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Cities of Opportunity 6 世界の都市力比較2014 翻訳サマリー版 北京

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Cities of Opportunity 6 世界の都市力比較2014 翻訳サマリー版 北京
北京
ベルリン
ブエノスアイレス
シカゴ
ドバイ
香港
イスタンブール
ジャカルタ
ヨハネスブルグ
クアラルンプール
ロンドン
ロサンゼルス
マドリード
メキシコシティ
ミラノ
モスクワ
ムンバイ
ナイロビ
ニューヨーク
パリ
リオデジャネイロ
サンフランシスコ
サンパウロ
ソウル
上海
シンガポール
ストックホルム
シドニー
東京
トロント
Cities of Opportunity 6
世界の都市力比較2014
翻訳サマリー版
目次
01
Cities of Opportunity 6 ~発刊のご挨拶
02
Cities of Opportunity レポート ~これまでの取り組み
04
調査手法
06
総合ランキング一覧
08
都市力評価の概観 ~ 30都市の概観および東京・アジアの都市力比較
領域別サマリー
10 知的資本・イノベーション
11 技術の成熟度
12 ゲートウェイ機能
13 交通・インフラ
14 健康・安全・治安
15 持続可能性と自然環境
16 人口構成・住みやすさ
17 経済的影響力
18 ビジネスのしやすさ
19 産業・生活のコスト
20
参考資料:59の指標の詳細
本報告書は、PwC Global が 2014 年 5 月 29 日に発表した「Cities of Opportunity 6」を PwC Japan で抜粋・翻訳し、一部の結果に対する分析を加えたものです。
Cities of Opportunity 6 〜発刊のご挨拶
ランキングの結果を見ると、2012年にオ
東京は残念ながら13位へと順位を落とす
Opportunity –世界の都市力評価」は、 リンピックを開催したロンドンがニュー
結果となりましたが(前回の2012年版で
今回で第6回目を迎えました。本シリーズ
ヨークを抜いて初の1位を獲得し、企業や
は10位)、世界の都市は、魅力的な未来
はPwCが発行する研究レポートの中でも
人材誘致のため積極的な政策を打ち出し
の都市を目指して熾烈な競争を繰り広げ
特に多くの読者を有しているもので、世
てきたシンガポールが前回の7位から3位
ながら進化を続けており、東京が相対的
界中で毎年、高い関心を集めています。
に躍進するなど、興味深い変動が見られ
に順位を落とす結果になったのではない
ました。世界的イベントの活用や国策な
でしょうか。そうした中でも、都市の国
2007年 よ り ス タ ー ト し た「Cities of
グローバル化が進み、新興国も急速に力
どによるさまざまな取り組みを通じ、国際 際性を測る「ゲートウェイ機能」では4位
をつけている昨今では、より優秀な人材、 競争力強化に向けた各都市の努力が少な という高い評価を得ており、
「知的資本・
企業、投資、観光客などの誘致をめぐり、 からず評価に現れたものと考えられます。 イノベーション」では、アジアで唯一10
国境を越えた都市間での競争が激化しつ 一方、トップ10の顔ぶれは東京を除いて 位以内に入るなど、分野によって高い競
つあります。このようなトレンドをとらえる
ため、今回の調査では、成長目覚ましい
新興都市を代表するジャカルタ、ナイロ
ビ、リオデジャネイロが対象都市として新
たに追加されています。
変わらず、また、いずれの都市も多くの
争力ポテンシャルを有している点は大いに
領域で高いパフォーマンスを示しており、 評価されるべきです。既にある魅力を生
社会的にも経済的にもバランスの取れた
かしつつ、世界中が日本に注目する2020
発展をしていることが見てとれます。
年オリンピックに向けて、東京の都市力
強化の一段の取り組みに期待したいと思
います。
プライスウォーターハウスクーパース株式会社
PPP・インフラ部門アジア太平洋地区 代表パートナー
都市ソリューションセンター センター長 (兼務)
野田 由美子
Cities of Opportunity 6 | 1
Cities of Opportunityレポート ~これまでの取り組み
「Cities of Opportunity –世界の都市力
第1回レポートでは、11の都市、9の領域、 領域別ランキングは第1回より行っている
比 較 」は、2007年、Partnership for
32の指標について分析・評価を行った。 が、総合ランキングを提示したのは第4回
New York Cityとの共同により開始され
その後、対象都市、領域、指標について
からである。指標は毎年変更されている
た。同レポートの目的は、都市を活性化
改善を加え、第6回となる今回のレポート
ため単純な経年比較はできないが、おお
する主要素(都市力)を分析することによ
では、30の都市、10の領域、59の指標
むね各都市の順位は一貫している。その
り、経験知を得て、傾向を発見し、都市
について評価を行った。
一方で、ロンドンやシンガポールなどの一
部の都市は順調に順位を上げている。
の成長や回復に貢献することにある。
resources
density of population
work force
consumers
culture and diversity
geographic location
cost
financial clout
safety and security
capital markets
New York
Paris
Shanghai
Singapore
Tokyo
Toronto
Cities of opportunity: Business-readiness indicators for the 21st century
Atlanta
Chicago
Frankfurt
London
Los Angeles
「Cities of Opportunity – 世界の都市力比較」シリーズ
第1回
(2007)
第3回
(2010)
第2回
(2008)
Beijing
Berlin
Buenos Aires
Chicago
Dubai
Hong Kong
Istanbul
Jakarta
Johannesburg
Kuala Lumpur
London
Los Angeles
Madrid
Mexico City
Milan
Moscow
Mumbai
Nairobi
New York
Paris
Rio de Janeiro
San Francisco
São Paulo
Seoul
Shanghai
Singapore
Stockholm
Sydney
Tokyo
Toronto
www.pwc.com
Cities of Opportunity 6
Cities of Opportunity 6
The papers and printer used in the production of this study are certified to Forest Stewardship Council (FSC) standards,
which promote environmentally appropriate, socially beneficial, and economically viable management of the world’s
forests. The cover and text for this publication were printed on paper containing 10% postconsumer waste material.
By printing at a facility utilizing 100% wind energy and using postconsumer recycled fiber in lieu of virgin fiber:
第4回
(2011)
2 | Cities of Opportunity 6 | PwC
13 trees were preserved for the future
629 lbs of solid waste were not generated
39 lbs of waterborne waste were not created
1,239 lbs net of greenhouse gases were prevented
5,687 gallons of wastewater flow were saved
9,482,515 BTUs of energy were not consumed
第5回
(2012)
第6回
(2014)
Cities of Opportunityレポート ~対象都市と過去の推移
対象都市
第1回
(2007)
第2回
(2008)
第3回
(2010)
第4回
(2011)
第5回
(2012)
第6回
(2014)
東京
〇
〇
〇
14位
10位
13位
ソウル
〇
〇
16位
14位
14位
北京
〇
〇
17位
17位
19位
〇
〇
19位
19位
20位
〇
〇
10位
8位
8位
〇
〇
9位
7位
3位
ムンバイ
〇
〇
26位
27位
28位
シドニー
〇
〇
5位
11位
9位
18位
17位
上海
アジア太平洋
※総合順位の評価は第4回(2011年)から開始
〇
香港
シンガポール
〇
クアラルンプール
ジャカルタ
アフリカ
29位
ヨハネスブルグ
〇
〇
ロンドン
〇
〇
〇
6位
2位
1位
パリ
〇
〇
〇
8位
4位
6位
13位
12位
11位
4位
5位
7位
モスクワ
21位
20位
21位
マドリッド
15位
15位
15位
16位
18位
フランクフルト
〇
〇
ストックホルム
〇
〇
ドバイ
北米
〇
〇
16位
アブダビ
18位
22位
イスタンブール
23位
24位
25位
ニューヨーク
〇
〇
〇
1位
1位
2位
シカゴ
〇
〇
〇
7位
9位
10位
ロサンゼルス
〇
〇
〇
12位
13位
12位
3位
6位
5位
サンフランシスコ
ヒューストン
中南米
23位
30位
ミラノ
中東
25位
ナイロビ
ベルリン
欧州
25位
〇
アトランタ
〇
トロント
〇
11位
〇
〇
2位
3位
4位
メキシコシティ
〇
〇
20位
21位
22位
サンパウロ
〇
〇
24位
26位
26位
23位
24位
ブエノスアイレス
リオデジャネイロ
27位
サンティアゴ
11都市
9領域
32指標
20都市
10領域
51指標
〇
22位
21都市
10領域
58指標
26都市
10領域
66指標
27都市
10領域
60指標
30都市
10領域
59指標
Cities of Opportunity 6 | 3
調査手法
3分野、10領域、59指標で分析
30都市を対象
点で評価を試みている。3)経済力では、
財務・ビジネス面における競争力を確認
「Cities of Opportunity –世界の都市力
PwCが 考える 都 市 力とは、1)世 界を
比較」シリーズは、変化を続ける各都市
変 革 する 手 段(Tools for a changing
の競争力を評価するに当たり、その調査
world)、2) 生 活 の 質(Quality of
手法を毎年見直し、継続的な改善・アッ
life)、3)経済力(Economics)の3分野 「10の領域」を設定している。 10の領域
プデートを行っている。経済および金融
がバランスよく成長を遂げている状態で
ごとに各都市の競争力を測るため、公開
市場の中心地であること、地理的な偏り
ある。1)世界を変革する手段では、知的
データを活用した59の分析指標を設定し
