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1 1-1
1 構成のマイグレーション ........................................................................................................... 2
1-1 マイグレーションによる機能変更/拡張................................................................................ 2
1-1-1 WAS V5.1/6.0/6.1 からV7.0 の機能変更/拡張 .............................................................. 2
1-1-2 WAS V5.1 からV7.0 の機能変更/拡張............................................................................ 3
1-2 マイグレーション時に注意が必要な設定 ............................................................................ 3
1-2-1 WAS V5.1/6.0/6.1 からV7.0 の注意が必要な設定........................................................ 4
1-2-2 WAS V5.1 からV7.0 の注意が必要な設定 ..................................................................... 6
1-3 マイグレーションの作業手順................................................................................................ 8
1-3-1 マイグレーション手法の選択 ............................................................................................ 8
1-3-2 ツールを使用したマイグレーションにおける事前確認事項 ............................................ 9
1-3-3 ウィザードによるマイグレーション .................................................................................. 14
1-3-4 コマンドによるマイグレーション ...................................................................................... 33
1-3-5 IHSのマイグレーション .................................................................................................... 37
1-3-6 プラグインのマイグレーション......................................................................................... 38
1-3-7 wsadminのマイグレーション ........................................................................................... 38
-1-
1 構成のマイグレーション
この章では、WebSphere Application Server(以下、WAS) V6.0/6.1 および V5.1 で構築されている環境
を、WAS V7.0 環境に移行する際の考慮点や手順を説明します。尚、この章ではアプリケーションの移
行については扱いません。アプリケーションについては、別途、WAS V7.0 でも稼働するように修正・テス
トを完了させておく必要があります。
1-1 マイグレーションによる機能変更/拡張
この節では、WAS V6.0/6.1 および V5.1 からのマイグレーションについて、マイグレーションによる機能
の変更点とその考慮点について説明します。
1-1-1 WAS V5.1/6.0/6.1 からV7.0 の機能変更/拡張
WAS V5.1/6.0/6.1 から WAS V7.0 へのマイグレーションでは、ほぼ同じ構成が利用できますが、新た
に機能が追加されている項目があります。ここでは、WAS V5.1/6.0/6.1 からのマイグレーションにおいて
共通に当てはまる事項や影響が考えられる機能について説明します。
●混合バージョンセルのサポート
WAS V7.0 では、セル内に WAS V5.1/6.0/6.1 のノードも同居させることができます。ただし、デプロイメ
ント・マネージャーは、セル内で最上位のバージョンにしておかなければなりません。また、WAS V6.0 に
おいては、V6.0.0.x および V6.0.1.x のノードを管理することはできないため、必ず修正モジュールを適
用し、V6.0.2.x にバージョンアップしておく必要があります。混合バージョンセルは、機能的な制限があ
るため、マイグレーションの過程における一時的な構成として使用することとし、そのまま長期運用を行う
ことは推奨されません。
●WAS V7.0 へ移行することで新規に追加された機能
WAS V7.0 では、ジョブ・マネージャーという管理コンポーネントによって、運用管理の処理をジョブと
して一箇所にキューイングし、複数サーバーに対して非同期実行する機能が提供されています。また、
セル内の複数ノードに対してモジュールを一元的にインストールすることのできる集中インストール・マネ
ージャー機能(ND 環境のみ)や、認証・認可・その他のセキュリティーイベントを詳細にモニターすること
のできるセキュリティー監査機能が新たに提供されています。
●IBM HTTP Server(以下、IHS) V2.0/6.0/6.1 から IHS V7.0 への移行
WAS V7.0 では、IHS V2.0/6.0/6.1 の Apache 2.0 ベースから Apache 2.2 ベースになっていますが、設
定に大きな違いはありませんので、今まで同様に使用することが可能です。
-2-
1-1-2 WAS V5.1 からV7.0 の機能変更/拡張
WAS V5.1 からWAS V7.0 へ のマイグレーションにおいても、ほぼ同じ構成が利用できますが、
WASV6.0 からのマイグレーションと比較すると、WAS V5.1 とWAS V6.0 間の機能の変更点も考慮する
必要があります。この節では、WAS V5.1 からのマイグレーションに固有の機能変更点について説明し
ます。尚、WAS V5.1 からWAS V7.0 へのマイグレーションについては、WAS V6.0/6.1 からのマイグレー
ションの変更点はそのまま当てはまりますので、「1-1-1WAS V5.1/6.0/6.1 からV7.0 の機能変更/拡張」
の節も参照下さい。
●HA マネージャーによるデータ配布/複製(WAS ND 構成のみ)
WAS V5.1 では、デプロイメント・マネージャーが EJB WLM のルーティング・テーブルの配布機能を
持っていましたが、WAS V7.0 では HA マネージャーがルーティング・テーブルの配布を行います。これ
により、デプロイメント・マネージャー停止の影響が小さくなります。また、メモリー間複製による HTTP セ
ッションデータの複製や、動的キャッシュ・データの複製、Stateful Session Bean のフェイルオーバーも、
HA マネージャーにより行われます。
●組み込み MQ が Pure Java のメッセージング・エンジンに変更
WAS V5.1 では、組み込み WebSphere MQ が用意されていましたが、WAS V7.0 では Pure Java で実
装されているメッセージング・エンジンに変更されました。
●IHS をデプロイメント・マネージャーの管理下に含めることが可能に(WAS ND 構成のみ)
WAS V5.1 では、IHS などの Web サーバーの起動/終了/プラグイン構成ファイルの(リモートマシンへ
の)配布などの管理操作は、個別に行う必要がありましたが、WAS V7.0 では、管理コンソールから管理
操作を行えるようになりました。
●WAS V5.1 から WAS V7.0 へ移行することで新規に追加された機能
HA マネージャー機能の追加(WAS ND 構成のみ)により、メッセージング・エンジンやトランザクション・
サービスといったシングルトン・サービスの引き継ぎを行うことが可能です。
●IHS V1.3 から IHS V7.0 への移行による変更点
WAS V5.1 では、IHS V1.3 と IHS V2.0 の 2 つの Web サーバーが同梱され、いずれも使用することが
可能でした。WAS V7.0 では、Apache 2.2 ベースの IHS V7.0 になり、旧来の IHS に比べ、スレッドベー
スの動作になったことでメモリー使用量の軽減が図られています。
1-2 マイグレーション時に注意が必要な設定
この節では、WAS V5.1/6.0/6.1 からのマイグレーションにおいて、マイグレーション時に注意が必要な
WAS の設定について説明します。
尚、本文書では、WAS 構成のマイグレーションについて説明します。アプリケーションのマイグレーシ
ョンについては、下記の Information Center のサブ・ページの記載を参照下さい。
WAS V7.0 Information Center「WebSphere アプリケーションのマイグレーション」
http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/wasinfo/v7r0/topic/com.ibm.websphere.nd.multiplatform.doc/in
fo/ae/ae/welc6tech.html
-3-
1-2-1 WAS V5.1/6.0/6.1 からV7.0 の注意が必要な設定
WAS V5.1/6.0/6.1 と WAS V7.0 では、同じ機能でも実装が異なるために、マイグレーション後の環境
で影響が出る機能があります。
