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台湾税務および投資法令アップデート 2015年6月
台湾税務および投資法令アップデート 2015年6月 所得税法 「房地合一」新税制による営利事業者への影響について 房地合一税制に係る「所得税法」の一部条文の改正案、「特殊貨物および労務税条例」(通称、 「贅沢税」)第6条の1の改正案が2015日6月5日に立法院で三読を通過し、総統により公布され た後、2016年1月1日より施行されます。房地合一税制の実施に伴い、2016年1月1日より贅沢 税の課徴が停止となります。房地合一税制の要点についてまとめると以下の通りです。 営利事業者と関係する部分について 項目 内容 建物の売却、建物およびその立地する土地の売却、あるいは法により建設許 可を発行できる土地の売却。 2016 年 1 月 1 日より下記の建物、土地の取引を行う場合: 2016 年 1 月 1 日以後に取得したもの。 2014 年 1 月 2 日以後に取得し、所有期間が 2 年以内のもの。 2014 年 1 月 2 日以後に取得し、2016 課税範囲 旧制度 年 1 月 1 日以後に売却、なおかつ下 新制度 記の場合。 (過渡期の取り 1)所有期間が 2 年以内:新制度 扱いを含む) 2014 年 1 月 1 日 以前に取得 2)所有期間が 2 年超:旧制度 2014 年 1 月 2 日以後に取得し、2016 年 1 月 1 日以前に売却:旧制度 2014 年 1 月 1 日 2016 年 1 月 1 日 以後に取得 2016 年 1 月 1 日 新制度:房地合一税制に基づき所得税が課せられる。旧制度:建物のみ所得 税が課せられる。 課税基準 課税税率 建物と土地の収入-原価-費用-土地税法により計算した土地の値上がり総額 台湾企業:17%(現行制度と同じ) 台湾外に本社がある会社: (1)所有期間が 1 年以内:45%、(2)所有期間が 1 年超:35%。 課税方法 台湾企業:年度決算と併せて申告し、課税される(現行制度と同じ) 台湾に支店を有する外国企業の海外本社: 台湾支店が規定された税率により税金をそれぞれ計算し、年度決算時に併せ て申告および納付する。 1 PwC台湾の見解: 1. 房地合一税制において、台湾に支店を有する海外本社は、その建物と土地の売却益による 税負担が台湾企業に比べはるかに高いため、将来、海外本社が台湾において組織再編を行 う必要がある場合、これを考慮に入れることが望まれます。 2. 今回の改正案では、営利事業者の建物と土地の所有期間の計算方法について明確な説明が なされていないため、売却日が贅沢税と同じく契約締結日であるかどうか、あるいは所得 税法の本来の規定に従い所有権の移転日に基づき計算されるのかどうかについて、法令上 明確ではありません。PwC台湾の見解では、法人税監査準則第24条の2によれば、営利事 業者が不動産を売却した場合、その所得の帰属年度の認定は、所有権移転登記の日を基準 としなければならないことが定められているため、上記の売却日は所有権の移転日を計算 基準とすることができると考えられますが、将来、関連法令の改正時に更なる解釈がなさ れるかどうか引き続き留意することが必要です。 3. 今回の改正案では、台湾に支店を有する外国企業の海外本社による建物と土地の売却損が、 台湾企業と同様に損益通算できるかどうかについて説明がなされていないため、将来、関 連法令の改正時に更なる解釈がなされるかどうかに留意することが必要です。 営業税法 国内営業人甲が保税区に所在する営業人乙からの発注に基づき、国外業者 丙から物品を調達し、乙の名義で輸入する際の営業税について 財政部の2008年10月29日付台財税字第09704550620号通達によれば、国内営業人甲が国内買 受人乙からの注文に基づき、国外業者丙から物品を調達し、乙買受人の名義で輸入物品の通関 申告を行う取引形態において、国内営業人甲は受け取るコミッション収入に相当する売買差額 または受け取るコミッション収入について、税込みの二連式(2枚綴り)統一発票を発行するこ とが義務付けられています。 しかしながら、国内買受人乙が保税区に所在する営業人である場合、国内営業人甲が上記によ り発行するコミッション収入の統一発票がゼロ税率を適用するかどうかについて、法令上明確 ではありません。