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中国国外企業の再編に係る中国税務上の 取り扱い – 「持分譲渡」か否か Transaction M&A News

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中国国外企業の再編に係る中国税務上の 取り扱い – 「持分譲渡」か否か Transaction M&A News
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中国国外企業の再編に係る中国税務上の
取り扱い – 「持分譲渡」か否か
Issue 77, March 2015
In brief
中国では、従来、中国国外企業の再編により中国国内企業の出資者が変更された場合に、これを税務上どの
ように取り扱うべきか明文規定がありませんでした。2009年4月30日に「財政部、国家税務総局による企業再編
取引における企業所得税の処理に係る若干の問題に関する通達」として公布された財税[2009]59号以来、現
在に至るまでにいくつかの関連税務通達が公布されてきましたが、中国税務上の取り扱いが明らかになること
はなく、実務処理が不安定な状況が続いていると言えます。そのような状況の下で、今年に入り国家税務総局
により「中国国外企業による間接財産譲渡における企業所得税の若干の問題に関する公告」として公布され
た国家税務総局公告[2015]7号に注目すべき規定が見受けられたため、ここにご報告致します。
In detail
1. 従来までの取り扱い
中国では、従来、中国国外企業の再編により中国国
内企業の出資者が変更された場合に、これを税務上
どのように取り扱うべきか明文規定がありませんでし
た。例えば、日本本社が、中国に子会社を保有する
日本国内の100%子会社を吸収合併する場合、当該
中国子会社の出資者が、日本子会社から日本本社
に変わることになりますが、このような取引につき、中
国税務上「持分譲渡」として取り扱うべきか、単に出
資者の名称が変更されただけのものとして取り扱うべ
きか、明らかにされていませんでした。実務的には、
税務上の「持分譲渡」として取り扱い、譲渡人に該当
する中国国外企業に対してキャピタルゲイン課税を
課すべきである、という考え方と、持分譲渡契約も無
く、また持分そのものに対する対価の支払いも無い
以上、「持分譲渡」という行為と同義の行為と捉える
べきではない、とする考え方が両立し得る状況が続
いていたと言えます。これは、中国税務上、「持分譲
渡」にどのような行為が含まれるのか、その定義が曖
昧なままにされていたことに起因するものと考えられ
ます。
2013年に公布された国家税務総局公告[2013]72号
(以下、「72号公告」)では、2009年に公布された企業
再編に係る税務通達である財税[2009]59号(以下、
「59号通達」)に規定されている中国国外企業による
中国国内企業の持分の譲渡につき、特殊性税務処
理が適用されるケースについて詳細を規定していま
す。特に、中国国外企業が、その100%出資している
中国国外企業に対して、中国国内企業の持分を譲
渡する状況には、当該中国「国外企業の分割、合併
により中国子会社の持分が譲渡される状況を含むも
のとする」との考え方が明らかにされたことで、59号通
達に規定されている特殊性税務処理が適用される
「持分譲渡」には、中国国外企業の分割、合併により
中国国内企業の出資者が変更される場合が含まれ
ることが明らかになりました。しかしながら、中国国外
企業による分割、合併という行為によって、中国国外
企業からその親会社に中国国内企業の出資者が変
更される場合や、中国国外の第三者間で中国国内
企業の出資者が変更される場合等、59号通達に規
定されている特殊性税務処理が適用され得る出資
者の変更パターン以外のパターンで中国国内企業
www.pwc.com/jp/tax
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の出資者が変更される場合についてまで、これを「持分譲渡」として取り扱うべきかどうかは不明確なままであったと考えられます。
そのような状況の下で、今年に入り、新たに中国企業の持分等に係る間接譲渡取引の中国税務上の取り扱いに係るより詳細な
規定として国家税務総局公告[2015]7号(以下、「7号公告」)が公布されました(Transaction M&A News Issue 76参照)。当該7
号公告では、間接譲渡には、「中国国外企業の再編による国外企業の株主変更の状況も含む」ものと規定しており、中国国外
企業の分割、合併を含むいわゆる組織再編行為を要因として、中国国内企業を直接または間接的に保有する中国国外企業の
株主が変更される場合には、当該組織再編行為は、中国税務上、間接「持分譲渡」として取り扱われることが明らかにされたも
のと考えられます。
間接譲渡とはいえ、中国国外企業による再編行為が中国税務上の「持分譲渡」に含まれることが直近の税務通達上明記された
という事実は、今後同様の行為が生じた際の実務上の取り扱いおよび、課税関係に大きな影響を及ぼす可能性を示唆している
ものとも考えられます。
事例1
日本本社
日本子会社
日本本社
吸収合併
中国子会社
中国子会社
事例2
日本本社
日本子会社 A
日本本社
日本子会社 B
日本子会社 B
中国子会社
吸収合併
中国子会社
2. 今後の展望
今後、中国国外企業による再編行為は、中国税務上の「持分譲渡」に含まれるものとして、その譲渡人に対するキャピタルゲイ
ン課税に係る特殊性税務処理の適用の可否について問われることになる可能性があるものと考えられます。
納税者としては、まず、59号通達の対象となる2008年1月1日以後に実施された中国国内企業の出資者の変更を伴う中国国外
企業の再編行為の税務処理について、課税当局によりその見直しが図られる可能性を視野に入れて、過去における当該再編
PwC
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行為に係る中国税務上の取り扱いにつき、規定が不明確である中で課税当局と議論しているかどうかにつき、今一度確認をさ
れることが望ましいものと考えられます。
また、今後予定されている再編行為につきましては、中国国内企業の出資者変更を伴うものであるかどうかに留意していただき、
事前にその影響の有無、程度につき検討の上で、課税当局と議論し、その了解を取りながら処理を進められることが肝要となり
ます。
今後、上述の論点について更に議論が深まっていくことが予想され、税務上の取り扱いを一層明確にするような税務通達の公
布の可能性もあり得るものと考えられます。
PwC
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