●SSL 証明書
WAS V7.0 の証明書管理機能では、V6.0/6.1 までとは異なり、チェーン証明書になっています。有効
期限の長いルート証明書がコンポーネント間で共有され、ルート証明書によって署名された証明書を使
用して実際の SSL 通信を行います。後述する WASPreUpgrade/WASPostUpgrade コマンドというマイグレ
ーション・ツールを使用した場合、これらの前バージョンでの証明書環境がそのまま移行されます。移行
後にチェーン証明書を使用するためには、wsadmin の convertSelfSingnedCertificatesToChained タスク
を使用して手動で証明書を変換します。
convertSelfSingnedCertificatesToChained タスクのオプションや使用方法は、下記をご参照下さい。
WAS V7.0 Information Center「AdminTask オブジェクトの SSLMigrationCommands コマンド・グルー
プ」
http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/wasinfo/v7r0/index.jsp?topic=/com.ibm.websphere.express.doc/
info/exp/ae/rxml_7sslmigration.html
以下に、V6.1 から V7.0 へマイグレーションした後に、convertSelfSingnedCertificatesToChained タスク
を使用して、手動で階層付き証明書に変換する作業手順を紹介します。ここでは、V7.0 へのマイグレー
ションが行われた後という前提で、全ての鍵ストアの自己署名証明書を階層付き証明書に変換し、
CellDefaultKeyStore の個人証明書が変換されていることを確認する手順になります。
1. デプロイメント・マネージャーが起動された状態で管理コンソールにアクセスし、コンソールのナビゲ
ーション・ツリーで、[セキュリティー]→[SSL 証明書および鍵管理]→[エンドポイント・セキュリティー
構成の管理]→[ノード名]→[鍵ストアおよび証明書]→[CellDefaultKeyStore]→[個人証明書]をクリ
ックします。
2. マイグレーション後のデフォルト状態では、図 1-1 のように、個人証明書の発行先と発行元が非階層
構造になっていることが確認できます。
図 1-1 マイグレーション後のデフォルト状態の CellDefaultKeyStore の個人証明書
-4-
3. デプロイメント・マネージャーが起動された状態で wsadmin を起動します。ポート番号などは環境に
合わせて指定します。
#<Profile_root>/bin/wsadmin.sh –conntype SOAP –port <ポート番号> –lang jython
4. convertSelfSingnedCertificatesToChained タスクを実行します。
wsadmin>AdminTask.convertSelfSignedCertificatesToChained(‘-certificateReplacementOpti
on ALL_CERTIFICATES’)
5. 構成を保管します。
wsadmin>AdminConfig.save()
6. wsadmin を終了し、デプロイメント・マネージャーを再起動します。その際、「トラスト・ストアに署名者
を追加しますか?(はい/いいえ)」と表示されるので、「y」を入力します。
wsadmin>quit
7. デプロイメント・マネージャーが起動された状態で管理コンソールにアクセスし、コンソールのナビゲ
ーション・ツリーで、[セキュリティー]→[SSL 証明書および鍵管理]→[エンドポイント・セキュリティー
構成の管理]→[ノード名]→[鍵ストアおよび証明書]→[CellDefaultKeyStore]→[個人証明書]をクリ
ックします。
8. マイグレーション後の証明書変換後の状態では、図 1-2 のように、個人証明書の発行先と発行元が
階層構造になっていることが確認できます。
図 1-2 マイグレーション後の証明書変換後の CellDefaultKeyStore の個人証明書
●SIBus データ・ストア
WAS V6.0/6.1 において、SIBus を使用し、「自動的にテーブルを作成」オプションが選択されていな
い場合は、メッセージング・エンジンの各データベース・スキーマに新しいテーブルを作成する必要があ
ります。詳細は下記 Information Center を参照下さい。
WAS V7.0 Information Center「データ・ストアに基づくメッセージング・エンジンのマイグレーション」
-5-
http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/wasinfo/v7r0/topic/com.ibm.websphere.pmc.nd.doc/tasks/tjm00
04_.html
1-2-2 WAS V5.1 からV7.0 の注意が必要な設定
WAS V5.1 と WAS V7.0 では、同じ機能でも実装が異なるために、マイグレーション後の環境で影響が
出る機能があります。
●プロファイルの導入
WAS V6.0 以降では、プロファイルという概念が導入されました。これにより、WAS V5.1 と WAS V7.0 で
は、デフォルトのログ出力先やアプリケーションの展開されるディレクトリーが異なります。また、コマンド
やプロパティー・ファイルが保管されているディレクトリーも変更されています。WAS V5.1 では、WAS の
インストール・ルートを基点として、ディレクトリー構造が作成されましたが、WAS V7.0 では、プロファイ
ル・ルートを基点として、ディレクトリー構造が作成されます。プロファイル・ルートは、WAS V7.0 のプロフ
ァ イ ル 作 成 時 に 指 定 で き ま す 。 デ フ ォ ル ト の プ ロ フ ァ イ ル ・ ル ー ト は 、 <WAS_root>/profiles/
<Profile_name>になります。例えば、デフォルトの SystemOut.log の出力先は、WAS V5.1 と WAS V7.0
では、それぞれ下記のディレクトリー・パスに配置されます。
WAS V5.1 の場合:
<WASV51_root>/logs/<ApplicationServer_name>/SystemOut.log
WAS V7.0 の場合:
<WASV70_root>/profiles/<Profile_name>/logs/<ApplicationServer_name>/SystemOut.log
●組み込み MQ
WAS V7.0 では、組み込み MQ に代わりメッセージング・エンジンが搭載されましたので、これを利用
することが推奨されます。マイグレーション・ツール(マイグレーション・ウィザードやマイグレーション・コマ
ンド)を使用したマイグレーションでは、V5 JMS サーバーと MQ クライアント・リンクを使用した一時的な構
成にマイグレーションされます。詳細は下記の Information Center を参照下さい。
WAS V7.0 Information Center「バージョン 5 組み込みメッセージングからのネットワーク・デプロイメント
構成のマイグレーション」
http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/wasinfo/v7r0/topic/com.ibm.websphere.pmc.nd.doc/tasks/tjn004
2_.html
V5 デフォルト・メッセージング JMS リソースは、できるだけ早く、同等の WAS V7.0 デフォルト・メッセー
ジング・プロバイダーJMS リソースに置き換えて下さい。WAS V7.0 デフォルト・メッセージング・プロバイ
ダーを使用する場合には、メッセージング・エンジンへのキュー定義や JMS リソースの再定義が必要に
なります。キュー定義やリソース定義に関しては、「第 1 部 4 章 SIBus 構成」の資料を参照して下さい。
●複製ドメイン
HTTP セッションのメモリー間複製、動的キャッシュの複製、Stateful Session Bean フェイルオーバーを
設定している場合に影響があります。WAS V5.1 からマイグレーションした場合には、複製ドメインはマル
チブローカー・ドメインとして移行されますが、レプリケーターを新規に追加することができないため、
V7.0 用のデータ複製ドメインを新規作成し、移行することをお勧めします。データ複製ドメインへの移行
方法については、下記の Information Center の記載を参照下さい。
WAS V7.0 Information Center「マルチブローカー複製ドメインからデータ複製ドメインへのサーバーの
マイグレーション」
http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/wasinfo/v7r0/topic/com.ibm.websphere.nd.doc/info/ae/ae/trun_d
rs_migrate.html
-6-
●response.sendRedirect の挙動
V5.1 では、Web アプリケーションのコンテキスト・ルートを使用していましたが、V6.0(J2EE 1.4)以降で
は、挙動が変更され、Web サーバーのドキュメント・ルートを使用するようになりました。WAS V7.0 にお
いても、アプリケーションの修正を行わず、WAS V5.1 と同様の挙動とするためには、下記の設定を行い
ます。
1.
2.
管理コンソールのナビゲーション・ツリーで、[サーバー]→[サーバー・タイプ]→[WebSphere
Application Server]→[ApplicationServer_name]→[サーバー・インフラストラクチャー: Java お
よびプロセス管理: プロセス定義]→[追加プロパティー:Java 仮想マシン]→[追加プロパティー:
カスタム・プロパティー]をクリックします。
「カスタム・プロパティー」ページで[新規作成]をクリックします。
図 1-3 response.sendRedirect 設定 1
3.
プロパティーの設定ページで、名前に「com.ibm.websphere.sendredirect.compatibility」を、値
に「true」を指定して、[OK]をクリックします。
図 1-4 response.sendRedirect 設定 2
4.
