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WAKAYAMA 2012年度人気ランキング 全国7位。 絶大な人気の秘密にせまる!

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WAKAYAMA 2012年度人気ランキング 全国7位。 絶大な人気の秘密にせまる!
WAKAYAMA
2012 年度人気ランキング 全国 7 位。
絶大な人気の秘密にせまる!
2012 年度医師臨床研修マッチングの中間結果で、和歌山県立医科大学附属病院は全国 79 大学病院中 7 位にランキング
され、
昨年の 9 位(一昨年は 12 位)からさらに順位を上げた。都市圏以外の大学病院としては最高位である。その理由は、
自由度の高いプログラム、次に 1 次から 3 次まで対応する救命救急センター、そして県内外 26 施設に及ぶ協力病院での
研修体制など。研修医はもちろん、全国の研修病院も注目する研修システムを紹介する。
KOKUTAI 2012 6 月号
39
WAKAYAMA
徹 底 解 剖
和歌山県立医科大学附属病院
研修医インタビュー①
谷村美紀医師 (2 年目研修医・和歌山県立医科大学卒)
3カ月ごとにローテート先を決めるとき、1 年目、2 年目研修医が同じ部屋にいて気軽に情報
交換できるため、困ることはありません。 私は血液内科からスタート。 腰椎穿刺などの手技
を経験できたこと、学術的な興味がわいたことは大きな収穫でした。 次に、志望の小児科医
へ行き、成人と小児の違いを肌で感じることができました。また、たすきがけ方式ではない
ので、大学病院と市中病院の小児科を両方みられるのは大きなメリットです。
ここの自由度の高いプログラムは、志望が決まっている人には特におすすめですが、決めか
研修プログラム
県内外の協力病院でも研修を行うことができ、
ねている人にもフレキシブルに対応できるので魅力的だと思いますよ。
非常に自由度の高いプログラムが研修医の満
足度に直結。ローテーションは同期の研修医
でほぼ全て決めている。1 年目研修医が先輩
に相談する姿がよくみられ、 縦横の人間関係
血液内科
小児科
救急
外病院
内科
産婦人科
3
3
3
1
2
1 年目の研修内容
(カ月)
も風通しが良い。
という考え方のもと、研修医の意見を取り入れな
大阪から和歌山まで JR 阪和線特急で 1 時間、紀
1、2 年目研修医の机が並ぶ研修センターの一角
勢線に乗り換え、桜の名所として名高い紀三井寺
には、ローテート状況を記したホワイトボードがあ
の駅から徒歩 5 分。目の前には万葉集にも詠まれた
る。その前に研修医が集まり、情報交換しながら次
和歌浦湾が広がる。都会志向が強いといわれる若
のローテート先を決める様子は、同院では当たり前。
い研修医を引きつけてやまない和歌山県立医科大
先輩研修医も有益なアドバイスを提供する。
学附属病院は、そんな風光明媚な場所にある。
自分で考えて選びとっていくシステムには厳し
マッチ者数は毎年増加しており、今年度は 62 人。
さもあるが、着実に成長できることは確かだ。
そのうち 48%が他大学出身者だ。近畿大学出身
救急
で 2 年目研修医の嶋智子医師は、「出身大学の区別
1 〜 3 次救急まで対応しており、ドクターヘリに
乗る機会も。common diseaseをはじめ多様
な症例を経験できる。 何といっても各専門診療
科の Back upを受けられるのが魅力。
なくあたたかく迎えてくれました。同期や先輩研
■「医師臨床研修マッチング」 の結果
60
と語る。
20
いいこともあるが、最大の魅力は何と言っても「自
由度の高いプログラム」だ。
同院では、3 カ月ごとに研修医自身が希望する診
実力を積むことができる。
りあげてきた。
40
大きい。病院や卒後臨床研修センターの雰囲気が
2009 年 12月に設立された臨床研修センターの
スキルスラボ(臨床技能研修センター)では、
さまざまなシュミレーターが準備されており病院
スタッフの新人研修にも利用されている。この
設備を使用して講習会が行われることも。この
他、 県内外に多数ある協力病院での研修などで
がら自主性に富んだフレキシブルな仕組みをつく
