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21世紀世代の社会進出 職場環境が激変する www.pwc.com/jp 今まさに社会進出しよう

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21世紀世代の社会進出 職場環境が激変する www.pwc.com/jp 今まさに社会進出しよう
www.pwc.com/jp
21世紀世代の社会進出
職場環境が激変する
今まさに社会進出しよう
として いる21世 紀 世 代
が、これからの職場環境
を激変させることになる
だろう。あなたの会社では
その準備が整っているだ
ろうか。
27223 - Millennials at work_v3.indd 1
2014/06/02 15:58
本調査について
4年前、私たちは将来の人材マネジメントに関する調査を開始し、
『Managing tomorrow’s people:
The future of work to 2020』を発刊した。そこではグローバリズム、テクノロジーおよび社会政治や人口
構造の変化がどのように将来の企業運営に影響を与えるかについて説明した。また、2008年にはそれに
続く『Millennials at work: Perspectives from a new generation』を発刊し、ここでは最も新しい21世
紀世代※の労働者の特徴について浮き彫りにした。
今回の報告書は世界中で新たに社会進出しようとしている新卒者に関する洞察を与えることを目的とし
て作成したものだ。CEOの間では企業の成功のために不可欠な人材を探せなくなるのは時間の問題だと
いう懸念が高まっており、適切なスキルを有する労働者不足が唯一最大の懸念事項だと捉えられている。
ここ数年、企業は団塊の世代に取って代わる優秀な人材獲得への熾烈な競争を繰り広げている。そして、
これから毎年ますます多くの人材が21世紀世代から採用されるようになる。
350
325
300
273
271
250
234
206
211
200
271
214 207
163
155
158
150
118
100
66
50
92
31
105
99
49
40
その他( カ国未満)
米国
英国
アラブ首長国連邦
トルコ
スイス
スペイン
南アフリカ共和国
ロシア
ルーマニア
ポルトガル
オランダ
マレーシア
日本
イタリア
アイルランド
インド
香港
ドイツ
フランス
中国
0
102
51
35
カナダ
※ 21世紀世代とは1980年代以降に生まれ、2000年代に成人を迎える世代を指す。
400
ブラジル
本報告書の至るところで、調査に協力した21世紀世代の引用が紹介されている。
455
433
450
ベルギー
PwCはOpinium Research社に依頼し、2011年8月31日から10月7日の期間、75カ国4,364人の新卒者
に対するオンライン調査を実施した。調査対象者の1,706人はPwCの新卒採用者かPwCのウェブサイト
からの回答者で占められていた。全体としては、1,470人のPwCの新卒採用者と2,894人の他企業の新卒
採用者が調査に協力した。全員が31歳以下で、2008年から2011年の卒業者から構成されていた。そのう
ち75%が現在就業中であるか、もしくはこれから就職するところとなっている。8%が調査時点では無職
で、残りは自営業者か、あるいは学生に戻ろうとしていた。調査対象者の12%が学位を必要としない仕事
に就いている一方で、76%が仕事には学位が必要だったと述べている。
500
オーストラリア
仕事を始めるにあたり、この世代はどのような希望と期待を持っているだろうか。そして、最も重要なの
は企業リーダーや人事チームがそれに応じて現在の戦略を変える必要があるのかということだ。
国別の調査回答者
30
“組織はアジア太平洋地域において適切な
人材の獲得・引き留めるために、最大限の
注意を払わなければならない。特に人材需
要が非常に強い中国ではなおさらのこと
だ。”
Anthony Nightingale, SBS, JP
Managing Director, The Jardine Matheson Group
2 21世紀世代の社会進出 職場環境が激変する
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なぜ21世紀世代が重要なのか
1980年から2000年に生まれた21世紀世代が今まさしく大量に社会進出しており、今後の職
場環境を構築していこうとしている。企業の将来にとって、この世代の最も優れた労働者を獲得
することは重要だ。彼らの仕事への野心や態度、そして新技術の知識が21世紀の職場文化を決
定づけることになるからだ。
21世紀世代は過去の世代と異なるだけではなく、退職間近の団塊の世代以降のどの世代よ
りも人数が多いため重要な存在となっている。例えば、アメリカではすでに職場の25%を21世
紀世代が占めており、インドでは人口の半分以上をこの世代が占めている。2020年までには、
世界の職場の50%を占めることになるだろう。
彼らは間もなく先行するX世代(generation X)を数で上回るとはいえ、いまだに供給不足と
なっている。特に他の地域と比較して出生率が低かった地域ではなおさらその傾向が強い。ま
た、この世代はいままでになく重要な存在となってくる。平均寿命が延びるのに伴い、非常に多
くの高齢者を扶養するために働くことになるからだ。CEOは若年層の労働者を獲得し、引き留
めることが人材に関する大きな課題の一つであると述べている。1
21世紀世代は労働者として強力な世代となっており、適切なスキルを有する人の需要が高ま
ることは疑う余地もない。彼らは現行の標準的な報酬制度だけでなく、働き方やどこでどのよう
に働くかについても影響を与える可能性がある。この世代自体が多くの組織が直面する最も大
きな課題の一つとなっているかもしれない。
21世紀世代は本当に過去の世代と異なっているのだろうか。彼らの行動や特性は、部分的に
は年齢的側面や責任感の薄さといった点で説明し得る。人々の行動や優先事項は年齢ととも
に変化するものだが、21世紀世代が年を重ねることで全ての問題が解決すると考えるのは間違
いである。
のほぼ4分の3が就職の時に妥協を余儀なくされたと伝えている。つまり雇用主は景気が回復し
た途端、21世紀世代が離職する可能性があることを肝に銘じておくべきだ。
21世紀世代は凝り固まった会社組織に嫌悪感を示し、縦割り組織にうんざりしている。彼ら
はトントン拍子の出世、変化に富んだ興味深いキャリアそして定期的なフィードバックを求めて
いる。言い換えれば、彼らは過去の世代とは著しく異なる、自分のニーズを満たす経営方式や
企業文化を望んでいるのだ。
野心や学び続けることへの欲求、組織内での迅速な昇進ならびに期待が満たされない際に
は躊躇せずに会社から身を引く意思などの21世紀世代に特有な特性は、より個々人の志向を
踏まえた対応を雇用主に求めている。21世紀世代は仕事には柔軟性のあるアプローチを求め
ているが、定期的なフィードバックや激励も必要としている。自分仕事にやりがいを感じ、努力
が報われたいと思っている。そして、雇用主のブランドをアパレルブランドと同じような感覚で評
価している。これらは全て雇用主が積極的に取り組むことができる特性である。
すでに有能な人材の獲得に最も成功している企業、その中でもGoogleやAppleでは、“物事を
どう扱うか”に制限がない。彼らは設立時より革新的な雇用主である。これらの企業は具体的に
21世紀世代を標的にしているわけでないが、企業文化や経営方式および採用への取り組みや
人材引き留めがおのずと21世紀世代の興味を引き付けている。そのため、これらの企業は最も
有能な若い人材の獲得が可能なのだ。
各企業の長期的目標や野望を問わず、それらを達成するためには21世紀世代の人材を獲得
し、引き留める能力が重要な一歩となるだろう。