設定を反映するには、構成情報に保管し、アプリケーション・サーバーの再起動が必要です。
-7-
●非 root ユーザーでの WAS 起動設定
WAS V7.0 では、プロファイルという単位でノードの管理が行われますので、設定方法が WAS V5.1 と
は異なります。マイグレーション後に、「第 1 部 6 章 セキュリティー」の資料を参照、または、下記の
Information Center の記載を参照し、設定して下さい。
WAS V7.0 Information Center「インストーラーとしてプロファイルを作成して、非 root ユーザーにオー
ナー・シップを割り当てる」
http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/wasinfo/v7r0/topic/com.ibm.websphere.nd.doc/info/ae/ae/tpro_r
ootpro_nonroot_own.html
●UDDI レジストリー
WAS V5.1 で稼働する、DB2 を使用するバージョン 2 の UDDI レジストリーを構築している場合に影響
します。WAS V7.0 で稼働するバージョン 3 の UDDI レジストリーにマイグレーションするには、UDDI の
データを UDDI バージョン 2 フォーマットから UDDI バージョン 3 フォーマットにマイグレーションする必
要があります。移行方法は、下記の Information Center の記載を参照下さい。
WAS V7.0 Information Center「バージョン 3 の UDDI レジストリーへのマイグレーション」
http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/wasinfo/v7r0/topic/com.ibm.websphere.nd.doc/info/ae/ae/twsu_
migrate.html
●Web サービス・ゲートウェイ
WAS V5.1 で稼動する Web サービス・ゲートウェイを構築している場合に影響します。WAS V5.1 では、
Web サービス・ゲートウェイは、独自のユーザー・インターフェースを持つ分離可能なコンポーネントでし
た。WAS V7.0 において、このゲートウェイは SIBus・Web サービスに統合され、インバウンド・サービスお
よびアウトバウンド・サービスの拡張およびリンクする機能として再実装されています。wsadmin コマンド
を使用して、WAS V5.1 アプリケーション・サーバーから WAS V7.0 アプリケーション・サーバーまたはクラ
スターに既存のゲートウェイ構成をマイグレーションできます。詳細は、下記の Information Center の記
載を参照下さい。
WAS V7.0 Information Center「バージョン 5.1 Web サービス・ゲートウェイ構成のマイグレーション」
http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/wasinfo/v7r0/topic/com.ibm.websphere.pmc.nd.doc/tasks/twsg_
coex_migrate.html
1-3 マイグレーションの作業手順
WAS V5.1/6.0/6.1 から WAS V7.0 へ移行する際のマイグレーション手法の選択肢および作業手順を
説明します。
1-3-1 マイグレーション手法の選択
マイグレーション手法としては、大きく分けて新規構成/コマンドを使用したマイグレーション/ウィザード
を使用したマイグレーションの 3 種類があり、それぞれの特徴は、下記のようになります。
●新規構成
WAS V5.1 からの移行では、ほとんど構成要素が変わらないために、ツール(コマンドまたはウィザー
ド)によるマイグレーションが可能です。セル名、ノード名を既存環境と異なるものとする場合には、ツー
ルによるマイグレーションができませんので、新規構成を行う必要があります。また、新規構築を行って
-8-
も、構成の設定方法は大きく変わりませんので、クリーンな環境を構築したい場合にも、新規構築される
ことをお勧めします。
●コマンドを使用したマイグレーション
移行先のマシンがリモートにある場合で、従来の構成を引き継ぐ場合に有効です。WAS V7.0 のイン
ストールイメージに用意されているコマンド(WASPreUpgrade)を使用して構成情報を取得し、WAS V7.0
を導入してある移行先のマシンで構成を復元(WASPostUpgrade)します。
●ウィザードを使用したマイグレーション
移行先のマシンが同一である場合で、従来の構成を引き継ぐ場合に有効です。WAS の移行そのも
のは、ウィザードのみで完結します。尚、ウィザードを使用したマイグレーションも内部的には、
WASPreUpgrade、WASPostUpgrade コマンドが同一マシンで連続して実行されることになります。
マイグレーション手法の選択要素をフローチャートで表すと下記のようになります。
図 1-5 マイグレーション手法の選択
1-3-2 ツールを使用したマイグレーションにおける事前確認
事項
セル環境のマイグレーションにおいては、下記の点に注意する必要があります。
・セル内では、最初にデプロイメント・マネージャーをマイグレーションする必要があります。デプロイメン
ト・マネージャーのマイグレーションの後に、統合ノード(ノード・エージェントとアプリケーション・サーバ
ーが稼動するノード)のマイグレーションを行います。
-9-
・デプロイメント・マネージャーのマイグレーション後、統合ノードをマイグレーションする前に構成の変更
を行った場合には、その構成変更は失われる場合がありますので、デプロイメント・マネージャーのマ
イグレーション後、すぐに統合ノードもマイグレーションすることが推奨されます。
・デプロイメント・マネージャーのマイグレーション後に、統合ノードは、既存のソースのデプロイメント・マ
ネージャーに接続してはいけません。
コマンドまたは、ウィザードのマイグレーション・ツールを使用したマイグレーションの流れは下記のよう
になります。
Step1. ターゲット(移行先)に WAS V7.0 をインストールし、プロファイルを作成
Step2. ソース(移行元)で、WASPreUpgrade コマンドを実行し、移行する構成情報を取得
Step3. ターゲット(移行先)で、WASPostUpgrade コマンドを実行し、Step1 で作成したプロファイルに
Step2 で取得した構成情報を復元
尚、ウィザードを使用したマイグレーションの場合、Step2 と Step3 は自動的に連続して実行されます。
Step1~3 を行うにあたり、事前に下記の情報を収集、決定する必要があります。WAS V7.0 のインストー
ルにおいて必要な情報については、「第 1 部 2 章 インストール・プロファイル作成」の資料を参照下さ
い。
表 1-1 Step1 のデプロイメント・マネージャー・プロファイル作成に必要となる情報
必要な情報
管理コンソール
の デ プ ロ イ
(ON,OFF)
プロファイル名
説明
管理コンソールの使用有無を設
定します。通常は ON(デプロイ
する)です。
プロファイルの名前です。
プロファイル・デ
ィレクトリー
プロファイル・データが保管され
るディレクトリーの基点です。
ノード名
デプロイメント・マネージャー・ノ
ードの名前です。
ホスト名
-
セル名
管理セキュリティ
ーの有効/無効
-
セキュリティー証
明書
-
ポート
-
マイグレーション環境構築における注意/補足
-
任意。ソースのプロファイル名と一致させる必要
はありません。
ソースとターゲットが同一マシンの場合、ソース
のプロファイル・ディレクトリーと一致させてはい
けません。空のディレクトリーを指定して下さ
い。
ソースのデプロイメント・マネージャーのノード名
と同一の値、もしくは、ソースの統合されるノー
ド(ノード・エージェント)のノード名とは異なるノ
ード名とします。
ソースとターゲットが同一マシンの場合、ソース
のインストール時と変更する必要はありません。
必ずソースのセル名と同一の値を指定します。
必ず無効にします。
ソースの管理セキュリティー/グローバル・セキュ
リティーが有効な場合は、マイグレーション実行
時に、ソースの設定が移行されます。
ソース環境から移行する場合も、WAS V7.0 環
境のデフォルトとなる証明書を作成またはイン
ポートします。
マイグレーション時に既存のポート情報を引き
継ぐことができますが、WAS V5.1/6.0/6.1 から
追加されているポートもありますので、ご注意下
- 10 -
さい。また、WAS V5.1 からのマイグレーション
においては、管理コンソールのポートは、ポート
を引き継ぐオプションを指定してマイグレーショ
ンした場合も、ターゲットのポートとソースのポ
ートの両方のポートを使用できるよう構成されま
す。(*1)
Windows サービ OS が Windows の場合のみ
任意。Windows サービスとしての登録の有無に
スの定義
応じて、起動/停止のコマンドが異なりますの
で、ソース環境と合わせることをお勧めします。
*1) WAS V5.1 から WAS V7.0 で追加されたポートは、「管理プロセス間通信ポート(デフォルト 9632)」、
「HA マネージャー通信(DCS)ポート(デフォルト 9352)」、「DataPower アプライアンス・マネージャー・セキ
ュア・インバウンド・ポート(デフォルト 5555)」の 3 つです。
また、WAS V6.0/6.1 から WAS V7.0 で追加されたポートは、「管理プロセス間通信ポート(デフォルト
9632)」、「DataPower アプライアンス・マネージャー・セキュア・インバウンド・ポート(デフォルト 5555)」の 2
つです。
表 1-2 Step1 の統合ノードの移行ターゲットとなるカスタム・プロファイル(*1)作成に必要となる情報
必要な情報
プロファイル名
説明
プロファイルの名前です。
マイグレーション環境構築における注意/補足
任意。ソースのプロファイル名と一致させる必要
はありません。
プロファイル・デ プロファイル・データが保管され ソースとターゲットが同一マシンの場合、ソース
ィレクトリー
るディレクトリーの基点です。