そのため、財政部は2015年5月13日に台財税字第10404516320号通達を公布 し、上記の国内営業人甲が下記の条件を満たす場合、ゼロ税率を適用でき、ゼロ税率の二連式 統一発票を発行できるとの補足解釈が示されました。 国内買受人乙が保税区に所在する営業人である。 当該物品は乙が保税区内で認可された業務の遂行目的に供される。 乙が税関に申請し交付された通関申告書の写しを取得し、なおかつ当該通関申告書の写 しには、「当該輸入物品は営業税法第7条第4号および同法施行細則第7条の1第2項に規定 2 する運営目的に供される物品であることを証明する」旨が記載され、乙により署名およ び乙の統一発票専用印が捺印されている。 上記の取引形態を図示すると以下の通りとなります。 国外 国外業者丙 3.乙の名義で輸入 2.注文 国内営業人甲 国内 国内買受人乙 1.注文 会社法 会社法第235条、第235条の1および第240条改正後の法令適用に関する疑 義について(2015年6月11日付経商字第10402413890号通達) 一、定款を変更すべき時点 期限:遅くとも2016年度の定時株主総会までに法令により定款を変更しなければなりま せん。 二、従業員報酬分配の根拠 1. 2015年度の定時株主総会では変更前の定款(旧定款)に基づいて2014年度の従業員特別 配当の分配を承認します。 2. 2015年度の株主総会で従業員報酬に関する条項を変更する場合、2015年度の従業員報 酬は変更後の定款(新定款)により分配します。 3. 2016年度の定時株主総会で定款を変更する場合、今回の法令改正は状況が特殊である ため、2015年度の従業員報酬は新定款により分配するものとし、2016年度の定時株主 総会では、定款変更の議案を承認してから、(新定款による)従業員報酬の分配を報告し なければなりません。 三、従業員報酬に関する説明の制定時の要点 1. 定款には利益の獲得状況により定額または比例で従業員報酬を分配することを規定し ます。また、役員への報酬を規定することもできます。 2. 利益の獲得状況とは、立法理由によれば、税引前利益から従業員報酬を控除する前の 利益を指し、一回で分配します。従業員がいない場合、従業員報酬を認識しなくても よいことになります。 3 3. 従業員報酬および役員報酬を計算する時、当期利益の獲得状況(すなわち、税引前利益 から従業員報酬、役員報酬を控除する前の利益)から繰越損失を填補してから、その残 額に基づき従業員報酬および役員報酬を算出します。 4. 当期利益の獲得状況は会計士監査済財務諸表に基づきます。会計士監査済財務諸表が なければ、取締役会の決議により作成された財務諸表に基づきます。 5. 比例の制定方法は定額、一定のレンジまたは下限値のいずれかを採用することができ ます。 6. 取締役会の特別決議および株主総会への報告を経て、従業員報酬を自己株式または新 株で支給することができます。 7. 取締役会の特別決議の内容には、従業員報酬の支給方法(株式または現金)、総額(金額) および株式数が含まれなければなりません。 8. 有限公司は現金でのみ従業員報酬を支給することができます。 四、株式による従業員報酬の発行価格および株式数の計算 1. 非公開発行会社の場合、前年度の会計士監査済財務諸表または取締役会が作成した財 務諸表の純資産を計算根拠とします。 2. 公開発行会社、新興株式市場登録会社および上場(店頭公開)会社の場合、証券法令に係 る関連措置については、金融監督管理委員会の規定により取り扱います。 注:現在、経済部の定款変更案に対する実務処理の原則は以下の通りです。 1. 2015年5月21日までの定款変更案(2015年5月22日以後に届出)に対しては、変更案は承 認されますが、承認書には会社法第235条の1に従い次回の株主総会で従業員特別配当 に関する条項を変更しなければならないとの記述が入ります。 2. 2015年5月22日およびその後の定款変更案 (1) 従業員特別配当に関する条項が未変更の場合、承認書には次回の株主総会で従業員 特別配当に関する条項を変更しなければならないとの記述が入ります。 (2)従業員特別配当に関する条項を変更したが、その変更案が会社法第235条の1に従っ ていない場合、変更案は承認されますが、承認書には関連条項が法令に従っておら ず、次回の株主総会で変更しなければならないとの記述が入ります。 