テクノロジー利用という点では彼らは際立っている。21世紀世代の特徴の一つにデジタル世
界への身近さが挙げられる。彼らはブロードバンド、スマートフォン、ノート型パソコンおよびソ
ーシャルメディアが当たり前の時代に成長し、情報への即時アクセスを求めている。21世紀世
代はビジネスにおける重要なツールを先輩社員より熟知して入社してくる初めての世代となる。
21世紀世代が他の世代と異なっている点は、テクノロジー利用法を熟知していることだけに
留まらない。彼らの行動も異なっているのだ。この世代の行動は世界的な経済危機の経験に影
響を受けており、彼らは組織のニーズよりも個人的なニーズを重視している。調査ではこの世代
1
PwCによる「第14回世界CEO意識調査」
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本報告書の主な調査結果
本報告書での主要な調査結果は、以前の報告書で認識された21世紀世代 • ワークライフバランスと多様性が尊重されていない:21世紀世代は、申し
分のないワークライフバランスと強固な多様性政策を期待しているが、雇
の多くの特性を裏付けるものになっている。とはいえ、世界の多くの地域で
用主が期待に沿っていないと感じている。28%がワークライフバランスは
景気後退の影響を受けた結果、彼らの姿勢と期待に変化が生じているものも
入社前に予想していたよりも機能していなかったと述べ、半分以上が企業
ある。
は多様性について語ってはいながらも、全員に対して機会を平等に与えて
• 忠誠心が低い:景気後退により、21世紀世代は雇用主に対する忠誠心が大
いるわけではないと述べている。
きく変わった。2008年には75%が生涯で2社から5社の雇用主を持つこと
になるだろうとしていたが、今回の調査でその割合は54%に下降している。
• テクノロジーに親しんでいる21世紀世代は対面を避けているのだろうか:
回答者の41%が職場でのコミュニケーションについて対面や電話よりも、
• 妥協の時代:困難な時代により、多くの21世紀世代は就職する時に妥協を
電子上でのコミュニケーションを好ましいと回答している。テクノロジーが
余儀なくされた。72%が就職のために何らかのトレードオフが必要だった
21世紀世代の生活のあらゆる側面を支配しており、この結果は驚くべきも
と感じている。景気の回復に伴い、自己都合による退職が増えるのはほぼ
のではないだろう。この世代は職場でテクノロジーを利用するのが日課とな
確実だろう。現在就業中の21世紀世代の38%は積極的に別な仕事を探し
っており、4分の3がテクノロジーへのアクセスにより仕事がより効率的にな
ており、43%はオファーを受け入れる余地があると述べている。現在の雇
ると考えている。しかしながら、多くの場合テクノロジーは職場での世代間
用主の下で長期間とどまろうと思っているのは、わずか18%にすぎない。
対立のきっかけとなり、多くの21世紀世代は凝り固まった古い仕事のやり
方に押しつぶされている。
• キャリア育成とワークライフバランスは金銭的報酬よりも重要:この世代
は個人学習やキャリア育成に力を入れており、それらを雇用主に最も期待
• 出世の階段をいち早く駆け登る:組織で素早く抜きんでたいと思う21世紀
しているものとしている。次に、彼らはフレックスタイム制を望んでいる。
世代にとって、出世は最優先事項だ。52%がこれを雇用主へ最も望むもの
金銭的報酬が3番目になっていることには驚かされる。
としており、次に要望が多かった高い報酬水準(44%)を勝っている。
“若い世代は少なくとも1度はキャリア転換を行い、さ
まざまな職務に挑戦するだろう。組織へ長期間かか
わることは少なくなるだろう。”
• 雇用主ブランドと企業の社会的責任に対する重要性の低下:21世紀世代は
アパレルブランドと同じように、雇用主ブランドにも魅了される。2008年に
は、88%が自分の価値観と合う雇用主を探しており、86%が自分と合わな
い価値観を持つ雇用主の下を去ろうとしていた。それから3年が経過し、今
では雇用主の価値観に魅力を感じているのは過半数となり、予想していた
価値観と異なっていることを理由に雇用主の下を離れるのはわずか56%と
なっている。また、この世代は特定の業界には興味を示さない傾向があり、
例えば、スイスの調査対象者のうち30%が銀行証券市場では働きたくない
と述べている。
女性の大卒就業者、日本
4 21世紀世代の社会進出 職場環境が激変する
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• 海外熱:21世紀世代は海外勤務への意欲が強く、71%が生涯のキャリアの
中で海外勤務をしたいと思っている。これはグローバル規模での成長を視
野に入れている多くの雇用主にとっては朗報だと言える。とはいえ、米国、
英国、およびオーストラリアなどが赴任地希望リストの上位に挙げられてい
るのに対し、残念なことに高い成長率が見込まれるインドでの勤務を希望
するのはわずか11%、中国本土の勤務については2%しかいない。それにも
かかわらず、過半数は、自らのキャリアのために発展途上国での勤務もいと
わないと回答している。
• 世代間対立:21世紀世代は年配の世代と働くことを心地よく思っており、
とりわけ指導者(Mentor)を高く評価している。しかし、緊張の兆しもあ
る。38%が年配の上級管理職は若い労働者と関わりを持たないと述べ、34
%が彼らの私欲が他の世代を脅かしていると述べている。そして、約半数
がマネージャーが必ずしも仕事でテクノロジーの利用法を理解していると
は限らないと感じている。
“私のキャリアは自ら選
択して切り開くものであ
り、妥協の産物として形
成されるものではない。
何をするかによって、自
分の価値が決まる。”
男性の大卒就業者、米国
5
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先進的な21世紀世代
私たちが前回の21世紀世代に関する調査を行ってから3年で、事業環境は
大幅に変化した。景気の回復時に企業をリードする人材を引き留める必要性
を認識しつつも、先進国の多くの企業は人員を削減し、新卒採用を減らしてい
る。同時に、新興経済国、その中でも特にアジアとBRICs諸国では、ますます若
くて有能な労働者が増え続けている。
多くの21世紀世代の将来は2008年時点よりもさらに不確実になると思わ
れ、働く場所やワークライフについての期待という点で妥協している人がいた
としても驚きはしない。この世代の基本となる特性は明らかだ。中には以前よ
り顕著になっているものもある。そして、最も優れた人材を獲得するためには、
従来よりも革新的な人材戦略が必要であるという見解が強まっている。
“今後、職場と労働力は劇的に変化することが予想される。そし
て仕事全体についての概念はより柔軟になるだろう。労働者に
求められるIQは低くなる一方、EQについては少し高くなるだろ
う。IQナレッジは携帯デバイスやコンピューター、テクノロジー
を活用して、指先だけで得ることができるようになる。”
Deborah Henretta
Group President, Asia & Global Specialty Channel, Procter & Gamble
6 21世紀世代の社会進出 職場環境が激変する
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“私たちの世代はよりグローバルな環境でビ
ジネスを行い、国境を越えてさまざまな形の
テクノロジーを利用してコミュニケーション
を取ることになるだろう。”
女性の大卒者、米国
満足さえしていれば忠実なのだろうか
2008年の報告書では、21世紀世代は満足さえしていれば雇用主に忠実で
あると述べた。本年度の調査結果によると、この3年間で同じ雇用主のところ
で継続して働いても構わないと思う期間に変化が生じている。2008年の終わ
りには、調査対象者の75%が自分の生涯のキャリアの中で、2人から5人の雇