がないこと、成熟都市と新興都市のバラ
資本や技術の成熟度、国際社会へのオー
ている。主なデータソースは、1)世界銀
している。
また3分野を測る要素として、下表に示す
ンスが取れていること、の3点を考慮し、 プンさなどを測り、2)生活の質としては、 行や国際通貨基金などの多国間開発を手
対象とする都市を選定している。Cities
物理的または感情面において、住みや
がける国際組織、2)英国の国家統計局
of Opportunity 6では過去最多となる
すさにつながる都市の性質(有形あるい
や米国の国勢調査局などの各国統計機
30都市を対象に分析を行った。
は無形)を測るため、交通の利便性や病
関、3)商用データ提供機関である。
院アクセス、文化的活気など、幅広い観
COO6の評価指標
分野
領域
指標
公共図書館
数学/科学の学習到達度
識字率と生徒・学生在籍者数
知的資本・イノベーション
高等教育修了者の割合
世界大学ランキング
イノベーション都市指数
知的財産の保護
起業環境
世界を変革する手段
Tools for a changing world
学校のインターネット接続
技術の成熟度
ブロードバンドの品質
デジタル経済
ソフトウェア開発とマルチメディアデザイン
宿泊施設の客室数
海外からの観光客数
国際会議数
ゲートウェイ機能
空港での乗降数
空港から中心業務地区(CBD)へのアクセス
上位100空港
定刻出発便
4 | Cities of Opportunity 6 | PwC
分野
領域
指標
公共交通システム
大量輸送機関の普及率
交通・インフラ
公共交通の運賃
正規認可タクシーの台数
大型建設案件数
住居
病院と医療関連雇用
医療システム
健康・安全・治安
終末期医療
犯罪件数
政治環境
生活の質
Quality of life
自然災害のリスク
気温の快適さ
持続可能性と自然環境
廃棄物のリサイクル
大気汚染度
公園の面積
文化的な活気
生活の質
人口構成・住みやすさ
生産年齢人口
交通渋滞
通勤のしやすさ
赴任地として魅力的な都市
世界トップ500企業の本社数
金融・ビジネスサービス業の雇用
経済的影響力
海外からの直接投資
生産性
実質国内総生産(GDP)成長率
起業のしやすさ
破綻処理体制
雇用に関する規則
経済力
Economics
ビジネスのしやすさ
入国のしやすさ:査証が免除されている国の数
大使館・領事館
株主の保護
オペレーショナルリスク環境
人事・労務管理リスク
総合的公的負担率
オフィスの賃貸料
産業・生活のコスト
生活費
iPhone購入のために必要な労働時間数
購買力
Cities of Opportunity 6 | 5
総合ランキング一覧
各領域ごとの都市ランキングは以下の通りとなっている。
知的資本・
イノベーション
6 | Cities of Opportunity 6 | PwC
技術の成熟度
30
ロンドン
29
ニューヨーク
28
シンガポール
27
トロント
190
26
サンフランシスコ
195
25
パリ
24
ストックホルム
23
香港
22
シドニー
181
21
シカゴ
174
20
ベルリン
19
ロサンゼルス
18
東京
17
ソウル
16
マドリード
15
ドバイ
14
クアラルンプール
13
ミラノ
12
北京
11
上海
10
モスクワ
200
ゲートウェイ機能
107
172
98
186
111
151
71
91
113
93
148
112
57
141
105
91
156
メキシコシティ
8
ヨハネスブルグ
72
7
ブエノスアイレス
73
6
イスタンブール
68
28
5
サンパウロ
61
23
4
リオデジャネイロ
55
19
3
ムンバイ
35
2
ジャカルタ
30
1
ナイロビ
30
90
137
52
9
103
93
40
106
94
131
44
96
115
60
58
117
104
125
62
75
74
151
107
98
107
105
84
121
80
93
74
161
99
119
86
172
114
96
100
182
89
143
105
162
117
118
109
75
158
139
98
96
192
95
153
73
204
112
137
91
148
交通・インフラ
94
97
28
88
33
94
44
101
98
43
68
115
111
70
76
87
51
83
35
57
87
32
58
14
34
79
31
健康・安全・治安
持続可能性と
自然環境
112
79
110
106
108
116
128
121
126
132
130
121
128
116
96
105
79
61
53
91
103
59
73
63
96
52
71
63
57
58
105
86
77
79
82
65
97
95
1,128
120
66
1,133
1,118
1,086
84
1,043
83
1,015
94
64
913
885
880
40
813
72
53
808
77
57
781
126
60
67
108
53
47
117
103
98
115
85
1,153
156
70
46
81
100
81
91
1,156
124
76
80
84
32
51
108
1,196
78
160
84
37
55
151
88
77
1,211
172
78
101
102
1,191
134
64
67
1,215
167
78
96
105
73
146
82
98
69
98
91
135
197
91
119
1,230
59
158
77
142
96
142
107
1,235
69
167
92
1,290
93
182
90
総合点
76
219
95
133
産業・生活の
コスト
194
114
136
63
100
173
123
112
112
118
133
113
86
ビジネスのしやすさ
119
71
130
経済的影響力
141
89
112
42
人口構成・
住みやすさ
51
747
108
61
698
664
35
61
59
59
79
37
64
59
61
79
51
598
33
70
65
58
71
42
547
30
25
15
57
42
73
25
50
35
74
64
36
66
70
62
各都市の総合点(439 ~ 1,290点)は、指標ごとのスコアを全て合計したもの。上記の総合順位は、当該スコア合計値に
基づきランキングされているため、点数の多い方が上位となる。10の領域別ランキング比較については、P10以降を参照。
75
58
645
523
75
496
79
439
高
中
低
Cities of Opportunity 6 | 7
都市力評価の概観 ~ 30都市の概観および東京・アジアの都市力比較
30都市の概観
ロンドンがニューヨークを抜き総合1位、
またシンガポールは総合3位に
本レポートでは、2012年にオリンピック
を開催したロンドンがニューヨークを抜
き、1位を獲得する結果となった。またシ
ンガポールが大きく上昇して3位(前回7
示しており、社会的にも経済的にもバラン
以外の領域では、総合トップ10都市のい
スの取れた発展が見て取れる。前回総合
ずれかが1位を獲得している。
トップ10に入っていた都市のうち東京を
除く9都市は、順位の変動はあるものの
引き続き総合トップ10内に位置している。
総合トップ10都市が、個別の分析領域で
も10位以内を寡占
個別の分析領域においても、今回新たに
順位から3ランク落ち、13位となった。
トップ10に入ったシドニー以外は、いず
ほぼ変わらず
総合トップ10にランクインした都市はいず
れも多くの領域で高いパフォーマンスを
すさ」については、総合トップ10都市が
全て10位以内にランクイン、また「健康・
安全・治安」では9の総合トップ10都市、
「知的資本・イノベーション」
「ビジネスの
位)につけている。一方、東京は前回の
総合トップ10都市の顔ぶれは前回調査と
領域別に見てみると、
「人口構成・住みや
れの都市も過半数以上の領域で10位以
内を占めており、総合トップ10都市の各
領域における10位以内の占有度は7割に
達している。また、
「産業・生活のコスト」
しやすさ」では8の総合トップ10都市が
10位以内を占める結果となり、生活の基
礎インフラが充実している都市は、ビジ
ネスや知的資本も誘引していることが見
て取れる。一方、
「生活・産業のコスト」
で10位以内に入っている総合トップ10都
市は4にとどまっている。
総合トップ10都市および東京の領域別ランキング
知的資本・ 技術の成
イノベーシ 熟度
ョン
ゲートウェ 交通・イン 健康・安
イ機能
フラ
全・治安
持続可能
性と自然
環境
人口構成・ 経済的影
住みやす
響力
さ
ビジネスの 産業・生活
しやすさ
のコスト
①ロンドン(2)
2位
1位
1位
6位
6位
14位
2位
1位
5位
15位
②ニューヨーク(1)
6位
5位
9位
16位
9位
11位
10位
3位
3位
9位
③シンガポール(7)
14位
8位
3位
1位
6位
16位
5位
6位
1位
19位
④トロント(3)
5位
13位
18位
2位
2位
6位
9位
9位
4位
4位
⑤サンフランシスコ(6)
3位
6位
16位
21位
5位
5位
3位
7位
7位
6位
⑥パリ(4)
1位
11位
7位
5位
10位
3位
7位
4位
14位
24位
⑦ストックホルム(5)
4位
3位
20位
8位
1位
1位
8位
17位
10位
18位
13位
4位
4位
14位
16位
21位
5位
8位
2位
14位
⑨シドニー(11)
8位
14位
13位
25位
2位
1位
1位
13位
13位
12位
⑩シカゴ(9)
9位
9位
22位
18位
6位
7位
10位
15位
7位
2位
⑬東京(10)
10位
10位
4位
11位
11位
19位
15位
10位
12位
21位
⑧香港(8)
※○の数字は今回総合順位、
( )は前回総合順位
8 | Cities of Opportunity 6 | PwC
東京の都市力評価とアジア・太平洋地域
ション」において、東京がアジアの都市
今回も19位と引き続き低評価となってい
の都市との比較
で唯一10位以内に入っていることは特筆
る。これは同領域の指標である「自然災
に値する。
害のリスク」が今回も最下位となっている
東京の総合評価は、前回から3ランク下
降して30都市中13位となった。東京は都 「産業・生活のコスト」については、前回
ためである。
市の国際性を測る「ゲートウェイ機能」
(4
の27位から21位へと大きく上昇した。個
東京はその他の領域でも平均して良い評
位)で高い評価を得た他、
「知的資本・イ
別の指標では、
「医療システム」、
「世界トッ
価を受けているものの、新しくトップ10
ノベーション」、
「技術の成熟度」、
「経済
プ500企業の本社数」、
「破綻処理体制」 入りしたシドニー(2領域で1位、1領域で
的影響力」の3領域で10位以内にランクイ
において、1位を獲得している。
ンした。特に、21世紀の経済発展におい
て重要な指標である「知的資本・イノベー
一方、
「持続可能性と自然環境」の領域は
2位)のように突出した評価を得た領域が
少なかったことが、ランクが下がった要因
として考えられる。
東京とアジア・太平洋地域の都市との比較
シンガポール(総合3位)
位を獲得した他、
「ゲートウェイ機能(4位)」、 資本・イノベーション」の領域でも東京を上回
極めて積極的な企業/投資誘致 政策を展開
し、狭い国土で効率的なインフラ構築を進め
「技術の成熟度(4位)」、
「人口構成・住みや
すさ(5位)」と4つの領域で5位以内に入った。
る結果となった。
一方、
「交通・インフラ
(25位)」は低評価となり、
るシンガポールは、前回の総合7位から総合3