のプロファイル・ディレクトリーと一致させてはい
けません。空のディレクトリーを指定して下さ
い。
ノード名
統合ノードの名前です。
必ずソースのノード名と同一の値 を指定しま
す。
ホスト名
ソースとターゲットが同一マシンの場合、ソース
のインストール時と変更する必要はありません。
デプロイメント・マ プロファイル作成時には、デプロイメント・マネ
ネ ー ジ ャ ーへ の
ージャーへの統合を行ってはいけません。必ず
統合の有無
「後でこのノードを統合」を選択します。
マイグレーション時に自動的に統合(addNode)
されます。
セキュリティー証 ソース環境から移行する場合も、WAS V7.0 環
明書
境のデフォルトとなる証明書を作成またはイン
ポートします。(*2)
*1) 統合ノードのマイグレーション・ターゲットとしては、アプリケーション・サーバー・プロファイルも可能
ですが、事前にアプリケーション・サーバーのプロセスは不要ですので、カスタム・プロファイルの作成を
お勧めします。
*2) WAS V5.1/6.0/6.1/7.0 のノード・エージェント、アプリケーション・サーバーが使用するポートは下記の
Information Center の記載を参照下さい。
WAS V7.0 Information Center「WebSphere Application Server バージョンにおけるポート番号設定」
http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/wasinfo/v7r0/topic/com.ibm.websphere.migration.nd.doc/info/a
e/ae/rmig_portnumber.html
- 11 -
WASPreUpgradeコマンドの実行前に、デプロイメント・マネージャーと統合ノードのそれぞれについて
下記の情報の確認・決定が必要です。
表 1-3 Step2 のデプロイメント・マネージャー・ノード/統合ノードの WASPreUpgrade コマンドの実行に必
要となる情報
必要な情報
必須/
オプション
必須
デフォルト
説明
-
currentWebSpher
eDirectory
traceString
必須
-
オプション
*=all=enabled
traceFile
オプション
backupDirectory/logs
machineChange
オプション
false
oldProfile
オプション
-
workspaceRoot
オプション
-
ソースの構成情報を保管するディレクトリー・
パスを指定します。
ソース WAS V5.1/6.0/6.1 のインストール・ル
ート・ディレクトリーのパスを指定します。
収集するトレース情報を指定します。デフォ
ルトで、すべてのトレース情報が収集されま
す。
トレース情報の出力ファイル名を指定。
traceString オプションを指定する場合は、こ
のオプションの指定が必須です。
OS およびマシンをまたいだマイグレーション
に使用されるオプション・パラメーターです。
このパラメーターを true に指定すると、WAS
のインストール済み環境またはプロファイ
ル・ディレクトリー階層の外部に保管されて
いる項目をバックアップすることによって、マ
イグレーション時における物理ハードウェア
の変更がサポートされます。false に指定す
ると、WAS のインストール済み環境またはプ
ロファイル・ディレクトリー下に保管されてい
るファイルのみが、マイグレーション時にバッ
クアップ・ディレクトリーにコピーされます。
WAS V5.1/6.0/6.1 から特定のインスタンスま
たはプロファイルをマイグレーションする場
合に指定します。
WAS V6.1 からのマイグレーションのみ有効/
必要なオプションです。
管理コンソールでカスタマイズした「マイ・タ
スク」設定のロケーションを指定します。
backupDirectory
WASPostUpgradeコマンドの実行前に、デプロイメント・マネージャーと統合ノードのそれぞれについて
下記の情報の確認・決定が必要です。
表 1-4 Step3 のデプロイメント・マネージャー・ノード/統合ノードの WASPostUpgrade コマンドの実行に
必要となる情報
必要な情報
backupDirectory
必須/
オプション
必須
デフォルト
説明
-
ソースの構成情報を保管したディレクトリー・
- 12 -
username
オプション
-
password
オプション
-
oldProfile
オプション
-
profileName
オプション
scriptCompatibili
ty
オプション
デフォルト・プロファイ
ル
true
portBlock
オプション
-
backupConfig
オプション
true
replacePorts
オプション
true
パスを指定します。
ソース WAS V5.1/6.0/6.1 においてグローバ
ル・セキュリティーまたは管理セキュリティー
が有効の場合、管理ユーザー名を指定しま
す。
ソース WAS V5.1/6.0/6.1 においてグローバ
ル・セキュリティーまたは管理セキュリティー
が有効の場合、管理ユーザーのパスワード
を指定します。
WAS V5.1/6.0/6.1 から特定のインスタンスま
たはプロファイルをマイグレーションする場
合に指定します。
ターゲットの WAS V7.0 プロファイル名を指
定します。
既存の管理スクリプトに対する影響を最小
限に抑える場合は、このパラメーターを true
に指定します。ただし、このオプションを true
にした場合、すべての統合ノードをマイグレ
ー シ ョ ン し た 後 に 、
convertScriptCompatability コマンドを使用
し、管理スクリプトの後方互換性をサポート
するモードから、完全な V7.0 構成モデルの
モードに構成を変換することが推奨されま
す。
新しいポートの作成時に割り当てる連続した
ポート番号の開始値を指定します。
ターゲットの WAS V7.0 の現在の構成を保
存するかどうかを指定します。
true を設定した場合、現在の構成のコピー
が<profile_root>/temp ディレクトリーに保存
されます。
true を設定した場合、ソースの構成のすべて
のポート値を新しい構成のポート値として置き
換えます。false を設定した場合、ターゲットの
現在のポートがそのまま使用されます。
includeApps
オプション
true
keepDmgrEnable
d
オプション
false
EAR のマイグレーションを行うか否かを設定
します。有効なパラメーターは、true、false、
script の 3 つのいずれかです。Script を選択
した場合は、EAR のマイグレーションは行わ
れず、スクリプトが準備されます。
ソースの WAS V5.1/6.0/6.1 のデプロイメン
ト・マネージャーを使用不可にするかどうか
を指定します。このオプションはデプロイメン
ト・マネージャーのマイグレーション時のみ
有効なパラメーターです。デフォルト値は使
用不可にします。異なるマシンへのマイグレ
ーションの場合は、true とします。
- 13 -
keepAppDirector
y
オプション
false
これは、すべてのアプリケーションを、現在配
置されているものと同じディレクトリーにインスト
ールするかどうかを指定します。
appInstallDirecto
ry
オプション
<WAS
V7.0_profile_root>¥inst
alledApps
マイグレーション中にすべてのアプリケーショ
ンをインストールする際に使用するディレクトリ
ー名を渡すために使用されるオプション・パラ
メーターです。 このパラメーターを指定する
と、-keepAppDirectory パラメーターは指定で
きません。
traceString
オプション
*=all=enabled
traceFile
オプション
backupDirectory/logs
収集するトレース情報を指定します。デフォ
ルトで、すべてのトレース情報が収集されま
す。
トレース情報の出力ファイル名を指定しま
す。traceString オプションを指定する場合
は、このオプションの指定が必須です。
1-3-3 ウィザードによるマイグレーション
ウィザードを使用することで、コマンドによる既存構成の取得/WAS V7.0 への移行を同時に行うことが
できます。ここでは、下記環境を例に WAS V7.0 にマイグレーションする手順を説明します。
図 1-6 マイグレーション環境の例
ウィザードによるマイグレーション手順の詳細は下記の Information Center の記載も参照下さい。
WAS V7.0 Information Center「マイグレーション・ウィザードを使用したバージョン 7.0 デプロイメント・マ
ネージャーへのマイグレーション」
http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/wasinfo/v7r0/topic/com.ibm.websphere.migration.nd.doc/info/a
e/ae/tmig_wizto70dm.html
WAS V7.0 Information Center「マイグレーション・ウィザードを使用したバージョン 5.1.x またはバージョ
ン 6.x 統合ノードのマイグレーション」
http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/wasinfo/v7r0/topic/com.ibm.websphere.migration.nd.doc/info/a
e/ae/tmig_wizto70mas.html
- 14 -
WAS V7.0 Information Center「マイグレーション・ウィザードを使用したバージョン 7.0 スタンドアロン・ア
プリケーション・サーバーへのマイグレーション」
http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/wasinfo/v7r0/topic/com.ibm.websphere.migration.nd.doc/info/a
e/ae/tmig_wizto70sas.html
<作業手順>
事前準備