用主の下で働くことになるだろうと述べていたが、今回の結果では54%という
結果になっており、4分の1の回答者は6人以上の雇用主の下で働くことさえ想定
している。
もちろん、21世紀時代が複数の仕事を持ちたいと考えているのか、あるいは
職を転々としたいと考えているかについては大きな違いがある。この世代に投
資を行わなかった雇用主は、投資を行った雇用主と比較すると忠誠心の低さ
を目の当たりにするだろう。
生涯のキャリアにおいて何人の雇用主の下で働くことを
想定していますか。
60%
54%
50%
40%
30%
20%
10%
16%
14%
9%
4%
3%
0%
1
2-5
6-9
10+
該当なし− わからない
自営業を
想定して
いるため
対象:全卒業生
7
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先進的な21世紀世代
21世紀世代は、今日の経済環境において、企業への忠誠心が必ずしも報酬
や長期的な雇用を保証するとは限らないと考えている。たとえ積極的に新しい
仕事を探していなくても、新たな機会に目を光らせているのは明らかだ。調査
対象者のうち現在就業中の38%は新たな機会を探していると答え、さらに積極
的には仕事を探していない43%もオファーへの受け入れ余地があると答えてい
る。
ワークライフバランスは、依然として非常に重要だ
21世紀世代にとって、ワークライフバランスは常に優先事項となっており、本
年度の調査からもこの見解を支持する結果が出ている。95%の調査対象者が
ワークライフバランスは重要だと述べ、70%の調査対象者が非常に重要だと
述べている。日本の21世紀世代がその適正バランスを取ることに最も関心を
示していなかったが、それでも85%はワークライフバランスは重要だと回答し
ている。
雇用主にとって残念なのは、現在の職務に長期間とどまろうと思っている調
査対象者はわずか18%しかおらず、また、同じ分野にとどまり1人の雇用主の下
で昇進したいと思っている回答者が5人に1人(21%)しかいないことだ(中南
米の卒業生が、最もこのように考える傾向がある)。後述するように、この結果
は最初に妥協して就職し、なるべく早く現在よりも良い仕事に移りたいと思って
いる人がいることも原因となっているかもしれない。
それにもかかわらず、ワークライフバランスの実態が期待に沿わなかった人
もいる。就業中の30%の21世紀世代は、ワークライフバランスは予想以上に機
能していたと述べているが、28%については逆も然りだと述べている。新入社
員の期待は採用活動プロセスから得た経験、そして雇用主ブランドにより設定
される。調査結果は、企業は非現実的な期待を起こさせないことで不満足な
従業員の発生を防ぐことが必要だと示唆している。
この世代があなたの競合企業へ転職しないとしたら、多くの人は自分のビジ
ネスを立ち上げるだろう。デジタルテクノロジーは21世紀世代に対し、創造性
と企業家精神にかかわる前例のない機会を提供している。米国において就業
中の21世紀世代の35%は収入を補うために副業として自分のビジネスを立ち
上げたと述べている。
(Iconoculture2011 参照)
多くの業界では、従業員は労働時間よりもむしろ結果によって評価され、そ
していつどこで働くかを選べる権利を与えられている。しかし、多くの場合長
時間労働が奨励され、何らかの生産性の尺度を使わずに評価されている。私
たちは今後10年で、新しいモデルが登場するのを願っている。
雇用主にはこの世代を理解し、彼らのニーズに訴えて良い人材を獲得し、引
き留めるためにさらなる取り組みが必要とされる。その一方で、雇用主は21世
紀世代の人的流動は避けられないことを受け入れ、人員計画に盛り込むことが
求められる。
ワークライフバランスは
就職前の予想と比べてどうでしたか。
4%
7%
“今の時代では、柔軟でなければならない。
長い間同じ雇用主の下で働くことを当てには
できない。”
女性の大卒就業者、ドイツ
21%
予想していたより良い
10%
予想していたよりいくぶん良い
予想どおりだ
20%
予想していたよりいくぶん劣る
予想していたよりはるかに劣る
特に予想はしていなかった
39%
対象:就業中の卒業生
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テクノロジーで動く
21世紀世代の世界はデジタルであり、これは彼らのコミュニケーション手段
に避けられない影響をもたらしている。調査対象者の41%は対面や電話より
もむしろ電子上でのコミュニケーションを行いたいと述べている。
21世紀世代が職場でのテクノロジーの利用に明確な期待をしていたとしても
驚くには値しない。この世代は、私生活を豊かにするテクノロジーは職場でのコ
ミュニケーションを円滑にし、イノベーションを起こさせるとも考えている。彼
らは、就職する時に雇用主が保有する最先端テクノロジー設備も重要視したと
述べている。しかし、彼らは習慣的に自己保有のテクノロジーと平行して、職場
のテクノロジーを利用している。過半数の調査対象者は、当たり前のように職
場で自己保有のテクノロジーを活用しており、78%はお気に入りのテクノロジー
を活用することにより、仕事がより効率的になっていると回答している。
このような状況に応えて、すでにより直接的に21世紀世代に訴えるIT方針を
採用している雇用主もいる。例えば、従業員の福利厚生としてスマートフォンの
貸与を選択肢に入れ、ソーシャルメディアをビジネスで積極的に活用すること
を奨励している雇用主もいる。
り、この世代は自然な方法で同僚やマネージャーと瞬時につながり、協働すること
が可能となり、ひいては企業全体の生産性の向上へとつながる。
未来は明るいだろうか
世界的な金融危機や景気の低迷は、21世紀世代の楽観論をそれほど弱めて
はいない。大多数(67%)は両親の世代よりも暮らし向きが良くなると予想してお
り、32%はかなり良くなると予想している。一般的に、西欧の21世紀世代はあまり
楽観的でない。54%が両親の世代より良くなると予想しているが、26%は悪くな
ると予想している。北米の21世紀世代は最も楽観的である。わずか13%が両親世
代よりも悪くなると予想しており、68%は良くなると予想している。
暮らし向きは良くなると予想しているが、この世代の大半は退職については考え
ていない。退職については北米の21世紀世代が最も心構えができており、59%
が退職によりどのように生活するかを考えている。この世代のトルコ人(29%)と
ロシア人(19%)が、定年退職後も働き続けると答える傾向が高いが、西欧ではわ
ずか5%のみが同じように考えているようだ。
世代間対立の原因にはこのようなテクノロジー関連のことが多く、これは職
場でも当てはまる。調査対象者の5人のうち2人以上が、自分がテクノロジーを
利用することは必ずしも理解されてはおらず、古くて凝り固まった仕事方法にた
めらいを感じている。アフリカの21世紀世代が最もこのように感じる傾向があ
る。
(アフリカの75%に対して、全世界では65%)
これら労働者を奨励し引き留める効果的な戦略やテクノロジーは、企業が利
益を上げるためには極めて重要だ。21世紀世代は、ソーシャルネットワーキン
グ、インスタントメッセージ、ビデオ・オン・デマンド、ブログやウィキ(wiki)な
ど、職場でのテクノロジーシステムを求めている。これらソーシャルツールによ
“現代は全てが活力に満ち、速度が速い。もし1秒情報への
アクセスが遅れたら、取り残されてしまう。”
男性の大卒自営業者、ブラジル
9
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21世紀世代の確保
類いまれな21世紀世代の特性により、従業員の採用と引き留めにはこれま
でとは趣を異にする戦略アプローチが求められる。この世代は“単なる仕事”や
堅実な昇進にとどまらずに生活を充実させたいと考えている。彼らは価値があ
ると感じることをしたいと考え、就職を考える時には企業価値を考慮に入れて
おり、金銭以外のものに大きく刺激されている。