一方、
「健康・安全・治安(16位)」の領域で
広大な土地におけるインフラ整備の困難さを
位へと大きくランクアップした。
は、総合トップ10都市の中で唯一10位以内
示しているとも考えられる。また、
「ビジネス
に入っておらず、
「持続可能性と自然環境(21
のしやすさ(13位)」、
「ゲートウェイ機能(13
位)」は東京と同様に改善が求められる結果と
位)」、
「経済的影 響力(13位)」、
「技 術の成
なっている。
熟度(14位)」においても、東京を下回る結果
領域別では「ビジネスのしやすさ」と「交通・
インフラ」において圧倒的な首位を獲得してい
る。その他「ゲートウェイ機能」や「人口構成・
住みやすさ」、
「健康・安全・治安」など、国
際性や生活の質に係る領域においても高い評
価を得た。
となった。
シドニー(総合9位)
「持続可能性と自然環境」と「人口構成・住み
ソウル(総合14位)
バランスの良い成長がうかがえるシンガポール
やすさ」の各領域で1位を獲得し、
「健康・安全・ 「技術の成熟度」の領域ではロンドンと並んで
治安」でも2位という高評価を得たことが順位 1位タイ、
「交通・インフラ」は3位と高い競争
だが、
「産業・生活のコスト」
「持続可能性と
を押し上げ、今回新たに総合トップ10入りをし
力を有している。その他、
「ビジネスのしやす
自然環境」
については東京と同様に課題となっ
た唯一の都市となった。
さ(9位)」
「
、産業・生活のコスト(10位)」など、
ている。また
「知的資本・イノベーション」では、
世界大学ランキングやイノベーション都市指数
の指標で優位にある東京が勝る結果となった。
香港(総合8位)
「ビジネスのしやすさ」でシンガポールに続く2
経済的影響力
気と生活の質に加え、通勤の容易さや移住し
10位以内の領域の数では東京と同じとなって
いる。
たい都市の候補としても高い評価を得ている。 一方、
「人口構成・住みやすさ」、
「持続可能性
なお、二つ以上の領域で1位を獲得した都市 と自然環境」、
「健康・安全・治安」が低評価
は、ロンドン、シンガポール、ストックホルム、 となった結果、総合評価でも東京を下回る結
シドニーの4都市のみである。その他、
「知的 果となった。
東京
シンガポール
香港
知的資本・イノベーション
知的資本・イノベーション
知的資本・イノベーション
産業・生活のコスト
ビジネスのしやすさ
「人口構成・住みやすさ」では、高い文化的活
12
10
技術の成熟度
4 ゲートウェイ機能
11
10
人口構成・住みやすさ
19
8
14
21
15
産業・生活のコスト
10
交通・インフラ
ビジネスのしやすさ
19
3
1
1
経済的影響力 6
16
11
健康・安全・治安
技術の成熟度
6
人口構成・住みやすさ 5
持続可能性と自然環境
ゲートウェイ機能
交通・インフラ
健康・安全・治安
産業・生活のコスト
ビジネスのしやすさ
経済的影響力
4 ゲートウェイ機能
2
14
8
21
交通・インフラ
16
健康・安全・治安
持続可能性と自然環境
シドニー
ソウル
知的資本・イノベーション
知的資本・イノベーション
産業・生活のコスト
技術の成熟度
8
12
経済的影響力
4 技術の成熟度
13
人口構成・住みやすさ 5
持続可能性と自然環境
ビジネスのしやすさ
14
13
13
ゲートウェイ機能
ビジネスのしやすさ
25
13
人口構成・住みやすさ
産業・生活のコスト
10
14
交通・インフラ
1
1
2
健康・安全・治安
持続可能性と自然環境
経済的影響力
12
1
9
12
人口構成・住みやすさ
技術の成熟度
12
22 23
3
17
ゲートウェイ機能
交通・インフラ
健康・安全・治安
持続可能性と自然環境
Cities of Opportunity 6 | 9
領域別サマリー − 知的資本・イノベーション
3位となったサンフランシスコは起業環境
響し合い、高度人材の集積やイノベーショ
ランシスコがランクインする結果となった。 で1位を獲得し、さらに高等教育修了者
ン環境の向上につながっていると考えら
パリが1位、2位にロンドン、3位にサンフ
パリは1位を獲得した指標はないものの、
どの指標も総じて上位にランクインしてお
れる。
の割合とイノベーション都市指数において
2位を獲得している。
知的資本に対する投資は、社会全体の活
性化につながると言っても過言ではなく、
り、総合的な競争力で他都市を上回った。 「知的資本・イノベーション」領域におけ
2位のロンドンは、世界大学ランキングで
1位を獲得しており、世界的に著名な学
術機関の集積が、その競争力に影響を与
えていると考えられる。
る競争力は、単にテクノロジーの進歩や、 本領域で上位にランクインしている都市
社会/経済成長の度合のみで決まるもの
の多くは、
「人口構成・住みやすさ」領域
ではない。文化の成熟や生活の質におけ
の赴任地として魅力的な都市の指標にお
る向上など、さまざまな側面が互いに影
いても上位にランクインしている。
領域別サマリー − 知的資本・イノベーション
数学/科学の
学習到達度
公共図書館
識学率と生徒・
学生在籍者数1*
高等教育修了者
の割合
30
パリ
29
20
29
ロンドン
28
21
28
サンフランシスコ
27
ストックホルム
26
トロント
25
ニューヨーク
24
ロサンゼルス
23
シドニー
22
シカゴ
21
東京
20
ベルリン
19
ソウル
12
27
18
香港
13
28
17
シンガポール
16
マドリード
15
上海
14
15
ミラノ
15
13
モスクワ
12
ドバイ
11
北京
10
メキシコシティ
9
クアラルンプール
8
ブエノスアイレス
7
ヨハネスブルグ
6
イスタンブール
5
サンパウロ
11
5
12
6
4
リオデジャネイロ
10
5
12
7
3
ムンバイ
1
2
ジャカルタ
2
2
ナイロビ
24
20
21
18
23
25
17
24
30
17
6
15
8
29
9
27
19
5
30
18
18
20
16
9
7
10
7
2
8
4
3
13
1
5
1
6
15
1
21
10
10
4
6
3
4
7
4
1
5
2
19
5
4
16
4
3
2
9
98
10
96
10
94
11
75
10
73
12
72
13
68
7
4
61
7
5
55
8
10
3
2
35
3
30
1
30
各都市の総合点(30 ~ 204点)は、この領域に含まれる指標ごとのランキングスコアを全て合計したもの。上記の順位は、当該スコア合計値に基づきラ
ンキングしている。従って、スコアが大きいほど高順位となる。
高
1 世界銀行が発行する「The Knowledge Economic Index(KEI)」は、各対象国において新しい知識を導入・普及させる力を評価しており、各対象国における知識レベルの向上ポ
テンシャルを示す指標である。世界銀行では、教育と人材、イノベーションの仕組み、情報通信テクノロジーの3分野において各国の競争力を評価した上で、その平均値をKEIスコア
として算出している。「教育と人材」分野の競争力は、成人の識字率、中等教育の在籍者数、高等教育の在籍者数により評価している。
低
10 | Cities of Opportunity 6 | PwC
117
106
20
9
5
117
16
12
148
121
10
6
13
7
18
2
162
158
23
9
174
161
16
12
12
2
16
30
181
172
20
26
15
4
13
6
10
11
8
17
13
19
8
14
3
1
11
20
27
16
4
11
182
25
14
14
190
186
27
17
192
28
23
8
195
19
23
15
9
6
5
13
23
5
25
8
16
12
13
9
27
12
16
12
3
15
24
19
20
17
19
26
29
24
27
10
200
19
19
26
17
204
30
22
18
14
18
23
21
24
21
23
総合点
25
25
25
起業環境
19
30
29
21
29
29
22
24
19
23
28
26
24
21
26
28
27
22
18
14
知的財産の保護
29
22
25
22
7
20
17
17
25
30
26
22
19
21
22
23
30
29
28
11
24
28
27
26
26
イノベーション
都市指数
28
17
17
30
世界大学
ランキング
中
国レベルのデータ
*
領域別サマリー − 技術の成熟度
ロンドンが1位、2位にソウル、3位にストッ
ンターネット接続において特に高い評価
な結果が表れたのは学校のインターネッ
クホルムがランクインした。
を得た。
ト接続である。この指標では東京とパリ
ロンドンはソフトウェア開発とマルチメ
ストックホルムも総合的に高い評価を得
ディアデザインにおいて1位を獲得し、そ
ており、特にデジタル経済の評価では1位
がそれぞれ16位、20位と比較的低い結
果となっており、
「知的資本・イノベーショ
ン」領域におけるこれら都市の潜在能力
の他の指標でも高い競争力を示している。 を獲得している。
を鑑みると、不釣合いであるようにうかが
ソウルはブロードバンドの品質と学校のイ 「技術の成熟度」領域において、最も意外
える。
領域別サマリー − 技術の成熟度
ブロードバンドの品質
学校のインターネット接続
30
ロンドン
30
ソウル
28
ストックホルム
27
香港
26
ニューヨーク
22
25
サンフランシスコ
22
24
ロサンゼルス
22
23
シンガポール
22
シカゴ
21
東京
20
パリ
19
ベルリン
18
トロント
17
シドニー
16
クアラルンプール
15
マドリード
14
ミラノ
13
ドバイ
12
モスクワ
11
北京
11
ブエノスアイレス
9
上海
8
ムンバイ
7
ヨハネスブルグ
6
ジャカルタ
5
イスタンブール
5
メキシコシティ
3
サンパウロ
3
2
リオデジャネイロ
3
1
ナイロビ
デジタル経済1*
28
30
27
30
21
27
27
24
30
28
22
11
14
16
24
5
20
18
18
18
8
1
10
3
40
11
12
35
12
1
33
14
7
7
44
7
8
5
44
15
5
13
52
11
7
10
57
21
5
4
58
17
2
10
8
6
10
6
28
4
10
4
32
3
11
2
1
60
13
14
9
62
7
15
3
12
71
21
16
25
23
73
5
13
13
74
11
23
12
75
16
22
17
84
24
18
15
26
86
28
17
26
91
21
19
23
93
25
29
15
96
23
25
14
98
29
29
11
25
100
26
29
19
22
105
23
29
16
107
107
21
25
21
30
総合点
20
29
29
6
ソフトウェア開発と
マルチメディアデザイン
28
8
23
2
19
1
14
各都市の総合点(14 ~ 107点)は、この領域に含まれる指標ごとのランキングスコアを全て合計したもの。上記の順位は、当該スコア合計値に基づきラン
キングしている。従って、スコアが大きいほど高順位となる。
高
1 各都市の政府は、当該ランキング結果を参照し、技術・テクノロジー分野に係る政策や取り組みの成果を確認することができる。同時に、グローバルで投資や取引を行う企業にとっ
ても、ICTビジネスにおいてポテンシャルの高い都市を特定する上で、参考になり得る指標と言える。
低
国レベルのデータ
*
中
Cities of Opportunity 6 | 11
領域別サマリー − ゲートウェイ機能
ロンドンが1位、2位に北京、3位にシン
北京は定刻出発便で最下位となったもの