4 PwC台湾 日本企業部コンタクトリスト 氏名 役職 E-mail アドレス 電話番号 パートナー 奥田健士 パートナー 886-2-2729-6115 [email protected] ディレクター 王妙五 ディレクター 886-2-2729-6666ext23402 [email protected] シニアマネージャー 林淑琳 魏月珍 周泰維 シニア マネージャー シニア マネージャー シニア マネージャー 886-2-2729-6666ext23412 [email protected] 886-2-2729-6666ext23410 [email protected] 886-2-2729-6666ext23655 [email protected] マネージャー 趙宇愷 マネージャー 886-2-2729-6666 ext23425 [email protected] 劉千瑜 マネージャー 886-2-2729-6666 ext23431 [email protected] 伊藤藍 マネージャー 886-2-2729-6666 ext23475 [email protected] 鈴木健一郎 マネージャー 886-2-2729-6666 ext23413 [email protected] 洪豪嬪 マネージャー 886-2-2729-6666ext23404 [email protected] 桃原隼一 マネージャー 886-2-2729-6666ext23415 [email protected] www.pwc.com/tw 5 PwC Taiwan Contacts: 氏名 役職 E-mail アドレス 電話番号 法人税および間接税 郭宗銘 パートナー 886-2-2729-5226 [email protected] 林東翹 パートナー 886-2-2729-5980 [email protected] 許祺昌 パートナー 886-2-2729-5212 [email protected] 范書華 パートナー 886-2-2729-6077 [email protected] 洪連盛 パートナー 886-2-2729-5008 [email protected] 国際税務コンサルティングサービス 謝淑美 パートナー 886-2-2729-5809 [email protected] 邱文敏 パートナー 886-2-2729-6019 [email protected] 段士良 パートナー 886-2-2729-5995 [email protected] 周思齊 パートナー 886-2-2729-6626 [email protected] 徐麗珍 パートナー 886-2-2729-6207 [email protected] 廖烈龍 パートナー 886-2-2729-6217 [email protected] 李佩璇 パートナー 886-2-2729-5207 [email protected] 黃文利 パートナー 886-2-2729-6061 [email protected] 移転価格 金融機関に関する税務コンサルティングサービス 吳偉臺 パートナー 886-2-2729-6704 [email protected] 許祺昌 パートナー 886-2-2729-5212 [email protected] M&A サービス 王偉臣 パートナー 886-2-2729-6666 ext 35101 [email protected] 謝淑美 パートナー 886-2-2729-5809 [email protected] 886-2-2729-5218 [email protected] 企業投資支援サービス 何淑敏 パートナー www.pwc.com/tw 本台湾税務および投資法令アップデートは読者への参考に供するためのものであり、当事務所が関連の特定テーマに ついて意見を述べるものではなく、読者は如何なる方針決定の根拠としてはならず、また如何なる権利または利益を 主張するために引用してはなりません。本内容は資誠聨合会計師事務所の同意なく、転載、またはその他の目的に使 用してはなりません。何らかの事実、法令、政策に変更が生じた場合、資誠聯合会計師事務所は本台湾税務および投 資法令アップデートの内容を修正する権利が有ります。 © 2015 PricewaterhouseCoopers Taiwan. 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