次のうちどの要因に組織としての魅力を感じますか。
0%
20%
40%
60%
52%
キャリア昇進の機会
44%
高い報酬水準/その他金銭的なインセンティブ
35%
優れたトレーニング/キャリア育成プログラム
お金が全てではない
21世紀世代は、給与に勝るものを与えてくれる雇用主に惹かれる。それは給
与が重要でないと言っているわけではない。調査対象者の44%は、高い報酬
水準は雇用主に魅力を感じる要因となっており、これは与えられた要因の中で
は2番目に高い割合である。だが、この世代が最も魅力を感じているのはキャ
リア昇進の機会で、そう考えている割合は52%である。この点からも、この世代
の野心と楽観論が伺える。
31%
十分な福利厚生
21%
柔軟性のある就労形態
20%
グローバルな経験ができる機会
倫理的なビジネス慣行への評判
15%
自分に合う企業価値
15%
最良で聡明な従業員の雇用主としての評判
15%
雇用主ブランド
10%
多様性/機会均等の実績
8%
組織が属する業界
8%
その他
1%
対象:全員
“我々は報酬パッケージにより経営幹部となる人材を確保し、引き留めて
いる訳ではない。むしろ組織としてありたい姿とその実現に向けた道筋
を示し、彼らに対して長期的な関係や専門性の向上機会を提供すること
で、私たちは彼らの帰属意識を高めている。”
Armando Garza Sada
Chairman of the Board of Directors, Alfa SAB de CV, メキシコ
1021世紀世代の社会進出 職場環境が激変する
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つまり仕事のオファーを引き受ける際に、21世紀世代はより現実的になって
いることがわかる。過去3年の間に多くの国で新規採用が絞られたことを考え
れば、彼らが就職活動やキャリアに対して、より現実的なアプローチを取って
いたとしても当然である。彼らは現在の仕事を引き受けた際に、勤務地や初任
給などの要因が現実問題となったと述べている。とはいえ、多くの人は仕事探
しに苦労しているにもかかわらず、依然として企業の評判を重視している。
次のうち現在の仕事を引き受ける際の決め手となったものはどれですか。
男性の大卒者、22歳、米国
65%
36%
24%
21%
20%
20%
20%
19%
16%
11%
9%
7%
5%
4%
その他
企業の社会的責任の動き
企業倫理
付加的な手当(例 医療/年金)
労働時間/年次有給休暇
自分を差別化できる見込み
すぐに就職しなければならない必要性
長期的に見た金銭的見返り
組織が属する業界
勤務地
初任給/報酬率
職種
組織の評判
自己開発の機会
50%
45%
40%
35%
30%
25%
20%
15%
10%
5%
0%
“私が楽しくて夢中にな
れることに従事していた
ら、自然とやる気が起き
ているだろう。”
対象:就業者/間もなく就職する者
11
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21世紀世代の確保
妥協の時代
景気低迷時には、必然的に多くの21世紀世代が就職のため妥協を余
儀なくされたと述べている。32%は希望よりも低い給与を受け入れ、17
%は希望より少ない手当を受け取り、そして17%は希望勤務地から遠く
離れたところで働くことを受け入れていた。全体として72%が何らかの妥
協をしたと答えている。
32%
28%
25%
20%
17%
17%
15%
15%
14%
14%
14%
14%
10%
6%
5%
いいえーいかなる妥協も必要としなかった
その他の妥協
能力超過の仕事の受け入れ
第1希望ではない組織での勤務
希望職種以外での勤務
望んでいたよりも限られた昇進の機会
希望業界外での勤務
希望していたよりも少ない手当
0%
希望勤務地から離れた拠点での勤務
雇用主にとってのリスクは、経済状況の回復に伴って人材需要が高ま
ると妥協を余儀なくされていた21世紀世代が、妥協する必要性を感じな
くなり、すぐに転職していってしまうことである。さらに、大きな妥協をし
た従業員は仕事でのやる気が損なわれる可能性が高いので、より丁寧に
業績をモニタリングすることが求められる。
35%
30%
希望額より低い給与の受け入れ
新卒の求人状況から判断して、多くの人が妥協しなければならないと
いう心構えができており、対象者の58%が前向きに妥協をしたと述べて
いる。米国、英国およびアイルランドの卒業生が最も前向きに妥協し、日
本、トルコ、南アフリカおよびベルギーは最も消極的に妥協したとされて
いる。
現在の仕事を引き受ける際に、次のうちどのような妥協をしましたか
対象:就業者/間もなく就職する者
“私をやる気にさせるものは、良い職場環境
や親切な同僚たちだ。もし職場があなたの
第2のわが家になるなら、ベストを尽くした
いと思えるだろう。”
女性の大卒就業者、オーストラリア
12 21世紀世代の社会進出 職場環境が激変する
27223 - Millennials at work_v3.indd 12
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新卒の求人状況により仕事の選択について
前向きに妥協しますか、
それとも消極的に妥協しますか。
対象:就業者/間もなく就職する者
2%
全体
英国
米国
アイルランド
香港
スペイン
アラブ首長国連邦
オーストラリア
ルーマニア
中国
イタリア
フランス
カナダ
マレーシア
ポルトガル
オランダ
ロシア
スイス
ブラジル
ドイツ
インド
日本
トルコ
南アフリカ共和国
ベルギー
58%
72%
72%
72%
72%
66%
62%
61%
59%
59%
59%
58%
56%
56%
54%
53%
53%
51%
50%
48%
41%
37%
36%
33%
23%
32%
27%
25%
21%
12%
30%
29%
34%
35%
14%
29%
33%
42%
31%
42%
43%
29%
41%
39%
45%
30%
42%
51%
48%
71%
10%
2%
3%
7%
16%
3%
9%
4%
5%
27%
13%
9%
2%
14%
4%
4%
18%
8%
10%
7%
30%
22%
13%
20%
6%
前向きに妥協する
変化なし
消極的に妥協する
13
27223 - Millennials at work_v3.indd 13
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21世紀世代の確保
報酬の問題
21世紀世代の学習・成長に対する願望は彼らの福利厚生に対する見方から
も明らかだ。雇用主が提供するどの福利厚生項目を最も評価するかという問い
に、調査対象者は金銭的報酬よりもトレーニング、キャリア育成および柔軟な
就労形態を挙げている。
次の中から雇用主が与える福利厚生のうち最も評価したいものを
三つ選択してください。
それぞれで1位のものを%づけで表しています。
私たちが最近実施した世界CEO意識調査1によると、将来の報酬戦略を検討
する際に65%の企業リーダーは非金銭的な報酬に焦点を当てており、従業員
の帰属意識を高め、引き留める方法を模索していることがわかった。今回の21
世紀世代の調査結果は、CEOが正しい軌道に乗っていること示唆している。こ
の世代は広範囲にわたって福利厚生がカスタマイズできることを支持し、ほぼ4
分の3(73%)がそれを魅力的だとしている。
20%
しかしながら、一般的に報酬への基本的欲求や労働条件が満たされて初め
て福利厚生に注目するということは重要なので記憶にとどめておいてほしい。
つまり、彼らにとって給与は主要な検討材料には見えないようでいて(4%のみ
が給与が高く、手当は少なくても良いと考えている)、それを気にかけてないと
いうことではないからだ。
0%
22%
19%
14%
15%
10%
8%
6%
6%
5%
5%
4%
3%
3%
4%