ガポールがランクインし、上位5都市はロ
の、他の指標では 総じて高く、特に宿
ンドンを除き、全てアジアの都市となった
泊施設の客室数や空港から中心業務地
(4位タイ:東京、香港)。
議数においても高い競争力を有している。
「ゲートウェイ機能」は、
「人口構成・住み
やすさ」領域を補完する要素として、前
区(CBD)へのアクセスにおいて高評価と
回の2012年レポートより追加された領域
なった。
ロンドンは観光客数や空港での乗降数で
特に高い評価を得ている。
である。都市の国際性に加えて、観光客
シンガポールは上位100空港の指標で1位
の誘致力など、世界から見た「魅力度」
を獲得し、海外からの観光客数や国際会
の評価を試みている。
領域別サマリー − ゲートウェイ機能
宿泊施設の客室数
30
ロンドン
29
北京
28
シンガポール
27
香港
27
東京
25
マドリード
24
パリ
23
ドバイ
22
上海
22
ニューヨーク
20
クアラルンプール
10
19
ソウル
9
18
シドニー
17
ベルリン
16
イスタンブール
15
サンフランシスコ
14
ロサンゼルス
13
トロント
12
モスクワ
11
ストックホルム
10
ヨハネスブルグ
9
シカゴ
9
ミラノ
7
メキシコシティ
6
サンパウロ
5
ブエノスアイレス
4
ジャカルタ
3
ムンバイ
2
リオデジャネイロ
1
ナイロビ
海外からの
観光客数
国際会議数1
空港での乗降数
28
26
29
26
21
15
29
23
27
24
24
22
30
22
28
26
19
13
9
18
19
12
18
7
29
25
14
14
7
27
20
16
13
20
19
4
6
12
22
4
1
6
5
12
18
2
7
6
3
9
13
10
21
5
2
4
8
14
5
6
1
22
11
9
93
27
93
9
28
88
16
11
9
76
68
7
58
20
9
9
94
9
9
2
96
30
9
6
98
97
9
4
105
22
18
9
2
21
3
4
16
1
8
26
21
4
14
27
26
15
5
15
3
16
109
17
17
12
2
8
11
4
11
111
15
9
11
119
113
5
18
9
8
17
3
22
17
7
20
25
11
125
26
23
10
23
131
17
10
16
2
10
1
20
137
13
21
9
24
14
29
20
5
137
24
15
141
2
13
25
19
143
19
23
151
148
6
19
18
13
23
25
21
29
151
29
12
30
24
153
8
16
20
18
27
13
27
9
156
24
26
29
15
172
1
28
15
14
10
12
27
25
30
23
25
30
17
28
総合点
定刻出発便
12
17
16
上位100空港
28
15
20
11
21
25
28
30
25
30
25
空港から中心業務
地区(CBD)への
アクセス 2
25
11
3
57
51
34
各都市の総合点(34 ~ 172点)は、この領域に含まれる指標ごとのランキングスコアを全て合計したもの。上記の順位は、当該スコア合計値に基づきランキングしている。
従って、スコアが大きいほど高順位となる。
高
1 各都市で2007年~ 2012年の間に、周期的あるいは3カ国以上のローテーションベースで開催された国際会議件数の累計。データ提供はInternational Congress and Convention Association。
低
2 各都市で最も利用者の多い空港の国際線ターミナルから、都市の中心市街地(CBD)までの公共交通機関による移動の容易性を測るもの。鉄道による直通線は、高速バスよりも高い評価としている。
また鉄道については、乗り換え回数が少ないほど評価が高くなる。
12 | Cities of Opportunity 6 | PwC
中
領域別サマリー − 交通・インフラ
シンガポールが1位、トロントが2位、ブエ
構成・住みやすさ」領域における「交通渋
公共交通運賃の安さや認可タクシー台数
ノスアイレスとソウルが3位タイという結
滞」および「通勤のしやすさ」の指標でそ
の多さによるところが大きいが、2013年
果になった。
れぞれ13位・12位と平均並みとなっており、 に100周年を迎えた同市のメトロシステム
シンガポールは公共交通の運賃において
やや低い結果となったものの、その他の
指標においては総じて高い競争力を示し
ました。
地域間交通においてはまだ十分に効率
は中南米の地下鉄で最も長い運営実績を
的なシステムが確立されていない可能性
誇り、また世界最大幅の大通りである「7
がある。大型建設案件や住居インフラに
月9日通り」を有するなど、長期にわたっ
おいては高い評価を獲得した。
て同市が基礎インフラに投資を行ってき
ブエノスアイレスの3位ランクインは意外
2位のトロントは、公共交通システムにお
な結果と言える。高順位となった要因は、
いて1位を獲得しているが、一方で「人口
た成果が、少なからず表れていると考え
られる。
領域別サマリー − 交通・インフラ
大量輸送機関の
普及率 2
公共交通システム1
公共交通の運賃
30
シンガポール
29
トロント
28
ブエノスアイレス
28
ソウル
26
パリ
25
ロンドン
25
マドリード
23
ストックホルム
28
28
22
ベルリン
28
27
21
ドバイ
20
東京
19
クアラルンプール
18
モスクワ
17
香港
16
メキシコシティ
15
ニューヨーク
14
上海
13
シカゴ
13
ミラノ
11
北京
10
サンフランシスコ
9
ムンバイ
8
サンパウロ
7
7
リオデジャネイロ
6
6
シドニー
5
ジャカルタ
4
ロサンゼルス
11
3
イスタンブール
11
2
ヨハネスブルグ
1
ナイロビ
21
28
30
14
20
17
16
3
5
20
25
16
7
14
10
16
24
11
17
12
27
16
29
3
25
7
9
17
6
3
11
1
7
1
2
80
79
28
22
6
23
7
6
3
13
83
30
24
2
21
87
7
17
30
10
87
9
23
4
89
2
29
24
3
3
26
16
2
90
25
12
18
5
91
11
7
19
91
17
9
8
19
94
22
4
19
4
95
13
11
18
13
98
20
20
10
99
7
18
20
24
101
17
16
5
8
18
30
103
3
19
28
104
11
21
107
105
19
15
13
12
24
12
15
8
111
28
30
28
24
18
112
21
10
26
112
18
5
22
22
114
23
13
20
118
115
17
9
15
5
3
26
139
115
13
23
16
24
8
28
12
11
16
9
14
15
8
1
25
1
28
14
27
4
24
4
29
9
26
30
27
22
30
20
12
25
29
28
総合点
住居
7
23
30
大型建築案件数
21
6
17
24
3
正規認可タクシー
の台数
74
70
17
1
43
31
各都市の総合点(31 ~ 139点)は、この領域に含まれる指標ごとのランキングスコアを全て合計したもの。上記の順位は、当該スコア合計値に基づきランキングしている。
従って、スコアが大きいほど高順位となる。
高
1 Mercer社が発行する「Quality of Living 2013」報告書による、各都市の公共交通ネットワークの効率性、信頼性、安全性に対する評価スコアを参照。加えて、交通機関の多様性に対する評価を
これに反映するため、異なる交通手段(地下鉄、バス/ BRT、タクシー、ライトレール、トラム/トローリー/路面電車、通勤電車、自転車シェリング)の存在ごとにポイントを加算した総合スコアを使
用している。なお、交通の混雑状況や通勤の容易性については、
「人口構成・住みやすさ」領域において、別途指標を設け評価している。
低
中
2 各都市における開発済みまたは開発可能な土地面積100平方キロメートルあたりに占める大量輸送機関の線路(キロメートル)整備状況により評価。
Cities of Opportunity 6 | 13
領域別サマリー − 健康・安全・治安
1位にストックホルム、2位にシドニー、3位
シドニーも病院および医療関連雇用が充 「健康・安全・治安」領域では、先進国
にトロントがそれぞれランクインした。
実しており、また終末期医療を受ける環
都市がランキングの上位を占めている。一
境としても高い競争力を有している。
定程度の裕福さと社会の安定性が、同領
ストックホルムはいずれの指標でも評価
が高く、病院および医療関連雇用と、政
トロントも全体的に高い順位につけてい
治環境の安定性が高く評価されている。
るが、政治環境において特に優れている
域の競争力に大きく影響を与えるものと
考えられる。
という結果になった。
領域別サマリー − 健康・安全・治安
病院および医療関連雇用
30
ストックホルム
29
シドニー
29
トロント
27
ベルリン
26
サンフランシスコ
25
シカゴ
25
ロンドン
25
シンガポール
22
ニューヨーク
21
パリ
20
東京
19
ミラノ
18
ロサンゼルス
17
マドリード
16
ドバイ
15
香港
14
ソウル
13
上海
12
ブエノスアイレス
11
クアラルンプール
10
メキシコシティ
9
ヨハネスブルグ
8
北京
7
サンパウロ
6
イスタンブール
5
リオデジャネイロ
4
モスクワ
3
ムンバイ
2
ジャカルタ
1
ナイロビ
医療システム1*
終末期医療 2*
29
犯罪件数3
28
28
21
21
25
27
30
27
18
27
24
22
29
27
21
30
17
27
18
7
12
10
19
9
15
20
14
5
14
15
3
11
11
6
4
4
3
1
5
6
37
4
35
10
7
32
8
11
5
33
2
12
5
2
51
42
1
1
2
52
14
8
10
5
53
14
5
3
11
7
9
10
4
58
11
2
8
7
59
15
4
1
79
6
13
9
86
14
9
12
10
17
21
8
98
91
30
6
30
3
25
1
15
各都市の総合点(15 ~ 132点)は、この領域に含まれる指標ごとのランキングスコアを全て合計したもの。上記の順位は、当該スコア合計値に基づきラ
ンキングしている。従って、スコアが大きいほど高順位となる。
高
1 各国の平均寿命および1人あたりのヘルスケア関連支出額、平均的な教育年数(教育年数が先進国/途上国を問わず、人口の健康状態に影響することが証明されている)により
評価。
低
2 各国における終末医療の現状と、一般的な医療環境、医療アクセス、コスト、品質により評価。
3 Mercer社が発行する「Quality of Living 2013」による犯罪スコア(50%)と、都市人口10万人あたりの殺人発生件数(30%)、都市の安全性に対する市民の意識に基づく全般的
な犯罪スコア「Numbeo Crime Index」
(20%)を組み合せた総合スコアにより評価。
14 | Cities of Opportunity 6 | PwC
100
10
20
105
103
17
27
8
9
24
22
13
14
108
23
18
20
110
27
8
19
14
112
26
19
15
19
112
28
27
26
112
16
16
18
113
23
17
128
23
19
15
130
23
19
29
22
3
16
17
27
23
24
14
20
18
