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Provocative thought PwC Australia日本語ニュースレター ~ ~ 1. 新資源税MRRT(Minerals Resource Rent Tax)と移転価格

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Provocative thought PwC Australia日本語ニュースレター ~ ~ 1. 新資源税MRRT(Minerals Resource Rent Tax)と移転価格
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~ PwC Australia日本語ニュースレター ~
1. 新資源税MRRT(Minerals Resource Rent Tax)と移転価格
2011 年 6 月 10 日に、オーストラリア政府は、特定の鉄鉱石や石炭プロジェクトからの利益を課税対象とした新資
源税制「Minerals Resource Rent Tax」 (以下、「MRRT」) に関する公開草案を公表するとともに、同草案の詳細な
解説書も同時に発表した。公開草案の公表は、MRRT を 2012 年 7 月 1 日から導入するための大きなステップと
いえる。
MRRT は、オーストラリア国内の石炭および鉄鉱石の採掘から生じる経済的利用に対して課される税金であり、
その課税標準はプロジェクトから得られる利益とされている。MRRT では、石炭および鉄鉱石以外の鉱物は対象
外とされている。MRRT の主な特徴は、豪州国内の税制であるにもかかわらず、いわゆる移転価格税制の手法
が適用される点である。
次回の公開草案の公表および法案の連邦議会提出は、2011 年度末までに行なわれると見込まれている。
MRRT の影響を受ける納税者は、本税制への対応を検討するため、また、納税者自身の個別事情を法案に反映
させることを目的とした政府への意見書提出についてその必要性を判断するために、本公開草案の詳細レビュー
を行なう、あるいは、専門家に相談するなどの対応が望まれる。
MRRT の対象となる課税収益の計算においては、多くの納税者が移転価格分析を必要とすることが予想される。
本税制の課税収益は、課税ポイントにおける資源の独立企業間価格を基に計算される。課税ポイントは、通常、
資源が採掘された後最初に一時貯蓄される時点(Run-of-Mine、以下、ROM)をいい、すなわち、資源採掘後の下
流プロセスあるいは輸送に入る前の時点を意味する。その理由は、MRRT が、資源そのものの経済的利益を課
税対象とすることを目的としており、下流プロセスにおける経済的利益を課税対象とするものではないからである。
つまり、課税ポイントは、通常、多くの石炭及び鉄鉱石の生産者が、その資源を第三者あるいは関連会社に販売
するタイミングより前となる。この公開草案及び解説書では、納税者は、課税ポイントにおける資源の独立企業間
価格を計算するために、移転価格分析を行うことが求められている。
公開草案及びその解説書では、MRRT における独立企業間価格算定のための移転価格アプローチは、国際的
に受け入れられている移転価格税制の原則と整合することが推奨されている。しかしながら、新たな取引及び想
定外の状況における多くのケースで、独立企業間原則を適用して課税時点における資源収益額を決定すること
は複雑困難と予想され、かつ、潜在的に大きな議論の対象となることが予想される。鉄鉱石および石炭のサプラ
イチェーンが、課税ポイントの上流及び下流において複雑かつ重要な機能、資産そしてリスクを有する場合、また、
複数の鉱区やジョイントベンチャー出資者 (MRRT 納税額は個々のプロジェクト出資者ベースで計算される。) に
またがる場合には、さらに複雑となることが予想される。特に下流フェーズに重要な付加価値がある場合(例えば、
下流フェーズにおいて無形資産が存在する場合や、大規模な加工を伴う場合)には、納税者にとって、独立企業
間価格算定のための比較対象取引を探すことは困難であると予想される。
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重要な項目
公開草案及び同解説書で規定されている移転価格に関連する重要な項目およびこれらに関する PwC Australia
の見解は下記の通りである。
1.