修医ともすぐに打ち解け、楽しく研修しています」
他大学出身者が数多く集まるのは口コミの力が
施設
▶病院 DATA
和歌山県立医科大学附属病院
〒 641-8510 和歌山県和歌山市紀三井寺 811-1
TEL 073-447-2300
http://www.wakayama-med.ac.jp
診療科
糖尿病・内分泌代謝内科、消化器内科、呼吸器・
アレルギー内科、循環器内科、血液内科、神経
内科、小児科、神経精神科、皮膚科、放射線科、
心臓血管外科・呼吸器外科・乳腺外科、消化器
外科・内分泌・小児外科、脳神経外科、整形外
科、リハビリテーション科、麻酔科、産科・婦人
科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、眼科、歯科口腔外
科、救急集中治療部
病床数 800 床
マッチング情報
2011 年度募集定員
64 名
40
同マッチング結果
61 名
自由度の高いプログラム
自分で研修をデザインしながら成長
0
平成16年 17年
18年
19年
20年
21年
22年
23年
高度救命救急センターの機能評価は
全国で第 3 位、西日本ではトップ
療科や病院、研修期間を自由に決められる。「研修
研修時に救急医療がしっかり学べるかどうかは、
医の満足度が高い研修システムは、能力の高い医
病院選びにおける大きな関心事だが、その点でも
師を育てる」
(上野雅巳卒後臨床研修センター長)
同院の評価は高い。1次から 3 次救急まで対応でき
研修医リレーインタビュー▶将来の目標は?
岡村 吉隆病院長
卒後臨床研修センター
上野 雅巳センター長
救急集中治療部
加藤 正哉教授
中野 光規医師
玉井 英伸医師
都木 登妃子医師
KOKUTAI 2012 6 月号
前島 秀哉医師
41
研修医インタビュー②
研修医インタビュー③
森岡貴勢医師 (2 年目研修医・高知大学卒)
嶋智子医師 (2 年目研修医・近畿大学卒)
救急医を目指し、救急医療研修に力を入れている首都圏の有名病院も数多く見学しましたが、
1 次から3 次まで対応しているところは限られ、その中の一つがここでした。1 年目は循環器、
自由度の高いプログラム、研修環境や雰囲気のよさを口コミで知り、見学に来たら、指導医
麻酔、小児、放射線、救急の順でローテート。2 年目は協力病院などをまわり、最後に約 2
研修内容も評判通りで、特に救急医療は 1 次から3 次まで経験でき、ドクターヘリにも搭乗で
きるなど充実しています。
週間の海外留学研修に参加するつもりです。 海外の先進病院を直に体験できるこの制度も実
の先生方がたくさん集まってきて 「ここの研修は楽しいよ」 と。いまそれを実感しています。
は決め手の一つでした。
皮膚科志望なので 1 年目の最初にローテートしましたが、消化器内科の研修で、内視鏡によ
私は薬剤師として社会人を経験したあと医師になりましたが、何の抵抗もなくとけ込め、各
る検査、診断にも魅力を感じました。 指導医の先生方がとても熱心に教えてくれますし、先
病棟も仕事がしやすいと感じます。 個々の研修医の思いを受け入れてサポートする、柔軟性
に富む研修システムに満足しています。
輩研修医にはいつも相談に乗ってもらっています。自分がよくしてもらったように、後輩のお
世話をしたいと思います。
循環器
麻酔科
小児科
放射線科
救急
皮膚科
放射線科
精神科
消化器内科
循環器内科
3
2
2
2
3
3
2
1
3
2
1 年目の研修内容
(カ月)
1 年目の研修内容
小児科
1
(カ月)
県内外に協力病院が多数
総合力をつけながら専門医取得も
の教育体制という土壌は当院の財産です。このよ
の最後の砦。2 つの機能で県民の命を守るという使
協力病院、協力型臨床研修施設の多さも全国トッ
岡村病院長自身、心臓血管外科医として困難な
設 27 カ所中 3 位と非常に高い評価を得ている。
命が同院にはある。
プレベルを誇る。協力病院は、日本赤十字社和歌山
手術を執刀するなど診療の第一線で活躍し、研修
その要因の一つに、優れた救急医療研修システム
もう一つ、全国でもめずらしい overnight bed
医療センターなど県内の全公的病院と、医療特区
医の身近で指導にあたっている。