29
18
132
130
28
23
30
15
26
25
28
18
30
26
27
24
総合点
24
29
25
24
政治環境
中
国レベルのデータ
*
領域別サマリー − 持続可能性と自然環境
ストックホルムが1位、シドニーが2位、3位
得し、気温の快適さにおいても優れた環
ることがそもそも難しい上に、関連する
にベルリンがランクインした。
境にある。
各国の公共政策を見ても、地理や人口、
冬の気候が厳しいストックホルムにおい
ベルリンは廃棄物リサイクルや自然災害リ
て、気温の快適さ指標が劣るのは致し方
スクの低さで特に突出する結果となった。
ないが、その他の指標では同市の評価は
経済規模などの違いなどから、画一的な
「持続可能性と自然環境」は、他の領域
いずれも極めて高い結果となった。
トにおいても、この領域の指標や情報
ソースには繰り返し変更を加えており、今
と比較しても特に定量評価が難しい分野
シドニーは大気汚染度の指標で1位を獲
内容にはなっていない。このため本レポー
後も世界の都市動向を踏まえながら、更
である。
“持続可能性とは何か”を定義す
新を図っていくことになると思われる。
領域別サマリー − 持続可能性と自然環境
気温の快適さ1
自然災害のリスク
30
ストックホルム
30
シドニー
28
ベルリン
28
パリ
26
サンフランシスコ
25
トロント
24
シカゴ
24
ロサンゼルス
24
モスクワ
21
マドリード
20
ニューヨーク
19
ミラノ
18
ブエノスアイレス
17
ロンドン
16
ナイロビ
15
メキシコシティ
15
シンガポール
13
リオデジャネイロ
12
東京
11
サンパウロ
10
北京
10
香港
8
イスタンブール
8
ソウル
6
ヨハネスブルグ
6
ムンバイ
4
クアラルンプール
3
上海
2
ジャカルタ
1
ドバイ
29
廃棄物のリサイクル 2
大気汚染度
7
29
16
27
28
16
24
25
22
9
28
30
19
16
13
22
10
18
23
21
17
16
29
5
4
22
1
11
23
1
7
21
6
11
27
27
7
14
5
16
3
14
4
61
7
57
11
16
17
2
61
12
1
9
57
8
3
55
5
5
46
16
13
63
63
2
8
23
1
4
4
5
6
21
16
6
12
10
64
21
21
70
69
3
2
19
21
9
14
10
3
71
24
25
74
71
10
6
13
25
16
13
21
2
21
21
79
26
15
16
82
6
7
12
89
84
15
19
3
30
21
18
17
96
91
27
11
11
9
17
23
15
16
96
28
21
112
96
20
13
8
116
106
14
22
19
26
19
28
24
6
25
29
20
2
116
29
28
121
121
22
18
26
8
23
25
28
9
30
30
30
25
総合点
26
25
11
28
公園の面積
1
42
37
各都市の総合点(37 ~ 121点)は、この領域に含まれる指標ごとのランキングスコアを全て合計したもの。上記の順位は、当該スコア合計値に基づきランキングしている。
従って、スコアが大きいほど高順位となる。
高
1 気温の快適さは、最適室温(摂氏 22.2度と設定)からの平均偏差により評価。1月、4月、7月、10月における平均気温と夕方の湿度を組み合せ算出された体感気温と最適室温の温度差をそれぞ
れ算出し、これを平均した値に基づき評価。
低
中
2 前回(2012年)のレポートより、定義を変更。リサイクルされたごみ量に限らず、ごみ処理場から再利用(例:廃棄物発電)の用途に転換された全てのごみを対象としている。
Cities of Opportunity 6 | 15
領域別サマリー − 人口構成・住みやすさ
シドニーが1位を獲得し、2位にロンドン、 ては、ロンドンが1位を獲得しており、ま
計15,000名(各都市で就労するPwC職
3位にサンフランシスコがランクインした。 た同市は、文化的な活気においても高い
員のおよそ20%に相当)を対象としたアン
競争力を示している。
ケート調査(2013年実施)を取り入れた。
において低い結果となったが、その他の
サンフランシスコも赴任地として魅力的な
アンケートを反映した指標は、
「通勤のし
指標では極めて高く、特に生活の質や赴
都市の指標に加え、通勤のしやすさなど
やすさ」と「赴任地として魅力的な都市」
任地として魅力的な都市で高い評価を得
で高く評価された。
の二つで、各都市に実際に居住している
高齢化が進むシドニーは、生産年齢人口
ている。
住みやすさを測る指標として、今回より
赴任地として魅力的な都市の指標につい
新たに、対象都市に居住するPwC社員
彼らが感じる通勤のしやすさと、移住先
として魅力を感じる都市を挙げている。
領域別サマリー − 人口構成・住みやすさ
生活の質
文化的な活気1
30
シドニー
29
ロンドン
28
サンフランシスコ
27
ベルリン
26
香港
26
シンガポール
24
パリ
23
ストックホルム
17
22
トロント
18
21
シカゴ
21
ニューヨーク
19
ドバイ
18
マドリード
17
ロサンゼルス
26
16
東京
25
15
ミラノ
14
上海
7
9
13
クアラルンプール
6
10
12
ヨハネスブルグ
11
モスクワ
10
北京
9
ソウル
8
ブエノスアイレス
8
リオデジャネイロ
6
ナイロビ
5
メキシコシティ
4
イスタンブール
4
サンパウロ
2
ジャカルタ
1
ムンバイ
生産年齢人口
24
29
29
29
18
26
27
25
21
19
27
8
29
11
21
25
22
12
26
19
20
9
27
12
9
30
15
11
14
14
24
9
17
5
14
4
22
1
20
7
3
9
65
64
2
63
11
6
6
65
14
5
10
2
67
13
2
8
6
15
2
3
1
14
8
14
70
10
5
23
27
77
1
15
22
79
7
17
2
80
9
4
11
6
1
3
6
10
8
2
15
85
8
7
7
91
12
12
59
6
59
1
35
3
25
各都市の総合点(25 ~ 142点)は、この領域に含まれる指標ごとのランキングスコアを全て合計したもの。上記の順位は、当該スコア合計値に基づきラ
ンキングしている。従って、スコアが大きいほど高順位となる。
高
*
中
**
1 レストランの質と多様性、演劇やミュージカルの公演数、映画館数、
「Zeitgeist(時代精神)」、ウェブサイトを有する美術館・博物館数といった各要素をウェイト付けして、総合的
に評価。「Zeitgeist(時代精神)」の評価では、文化、社会、経済面が考慮されている。
低
2 各対象都市に所在するPwCオフィスの従業者を対象としたアンケート調査結果を反映。従業者は自らの通勤の容易性について、1点(極めて困難)~ 10点(極めて容易)までの
点数を回答している。
3 各対象都市に所在するPwCオフィスの従業者を対象としたアンケート調査結果を反映。従業者は、対象都市の中で、就労のため移住したい上位3都市を回答している。
16 | Cities of Opportunity 6 | PwC
98
96
17
16
23
24
13
4
18
19
101
19
13
21
8
14
9
119
108
21
25
16
28
15
4
13
1
119
29
20
9
4
123
20
24
128
126
23
23
3
133
22
26
13
11
133
16
19
19
136
24
26
30
141
135
13
18
11
16
6
17
142
23
22
29
23
30
30
16
18
25
6
30
27
29
15
17
28
20
28
23
28
30
23
25
28
21
13
13
24
総合点
赴任地として
魅力的な都市3**
27
26
19
15
通勤のしやすさ2**
5
17
23
交通渋滞
国レベルのデータ
PwCオフィス従業
者アンケート調査
領域別サマリー − 経済的影響力
ロンドンが1位、2位に北京、3位にニュー
成長率が対象都市中1位となり、生産性
をかけて富を築いてきた都市であり、
「影
ヨークが続いた。
は低いものの、世界トップ500企業の本
響力」というものが、短期間で急速に得
社が多数立地するなど、高い経済的影響
られるものではない点を物語っている。
先進国であるロンドンは、GDP成長率で
力が評価されている。
は劣るものの、その他の指標において極
なお、本領域で評価される都市は単なる
めて高い評価となり、特に海外からの直
ニューヨークはロンドン同様、成長率が
行政拠点などではなく、あくまで商業、
接投資や金融・ビジネスサービス業の雇
低い一方で、生産性や世界トップ500企
投資、生産などにおけるグローバルハブ
用数で高く、資金と高度人材の集積がう
業の本社数が極めて高い評価となった。
として、都市の潜在力を経済力へと転換
かがえる。
させることに成功してきた都市となってい
「経済的影響力」領域で上位となった都市
逆に新興国を代表する北京では、GDP
る。
はいずれも、歴史の中で非常に長い時間
領域別サマリー − 経済的影響力
金融・ビジネスサービス業
の雇用
世界トップ500企業の
本社数
30
ロンドン
29
北京
28
ニューヨーク
27
パリ
26
上海
25
シンガポール
14
24
サンフランシスコ
14
23
香港
22
トロント
21
東京
20
モスクワ
19
ソウル
18
シドニー
17
ミラノ
14
16
シカゴ
14
16
ロサンゼルス
14
マドリード
14
ストックホルム
12
クアラルンプール
11
ドバイ
11
ムンバイ
9
ベルリン
8
サンパウロ
7
メキシコシティ
6
イスタンブール
5
リオデジャネイロ
4
ヨハネスブルグ
5
3
ジャカルタ
5
2
ブエノスアイレス
5
1
ナイロビ
5
26
海外からの直接投資1
生産性 2
28
29
29
27
27
24
30
14
26
22
30
25
21
17
18
9
24
14
18
17
17
7
19
1
9
60
23
59
22
58
18
5
7
1
61
19
6
4
10
64
4
5
73
9
8
10
53
27
14
1
76
73
4
9
16
8
24
25
8
3
14
77
26
2
17
7
77
5
15
14
9
78
12
27
20
78
21
1
25
5
9
19
6
2
19
81
10
28
15
9
82
2
27
20
84
7
4
17
9
20
21
17
86
13
2
16
20
10
14
25
88
15
20
30
90
6
13
15
91
8
24
24
92
17
22
105
95
16
22
11
23
20
16
14
6
23
5
18
30
13
24
107
29
3
115
114
3
11
29
29
14
26
総合点
118
30
29
12
19
12
3
21
26
23
23
26
23
28
実質国内総生産(GDP)
成長率 3
11
50
47
28
36
各都市の総合点(36 ~ 118点)は、この領域に含まれる指標ごとのランキングスコアを全て合計したもの。上記の順位は、当該スコア合計値に基づきランキングしている。
従って、スコアが大きいほど高順位となる。
高
1 各都市におけるグリーンフィールド事業件数(新規雇用を生む事業)と、外国直接投資(FDI)によるグリーンフィールドの資本投資額(米ドル)合計を組み合わせて評価。
低
中
2 生産性は、各都市の2013年における総生産(GDP)
(米ドル)を就労人口で除した値により評価。