1. マイグレーション後に、既存の WAS V5.1/6.0/6.1 の状態に戻せるようにするために、既存の WAS
V5.1/6.0/6.1 の状態を backupConfig コマンドまたはシステム・バックアップなどで、バックアップを取
得します。デプロイメント・マネージャー・ノードと各統合ノード(ノード・エージェント・ノード)の両方の
バックアップを取得します。
2. WAS V5.1/6.0/6.1 が導入されている各マシン(OS)に、WAS V7.0 を導入します。また、最新の WAS
V7.0 FixPack の適用を推奨します。
デプロイメント・マネージャーのマイグレーション
3. WAS V7.0 のプロファイル作成ウィザード、または、manageProfile コマンドを使用し、マイグレーショ
ン・ターゲットの WAS V7.0 のデプロイメント・マネージャー・プロファイル(管理プロファイルのサーバ
ー・タイプの 1 つです)を作成します。このとき、セル名とノード名は、マイグレーション・ソースである
WAS V5.1/6.0/6.1 のデプロイメント・マネージャーのセル名、ノード名と同一である必要(*1)がありま
す(プロファイル作成オプションで、[拡張プロファイル作成]オプションを選択して作成します)。尚、
後続のマイグレーション・ウィザードの中で、ターゲットのデプロイメント・マネージャー・プロファイル
を作成することもできます。
*1)必ずセル名はソースの WAS V5.1/6.0/6.1 のデプロイメント・マネージャーのセル名と同一である
必要があります。ただし、デプロイメント・マネージャーについては、ノード名は、同一もしくは、その
環境に存在する他のノード・エージェントのノード名と異なる名前であればマイグレーション可能で
す。
4. マイグレーション・ウィザードを起動します。以下のコマンドを実行します。
<WAS_root>/bin/migration.sh(.bat)
5. 「マイグレーション・ウィザードへようこそ」画面が表示されます。[次へ]をクリックします。
- 15 -
6. 「検出された WebSphere Application Server のバージョン」画面では、マイグレーション・ソースの
[WAS V5.1/6.0/6.1 の デ プ ロ イ メ ン ト ・ マ ネ ー ジ ャ ー (Network Deployment バ ー ジ ョ ン
5.1.*/6.0.*/6.1.*)]を選択します。選択リストにマイグレーション・ソースの既存インストールが表示さ
れない場合、チェックボックスを選択して、マイグレーション・ソースのインストール・ルート・ディレクト
リーへのパスを入力します。
7. 「ソース・プロファイルの選択」画面では、WAS V6.0/6.1 の場合は、デプロイメント・マネージャー・プ
ロファイルを選択します。WAS V5.1 の場合は、インスタンスを選択します。WAS V5.1 のデプロイメ
ント・マネージャーの初期導入時に自動的に作成されるインスタンスは[defaultInstance]です。
- 16 -
8. 「ターゲット・プロファイルの選択」画面では、マイグレーション・ターゲットとなる WAS V7.0 のデプロ
イメント・マネージャー・プロファイルを選択します。事前にソースとなるデプロイメント・マネージャ
ー・プロファイルを作成していない場合には、ここで、プロファイルを作成することも可能です。また、
[ソースをマイグレーションする前に、ターゲット・プロファイルをバックアップする]のチェックボックス
を ON にした場合には、ターゲット・プロファイルのマイグレーション前のバックアップが取得されま
す。
9. 「マイグレーション・バックアップ・ディレクトリー」画面では、ソースの WAS V5.1/6.0/6.1 の構成情報
を保管するディレクトリーを指定します。このディレクトリーは空きディレクトリーを指定して下さい。デ
ィレクトリーが存在しない場合には、作成されます。
- 17 -
10.
「アプリケーションのマイグレーション設定」画面では、ソース環境にデプロイされているアプリケ
ーションのマイグレーション実施の有無を選択します。アプリケーションのマイグレーションの有無だ
けでなく、マイグレーション処理中には、エンタープライズ・アプリケーションを実際にインストールす
ることなく、これらを WAS V7.0 の installableApps ディレクトリー内で準備するオプションを選択する
ことも可能です。このオプションを選択した場合、これらのアプリケーションをインストールする際に
使用できるスクリプトが生成され、マイグレーション・バックアップ・ディレクトリーに保管されます。
11.
アプリケーションをインストールするオプションを選択した場合には、「アプリケーションのマイグ
レーション設定」の 2 つ目の画面が表示されます。ここでは、アプリケーションのインストール・ディレ
クトリーを選択します。[前のバージョンと同じアプリケーション・インストール・ディレクトリーを保持す
る]オプションを選択した場合には、ソース環境とターゲット環境でアプリケーションが共有されます
ので、お勧めできません。詳細は Information Center を参照下さい。
- 18 -
12.
マイグレーション・ソースのセル環境の、管理セキュリティーまたはグローバル・セキュリティーが
有効な場合、「管理セキュリティー」画面が表示されます。ソース環境の構成情報にアクセス可能な
ユーザー名とパスワードを指定します。
13.
「デプロイメント・マネージャー・オプション」画面では、マイグレーション後にソースの WAS
V5.1/6.0/6.1 のデプロイメント・マネージャーの起動を許可するか否かを選択します。このオプション
を選択し、マイグレーション後も、マイグレーション・ソースのデプロイメント・マネージャーの起動を
許可する場合には、必ず、同一のノード・エージェントがソースとターゲットの 2 つのデプロイメント・
マネージャーから管理されることが無いよう注意して運用する必要があります。
尚、このオプションを選択せず、マイグレーション後にソースの WAS V5.1/6.0/6.1 デプロイメント・マ
ネージャーの使用を不可にした場合も、環境のロールバック手順にしたがい、事前に取得した
backup ファイルをリストアするか、wsadmin コマンドで migrationDisablementReversal.jacl コマンドを
実行することで、再度 WAS V5.1/6.0/6.1 のデプロイメント・マネージャーの環境に戻し、デプロイメン
ト・マネージャーを起動することは可能です。
- 19 -
14.
「ポート値の設定」画面では、ターゲットのデプロイメント・マネージャーに割り当てる TCP/IP ポ
ートを指定します。ソース環境のポートを使用するか、ターゲット環境のポートを使用するかを選択
します。ポート競合が発生した場合には、デフォルトではポート番号を指定された値から 1 ずつ増加
します。もし、競合が発生した場合のポート番号を指定する場合には、オプションの[開始ポート値]
を入力し、指定します。
15.
WAS V6.1 からのマイグレーションの場合、「管理コンソールのカスタマイズ「マイタスク」設定の
マイグレーション」画面が表示されます。管理コンソールのワークスペースのユーザー・ルート・ディ
レクトリーを指定します。
- 20 -
16.
「追加のマイグレーション・オプション」の画面では、wsadmin などのスクリプトの互換性を維持し
てマイグレーションを行うか、否かを選択します。このオプションは、WAS V7.0 セル環境に WAS
V5.1/6.0/6.1 ノードが存在するような混合ノード環境で一時的に運用が必要な場合などの一時的な
オプションとして用意されています。セル内のすべてのノードが WAS V7.0 にマイグレーションされた
後には、convertScriptCompatability コマンドを実行し、完全な WAS V7.0 の構成定義に変更するこ
とが推奨されます。
17.
「マイグレーションの要約」画面が表示されますので、内容を確認し、[次へ]をクリックします。マ
イグレーション処理が開始されます。
- 21 -
18.
「事前アップグレード処理からの出力」画面で、”マイグレーションの最初ステップが正常に完了
しました。”と表示されましたら、[次へ]をクリックします。
19.
「事後アップグレード処理からの出力」で、”マイグレーションは、正常に完了しました。”と表示
されましたら、[次へ]をクリックします。また、失敗や警告の内容を確認します。警告の内容は、マイ
グレーション後に、指示に従って対応が必要なものもあります。失敗した場合には、失敗の内容を
修正し、再度マイグレーションを実行して下さい。ソースのデプロイメント・マネージャーの使用を不
可にしたことも、警告として表示されますので、必ずしもすべての警告に対応が必要なわけではあり
ません。
- 22 -
上記画面中の警告は、障害として WAS V7.0.0.3 で修正の予定です。
WAS Support「PK74991: INVALID MIGR0455W MESSAGES IN WASPOSTUPGRADE」
http://www-01.ibm.com/support/docview.wss?rs=180&uid=swg1PK74991
20.
「マイグレーションの状況画面」が表示されます。[次へ]をクリックします。
21.
「マイグレーション・ウィザードの次のステップ」の画面が表示されます。継続して、同一マシン上
の統合ノード(ノード・エージェント・ノード)のマイグレーションを実施する場合には[次へ]を、これで
このマシン上のマイグレーションを終了する場合には、[取り消し]をクリックします。
尚、このマイグレーション処理のログは、マイグレーション・バックアップ・ディレクトリーで指定したデ
ィレクトリーの logs ディレクトリーに保管されます。
また、管理下のすべてのノード・エージェント・ノードのマイグレーションを行う前に WAS V7.0 の
新規デプロイメント・マネージャーでセル・レベルの変更を行った場合(仮想ホストに対する変更な
ど)、その変更はノード・エージェント・ノードのマイグレーション中に失われますので、ご注意下さ
い。
- 23 -
統合ノード(ノード・エージェントとそのノード・エージェントに管理されるアプリケーション・サーバー)のマ
イグレーション
22.