がある。手薄になりがちな夜間も屋根瓦方式の指
を 12 床もっていることも特色だろう。緊急入院
となったりんくう総合医療センターなど大阪府の 3
臨床研修センター設立当初からセンター長を務
導体制が整えられ、2 年目研修医、後期研修医、さ
が必要なほどではないが、帰宅させてしまうのは
病院の計 18 病院、協力型臨床研修施設は、国保す
める上野センター長は言う。
らに内科と外科の各指導医が 1 年目研修医をがっ
心配という患者さんを朝まで経過観察できるのは、
さみ病院、白浜はまゆう病院など県内 7 病院と、北
「自分でデザインできる研修プログラム、屋根瓦
ちり支える。
医療者にとっても患者さんやその家族にとっても
海道 2 病院、秋田県1病院の計 10 病院だ。協力病
式の指導体制で common disease から特殊疾患ま
救急集中治療部の加藤正哉教授は、「研修医を育
安心感が大きい。
院での研修は、いわゆる “ たすきがけ方式 ” ではな
で全科取りこぼしなく診断できる救急医療研修な
てる仕組みが効率的なため、3 カ月という期間で一
加藤教授は、救急医療の指導のみならず救急医
いため、地域医療研修以外は大学病院で研修とい
ど、システムは整ってきたので、今後は質をより向
人一人が戦力としてしっかり成長するので、救命
の育成にも積極的に取り組む。
う選択肢もある。
上させることが目標です。医学部定員が増え、医学
る救命救急センターは、厚生労働省による「救命
(同)にも及ぶ。ドクターヘリは、交通の不便な山
救急センターの評価」で、全国 235 施設中 7 位に
間部や漁村にとってはまさに命綱だ。先進的で専
ランキングされ、西日本ではトップ。昨年 4 月には
門的な医療を提供する高度医療機関と、地域医療
高度救命救急センターに指定され、全国の指定施
うな環境の中、専門医の資格取得を目指し、実現
させる研修医が多いことはうれしい」と話す。
救急センターが高いアクティビティーを保つこと
「救命救急センターは消防やケースワーカー、自治
県内外の多くの病院が同院とともに医師を育成
部の新設も検討される中、医師のキャリアデザイン
ができていると感じます」と、研修医の力量を評
体などとの繋がりが強く、僻地医療とはまた違っ
しようとするのは、その研修プログラムと、研修
は容易ではなくなっていくでしょう。generalist
価する。
た地域医療の醍醐味を味わえます。人が好きで生
医の資質に大きな信頼と期待を寄せているからに
として総合力を身につけ、かつ誰にも負けない専門
和歌山県は決して医療資源に恵まれた地域では
徒会活動などで活躍してきた人には適性があると
他ならない。
分野を持つ人ならずっと生き残れる。そういう医師
ない。しかし、だからこそ大学病院であっても1
思いますよ」
岡村吉隆病院長は、「早くから臨床研修センター
になってほしいと思います」
次、2 次救急の症例が豊富なのだ。同院の救命救急
救急医療はコミュニティとの距離が近い。高い
やスキルスラボといったハードを整え、同時に組
受け身ではいられない厳しさはあるが、万全の
センターには、walk in で訪れる患者さんのための
医療技術に加え、調整能力や交渉能力、教育力な
織やプログラムなどソフトの充実にも力を入れて
体制とあたたかい心で、「医師としても社会人とし
診察室があり、市中病院並みに common disease
ど幅広い能力が必要だが、それだけにやりがいが
きました。その結果、意欲ある研修医が集まり、
ても、自ら考えて行動できる人」(岡村病院長)を
は多い。その一方で、救急車の搬送回数は 4,740
あるはずだ。
研修病院として評価されるようになったというこ
育てる。それが、和歌山県立医科大学附属病院の
とでしょう。指導医の熱心さ、病院一体となって
臨床研修だ。
回(2011 年)、ドクターヘリの出動回数は 381 回
▶あなたにとって和医大とは?
42
森井 智也医師
早川 佳奈医師
▶研修で気を付けていることは?
都木 航医師
里神 和美医師
奥平 和也医師
▶医学生へ一言
山東 茂樹医師
大東 周碁医師
KOKUTAI 2012 6 月号
朝田 裕貴医師
43
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