3 2012年~ 2014年におけるGDP年平均成長率(2013年米ドル建て)。
Cities of Opportunity 6 | 17
領域別サマリー − ビジネスのしやすさ
シンガポールが1位を獲得し、2位に香港、 の積極的な政策展開の成果とも言える。
て高い競争力を示しているが、唯一、入
3位にニューヨークが続いた。
国のしやすさで低評価となっている。こ
香港は3指標において2位を獲得してお
本領域におけるシンガポールのプレゼン
り、シンガポール同様に企業誘致に長け
スは圧倒的で、8指標中、3指標におい
た特性が表れている。
て1位を獲得し、2指標において2位を獲
得している。企業誘致に向けた同国政府
の点は他の米国都市(ロサンゼルス、シ
カゴ、サンフランシスコ)も同じ結果であ
り、米国政府の査証制限による、グロー
ニューヨークは人事・労務管理リスクの
バル競争力への影響が懸念される。
低さで1位を獲得し、他の指標でも総じ
領域別サマリー − ビジネスのしやすさ
破綻処理
体制***
起業の
しやすさ1***
30
シンガポール
28
29
香港
27
28
ニューヨーク
26
27
トロント
26
ロンドン
22
25
ロサンゼルス
23
24
シカゴ
24
サンフランシスコ
22
ソウル
21
ストックホルム
16
20
クアラルンプール
16
19
東京
18
シドニー
17
パリ
16
ベルリン
15
メキシコシティ
14
マドリード
13
ヨハネスブルグ
12
ドバイ
11
ミラノ
10
北京
9
イスタンブール
9
サンパウロ
7
モスクワ
6
上海
5
リオデジャネイロ
4
ジャカルタ
2
3
ムンバイ
1
2
ナイロビ
1
ブエノスアイレス
雇用に関する
規制 2***
29
26
21
24
25
29
入国のしやすさ: 大使館・領事館3
査証が免除され
ている国数*
30
17
30
28
27
29
25
25
28
9
25
25
27
9
26
17
30
30
9
19
25
18
17
16
9
21
23
15
5
4
12
12
5
11
3
24
1
20
5
7
3
22
7
8
9
2
9
13
19
134
6
126
15
108
21
11
13
3
10
5
12
3
8
3
4
5
98
97
79
77
10
8
100
79
8
8
124
9
6
18
16
18
10
18
5
12
142
25
13
11
18
3
19
4
3
4
146
24
12
8
151
20
11
3
158
156
17
27
11
4
5
14
18
13
26
3
16
8
160
22
15
11
5
19
29
18
28
24
16
17
8
21
10
167
15
1
3
5
23
22
2
7
167
24
8
1
17
19
3
9
11
3
11
14
25
172
26
18
22
173
26
24
8
15
22
13
6
13
17
182
27
24
11
25
194
26
13
30
197
24
20
12
219
28
19
28
19
16
6
9
10
26
19
28
30
総合点
26
20
15
29
25
24
18
23
28
6
19
21
21
14
14
18
27
13
20
11
8
21
30
29
22
6
11
13
10
29
10
17
30
29
28
26
9
オペレーショナル 人事・労務管理
リスク環境*
リスク
26
14
1
29
19
24
14
25
20
13
9
15
株主の保護4***
72
71
70
7
66
2
1
62
1
2
51
各都市の総合点(51 ~ 219点)は、この領域に含まれる指標ごとのランキングスコアを全て合計したもの。上記の順位は、当該スコア合
計値に基づきランキングしている。従って、スコアが大きいほど高順位となる。
高
*
中
1 中小企業のライフサイクルに影響する各種規制を対象とし、各手続に必要となる最低時間を1日と見なして評価。実際には複数の手続きが同時並行に行われる
可能性がある点に留意。
低
その国の中で最も人口が多い
都市のデータに基づく。ただし、
雇用に関する規制と起業のしやす
さについては米国内の都市につい
て異なるデータを利用している
2 世界銀行が発行する「Doing Business 2013」における、労働者 1 人あたりの平均付加価値額に対する最低賃金の比率と、人員削減による解雇の事前通告期
間(勤続 10 年の労働者の場合を対象とし、単位は給与が支払われる週数)、勤続 20 年の労働者の年間有給休暇日数(就労日数ベース)の3指標におけるスコア
を足し合わせた値により評価。
3 大使館、領事館および名誉総領事オフィスを含む。
4 「The Strength of the Investor Protection Index」は、取引の透明性、私的金融取引に対する法的責任、役員および取締役の不正行為に対する株主の訴訟能
力を評価する指数の平均値。
18 | Cities of Opportunity 6 | PwC
国レベルのデータ
***
領域別サマリー − 産業・生活のコスト
ロサンゼルスが1位となり、2位にシカゴ、 シカゴも、ロサンゼルスに劣るものの、 えて、各都市の収入レベルを測る指標と
3位にヨハネスブルグがランクインした。
おおむね類似した傾向を有している。
ロサンゼルスは総合的公的負担率や生活
一方、ヨハネスブルグは、購買力が劣る
費においては平均並みであるものの、購
一方で、総合的公的負担率やオフィスの
買力が特に高く、オフィスの賃貸料など
賃貸料、生活費が安く、コスト効率の高
もリーズナブルであるという結果となって
い様子がうかがえる。
いる。
して、iPhone購入のために必要な労働
時間数と、購買力を設定している。ただ
単に安ければ競争力が高いというわけで
はなく、コストと給与水準の両方を鑑み、
より効率性・生産性が高い都市が評価さ
れる仕組みとしている。
本領域では、コスト負担を測る指標に加
領域別サマリー − 産業・生活のコスト
オフィスの賃貸料
総合的公的負担率1
30
ロサンゼルス
29
シカゴ
28
ヨハネスブルグ
27
トロント
26
ドバイ
25
サンフランシスコ
24
ベルリン
23
クアラルンプール
22
ニューヨーク
21
ソウル
20
マドリード
19
シドニー
18
ナイロビ
17
香港
16
ロンドン
15
イスタンブール
15
ジャカルタ
13
ストックホルム
12
シンガポール
11
メキシコシティ
10
東京
9
ミラノ
8
ブエノスアイレス
7
パリ
6
ムンバイ
5
モスクワ
4
上海
3
サンパウロ
2
リオデジャネイロ
1
北京
生活費2
19
iPhone購入のために
必要な労働時間数3
27
17
18
25
25
30
28
22
12
12
7
19
23
26
1
3
3
5
24
20
11
18
27
19
1
7
8
2
2
23
9
13
6
12
8
6
57
53
12
13
59
58
11
20
61
23
3
16
10
64
10
17
9
2
5
30
66
17
22
4
3
67
19
17
22
73
69
4
25
15
6
11
4
3
8
21
14
23
6
75
21
27
76
75
1
4
4
12
1
6
5
5
7
2
22
13
78
22
7
29
11
10
14
23
24
81
79
19
16
83
30
2
15
21
84
20
28
30
93
15
1
18
94
26
15
11
102
95
8
15
24
29
10
30
13
15
25
9
9
103
28
16
28
117
105
18
27
26
26
7
20
120
108
24
24
10
14
16
16
21
17
27
13
8
14
20
29
29
25
21
総合点
27
19
29
28
購買力4
9
5
51
42
40
各都市の総合点(40 ~ 120点)は、この領域に含まれる指標ごとのランキングスコアを全て合計したもの。上記の順位は、当該スコア合計値に基づきランキングしている。
従って、スコアが大きいほど高順位となる。
1 「Paying Taxes 2014」では総合的公的負担率では、計算手法が変更されており、今回は燃料税が反映されていない。全世界において、燃料税を継続的に計算に反映することが困難であるためとし
ている。「Paying Taxes 2014」レポートは(http://www.pwc.com/gx/en/paying -taxes/)で参照可能。
高
2 食料雑貨、レストラン、交通、公共料金などを含む地域別消費財価格に関する相対的指標。相対的指標である消費者物価指数(CPI)には賃料、住宅ローンなどの宿泊費は含まれない。
中
3 iPhone 4S 16GBを購入するために必要な労働時間。商品価格を15種類の職種による時給で除した値に基づき評価。
低
4 国内購買力は、時給についての指標(賃料価格を除く)で示され、純時給を物・サービスのバスケットの費用で除したものである。なお、物・サービスのバスケットには、122の物・サービスが含まれる。
Cities of Opportunity 6 | 19
参考資料:59の指標の詳細
価している。選ばれた都市については、まず
都市ベンチマークデータプログラムから162の
指標に関するデータの抽出が行われる。次に
公共図書館
各ベンチマークデータは、最善の定性分析と
各都市の公共図書館数を総人口で割り、10万 定量統計を用いてアナリストがスコアリングを
を乗じた数。
行う(データが入手できなかった場合には、国
または州の推計値を使用)。その後、データは
数学/科学の学習到達度 *
21のグローバル・トレンドによって、比較考量
経 済 協 力 開 発 機 構(OECD)が15歳 の 生 され、
「Zeitgeist(時代精神)」
(アナリスト信
徒 を 対 象 に 実 施 する 国 際 学 習 到 達 度 調 頼度)要因が加味されたのち、文化資産、人
査(Program for International Student 的インフラ、市場のネットワーク化の三つの要
Assessment:PISA)における数学と科学の 素に集約される。都市は五つの集団(Nexus、
2科目について、成績上位者の得点の平均。 Hub、Node、Influencer、Upstart)に分
成績上位者とは、数学と科学の試験の点数が 類され、
これらのスコアをもとに格付けされる。
上位2レベル(レベル5とレベル6)を達成した NexusとHubの上位33%(および将来的に期
生徒とされる。OECD調査の対象となってい 待がよせられる主要なNode都市)の最終的
ない都市については、可能な限り比較可能な なスコアは、アナリストが 2〜5年の傾向に基
試験の結果を使用している。
づきランク付けを行ったものである。Nodeの
ランキングは、世界的な競争力があると考え
識字率と生徒・学生在籍者数 *
られている。
各国における知識の創出、採用、普及能力
の測定。世界銀行の知識 指数(Knowledge 知的財産の保護 *
Economic Index)は、教育・人材、イノベーショ
世界経済フォーラムの Executive Opinion
ン制度、情報通信テクノロジーの3カテゴリー
Survey 2012にある「偽造防止措置を含む自
の変数について各国のパフォーマンスを正規
国の知的財産保護をどう評価するか(1=非常
化したスコアの平均。
「教育・人材」を構成す
に貧弱、7=非常に堅固)」という質問に対す
る変数は、成人識字率、中等教育の在籍者数、
る主要企業幹部からの回答。本調査は、農業、
高等教育の在籍者数である。UNESCOによ
製造業、非製造業、サービス業における大企
ると、成人識字率とは15歳以上の人口のうち、