WAS V7.0 のプロファイル作成ウィザード、または、manageProfileコマンドを使用し、マイグレー
ション・ターゲットのWAS V7.0 のカスタム・プロファイルまたはアプリケーション・サーバー・プロファイ
ルを作成します。このとき、セル名とノード名は、マイグレーション・ソースであるWAS V5.1/6.0/6.1 の
ノード・エージェントのセル名、ノード名と同一である必要があります(デプロイメント・マネージャーと
は異なり、ノード名も同一である必要があります。プロファイル作成オプションで、[拡張プロファイル
作成]オプションを選択して作成します)。また、デプロイメント・マネージャーへの統合は行ってはい
けません。尚、後続のマイグレーション・ウィザードの中で、ターゲットのカスタム・プロファイルを作成
することもできます。
23.
マイグレーション・ターゲットの WAS V7.0 のデプロイメント・マネージャーを起動します。マイグ
レーション・ソースの WAS V5.1/6.0/6.1 のノード・エージェント、アプリケーション・サーバーは実行中
か停止中かによらず、マイグレーションは実行可能です。ただし、マイグレーション・ターゲットのノー
ドを起動する前に、ソースの WAS V5.1/6.0/6.1 のノード・エージェントとアプリケーション・サーバー
を停止する必要がありますので、この時点で停止することが推奨されます。
24.
マイグレーション・ウィザードを起動します。以下のコマンドを実行します。
<WAS_root>/bin/migration.sh(.bat)
25.
「マイグレーション・ウィザードへようこそ」画面が表示されます。[次へ]をクリックします。
- 24 -
26.
「検出された WebSphere Application Server のバージョン」画面では、WAS V6.0/6.1 からのマ
イグレーションの場合、[WAS V6.0/6.1 の統合ノード(Application Server Network Deployment バ
ージョン 6.0.*/6.1.*)]を選択します。WAS V5.1 からのマイグレーションの場合は、[WAS V5.1 の統
合ノード(Application Server バージョン 5.1.*)]を選択します。選択リストにマイグレーション・ソース
の既存インストールが表示されない場合、チェックボックスを選択して、マイグレーション・ソースのイ
ンストール・ルート・ディレクトリーへのパスを入力します。
27.
「ソース・プロファイルの選択」画面では、WAS V6.0/6.1 の場合は、統合ノードのプロファイル(カ
スタム・プロファイルまたはアプリケーション・サーバー・プロファイル)を選択します。WAS V5.1 の場
合は、インスタンスを選択します。WAS V5.1 の統合ノードの初期導入時に自動的に作成されるイン
スタンスは[defaultInstance]です。
- 25 -
28.
「ターゲット・プロファイルの選択」画面では、マイグレーション・ターゲットとなる WAS V7.0 のカ
スタム・プロファイルまたはアプリケーション・サーバー・プロファイルを選択します。事前にソースとな
るカスタム・プロファイルまたはアプリケーション・サーバー・プロファイルを作成していない場合に
は、ここで、プロファイルを作成することも可能です。また、[ソースをマイグレーションする前に、ター
ゲット・プロファイルをバックアップする]のチェックボックスを ON にした場合には、ターゲット・プロフ
ァイルのマイグレーション前のバックアップが取得されます。
29.
「デプロイメント・マネージャーの確認」画面が表示されますので、デプロイメント・マネージャー
のプロセスが起動していることを確認し、[次へ]をクリックします。
- 26 -
30.
「マイグレーション・バックアップ・ディレクトリー」画面では、ソースの WAS V5.1/6.0/6.1 の構成
情報を保管するディレクトリーを指定します。このディレクトリーは空きディレクトリーを指定して下さ
い。ディレクトリーが存在しない場合には、作成されます。
31.
「アプリケーションのマイグレーション設定」画面では、ソース環境にデプロイされているアプリケ
ーションのマイグレーション実施の有無を選択します。アプリケーションのマイグレーションの有無だ
けでなく、マイグレーション処理中には、エンタープライズ・アプリケーションを実際にインストールす
ることなく、これらを WAS V7.0 の installableApps ディレクトリー内で準備するオプションを選択する
ことも可能です。このオプションを選択した場合、これらのアプリケーションをインストールする際に
使用できるスクリプトが生成され、マイグレーション・バックアップ・ディレクトリーに保管されます。
- 27 -
32.
アプリケーションをインストールするオプションを選択した場合には、「アプリケーションのマイグ
レーション設定」の 2 つ目の画面が表示されます。ここでは、アプリケーションのインストール・ディレ
クトリーを選択します。[前のバージョンと同じアプリケーション・インストール・ディレクトリーを保持す
る]オプションを選択した場合には、ソース環境とターゲット環境でアプリケーションが共有されます
ので、お勧めできません。詳細は Information Center を参照下さい。
33.
マイグレーション・ターゲットのセル環境の、管理セキュリティーまたはグローバル・セキュリティ
ーが有効な場合、「管理セキュリティー」画面が表示されます。ソース環境の構成情報にアクセス可
能なユーザー名とパスワードを指定します。
- 28 -
34.
「ポート値の設定」画面では、統合ノードの各プロセスに割り当てる TCP/IP ポートを指定しま
す。ソース環境のポートを使用するか、ターゲット環境のポートを使用するかを選択します。ポート競
合が発生した場合には、デフォルトではポート番号を指定された値から 1 ずつ増加します。もし、競
合が発生した場合のポート番号を指定する場合には、オプションの[開始ポート値]を入力し、指定
します。
35.
「追加のマイグレーション・オプション」の画面では、wsadmin などのスクリプトの互換性を維持し
てマイグレーションを行うか、否かを選択します。このオプションは、WAS V7.0 セル環境に WAS
V5.1/6.0/6.1 ノードが存在するような混合ノード環境で一時的に運用が必要な場合などの一時的な
オプションとして用意されています。セル内のすべてのノードが WAS V7.0 にマイグレーションされた
後には、convertScriptCompatability コマンドを実行し、完全な WAS V7.0 の構成定義に変更するこ
とが推奨されます。
- 29 -
36.
WAS V6.1 の場合、「管理コンソールのカスタマイズ「マイタスク」設定のマイグレーション」画面
が表示されます。管理コンソールのワークスペースのユーザー・ルート・ディレクトリーを指定します。
37.
「マイグレーションの要約」画面が表示されますので、内容を確認し、また、ターゲットのデプロ
イメント・マネージャーのプロセスが起動していることを再度確認し、[次へ]をクリックします。マイグレ
ーション処理が開始されます。
- 30 -
38.
「事前アップグレード処理からの出力」画面で、”マイグレーションの最初ステップが正常に完了
しました。”と表示されましたら、[次へ]をクリックします。
39.
「事後アップグレード処理からの出力」で、”マイグレーションは、正常に完了しました。”と表示
されましたら、[次へ]をクリックします。また、失敗や警告の内容を確認します。警告の内容は、マイ
グレーション後に、指示に従って対応が必要なものもあります。失敗した場合には、失敗の内容を
修正し、再度マイグレーションを実行して下さい。ソースのノード・エージェントの使用を不可にした
ことも、警告として表示されますので、必ずしもすべての警告に対応が必要なわけではありません。
- 31 -
40.
「マイグレーションの状況画面」が表示されます。[次へ]をクリックします。
41.
「マイグレーション・ウィザードの次のステップ」の画面が表示されます。このマシン上のマイグレ
ーションを終了する場合には、[取り消し]をクリックします。
尚、このマイグレーション処理のログは、マイグレーション・バックアップ・ディレクトリーで指定した
ディレクトリーの logs ディレクトリーに保管されます。
42.
引き続き、リモートの統合ノードのマイグレーションを行います。手順 22 から繰り返します。
43.