2%
2%
2%
1%
手当は不要だが、高い給与がほしい
地域活動やチャリティ活動のための休暇
低金利ローンや他の借入方法の利用
育児休暇
通勤手当補助
産休
在学中の借金返済の補助
社用車
住宅補助
有給休暇の多さ
年金制度/退職基金
無料の民間医療保障
金銭賞与
柔軟な就業時間
トレーニングおよびキャリア育成
“私は評価されたいし、能力を最大限に利用できる業務を与え
られたいと思う。そうすることで、私のスキルが磨かれる。”
25%
対象:全卒業生
男性の新卒者、英国
1421世紀世代の社会進出 職場環境が激変する
27223 - Millennials at work_v3.indd 14
1
PwC’s 14th Annual Global CEO Survey (2011)
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評判は重要だ
この世代の若者に最も魅力的な雇用主は、“なぜ私がここで働いているのか”
といった答えづらい質問にうまく回答する人たちだ。21世紀世代は自分の仕事
に目的があり、世の中に何かしら貢献し、そして雇用主を誇りに思いたいと考え
ている。若者が消費者として魅力を感じるブランドは、雇用主としても若者にと
って魅力的である。
しかし、企業の価値観が疑いもなく21世紀世代の雇用主選択に影響を与え
る一方で、他の要素も同等以上に重要であることも補足する価値がある。とり
わけ企業の価値観は、適切な報酬や労働条件など、他の基本的なニーズが希
望どおりである時に、より重要となってくるようだ。
これは以前の調査で明らかになっている。例えば、2008年の調査では88%
の回答者が企業の社会的責任について自分と同じ価値観を持つ雇用主を探し
ていると述べており、86%が雇用主の価値観が自分の期待に沿わないならそ
の雇用主の下を去ることを検討すると回答している。
業界イメージだけの理由で働きたくないと思う業界はありますか。
(上位業界のみを表示)
12%
12%
12%
11%
10%
11% 10%
9%
8%
8%
7%
6%
7%
7%
6%
6%
6%
6%
4%
2%
エネルギー・資源
消費財・小売・流通
ホスピタリティー・レジャー
重工業・産業機械
その他金融機関
輸送・物流
ヘルスケア
金属
対象:全卒業生
銀行・証券
森林・製紙・包装業界
化学
官公庁・公的機関
0%
保険
アイルランドでは、21世紀世代の30%が金融機関での就職を避けており、中
国では調査対象者の26%が保険業界での就職を避けている。また、およそ半
分(49%)のアフリカの調査対象者は官公庁・公的機関での仕事を希望してい
ない。
14%
防衛
調査結果は、一部の企業や業界は雇用主ブランドをより好意的に捉えてもら
うために、これまで以上の努力が必要となることを示唆している。調査対象者
の過半数(58%)は、イメージが良くないだけの理由で特定の業界で働くこと
を敬遠すると回答している。例えば、石油・ガス業界は世界的に見ても最も魅
力がないとみられており、その業界イメージを理由に働きたくないと答える調
査対象者が14%存在する。
14%
石油・ガス
しかし、21世紀世代にとって、企業の価値観が依然として重要でありながら
も、経済状況が厳しくなるにつれ、自らの信条に前向きに妥協する兆候も見受
けられる。今回の調査では、自分の価値に合う企業価値を保有する雇用主を
探していた、あるいは探そうとした調査対象者の割合は59%で、雇用主が自ら
の期待に沿わないなら雇用主の下を去ろうと考えている対象者は56%に留まる
ことがわかった。この下降傾向が続くのか、あるいは私たちが予測するように
景気の回復とともに反発するのかは時が経たないと分からない。
16%
“私を動機づけるものは何だろう。ハードワークに対する正当
な評価と自分の仕事が他人との違いを生み出していることを
真に感じられることだ。”
女性の大卒者、23歳、英国
15
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2014/06/02 15:58
21世紀世代の育成
若い労働者は、楽観論とエネルギーで特徴づけられる。そして今回の調査
結果は、彼らが適切に的を絞り、学習することでいかなることも達成できると信
じていることを明確に示している。彼らの大半が熱烈に野心的で、迅速なキャ
リアアップを望んでいる。例えば、調査対象者の56%は現在の雇用主の下でト
ップに昇りつめることが可能だと思っていると回答している。しかし、非常に多
くの人がトップの座を狙っているため、多くの人が失望する結果になることは避
けられない。そのため雇用主は今後も引き留め、育成したい若い人材の期待を
認識し、調整した上で評価することが必要だ。
現在就業中の5人に1人はすでに組織での昇進機会に満足していないと回答
している。日本、スイス、ブラジルの卒業生が最も満足していないようだ。
あなたの現在の職務でのキャリア昇進について
満足していますか。
40%
21世紀世代は、学習やキャリア育成には特別なニーズや期
待を抱いている。彼らの多くは年配の従業員による助言にうま
く応えている。あるべき姿として、彼らはキャリア育成におい
て、自分をサポートしてくれる上司をコーチと見なしたいと思っ
ている。しかし、一般的には教えられるよりも経験を通じて学
びたいという気持ちの方が強い。
21世紀世代に最も顕著な特徴の一つとして、詳細で、定期
的なフィードバックおよび仕事がうまく行った時の称賛が挙げ
られる。調査対象者の51%が、仕事へのフィードバックは高頻
度で継続的に行われるべきだと回答し、フィードバックは重要
でないと答えているのはわずか1%の対象者にすぎない。21世
紀世代の管理に最も成功している企業は、明確な目標設定と
定期的でスケジュール化されたフィードバックの重要性を理解
している。
37%
30%
27%
20%
14%
13%
9%
10%
非常に不満がある
あまり満足していない
どちらともいえない
満足している
非常に満足している
0%
“グローバルな成長を目の当たりに
し、より多くの女性や出身地が異な
るリーダーなど、今まで以上に多様
な労働力が必要になるだろうと実
感している。”
Stephen A Roell
Chairman and CEO, Johnson Controls Inc, 米国
対象:就業中の卒業生
16 21世紀世代の社会進出 職場環境が激変する
27223 - Millennials at work_v3.indd 16
2014/06/02 15:58
ジェンダーギャップ(男女格差)
21世紀世代は多様性を重視し、平等と多様性に
確固たる実績を持つ雇用主を探し求める傾向がある
が、彼らの期待が実際に満たされるとは限らない。
調査対象者の55%は“組織は多様性について語る
が、機会が本当に平等に与えられているとは思わな
い”という項目に賛同している。
“社内昇進に際し、雇用主があまりにも男性優位な立場を
とっている。” (同意する者)
0%
10%
20%
30%
40%
40%
スペイン
この世代についてはっきり言えることは、女性より
も男性が自分は成功できると考えていることだ。調
査対象者のうち56%が現在の組織で最上級管理職
になることができると楽観的に回答している。しかし
性別別でみると61%の男性がトップの座まで昇りつ
めることができると考えているのに対し、女性で同
じように考えているのは51%にすぎない。
70%
50%
61%
56%
51%
40%
39%
ドイツ
とりわけ、職場でのジェンダーに関する偏見は21
世紀世代の女性にとっては懸念材料となったままで
ある。概して、女性と比較すると男性の21世紀世代
は雇用主が従業員を平等に扱っていると思う傾向が
ある。例えば、調査対象者の46%の男性が雇用主は
昇進に際し平等であると考えているが、女性で同じ
ように考えているのは36%である。雇用主が社内で
の昇進に際し、あまりにも男性優位な立場を取って
いると感じている21世紀世代の女性は29%となって