業および小規模企業から無作為に抽出された
日常生活における単純な短文を理解して読み
企業を対象に実施された。
書きできる人口割合を指す。
知的資本・イノベーション
Pingtest.netによる直近の数百万回に及ぶテ
スト結果に基づき、世界の消費者のブロード
バンド接続品質の比較・ランク付けを実施す
る。ブロードバンド品質(VOIPやオンライン
ゲームなど、安定した接続環境を要するアプ
リケーションに不可欠)は、接続品質を測定
する業界標準であるR-factorを用いて報告さ
れる。値は過去30日間の平均R-factor値であ
り、サーバーから300マイル以内で得られた
テスト結果のみが対象とされる。
デジタル経済 *
各 国 の 情 報 通 信 技 術(ICT)インフラの 質
と、消費者、企業、政府機関によるその活
用能力について評 価を実 施。データの出所
は Economist Intelligence“Unit Digital
E c onomy R a n k i n g s 2 010 ―B e yond
E-readiness”レポート。国の活動にICTが
活用されるほど、透明性と効率が増加する。
ソフトウェア開発とマルチメディアデザイン
fDi Benchmarkの「Software Development
Centre」と「Multimedia Design Centres」お
よび「The World Bank Knowledge Economy
Index(KEI)」から各都市のスコアを合計し
た。fDi Benchmarkについては、両指数と
も各都市のパフォーマンスについて「品質」を
70%、
「コスト」を30%の按分で評 価してい
る。また、Software Indexは120の品質 競
争力指標で評価。ここではICT(情報通信技
術)の入手可能性と実績、科学者や技術者な
起業環境 *
ど専門職の存在、ベンチャーキャピタルへの
高等教育修了者の割合
グ ローバ ル 起 業 家 精 神 指 数(The Global アクセス、研究開発(R&D)能力、ソフトウェ
大学レベル以上の教育を修了した人口数を総 Entrepreneurship Index:GEINDEX)を アの輸出、ICTインフラの質、ソフトウェア
人口で除したもの。大学レベルの教育とは、 用いた各国の起業に対する姿勢、起業活動、 開発の専門化などが含まれる。Multimedia
米国の学部機関の学士号もしくはそれ以上の 起業意欲の測定。GEINDEXは定量的、定 Design Centre Indexは120の品 質 競 争力
学位に相当する教育を指す。
性的指標や個人レベルのデータなど31の変数 指標で評価し、都市のレジャー・娯楽産業の
規模、その専門性と実績、情報技術インフラ、
を統合したものである。
世界大学ランキング
生活の質、技能提供可能性などが含まれる。
T hom son Reuter s の「T i me s H i g her
世界銀行KEIは、電話、コンピューター、イ
技術の成熟度
Education World University Ranking
ンターネットの三つの変数の1000人当たり普
2013-2014」は、世界の大学について、その
及率を正規化したスコアの単純平均である。
学校のインターネット接続*
核となる教育、研究、知識の移転、国際性に
ついて総合的に評価する唯一の指標である。 世界経済フォーラムの Executive Opinion
ゲートウェイ機能
トップ大学のランク付けには慎重に選ばれた13 Survey 2012にある「自国の学校におけるイ
の評価指標が用いられ、最も包括的でバラン ンターネット接続レベルをどう評価するか(1
宿泊施設の客室数
スの取れた比較が実施される。なお、指標は、 =非常に限定的、7=広範囲)」に対する主要
学生、学識者、大学のトップ、業界および政府 企業幹部からの回答。本調査は、農業、製 各都市の宿泊施設の総客室数。
造業、非製造業、サービス業における大企業
から信頼を寄せられている。
および小規模企業から無作為に抽出された企 海外からの観光客数
イノベーション都市指数
Euromonitor International が 世 界100都
業を対象に実施された。
市で集計した海外からの年間観光客数。実際
「The 2thinknow Innovation CitiesTM」指数
ブロードバンドの品質
にその都市に滞在する観光客の他、素通りの
は、1,540都市の中から健康、富、人口、地理
の基本要素に基づいて選ばれた331都市を評 Ookla社 の 国 際 ブ ロ ード バ ンド 指 標 は、 旅行者も含まれる。
20 | Cities of Opportunity 6 | PwC
国際会議数
1年間に開催された国際会議のうち、定期的
かつ最低3カ国において交代で開催される国
際会議の数。データの出所は国際会議協会
会員。
空港での乗降数
都市の主要空港における乗降客の総数。出発、
到着、乗り換え、乗り継ぎを含む。乗り換え
客と乗り継ぎ客は 2回集計している。乗り継
ぎ客は、異なる空港から航空機で到着し、最
初の目的地(港や空港などの輸送ハブを含む)
を目指して一時的に(通常は1時間)空港に滞
在する乗客を指す。
空港から中心業務地区(CBD)へのアクセス
海外からの旅客が公共交通機関を利用して、
都市の中心業務地区(CBD)と最も利用者の
多い国際空港ターミナルの間を移動する場合
の移動のしやすさ。空港への直通の鉄道の有
無により、都市は二つのカテゴリーに分類さ
れる。すなわち直通の鉄道が整備されている
場合は乗り換えの回数、鉄道が整備されてい
ない場合は空港への公共高速バスサービスの
有無により分類する。直通の鉄道が整備され
ている都市の方が、高速バスサービスがある
都市よりも有利とされる。また、直通鉄道が整
備されている都市でも、乗り換え回数が少な
い都市は多い都市よりもランクが上になる。さら
に、この二つのカテゴリーの中では、平日の
大人片道料金と移動の所要時間をそれぞれ等
しく加重し、順位付けしている。
上位100空港
Skytraxが集計する世界上位100空港ランキ
ングにおける各都市の主要空港のランキング
にもとづき、各都市にスコアが付与される。
定刻出発便
各都市において、2013年5月‐7月の3カ月間
に定刻通り出発したフライトの割合(%)の平
均。
交通・インフラ
公共交通システム
Mercer Quality of Living 2013レポートに
おいて定義・格付けされる交通網の効率性、
信頼性、安全性を反映。地下鉄、バス・高速
バス輸送システム、タクシー、各種路面電車
(ライトレイル、トラム、トローリー、ストリート
カー)
、通勤用鉄道、自転車シェアリングなど
の公共複合輸送システムを有する場合、それぞ
れについて加点される。市内交通手段につき
0.1ポイント付与されることにより、Mercerの
1-10スコア評価の中で都市の差別化が行われ
る。フル運営されている高速バス輸送システム
(BRT)には、
(公共バスシステムに対する0.1
ポイントに加え)0.05ポイントが付与される。
また、陸地に囲まれた都市に不利とならない
よう、フェリーは除外されている。
大量輸送機関の普及率
都市における開発済みまたは開発可能な地域
100平方キロメートルあたりの大量輸送機関
の線路の距離(キロメートル)の比率。開発可
能な地域の面積は、都市の総面積から緑地と
政府の自然保護区域を差し引いたもの。
公共交通の運賃
市内から中心業務地区(CBD)までの公共の
鉄道を利用した場合の最長距離の運賃。鉄
道がない都市は、バスの運賃を適用。
正規認可タクシーの台数
各都市の正規認可タクシーの台数を総人口で
割り、1,000を乗じた数。
大型建設案件数
national econometric analysis"の 手 法を
PwCのGlobal Healthcareチームが採用。
終末期医療(ターミナルケア)*
市民への終末期医療の提供にかかわる各国の
ランキング。基本的な医療環境、医療の受け
やすさ、費用、医療の質を考慮する。EIUの
死の質指数(The Quality of Death Index)
は、基本的な終末期医療の環境、終末期医
療の利用可能性、終末期医療の費用、終末
期医療の質の四つのカテゴリーで各国を評価
する。これらのカテゴリーは、定量的データ、
定性的データ、
「ステータス」のデータを含む
27の変 数 で構成される。指数の合計点は、
指標データを総計、正規化、ウェイト付けして
算出される。
犯罪件数
Mercer Quality of Living 報告書の犯罪ス
コア(50%)、都市総人口10万人当たりの世
界自殺率(30%)、各都市の全体的な犯罪水
準を市民の安心度に基づき予想したNumbeo
Crime Index
(20%)をウェイト付けして算出。
政治環境
国家の他国との関係、国内の安定、法執行、
Emporisデータベースによる各都市の2013年 個人の自由の制限、報 道機関の検閲などを
11月21日時点での「計画」
、
「建設中」の建物 評 価。 デ ータの出 所 はMercer Quality of
数。高層ビル、超高層ビル、低層ビル、ホール、 Living 2013報告書。
スタジアムが含まれる。
住居
供給力、多様性、費用、住宅の質、家庭用電化
製品、家具、メンテナンスと補修に基づく評
価。評価はMercer Quality of Living 2013
報告書による。米国内の都市は、住宅価格の
年次上昇分に基づき区別されている。
健康・安全・治安
持続可能性と自然環境
自然災害のリスク
都市またはその周辺で自然災害が発生するリ
スク。自然災害にはハリケーン、干ばつ、地震、
洪水、土砂崩れ、火山の噴火が含まれる。
気温の快適さ
各都市の総人口の10万人当たりの外国人が医
療を受けられる病院の比率と、人口の10万人
当たりの医療セクターにおける雇用の比率を
総合したスコア。
各都市の最適室温(摂氏22.2度)からの平均
偏差。月次の平均気温と夕方の平均相対湿
度を組み込んだオンラインのツールを利用し、
各都市の 1月、4月、7 月、10月の指数を算出
する。最終的な気温の快適さの評価は、各都
市の月次体感温度と最適室温の差を算出し、
その差の絶対値を平均化することで得る。
医療システム(寿命に対する医療の寄与)*
廃棄物のリサイクル
健康寿命と国民1人当たりの医療支出とを比
較することで、国の医療システムを評価。平
均教育年数で調整(成熟国と新興国共に教
育年数と国民の健康に強い関連性がある)。
2001年 の 報 告 書"Comparative efficiency
of n at ion a l he a lt h s y s t em s: cr o s s-
埋め立て地から分別された固形廃棄物の割
合。
病院および医療関連雇用
大気汚染度
世 界 保 健 機 関(WHO)によるPM10( 粒子
半径10マイクロメートル以下の浮遊粒子状物
Cities of Opportunity 6 | 21
質)の屋 外における大気汚 染 度とNumbeo
Pollution Indexによる全体的汚染度の合計。
WHOの公衆衛生・環境データベースは、都
市部の住民が本物質にさらされる程度を表す。
一方、
Numbeo Pollution Indexは、
調査ベー
スのデータに基づき算出される。Numbeoは
大気汚染に最大のウェイト付けをしており、水
質汚染/アクセシビリティがこれに次ぐ主な
汚染要因とされる。その他の汚染についても
ウェイト付けがされている。
公園の面積
都市の総面積に占める公園や緑地の比率。ア
クセスが困難であったり、公園としての使用
に適さないような、地形の険しい未開発地域
や荒野を除く。
人口構成・住みやすさ
文化的な活気
