で日本語SIGニュース
レターの購読のみも可能です。
「世界一」りんご(秋田県鹿角市)
2012年
2012年 秋号
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