WAS V7.0 の管理コンソールを起動し、正常にマイグレーションが行われたかを確認して下さ
い。
- 32 -
1-3-4 コマンドによるマイグレーション
コマンドで、マイグレーションを行う場合は、「WASPreUpgrade.sh(.bat)」で現行の構成情報を収集し、
新規 WAS V7.0 環境がセットアップされているマシンで「WASPostUpgrade.sh(.bat)」を、実行します。
<作業手順>
事前準備
1. マイグレーション後に、既存の WAS V5.1/6.0/6.1 の状態に戻せるようにするために、既存の WAS
V5.1/6.0/6.1 の状態を backupConfig コマンドまたはシステム・バックアップなどで、バックアップを取
得します。デプロイメント・マネージャー・ノードと各統合ノード(ノード・エージェント・ノード)の両方の
バックアップを取得します。
2. 移行先の各マシン(OS)に、WAS V7.0 を導入します。また、最新の WAS V7.0 FixPack の適用を推
奨します。
デプロイメント・マネージャーのマイグレーション
3. WAS V7.0 のプロファイル作成ウィザード、または、manageProfile コマンドを使用し、マイグレーショ
ン・ターゲットの WAS V7.0 のデプロイメント・マネージャー・プロファイル(管理プロファイルのサーバ
ー・タイプの 1 つです)を作成します。このとき、セル名とノード名は、マイグレーション・ソースである
WAS V5.1/6.0/6.1 のデプロイメント・マネージャーのセル名、ノード名と同一である必要(*1)がありま
す(プロファイル作成オプションで、[拡張プロファイル作成]オプションを選択して作成します)。
*1) 必ずセル名はソースの WAS V5.1/6.0/6.1 のデプロイメント・マネージャーのセル名と同一である
必要があります。ただし、デプロイメント・マネージャーについては、ノード名は、同一もしくは、その
環境に存在する他のノード・エージェントのノード名と異なる名前であればマイグレーション可能で
す。
4. ソースのデプロイメント・マネージャーが存在するマシンに、WAS V7.0 のインストール・メディアを挿
入します。
5. WAS V7.0 のインストール・メディアから、WASPreUpgrade コマンドを、下記の書式で実行します。
WAS V7.0 が導入されているマシンであれば、<WAS_Install_root>/bin の WASPreUpgrade コマンド
を実行して下さい。
WASPreUpgrade.sh(.bat) <Backup_Directory> <WAS_Source_Install_root>
詳細なコマンドオプションは、下記の Information Center の記載を参照下さい。
WAS V7.0 Information Center「WASPreUpgrade コマンド」
http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/wasinfo/v7r0/topic/com.ibm.websphere.migration.nd.doc/info/a
e/ae/rmig_WASPreUpgrade.html
例 1-1 WASPreUpgrade コマンドの実行例 (デプロイメント・マネージャー)
D:\win_ia32_suppl2\migration\bin>WASPreUpgrade.bat C:\WASDMMigration
C:\WAS51\WebSphere\DeploymentManager
IBM WebSphere Application Server, Release 7.0
Product Upgrade PreUpgrade tool, Version 1.0
Copyright IBM Corp., 1997-2008
- 33 -
MIGR0300I: マイグレーション機能が既存の Application Server 環境の保存を開始しています。
MIGR0302I: 既存ファイルを保存しています。
MIGR0425I: デプロイメント・マネージャーのマイグレーションが検出されました。
WASPostUpgrade プ
ロセスを続行する前に、フェデレーテッド・ノードで backupConfig コマンドを実行してください。
MIGR0303I: 既存の Application Server 環境が保存されました。
MIGR0420I: マイグレーションの最初のステップが正常に完了しました。
C:\WAS70\WebSphere\AppServer1\bin>
6. 移行元と移行先のマシンが異なる場合は、<Backup_Directory>に生成したファイルを、移行先のマ
シンにコピーします。
7. 移行先のマシンにおいて、WASPostUpgrade コマンドを、下記の書式で実行します。
WASPostUpgrade.sh(.bat) <Backup_Directory> –profileName <WASV7_Profile_name>
詳細なコマンドオプションは、下記の Information Center の記載を参照下さい。
WAS V7.0 Information Center「WASPostUpgrade コマンド」
http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/wasinfo/v7r0/topic/com.ibm.websphere.migration.nd.doc/info/a
e/ae/rmig_WASPostUpgrade.html
例 1-2 WASPostUpgrade コマンドの実行例 (デプロイメント・マネージャー)
C:\WAS70\WebSphere\AppServer\bin>WASPostUpgrade.bat C:\WASDMMigration -profileName MigDmgr01
IBM WebSphere Application Server, Release 7.0
Product Upgrade PostUpgrade tool, Version 1.0
Copyright IBM Corp., 1997-2008
MIGR0304I: 前の WebSphere 環境をリストアしています。
MIGR0346I: タイプ Ear File のオブジェクト filetransfer.ear はマイグレーションされません。それは
管理アプリケーションです。
MIGR0251I: マイグレーションにタイプ Ear File のオブジェクト DefaultApplication.ear が含まれませ
ん。それはサンプルです。
MIGR0346I: タイプ Ear File のオブジェクト adminconsole.ear はマイグレーションされません。それは
管理アプリケーションです。
CEIMI0006I Common Event Infrastructure のマイグレーションを開始しています。
MIGR0223I: マイグレーション機能は SSLConfig エントリー GuideManager/DefaultSSLSettings をモデル
に追加しています。
MIGR0223I: マイグレーション機能は SSLConfig エントリー GuideNode01/DefaultSSLSettings をモデル
に追加しています。
MIGR0223I: マイグレーション機能は SSLConfig エントリー GuideNode02/DefaultSSLSettings をモデル
に追加しています。
MIGR0223I: マイグレーション機能は JAASAuthData エントリー GuideNode01/samples をモデルに追加し
ています。
MIGR0223I: マイグレーション機能は JAASAuthData エントリー GuideNode01/psAlias をモデルに追加し
ています。
- 34 -
MIGR0223I: マイグレーション機能は JAASAuthData エントリー GuideManager/db2inst1 をモデルに追加し
ています。
MIGR0223I: マイグレーション機能は JAASAuthData エントリー GuideNode02/samples をモデルに追加し
ています。
MIGR0223I: マイグレーション機能は JAASAuthData エントリー GuideNode02/psAlias をモデルに追加し
ています。
MIGR0445W: JDBC プロバイダー DB2 Universal JDBC Driver Provider は、有効でなくなりました。
WebSphereConnectJDBCDriverConversion ツールを使用するか、新規 JDBC プロバイダーを作成するまで、
このプロバイダーのデータ・ソースを新たに作成することはできません。
MIGR0402I: 既存のトランスポートは、トランスポート・チャネル・サービスにマイグレーションされます。
詳しくは、インフォメーション・センターを参照してください。
MIGR0403I: ポート・アドレス 9090 のトランスポートは、チャネル TCP9090 にマイグレーションされ、
Default_Transport_To_Channel_pool ThreadPool に属します。
MIGR0403I: ポート・アドレス 9043 のトランスポートは、チャネル TCP9043 にマイグレーションされ、
Default_Transport_To_Channel_pool ThreadPool に属します。
MIGR0486I: ファイル server.xml の PMIService:initialSpecLevel 設定は推奨されません。
MIGR0339I: アプリケーション IntroWAS.ear が wsadmin コマンドを使用してデプロイされています。
CEIMI0007I Common Event Infrastructure のマイグレーションが完了しました。
MIGR0307I: 前の Application Server 環境のリストアが完了しました。
MIGR0271W: マイグレーションは、1 つ以上の警告を伴って、正常に完了しました。
C:\WAS70\WebSphere\AppServer\bin>
8. ターゲットのデプロイメント・マネージャーを起動し、正しく稼動することを確認します。
統合ノード(ノード・エージェントとそのノード・エージェントに管理されるアプリケーション・サーバー)のマ
イグレーション
9. マイグレーション・ターゲットの WAS V7.0 のデプロイメント・マネージャーを起動します。デプロイメン
ト・マネージャーの移行先マシンを変更した場合には、ソース統合ノードにおいて、syncNode コマン
ドを実行し、WAS V7.0 デプロイメント・マネージャーと WAS V5.1 統合ノードの構成情報の同期化を
行います。syncNode コマンドの引数のデプロイメント・マネージャーのホスト名と SOAP 接続ポート
番号として、WAS V7.0 デプロイメント・マネージャーのホスト名と SOAP 接続ポート番号を指定しま
す。syncNode コマンドを実行後、ノード・エージェントとアプリケーション・サーバーを起動し、デプロ
イメント・マネージャーのみを V7.0 に移行した状態で正しく稼動することを確認します。
10.
WAS V7.0 のプロファイル作成ウィザード、または、manageProfileコマンドを使用し、マイグレー
ション・ターゲットのWAS V7.0 のカスタム・プロファイルまたはアプリケーション・サーバー・プロファイ
ルを作成します。このとき、セル名とノード名は、マイグレーション・ソースであるWAS V5.1/6.0/6.1 の
ノード・エージェントのセル名、ノード名と同一である必要があります(デプロイメント・マネージャーと
は異なり、ノード名も同一である必要があります。プロファイル作成オプションで、[拡張プロファイル
作成]オプションを選択して作成します)。また、デプロイメント・マネージャーへの統合は行ってはい
けません。
11.