レストランの質と種類、演劇やミュージカル
の公演数、映画館数「Zeitgeist(時代精神)」
の定義の有無、ウェブサイトのある美術 館・
博物館数といった各要素をウェイト付けして、
総合 的に順 位を決 定。
「Zeitgeist( 時 代 精
神)」の評価では、文化、社会、経済面が考慮
されている。
生活の質
評 価は、社会政治的安定、医療、文化と自
然環境、教育、インフラの五つのカテゴリー
における30以上の変数に基づく。それぞれの
変数につき「満足できる」
「耐えられる」
「不
快」
「望ましくない」
「耐え難い」で各都市を
評 価。定性的指標については、Economist
Intelligence Unitのアナリストと都 市の 関
係者の判断に基づいてスコアリングが実 施
される。定量的指標については、複数の外
部のデータポイントにおける都市の相対 的
な実績に基づき、格付けが算出されている。
デ ー タ はEconomist Intelligence Unitの
Liveabilityランキングを使用。
れている。
通勤のしやすさ**
30の都市に在籍するPwC社員に対する「1-10
スコア評価の中で、自身の通勤をどう評価す
るか(1=困 難、10=容 易)」という質 問への
回 答。 デ ータの 出 所 はPwCの「Employee
Survey」。
赴任地として魅力的な都市**
30の都市に在籍するPwC社員に対する「Cities
of Opportunityの他の29都市の内、最も働き
たい都市上位3都市を挙げよ」という質問への
回 答。 デ ータの 出 所 はPwCの「Employee
Survey」。
経済的影響力
世界トップ 500 企業の本社数
各都市におけるCNN Money Fortune Global
500に含まれる企業の本社数。
金融・ビジネスサービス業の雇用
都市の雇用全体に占める金融サービス業およ
びビジネスサービス業の雇用比率。金融サー
ビス業には「銀行業と金融業」、
「保険業と年
金基金業」、
「補助的金融仲介業」が含まれる。
ビジネスサービス業には、
「不動産業と貸業」、
「IT(情報技術)とコンピューター関連」、
「研
究開発」、
「建築、工学、その他の技術的活動」、
「法律、会計、簿記、監査、税務やコンサルティ
ング」
「広告」
「専門的科学、技術サービスお
よび他に分類できないビジネスサービス」の内
の複数の活動の組み合わせが含まれる。デー
タの出所はOxford Economics。
海外からの直接投資
海外からの直接投資による都市の(雇用を創
出する)新規プロジェクトの件数に、新規資
本投資の合計
(米ドル建て)を加えたもの。デー
タは 、2003年1月から2012年12月のもの。
出所は fDi Intelligence。
生産年齢人口
生産性
都市の総人口に占める15〜64歳の人口の比
率。
2013年の GDP(米ドル建て)を都市の雇用
者数で割って算出。データの出所はOxford
Economics。
交通渋滞
実質国内総生産(GDP)成長率
渋滞の程 度ならびに公共交通システムの近
代性、信頼性、効率性により、各都市の交 2012-2014年 の 米ドル 建 て 実 質2013国 内
通 渋 滞と渋 滞 対 策を評 価。 評 価はMercer 総 生 産(GDP)の成 長 率。 データの出 所は
Quality of Living 2013レポートに基づき、 Oxford Economics。
IBM Commuter Pain Indexを用いて調整さ
22 | Cities of Opportunity 6 | PwC
ビジネスのしやすさ
起業のしやすさ***
起業家が企業の新規設立と登録の際に乗り越
えなければならない官僚制や法制度上の障害
の評価。企業を登録する際に必要となる手続
き数、登録にかかる日数、政府機関に支払う
手数料(国民1人当たり所得に占める比率で提
示)
、法律で義務付けられた法的サービスや専
門家サービスにかかる費用、起業家が登録前
または法人化の3カ月後までに銀行または公証
人に預託する最低資本金の額(国民1人当たり
所得に占める比率で提示)
。データの出所は世
界銀行グループの「2013年版ビジネス環境の
現状」
。米国内の都市は、Thumbtack.comと
Kauffman Foundationの協力による
「United
States Small Business Friendliness 2013
Small Business Survey」に基づき区別され
ている。
破綻処理体制
現行破産法の弱点、破綻処理プロセスにおけ
る主要な手続き上および管理上のボトルネック
を特定。評価スコアの出所は、世界銀行グルー
プの「2013年版ビジネス環境の現状」。
雇用に関する規則
世界銀行の「ビジネス環境の現状2013」調査
による三つの要素の得点合計。三つの要素は、
労働者1人当たりの平均付加価値額に対する
最低賃金の比率、人員削減による解雇の事前
通告期間(勤続10年の労働者の場合を対象と
し、単位は給与が支払われる週数)、勤続20
年の労働者の年間有給休暇日数(就労日数
ベース)。
入国のしやすさ:査証が免除されている国の数*
観光・出張目的の場合に査証なしで入国でき
る国数。生体認証旅券、外交旅券、公用旅券
の所持者だけが査証なしで入国できる国を除
く。
大使館・領事館
各都市に、領事館または大使館を設置してい
る国数。 データの出所はGo Abroad. com.
株主の保護 **
取締役が個人的な利益のために企業の資産
を不正に使用することに対する少数株主の保
護の評価。株主保護指数(The Strength of
the Investor Protection Index)は、
「取引
の透明性」、
「私的金融取引に対する法的責
任」、
「役員および取締役の不正行為に対する
株主の訴訟能力」を評価する指数の平均であ
る。評価スコアは、世界銀行グループの「2013
年版ビジネス環境の現状」から収集。
オペレーショナルリスク環境*
各国における企業の収益性に対するリスクを
定 量的に評 価。評 価は、現状と今後2年の
予想。オペレーショナルリスクモデルは10の
リスク分野 ― 治安、政治的安定、政府機能
の有効性、法律・規制環境、マクロ経済リス
ク、対外貿易と支払いの問題、労働市場、金
融リスク、税務政策、現地のインフラ基準―
を考慮している。モデルは66の変数を使用
し、そのうち約3分の1は定量的な変数であ
る。Economist Intelligence Unit の Risk
Briefingがデータを作成。
Global Office Rents(米ドル建て)。
生活費
食料雑貨、レストラン、交通、公共料金等を
含む地域別消費財価格に関する相対的指標。
相対的指標である消費者物価指数(CPI)に
は賃料、住宅ローン等の宿泊費は含まれない。
データの出所はNumbeo。
iPhone 購入のために必要な労働時間数
iPod Phone 4S(16GB)を購入するために
必 要 な労 働 時 間 数。 デ ータの出 所 はUBS
Prices and Earnings 2012報告書。
購買力
国内購買力は、ニューヨークを100とした場
合の純時給についての指標(賃料価格を除く)
人事・労務管理リスク
で示され、純時給を物・サービスのバスケッ
ランキングは、各都市における採用、雇用、 トの費用で除したものである。なお、物・サー
リストラ、退職、人員削減に関連した人事・ ビスのバスケットには、122の物・サービス
「UBS Prices
労務管理リスクに基づく。リスクは五つの領 が含まれる。データの出所は、
域の30の要因に基づいて評価。五つの領域 and Earnings 2012」。
とは、労働力の供給、経済、社会に関連した
人口動態リスク、人事管理を支援または阻害
するような政策に関連したリスク、特定の都
市における専門職採用に関連した教育リスク、
採用や職業訓練のための資源の質や入手しや
すさに関連した人材開発リスク、雇用慣行に
関連したリスクを指す。スコアが低いほど人
事・労務管理リスク全般が低いことを意味す
る。ランキングの出所はAon Hewitの2013
People Risk Index。
産業・生活のコスト
総合的公的負担率
企業が創業2年目に支払う税金と必須拠出金
の総額が利益に占める割合。総合的公的負
担率は、企業の税負担額の包括的な指標と
なる。データの出所はPwC UKの「Paying
Taxes 2014」
、2012年12月31日期の正確な
税額を示す。
「Paying Taxes 2014」に掲載さ
れていない都市のいくつかについては、PwC
の現地オフィスが別途TTC手法を適用して算
出している。
「Paying Taxes 2014」レポート
は、http://www.pwc.com/gx/en/payingtaxesに掲載されている。
オフィスの賃貸料
A級オフィスの年間総賃貸料を総面積(平方
フィート)で除したもの。総賃貸料には、リー
ス料金、固定資 産税、メンテナンス費、管
理 費 が 含ま れ る。 デ ータの 出 所 は CBRE
* 国レベルのデータ
**各国の最も人口の多い都市に基づくデータ
Cities of Opportunity 6 | 23
お問い合わせ先
野田 由美子
パートナー
プライスウォーターハウスクーパース株式会社
PPP・インフラ部門アジア太平洋地区代表
都市ソリューションセンター センター長(兼務)
[email protected]
長田 英知
シニアマネージャー
プライスウォーターハウスクーパース株式会社
PPP・インフラ部門
都市ソリューションセンター 副センター長(兼務)
[email protected]
野村 奈央
シニアアソシエイト
プライスウォーターハウスクーパース株式会社
PPP・インフラ部門
都市ソリューションセンター(兼務)
[email protected]
24 | Cities of Opportunity 6 | PwC
Cities of Opportunity 6 | 25
www.pwc.com
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本報告書は、PwC Globalが米国Partnership for New York Cityと共同で2014年6月に発行した『Cities of Opportunity 6』をPwC Japanで抜粋翻訳し、加筆したものです。
日本語版はこちらからダウンロードできます。 www.pwc.com/jp/ja/japan-knowledge/report.jhtml
オリジナルはこちらからダウンロードできます。 www.pwc.com/us/en/cities-of-opportunity/index.jhtml
日本語版発刊月: 2014年9月 管理番号:I201406-3
©2014 PwC. All rights reserved.
PwC refers to the PwC Network and/or one or more of its member firms, each of which is a separate legal entity. Please see www.pwc.com/structure for further details.
This content is for general information purposes only, and should not be used as a substitute for consultation with professional advisors.
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