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教員からのメッセージ 和歌山県立医科大学保健看護学部 石村由利子

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教員からのメッセージ 和歌山県立医科大学保健看護学部 石村由利子
教員からのメッセージ
和歌山県立医科大学保健看護学部
石村由利子
昨年 4 月に和歌山県立医科大学保健看護学部に着任し、はや1年が経とうとしています。
学部での私の担当は母性看護学。
「性と生殖」をキーワードに、女性とその家族を取り巻く健
康問題を研究する学問領域です。中でも私の専門は周産期。妊娠・出産・子育ての時期です。
助産師として多くの妊婦さんや褥婦さんにお目にかかり、分娩の介助をしたり、相談を受けた
り、子育ての実際を聞かせていただいたりしてきました。大学では、この経験と知識を講義や
演習、実習の場で、若い皆さんにお伝えするのが私の役割です。
現在、わが国には 700 校を超える4年制大学があり、短期大学とあわせると同世代の5割を
超える若者が在学しているといいます。看護の学部・学科を置く大学は 200 校を超え、いまや
看護教育が大学で行われることは当たり前のことになりました。
大学教育で看護を学ぶことの意義は、各領域の専門家から授業を受けられること、4 年間の
中で、単に専門科目の知識や技術を修得するだけではなく、幅広い教養科目を学ぶことができ、
人間や社会の仕組みを理解する素地を養えること、自主的な活動を通して自律的に学ぶことが
できる時間と環境が準備されていることにあります。本学でも豊かな教養を身につけられるよ
う準備された科目がたくさんあります。4 年間が有意義な時間になるよう、さまざまなことに
チャレンジしてほしいものです。そして、看護学という専門性の高い学問領域を専攻し、明確
な目的意識を持って入学してくる皆さんの期待に沿った学生生活であってほしいと思います。
年度末の 26 日、今年度の保健師・助産師・看護師国家試験の合格発表がありました。
今年、看護師を目指した受験者は 53,702 人。近畿地区の発表の場となった大阪合同庁舎第4
号館近畿厚生局でも、例年通りの悲喜こもごもの風景がありました。学生は 4 年間の勉学の成
果である看護師免許を手に、新しい世界へと羽ばたいて行きます。この“ひよこ”たちが実践
の場で鍛えられ、多くの経験を積み、やがてプロフェッショナル同士の会話ができることが教
師の楽しみです。
教育とは、学問とはと考える時、フランスの現代詩人ルイ・アラゴンの詩に次のような一節
があります。とても悲しい出来事を詠んだ詩ですが、この言葉ほど教育・勉学の真の意味を言
い当てた言葉はないといわれてきました。今でもこの精神が教師にも学生にも求められている
気がします。皆さんはいかがでしょうか。
教えるとは希望を語ること
学ぶとは誠実を胸にきざむこと
ことしは春の訪れが遅く、例年なら桜花の話題がしきりのこの時期、1 か月遅れて梅が満開
になりました。学問の神様・菅原道真の好んだ梅もまた、旅立ちと新入生を迎える時期にふさ
わしい花です。
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