独立第三者間価格算定のための 2 つのプロセス
課税収益の計算は下記の 2 つのステップに分けられる。
ステップ 1:最初に供給された時点における資源の独立企業間価格の算定
通常、最初に資源を販売した時点あるいは使用した時点が、最初に供給された時点となる。輸出時点がこれ
らのタイミングより先行する場合には、輸出時点が最初に供給された時点となる。ほとんどのケースでは、最
初に供給された時点は下流フェーズとなる。最初の供給が生産者と国外関連会社(例えば、海外の販売会
社)との間で行なわれる場合には、既に何らかの形で移転価格分析が行なわれているとみなされるわけであ
るが、最初の供給が、国内関連会社との間で行なわれる場合には、上記とは別に追加の移転価格分析が必
要となるであろう。
ステップ 2:ステップ 1 で算定された資源の独立企業間価値の課税ポイントへの振り分け
ステップ 2 では、ステップ 1 で算定された独立企業間価値を、課税ポイント (多くの場合、Run-of-Mine) の
上流フェーズに帰属する部分と下流フェーズに帰属する部分に振り分ける作業が必要となる。公開草案では、
ステップ 2 のガイダンスについてほとんど言及されておらず、単に、課税ポイントにおける「合理的な帰属額」
とだけ書かれているに過ぎない。一方で、解説書では、「合理的な帰属額」を算定する際に、独立企業間原
則を適用すべきことが明確化されており、ステップ 1 及びステップ 2 の双方で、移転価格ルールを適用する
ことを意味している。解説書において明確に規定されていることを考慮すると、最終的な法令では、独立企業
間原則を適用すべきことが明確化されると考えられる。公開草案には、「合理的な帰属額」を算定するための
ファクターを明らかにするために、追加的なルールが最終的に盛り込まれる可能性があるとのコメントがある。
2.
移転価格算定方法についての明確な規定なし
公開草案および同解説書には、多くの状況下で適用可能な移転価格算定方法についてまったく規定がなく、
その代わりに、その状況において最も信頼できる方法を適用できるという柔軟性を納税者に与えている。解
説書は、既存の移転価格ルール及び各種ガイドライン(例えば OECD ガイドライン)が参考になるとしており、
また、OECD ガイドラインにおける 5 つの移転価格算定方法についてそれぞれの適用事例とともに言及して
いる。
3.
代替的な移転価格算定方法
2010 年 5 月 2 日より前からプロジェクトに着手している小規模炭鉱事業者(1 年間の販売可能量が 10M トン
以下の場合)及び加工を行なう炭鉱事業者(資源を採掘し、その資源を他の製品に加工する炭鉱事業者)に
ついては、上記 5 つの移転価格算定方法以外に、次の方法を選択適用することが認められている。この方
法は、簡素化されたネットバック方式とよばれるもので、OECD ガイドラインの再販売価格基準法(Resale
minus 法)に近い方法である。具体的には、独立企業間の販売価格から、下流フェーズのオペレーションコス
ト、下流資産の減価償却費、そして所定の利回り(下流資産取得価額に長期債利回り+7%を乗じて算定)を
差し引いて算定される。この方法は、小規模炭鉱事業者にとっては利用しやすい実践的な方法かもしれない
が、多くの資源関連サプライ・チェーンにとっては、課税ポイントの資源価値が過大評価される可能性がある。
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特に、重要な資源加工を行う事業者や下流フェーズに大きな付加価値のある事業者の場合、この方法は大
きな影響を与える可能性が高い。この方法が選択可能な納税者は、実際にネットバック方式を利用するか否
かを決定する前に、費用対効果を慎重に検討する必要がある。
4.
プロジェクト資産の開始ベースとの関連性
MRRT では、納税者は MRRT 導入前の既存のプロジェクト資産(上流フェーズのものに限る)を時価にて持ち
込むが認められており、その時価評価額は将来事業年度にわたり減価償却により損金算入される。上記既
存プロジェクト資産の時価評価と、MRRT 課税時点の資源の独立企業間価格の算定とは別個の計算のよう
に見受けられるが、実際には両者は密接に関連しているといえる。公開草案の解説書は、プロジェクト資産
の開始ベースの評価と MRRT 課税ポイントにおける資源の独立企業間価格の算定が整合すべきだとしてい
る。これは、納税者が両者の関連性を認識し、整合性の取れた評価、算定を確実に行なうべきことを意味し
ている。また、納税者は最初の MRRT 税務申告書の作成前に、移転価格分析を行なっておくことが必要とな
るだろう。
5.
オーストラリアの移転価格ルールとの整合性
公開草案および同解説書において、独立企業間価格の資源収益の算定方法は、多くの点でオーストラリア
の既存の移転価格ルール(Div 13 of the Income Tax Assessment Act 1936)と類似するようにみえるが、い
くつかの異なる点がある。 特に、公開草案は炭鉱事業者の状況を考慮した上で、最も信頼できる移転価格
算定方法を使用することを要求している。同解説書は、炭鉱事業者のすべての事情を考慮し、その状況にお
いて商業上合理的で筋の通る結果をもたらすべきものであることを明確にうたっている。納税者の置かれた
状況を考慮することを要求しているのは、明らかに、SNF 移転価格裁判における豪州税務当局(ATO)敗訴へ
の対応といえる。この裁判において、司法当局は、既存の移転価格ルール Div13 は納税者のすべての事情
(このケースでは、特に、SNF の継続的な赤字が続いていたという状況)を考慮することを要求していないも
のと判断した。また、同時に司法当局は、オーストラリアの移転価格ルールが、納税者の個別の事情にかか
わらず、単に、国外関連者への対価の支払額が独立企業間価格を下回ればいいということを要求している
に過ぎないと判断した。この点がオーストラリアの資源業界での移転価格実務に実質的な影響を及ぼすか
否かは今後の動向を見て判断するということになるが、今後のオーストラリアの移転価格ルールにいくつか
の識見を与えるだろう。
6.