マイグレーション・ソースの WAS V5.1/6.0/6.1 のノード・エージェント、アプリケーション・サーバ
ー は 実 行 中 か 停 止 中 か に よ ら ず 、 WASPreUpgrade コ マ ン ド は 実 行 可 能 で す 。 た だ し 、
WASPostUpgrade コマンドを実行する前に、ソースの WAS V5.1/6.0/6.1 のノード・エージェントとアプ
リケーション・サーバーを停止する必要がありますので、この時点で停止することが推奨されます。
12.
ソースの統合ノードが存在するマシンに、WAS V7.0 のインストール・メディアを挿入します。
- 35 -
13.
WAS V7.0 のインストール・メディアから、WASPreUpgrade コマンドを、下記の書式で実行しま
す。WAS V7.0 が導入されているマシンであれば、<WAS_Install_root>/bin の WASPreUpgrade コマ
ンドを実行して下さい。
WASPreUpgrade.sh(.bat) <Backup_Directory> <WAS_Source_Install_root>
例 1-3
WASPreUpgrade コマンドの実行例 (統合ノード)
C:\WAS70\WebSphere\AppServer\bin>WASPreUpgrade.bat D:\WASNodeMigration
D:\WAS51\WebSphere\AppServer
IBM WebSphere Application Server, Release 7.0
Product Upgrade PreUpgrade tool, Version 1.0
Copyright IBM Corp., 1997-2008
MIGR0300I: マイグレーション機能が既存の Application Server 環境の保存を開始しています。
MIGR0302I: 既存ファイルを保存しています。
MIGR0303I: 既存の Application Server 環境が保存されました。
MIGR0420I: マイグレーションの最初のステップが正常に完了しました。
C:\WAS70\WebSphere\AppServer\bin>
14.
移行元と移行先のマシンが異なる場合は、<Backup_Directory>に生成したファイルを、移行先
のマシンにコピーします。
15.
移行先のマシンにおいて WASPostUpgrade コマンドを、下記の書式で実行します。
WASPostUpgrade.sh(.bat) <Backup_Directory> –profileName <WASV7_ Profile_name>
例 1-4
WASPostUpgrade コマンドの実行例 (統合ノード)
C:\WAS70\WebSphere\AppServer1\bin>WASPostUpgrade.bat C:\WASNodeMigration -profileName
MigCustom01
IBM WebSphere Application Server, Release 7.0
Product Upgrade PostUpgrade tool, Version 1.0
Copyright IBM Corp., 1997-2008
MIGR0304I: 前の WebSphere 環境をリストアしています。
CEIMI0006I Common Event Infrastructure のマイグレーションを開始しています。
MIGR0486I: ファイル server.xml の Transports 設定は推奨されません。
MIGR0486I: ファイル server.xml の Transports 設定は推奨されません。
MIGR0486I: ファイル server.xml の PMIService:initialSpecLevel 設定は推奨されません。
MIGR0486I: ファイル server.xml の PMIService:initialSpecLevel 設定は推奨されません。
MIGR0486I: ファイル server.xml の Transports 設定は推奨されません。
MIGR0486I: ファイル server.xml の PMIService:initialSpecLevel 設定は推奨されません。
DSRA7606I: 作成される新規 Derby データベースの名前は
C:\WAS70\WebSphere\AppServer1\profiles\MigCustom01\databases\PetStoreDB_1373398157_Mon-Dec-2213.55.34-JST-2008 です
- 36 -
MIGR0486I: ファイル server.xml の JMSServer 設定は推奨されません。
MIGR0351I: マイグレーション機能は、SOAP プロトコルを使用してデプロイメント・マネージャーと同期
化しようとしています。
MIGR0241I: syncNode の出力です。
ADMU0116I: ツール情報は次のファイルに記録されています:
C:\WAS70\WebSphere\AppServer1\profiles\MigCustom01\logs\syncNode.log
ADMU0128I: MigCustom01 プロファイルを使用してツールを開始しています
ADMU0401I: Deployment Manager AA3088661 とノード GuideNode02 の syncNode
オペレーションを開始します: 8879
ADMU0016I: ノードとセルの間で構成を同期中です。
ADMU0402I: ノード GuideNode02 の構成が Deployment Manager ********* と同期化されました: 8879
MIGR0352I: デプロイメント・マネージャーと正常に同期化されました。
CEIMI0007I Common Event Infrastructure のマイグレーションが完了しました。
MIGR0307I: 前の Application Server 環境のリストアが完了しました。
MIGR0271W: マイグレーションは、1 つ以上の警告を伴って、正常に完了しました。
C:\WAS70\WebSphere\AppServer1\bin>
16.
ターゲットのノード・エージェントとアプリケーション・サーバーを起動し、正しく稼動することを確
認します。事前にソースのノード・エージェントとアプリケーション・サーバーは必ず停止して下さい。
17.
統合ノード毎に、この手順を行います。手順 9 からを繰り返します。
1-3-5 IHSのマイグレーション
IHS を V1.3.x/2.0.x/6.0.x/6.1.x から V7.0 へマイグレーションする際のツールによるサポートはありませ
ん。IHS のマイグレーションは、新規に IHS をインストールし、設定を行います。
手順は、通常のインストールと同様です。WAS V5.1/6.0/6.1 に同梱される IHS V2.0.x/6.0/6.1 を使用し
ているのであれば、同じ設定を、IHS V7.0 にも行って下さい。WAS V5.1 に同梱される IHS V1.3.x を使
用している場合は、インストール後、以前の IHS と同じリクエストを受けられるように、httpd.conf を設定し
直す必要があります。IHS V1.3 のプロセス単位のリクエスト処理から、プロセスとスレッドのハイブリッドの
処理によるリクエスト処理に変わったことによる設定変更の主要な箇所は、下記のようになります。
例 1-5 IHS V1.3 の httpd.conf
MaxClients 256
StartServers 5
MaxSpareServers 10
MinSpareServers 5
例 1-6 IHS V7.0 の httpd.conf
<IfModule worker.c>
StartServers
ServerLimit
MaxClients
MinSpareThreads
MaxSpareThreads
2
64
600
25
75
#起動時のプロセス数の指定
#最大プロセス数
#リクエストを同時に処理可能な最大値
#待機スレッドの最小値
#待機スレッドの最大値
- 37 -
ThreadLimit
ThreadsPerChild
MaxRequestsPerChild
</IfModule>
25
25
0
#1プロセスあたりのスレッド最大数
#起動時における1プロセスあたりのスレッド数
#1 つのプロセスが処理できるリクエストの最大値
IHS V1.3 のベースは Apache 1.3、IHS V2.0/6.0/6.1 のベースは、Apache 2.0 です。Apache 1.3 から 2.0
と Apache2.0 から 2.2 への変更におけるディレクティブの変更の詳細は、Apache のサイトを参照下さい。
Apache HTTP Server Version 2.2「Upgrading to 2.2 from 2.0」
http://httpd.apache.org/docs/2.2/upgrading.html
Apache HTTP Server Version 2.0「1.3 から 2.0 へのアップグレード」
http://httpd.apache.org/docs/2.0/upgrading.html
1-3-6 プラグインのマイグレーション
プラグインを WAS V5.1/6.0/6.1 から WAS V7.0 へマイグレーションする際のツールによるサポートはあ
りません。プラグインのマイグレーションは、新規にプラグインをインストールし、設定を行います。手順
は、通常のインストールと同様です。
1-3-7 wsadminのマイグレーション
WAS V5.1/6.0/6.1 で使用していた多くの wsadmin のスクリプトはマイグレーション後も、使用することが
可能です。ただし、マイグレーションにより、コマンドのパスなどが変更になりますので、十分スクリプトの
稼動確認を行って下さい。
WAS V5.1 から、WAS V7.0 にマイグレーションすることで、変更になる項目は組み込みメッセージング
をデフォルトのメッセージング・エンジンに移行した場合や、Web コンテナーなどの HTTP トランスポート
の設定およびトランザクション・ログ・ディレクトリーなどがあります。また、WebSphere Connect JDBC
Driver などの除去されたフィーチャーにもご注意下さい。
WAS V7.0 Information Center「バージョン 5.1.x からの管理スクリプトのマイグレーション」
http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/wasinfo/v7r0/topic/com.ibm.websphere.migration.nd.doc/info/a
e/ae/txml_migrate5to6.html
- 38 -
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