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Financial Services Tax News 新日蘭租税条約の発効について November 2011

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Financial Services Tax News 新日蘭租税条約の発効について November 2011
www.pwc.com/jp/tax
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新日蘭租税条約の発効について
November 2011
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新日蘭租税条約が 2011 年中に発効
される見込みであり、2012 年 1 月 1
日以降に生じる租税について適用さ
れると見込まれています。
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2009 年 12 月 18 日、日本政府とオランダ王国政府との間
で、1970 年に署名された「所得に対する租税に関する二
重課税の回避のための日本国政府とオランダ王国政府と
の間の条約」(以下、「現行条約」)に代わる新条約につい
て基本合意に至り、2010 年 8 月 25 日には日蘭両国間で
新条約の署名が行われています。
新条約は、両国間においてそれぞれの国内手続きを経た
後、その国内手続きの完了を通知する外交上の公文の交
換の日の翌日から 30 日目の日に効力を生じることとなりま
す。日本の国会においては、2011 年 4 月 15 日に新条約
の承認がなされていましたが、オランダ議会上院において
も 2011 年 11 月 15 日に新条約が承認されました。両国間
の国内手続きが完了したことから、外交上の公文の交換が
2011 年 11 月中になされると見込まれています。
新条約は条約が発効した年の翌年 1 月 1 日より効力を生
じます。したがって、2011 年 11 月中に公文の交換がなさ
れた場合には新条約は年内に発効となり、2012 年 1 月 1
日以降に生じる租税について新条約が適用されることとな
ります。現行条約による税の減免の特典が有利な者につ
いては、その者が選択した場合には、新条約の適用が開
始されるべき日から 12 か月間、現行条約を引き続き適用
することができます。
本ニュースレターでは、新条約における現行条約からの主
な変更点についてご紹介します。詳細については Japan
Tax Update 2010 年 9 月号をご覧ください。
http://www.pwc.com/jp/ja/taxnews/pdf/New_Dutch_Japa
n_Tax_Treaty_J.pdf
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源泉税率
新条約における条約締結国の居住者に対して支払われる配当、利子、使用料に適用される源泉税率は以下のとおりで
す。
配当
親子間(持株比率)
その他
現行条約
5%(25%以上)
15%
新条約
免税(50%以上)(*1)
5%(10%以上)
10%
利子
10%
免税(政府機関等)
免税(*2)
10%(その他)
使用料
10%
免税
(*1)
特定目的会社等については 10%
(*2)
利子の受益者が政府機関等、一定の金融機関、年金基金等である場合、または、利子が信用供与による設備、物品の販売もしくは役務の提供の
結果として生ずる債権について支払われる場合には免税
匿名組合
現行条約では、匿名組合契約に関連して取得される所得についてはその他所得条項により源泉所得税が課されません。
新条約では、匿名組合契約に関連して取得される所得は源泉地国において課税されることとなるため、20%の税率で源
泉所得税が課されます。
譲渡収益
新条約では、現行の譲渡収益の条項が改正され、以下の財産の譲渡から生じる所得について、源泉地国(下記箇条書
中「他方の締約国」)において課税できるものとされました。

一方の締約国の居住者が法人の株式または組合もしくは信託財産の持分の譲渡によって取得する収益に対しては、
当該法人、組合または信託財産の資産の価値の 50%以上が不動産であって他方の締約国内に存在するものによ
り直接または間接に構成される場合(当該譲渡に係る株式または持分と同じ種類の株式または持分が公認の有価
証券市場において取引され、かつ、当該一方の締約国の居住者およびその特殊関係者が所有する当該同じ種類
の株式または持分の数が当該同じ種類の株式または持分総数の 5%以下である場合を除く)

他方の締約国の政府が、金融機関の差し迫った支払不能に係る破綻処理に関する法令にしたがって、当該他方の
締約国の居住者である金融機関に実質的な資金援助を行った場合で、一方の締約国の居住者が当該他方の締約
国の政府から取得した当該金融機関の株式を譲渡したとき(資金援助が最初に行われた日から 5 年以内に行われ
る譲渡に限る)
租税回避行為の防止のための措置の導入
新条約では、特典制限条項が設けられ、免税を受けようとする者は特典制限条項に定める要件を満たす必要があります。
特典制限条項では、上記の特典を受けようとする一方の締約国の居住者は特典制限条項の第 2 項に規定する適格者
に該当するか、特典制限条項の他の条件を満たさなければなりません。
また、新条約では、配当、利子、使用料およびその他の所得に認められる条約の特典について、取引が導管取引と認め
られるとき(名目的または法律上の受領者が新条約または他の同等の条約の特典を受けることができない者に対する導
管となっているとき)は、その恩恵を受けることができないものとされています(たとえば、日蘭両国以外の居住者が関与す
るバックトゥバック取引)。新条約では、特典制限条項の導入により、現行条約に比べて条約の特典を受けるための要件
が複雑になっており、近年日本が締結した租税条約や国際的な租税動向に則した取り扱いとなっています。
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その他
新条約は、租税条約における居住者の定義および日蘭両国で課税上の取り扱いが異なる事業体の居住地国の判定に
係る包括的な規定が設けられました。また、一定の年金基金や慈善団体についても、条約締約国における居住者である
ことが明らかにされています。
移転価格課税の処分の期間制限については、課税年度終了から 7 年と規定されていますが、国内法令がこれより短い
期間制限を定めている場合は、その国内法令に定める期間制限となります。
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