いるが、男性で女性優位であると感じているのは16
%となっている。スペインの雇用主が最も男性優位
で、ブラジルが最も平等であると見なされている。
50%
60%
24%
合計
現在の雇用主の下で最上級管理職まで
昇りつめることができると思いますか。
35%
ロシア
33%
イタリア
31%
日本
30%
26%
オランダ
14%
フランス
中国
ブラジル
21%
15%
10%
0%
合計
14%
24%
18%
はい
インド
28%
20%
女性
いいえ
どちらとも言えない
男性
対象:就業中の卒業生
10%
6%
5%
対象:全卒業生
“私は高く評価されたい。そして能力を最大限に生かせる業務
を与えられたい。”
女性の大卒者、南アフリカ共和国
17
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21世紀世代の育成
継続的な学習
21世紀世代は、入社後も新たな経験や情報を入手するために多くの時間を
費やし学び続けたいと思っている。そのような理由で、35%は優れたトレーニ
ングやキャリア育成プログラムを与えてくれる雇用主に魅力を感じており、それ
を雇用主に最も提供してほしいと考えている。
最良のキャリア育成の機会は、実力のあるコーチや指導者とともに働く機会
に恵まれることだ。21世紀世代は上級管理職と関わり合いを持ち、相互にやり
取りをし、彼らから学ぶ機会を求めている。特にメンタープログラムは効果的
で、世代間対立を和らげるのにも役立つ。
21世紀世代はテクノロジーや協働には長けているが、多くの人事リーダーは
基本的な職場での行動や文化についてのトレーニングの必要性を感じている。
例えば、彼らはインスタントメッセージ(IM)で友人とチャットする際の即座の
応答に慣れている。しかし、年配の労働者が必ずしもIMを彼らと同じような即
時性で扱えるわけではないということに気付いていない。
次のうち雇用主に期待する
トレーニングとキャリア育成機会はどれですか。
30%
28%
25%
21%
20%
19%
18%
15%
10%
6%
5%
5%
Eラーニング
教室を使ったトレーニング
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意欲的な同僚との
主要プロジェクトでの協働
1821世紀世代の社会進出 職場環境が激変する
アカデミックトレーニングの
ための支援
対象:全卒業生
経験を得るための
戦略的人事異動
実力のあるコーチや指導者と
ともに働くこと
0%
21世紀世代にとって、トレーニングとキャリア育成がどのように体系化され
ているかは重要だ。彼らがテクノロジーと馴染んでいるということは、オンライ
ン学習モジュール、ウェビナー(オンライン上でのセミナー)あるいは双方向型
のゲームなど、デジタル学習方法や配信手段にうまく対応できることを意味す
る。彼らは本質的に協力的で、チームで協力する学習方法に慣れている。一方
通行的な講義は、彼らの興味をそれほど引くとは思えない。最善のトレーニン
グプログラムは、教室を使った学習、自主学習、およびコーチングやグループ学
習の混合になるだろう。しかし、彼らは自主性を好みながらも成し遂げるべきこ
とについて、その全体像や目的を欲している。
グローバルキャリア
グローバル化が進む世界で、21世紀世代はグローバルな経験をキャリアでの
成功には不可欠な要素であると見なしている。彼らは海外勤務に貪欲で、71%
がキャリアのいずれかの段階で経験したいとひたすら思っている。多くのグロ
ーバルで活躍する雇用主はすでにこのニーズを認識し、積極的な対策を講じて
いる。PwCが協力しているある企業では、従業員が家庭を持つ前の若い時期
に海外勤務を提供したり、また短期間のアサイメントにより柔軟性のあるキャ
リアパスを形成したりして、独自の海外勤務戦略を用意している。
“私は飛び回りたい。私のキャリアはお金儲け
よりも経験を積むことに重点が置かれるだろ
う。”
女性の大卒就業者、アイルランド
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キャリアにおいて母国外で働きたいと思っています。
0%
合計
50%
100%
71%
70%
60% 58%
93%
アフリカ
中南米
母国外で最も働きたい国。
(上位20カ国)
81%
50%
48%
39%
40%
33% 32% 31%
30%
オーストラリア・太平洋諸島
中近東
14% 13% 13%
ベルギー
ノルウェー
フィンランド
デンマーク
ブラジル
オランダ
スウェーデン
スペイン
シンガポール
香港
ニュージーランド
イタリア
日本
スイス
対象:所在地別回答者
フランス
69%
ドイツ
69%
アジア
0%
カナダ
70%
北米・カリブ
16% 16% 16%
10%
オーストラリア
72%
23% 23% 23% 22% 21%
20% 19%
英国
西欧
74%
28%
20%
米国
中欧・東欧
76%
対象:母国外での勤務希望する
経験や今後のキャリアのために
しかし、彼らが働きたいと思っている国については複雑だ。 発展途上国で働くことに前向きです。
先進国が最も人気がある赴任先となっており、米国(58%)
、
0% 10%
20%
30%
英国(48%)およびオーストラリア(39%)が赴任地希望リス
トの上位となっている。53%が今後のキャリアのために発展
合計
途上国での勤務に前向きであるが、インドでの勤務を希望し
ポルトガル
ているのはわずか 11%にすぎない。そして、22%が香港での
香港
勤務を希望している一方で、中国本土で勤務したいと思って
ブラジル
いるのはわずか 2%となっており、イランでの勤務を願う人の
割合と同じになっている。
カナダ
40%
60%
70%
80%
53%
77%
73%
70%
68%
アイルランド
64%
フランス
38%
ベルギー
ロシア
50%
37%
31%
日本
27%
トルコ
27%
対象:所在地別回答者
19
27223 - Millennials at work_v3.indd 19
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21世紀世代の管理
21世紀において、大半の組織は、これまでに形成された固定的な労働時間
や作業場所に固執している。しかし、従業員はいつ、どこで、どのように働くか
について自主性を与えられた場合に、生産性が高くなることが証明されてい
る。
21世紀世代は自分に最適な方法で働きたいと思っている。彼らは1人で働
くよりもオフィスで働くのを好んではいるが、広範囲にわたるテクノロジーの利
用により、職場と家庭の区別はますますあいまいになってきている。彼らは時
代遅れだと思っているものに制約を感じている。65%は厳格な上下関係や時
代遅れの経営方式は、若い世代を最大限活用する上で障害になると述べてお
り、46%は自分のマネージャーが必ずしも仕事でのテクノロジー利用法を理解
していないと考えている。
また、オフィスは固定された執務場所から打ち合わせ場所に変わっていく
だろう。従業員は労働時間や仕事場所でなく成果で評価されるようになるだろ
う。
“私たちは前の世代よりも短期間でより多くの
作業を行うことを期待されていると思う。”
女性の大卒就業者、イタリア
2021世紀世代の社会進出 職場環境が激変する
27223 - Millennials at work_v3.indd 20
2014/06/02 15:58
21世紀世代が慣れ親しんだ環境は完全なデジタル環境かもしれないが、そ
の環境は快適で創造的なものである必要もある。彼らは懸命に働くつもりはあ
るが、一日中刺激がないパーティションで区切られた場所で腰かけていたいと
は思っていない。彼らは人を引き付け、快適で、そして仕事と私生活を創造的に
融合する雰囲気を醸し出す組織に魅力を感じている。
このように従業員に焦点を当てた環境は一種の甘やかしのようにも見える
が、実際のところ従業員の引き留めや彼らの生産性を高めるという意味では企