独立企業間価格算定が困難な場合の政府の権限
オーストラリアの国際移転価格ルールの場合と同様に、情報不足あるいはその他の理由により独立企業間
価格を算定することができない状況下では、税務当局が MRRT 目的の独立企業間価格を決定する権限をも
つことになる。納税者の個別事情を考慮する要請と相まって、資源収益が独立企業間価格であることを立証
するために納税者に強いられる負担は、少なくとも既存の国際的な移転価格税制の下で必要とされる負担と
同程度と見込まれている。
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2. PwC のレポート・刊行物・出版物
会計、税務、経営に関連する下記レポート・出版物が2011年に発行・発表されています。詳細はPwC Japanのweb
サイトでご確認いただけます。
レポート・刊行物
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震災後の日本に関する世界CEO意識調査new!
グローバル エンタテイメント&メディア アウトルック 2011-2015
Cities of Opportunity – 世界の都市力比較 2011 -東京の総合評価は26都市中14位-
ロイヤルウエディングの経済的影響について
直接税から間接税へシフト~VAT税率は引き上げられる傾向に~
Future of world trade – 2030年までに中国が米国を抜き国際貿易で上位を占める
グローバル人材サーベイ2010 -日本企業が今最も求めているのは、海外拠点のリーダー-
2050年の世界 加速する世界経済の変動-課題と好機
Eurasia Group・PwC Japan共同レポート『東南アジア:ネクスト・ステップ』
The sustainability yearbook 2011
Disclosures Related to Use of "Conflict Minerals"
PwC「第14回世界CEO意識調査」
収益認識と自動車産業:新しい基準への移行
将来の展望 2040年の主要産業地域はどこか?
オーストラリアにおける事業活動入門ガイド 2010
Similarities & Differences 2010
Asia-Pacific M&A Bulletin 2010年下半期版-二つの景気回復:世界とアジア
出版物
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アジアM&Aガイドブック
『IFRSの実務マニュアル』第2版
会社法計算書類の実務-作成・開示の総合解説-(第3版)
IFRSをめぐる税務を見据える -個別財務諸表に適用された場合の影響を探る-
3. セミナーに関するお知らせ
第 135 回 トワイライト・トピックス
~輸入関税とその影響、効率的なマネジメントについて~
関税を払いすぎていませんか?関税の知られざる裏側について分かりやすくご説明します!
日時:2011年8月30日 17:30~ 場所:弊社メルボルン事務所
参加費:無料
4. PwC AustraliaのJapanese Services Desk
PwC Australia Japanese Services Desk(日本企業部)は、オーストラリアや太平洋地域等で事業・投資活動を行
っている日系企業に対して、きめ細やかな専門的業務ををご提供させて頂くことを目的に、日本人プロフェッショナ
ルを中心としたメンバーによって構成されております。豪州および日本における会計・税務面等での専門的知識
および実務経験、両国における商慣習及び文化的側面に関しての深い理解をフルに活用し、意思疎通を含めた
多様な局面における業務の提供に従事させていただいております。
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拠点
シドニー事務所
下記連絡先までお気軽にご相談ください
Assurance (会計監査/内部統制等)
Darling Park Tower 2
201 Sussex Street
Sydney, NSW 2000
マネージャー
シニア・アカウンタント
竹原 広樹
才田 健一郎
+61 (2) 8266 4020
+61 (2) 8266 3779
[email protected]
[email protected]
Tax and Legal Services (税務・法務関連業務)
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シニア・コンサルタント
田中 直人
田村 りか
+61 (2) 8266 7348
+61 (2) 8266 1639
[email protected]
[email protected]
Advisory (M&A アドバイザリー/業務改善等)
ディレクター
マネージャー
川口 宏
会川 徹
+61 (2) 8266 1223
+61 (2) 8266 0462
[email protected]
[email protected]
Assurance (会計監査/内部統制等)
シニア・マネージャー
シニア・アカウンタント
楡 晴雄
岩本 展枝
+61 (3) 8603 3759
+61 (3) 8603 5693
haruo. [email protected]
[email protected]
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+61 (3) 8603 4383
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Tax and Legal Services (税務・法務関連業務)
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+61 (3) 8603 5186
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