業にとって好ましい。Corporate Executive Board2により実施された調査によ
ると、組織に最もコミットしている従業員は、そうでない従業員と比べると57%
多くの努力をし、離職する従業員が87%少なくなっている。
これから先、あなたはどこで働いていると思いますか。
これから先、あなたの労働時間は
どのようになると考えますか。
35%
30%
29%
40%
21%
20%
20%
25%
25%
10%
10%
20%
6%
5%
15%
10%
5%
5%
わからない
オフィスでの所定労働時間
フレックスタイム制度
0%
やや柔軟な就労を伴う
所定労働時間
その他
従業員がどこからでも
ログインできる仮想空間
エネルギーとコスト効率が一元管理
された主要都市郊外のビル
自分が選んだ場所
テクノロジーの利用により、
国境を越えたさまざまな場所
主要都市の中心部
対象:全卒業生
32%
30%
14%
15%
0%
38%
35%
25%
対象:全卒業生
2
Corporate Executive Board, The Role of Employee Engagement in the Return to Growth
(Bloomberg Businessweek, 2010年8月)
27223 - Millennials at work_v3.indd 21
21
2014/06/02 15:58
21世紀世代の管理
世代間対立
多くの組織にとって、団塊の世代から21世紀世代までの幅広い世代の異な
る考えやニーズを管理するのは至難の業だ。退職間近の経験豊富な団塊の世
代と、彼らに置き換わる野心的で、テクノロジーに精通し、協力的な21世紀世
代間での明白な対立は激しい議論の対象となっている。しかしながら、世代間
対立は、相互理解の欠如によるものが多いと言える。
反感の大部分は旧世代から寄せられているとの指摘もある。ある採用担当
マネージャーのコメントがこのことを象徴している。“21世紀世代は権利意識が
強い。高額な初任給、柔軟な就労スケジュールそして会社貸与のiPhoneなどを
期待している。彼らは入社した直後から持続的な称賛や昇進を求めている。
”21世紀世代について“賢いけれども、モチベーションが足りない。”と耳にする
のは珍しいことではない。しかし、これは恐らく“彼らは自分と異なったことをす
る”の省略表現だろう。それでは、誰が正しいのか。雇用主は高齢労働者の無意
識の偏見を警戒し、21世紀世代を先入観ではなく成果で判断することが求め
られている。
21世紀世代の観点としては、彼らの大半は他の世代とともに働くことに満足
している。調査対象者の76%は年配の上級管理職と働くことを楽しんでいると
回答しており、否定的なのはわずか4%のみとなっている。74%は、彼らの世代
と働くのと同様に他の世代とも心地よく働いていると回答している。しかし、掘
り下げた質問をされると、彼らは緊張感があることを認めている。38%は年配
の上級管理職は簡単には若い労働者とは関わりを持とうとしないと感じてお
り、34%は彼らの個人的な意欲が他の世代を脅かしている可能性があると感
じている。このように感じるのは、女性(31%)よりも男性(38%)が多いよう
だ。
人事担当にとって、世代間をまとめるのは優先課題だ。雇用主は複数世代の
労働力に伴う二つの主要リスクに直面している。一つは、21世紀世代は自分の
ニーズがもはや満たされないと感じたら、すぐに離職するリスクだ。人々は従来
よりも長期間働き、退職を遅らせる傾向が強くなっているが、このことが出世の
階段をできるだけ早く昇りたいと思っている多くの21世紀世代のキャリアパス
を遮断している。彼らは野心を達成できないと思ったならば、躊躇せず野心を
達成できる他の場所を探すだろう。
二つ目のリスクは、今後数年で21世紀世代が高齢労働者を管理することにな
るだろうが、その事実を受け入れ難いと感じている高齢労働者がいるというこ
とだ。複数世代の労働力を管理するには、強いリーダーシップや各世代に合っ
た経営方式が必要であることの全社的な認識が求められる。そして、透明性の
ある業績管理システムでどのように業績を評価するのかも明確に示す必要があ
る。
2221世紀世代の社会進出 職場環境が激変する
27223 - Millennials at work_v3.indd 22
2014/06/02 15:58
マネージャーに若い従業員の気持ちを理解するのに役立ててもらったり、ま
た上級管理職にIT、ソーシャルメディアおよび最新の職場動向を指導してもら
ったりする目的で、多くの組織は“リバースメンター制度”を活用し、経営陣と若
い従業員をペアにしている。以前は職場での指導者(Mentor)は指導を受け
る人(Mentee)よりも上位の職階で年齢も上だった。ソーシャルメディアスキル
がますます貴重なものになるにつれ、もはやそのようなことはない。企業はこ
の制度の効果として、経営陣との距離が縮まり、経営を垣間見る貴重な機会を
得ることで若い世代の離職率が減少すると言っている。このようなプログラム
は21世紀世代に企業の心得を浸透させる際にも役立つ。特に団塊の世代が大
量に退職する際には、その重要性はますます高まるだろう。
個人的な意欲が
職場で他世代の脅威となり得る。
0%
10%
20%
30%
40%
50%
70%
80%
34%
合計
61%
アラブ首長国連邦
59%
香港
57%
インド
51%
ブラジル
43%
トルコ
英国
21%
ベルギー
20%
ポルトガル
19%
スペイン
ルーマニア
60%
16%
13%
“21世紀世代の社会進出に伴い、職場での上下関係は消滅
せざるを得ない。
この世代は相互利益や情熱があるコミュニ
ティで働きたいと思っており、階層構造の中で働きたいとは
思っていない。結果として、人材マネジメント戦略はこれまで
のピラミッド構造ではなく、Facebookのように変わらざるを
得ない。”
Vineet Nayar
Vice Chairman and CEO, HCL Technologies, インド
23
27223 - Millennials at work_v3.indd 23
2014/06/02 15:58
雇用主ができること
21世紀世代が彼らより前の世代と完全に異なっているかどうかは、あまり重
要ではない。人口統計学上の課題とは、企業が直面している課題である。平た
く言えば、21世紀世代を理解し、彼らの中で最も優秀な人材を獲得し刺激す
る必要があるということだ。
企業リーダーと人事担当者は次のことに対する協働が必要だ。
• 21世紀世代を理解する:世代の違いや緊張を理解した上で対処すること
は特に重要だ。21世紀世代の要求が年配の労働者の要求とどのように異
なっているかを理解するために、定量基準やベンチマークを利用してあな
たの会社の従業員を分析することが必要だ。従業員の帰属意識が年齢によ
り変化することを確認し、潜在的な人材離職リスクに対してどのように予測
分析を用いるかについて検討してほしい。また、人材パイプラインの課題を
先読みし、あなたの会社の戦略的人材計画が適切であるかを確認すること
も必要だ。
• 取り決めを正しく理解する:雇用主が従業員に何を提供しているか、また彼
らに何を期待しているかを説明することは重要だ。報酬戦略や21世紀世代
を動機づけるものについて独創的に考えてみてほしい。例えば、金銭的報
酬から他の報酬へとシフトする時期に来ているのではないか。そして非常
に多くの人が享受する恩恵をカスタマイズできることに魅力を感じているこ
とを記憶にとどめておいてほしい。また、雇用主による多様性とワークライ
フバランス保証となると、認識と現実の間には大きな隔たりが見られる。雇
用主が21世紀世代を確保したいのなら、その隔たりを埋める対応が必要と
される。つまり、企業には発信するメッセージを精査し、従業員の実体験と
照らし合わせることが求められている。
• 21世紀世代の成長を支援する:マネージャーは21世紀世代の個人的な目
標と職業上の目標を理解する必要がある。何かに向かって前進し、さまざ
まな経験を得ているという感覚を植え付けるためにも、高頻度でジョブロ
ーテーションを行ってほしい。彼らが想像力を発揮し、プロセスを合理化す
る新たな方法を思いつくか試してほしい。21世紀世代は海外勤務に強い意
欲を持っており、これはグローバル成長に焦点を当てている組織にとっては
前途有望な資源となっている。赴任先としてそれほど人気がない国につい
ては、重要なキャリアパスの大きな節目として位置づけることが可能だ。い
かなる機会にも世代を混合したチーム編成が望ましい。
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• 従来以上のフィードバックを行う:21世紀世代は高頻度でのフィードバック
を求めている。年に一度の評価の際にフィードバックを受けていた過去の
世代と異なり、この世代は自分の業務への取り組み姿勢についてもっと細
やかなフィードバックを望んでいる。リアルタイムで公正なフィードバックを
与えてほしい、そして主要コンピテンシーについては、建設的な貢献や改善
点をしっかり伝えてほしい。
• 彼らに自由を与える:21世紀世代は柔軟性を求めている。彼らは明確な指
示と具体的な目標があればよく働く。いつまでに終わらせれば良いかがわ
かっているなら、どこでどのようにそのタスクを完了しようがどうでも良いの
ではないだろうか。彼らに柔軟な作業スケジュールを持てる自由を与えなさ
い。家だろうと喫茶店であろうとそこが彼らにとって最も生産性が上がる場
所であれば問題がないのではないだろうか。締め切りを設定しなさい、そし
て彼らがその締め切りに間に合わせているのであれば、仕事のやり方や出
退勤時間についてはそれほど心配する必要はない。
• 迅速な昇進を認める:従来、キャリア昇進は年功序列や雇用期間に基づい
て行われていた。21世紀世代はそのようには考えていない。彼らは在職期
間に対する成果を重視しており、時間をかけて出世の階段を昇ることに不
満を抱くこともある。彼らは旧世代が慣れているよりも、はるかに早く出世
したいと願っている。昇進にふさわしい能力がある良い業績を残した人を
昇進させてはいかがだろうか。彼らの期待は、昇進させたり、今までとは異
なる階級バッジを与えるなど比較的簡単な対策を講じることで満たされる
かもしれない。
• 21世紀世代が離れていくことを予期する:他の世代と比べて21世紀世代の
離職率が高くなることは避けられない。特に彼らの多くは最初の就職の時
に妥協を余儀なくされているからである。従って、人材計画にはこの点を組
み込む必要がある。
• 学習を推奨する:21世紀世代はなるべく多くのトレーニングを受けたいと
思っている。あなたの組織が有望な人材または年配の人材に焦点を当てた
育成を行っており、21世紀世代にキャリア育成機会を与え損ねてしまった
場合は、未来の優秀人材を失うかもしれない。他の教育とともにメンター制
度を構築し、その効果を測ってみてほしい。有能な21世紀世代には日常業
務範囲外でのプロジェクトへの参画機会を検討してみてほしい。彼らがつ
ながり、協力し、ネットワークを構築するよう仕向け、そして何よりも革新を
起こさせなさい。
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雇用主にできること
企業規模や形態にかかわらず、人材管理には四つの基本がある。
1. 事業計画を反映した人材戦略を展開する ─ 人材戦略のあらゆる側面が全体的な事
業計画や価値創造に寄与していることを確かめてほしい。そうなっていないものにつ
いては変更する必要がある。計画の中で21世紀世代が担う重要性について再確認す
ることが求められる。
2. 将来と向き合う ─ あなたの会社がどのような方向に向かっているかに目を向けてほ
しい。人材のパイプラインが必要な時に必要な人材を提供してくれるか問い続ける必
要がある。将来の人材ニーズで21世紀世代が担う役割を考えてみてほしい。不足があ
りそうなところを理解するための戦略的な人材計画アプローチが整備されているだろ
うか。
3. 重要な役割に留意する ─ 事業価値の創造または破壊を起こす秀でた能力が求めら
れる職務に適切な人材を配置する必要がある。あなたの会社の後継者育成プラン
は、21世紀世代をこれらの極めて重要な職務に参画させる準備が整っているだろう
か。
4. 財務数値に焦点を当てる ─ 測定、ベンチマークおよび分析を事業計画に組み込むこ
とが求められる。人材の投資対効果(ROI)に目を向けてほしい。失った21世紀世代の
人材を置きかえるためのコストを追跡してほしい。人材の流出は戦略的な優先事項に
どのような影響をもたらすのだろうか。
21世紀世代は有能で活力に満ちており、彼らの中の最も優秀な人材を探す
のは困難で、彼らを引き留めるのはさらに厳しくなる。すでに彼らには大きな需
要があり、彼らの期待に沿うことができる雇用主が欲しい人材を獲得できるだ
ろう。
本調査は、21世紀世代が雇用主に期待するものとキャリアや実際の職場で
の体験の間には大きな隔たりがあることを示唆している。説得力に欠けるソー
シャルメディアのアウトリーチプログラム、うわべだけの環境保護を意図する企
業価値および名ばかりの多様性など、若年労働者とつながることを目的とする
表面的な変革は機能しない。
21世紀世代は不況時になんらかの妥協をしたかもしれないが、野心や自尊
心は失ってはいない。間もなくこの世代が労働力の大半を占めるが、彼らは真
に約束を果たしてくれる雇用主を探すことになるだろう。
あなたの会社は、職場を激変させる21世紀世代の受け入れ体制が整ってい
るだろうか。
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お問い合わせ先
プライスウォーターハウスクーパース株式会社
03―3546―8480(代表)
山本 紳也
パートナー
E-mail:[email protected]
佐々木 亮輔
ディレクター
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森井 茂夫
ディレクター
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またはその指定子会社であり、それぞれ独立した別法人として業務を行っています。
本報告書は、 PwC メンバーファームが 2011 年 12 月に発行した『Millennials at work: Reshaping the workplace』を翻訳したものです。翻訳には正確を期しておりますが、 英語版と解釈の相違がある場合は、 英語版に依拠してください。
電子版はこちらからダウンロードできます。 www.pwc.com/jp/ja/japan-knowledge/report.jhtml
オリジナル(英語版)はこちらからダウンロードできます。 http://www.pwc.com/en_M1/m1/services/consulting/documents/millennials-at-work.pdf
日本語版発刊月:2014 年 6 月 管理番号:M201201-1
© 2014 PwC. All rights reserved.
PwC refers to the PwC Network and/or one or more of its member firms, each of which is a separate legal entity. Please see www.pwc.com/structure for further details.
This content is for general information purposes only, and should not be used as a substitute for consultation with professional advisors.
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