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三角株式交換に係る適格判定について Transaction M&A News In brief

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三角株式交換に係る適格判定について Transaction M&A News In brief
Transaction M&A News
三角株式交換に係る適格判定について
Issue 85, November 2015
In brief
先日、国税庁より「いわゆる「三角株式交換」に係る具体的な適格判定について」の質疑応答事例が公表さ
れました。当該事例では、いわゆる三角株式交換(株式交換完全子法人の株主に交付する株式交換の対価
として、株式交換完全親法人株式ではなく、株式交換完全親法人の発行済株式等の全部を保有する法人で
ある株式交換完全支配親法人株式が交付される株式交換)が行われる場合の、共同で事業を営むための株
式交換として適格株式交換に該当するための要件のうち、株式継続保有要件についての検討がなされてい
ます。
本ニュースレターでは、公表された事例の概要についてご説明いたします。
In detail
1.
共同事業要件の株式継続保有要件についての取り扱い
株式交換完全子法人と株式交換完全親法人との関係が、完全支配関係及び支配関係のいずれにも該当し
ない場合において、その株式交換が次の①及び②のいずれも満たすときには、当該株式交換は適格株式交
換に該当することとなります(法法 2 十二の十六ハ)。
①
②
株式交換完全子法人の株主に株式交換完全親法人の株式又は株式交換完全支配親法人株式
(株式交換完全親法人との間に当該株式交換完全親法人の発行済株式等の全部を保有する関
係がある法人の株式)のいずれか一方の株式以外の資産が交付されないこと。
その株式交換が、株式交換完全子法人と株式交換完全親法人とが共同で事業を営むための株式
交換に該当すること。
上記の共同で事業を営むための株式交換として適格株式交換に該当するための要件(以下「共同事業要
件」)のうち、株式継続保有要件は、株式交換完全子法人の株主の数が 50 人未満である場合において、株
式交換の直前の株式交換完全子法人の株主で株式交換により交付を受ける株式交換完全親法人株式又は
株式交換完全支配親法人株式のいずれか一方の株式(議決権のないものを除く)の全部を継続して保有す
ることが見込まれる者が有する株式交換完全子法人の株式(議決権のないものを除きます)の数を合計した
数が、株式交換完全子法人の発行済株式等(議決権のないものを除きます)の総数の 80%以上であるかどう
かにより判定することとされています。
この判定にあたって、株式交換完全親法人が株式交換完全子法人の株式を保有している場合には、株式交
換完全親法人が有する株式交換完全子法人株式(議決権のないものを除きます)の数を合計して判定するこ
ととされています(法令 4 の 3⑯五)。
なお、いわゆる三角株式交換の場合には、株式交換完全支配親法人が株式交換完全子法人の株式を保有
している場合には、株式交換完全支配親法人が有する株式交換完全子法人株式(議決権のないものを除き
ます)の数も合計して判定することとされています(法令 4 の 3⑯五)。
www.pwc.com/jp/tax
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2.
本件事例の概要
A 社の 100%子会社である B 社と、A 社が発行済株式の 22%を保有する C 社との間で、B 社を株式交換完
全親法人、C 社を株式交換完全子法人とする株式交換が予定されています(A 社、B 社及び C 社はいずれ
も株式会社)。
この株式交換は、C 社の株主に交付する株式交換の対価として、株式交換完全親法人である B 社の株式で
はなく、B 社の 100%親会社である A 社(株式交換完全支配親法人)の株式とする、いわゆる三角株式交換
により行うことが予定されています。
なお、株式交換前における C 社の株主の数は 50 人未満であり、A 社以外の C 社の株主は株式交換により
交付を受ける A 社株式の全部を継続して保有することが見込まれています。また、株式交換後の関係会社
において更なる組織再編をすることは予定されていません。
A 社株主
(複数)
A社
旧 C 社株主
(複数)
(株式交換完全
支配親法人)
A社
78%
22%
100%
A 社株主
(複数)
C 社株主
(複数)
B社
C社
(株式交換
完全親法人)
(株式交換
完全子法人)
B 社と C 社の
株式交換
100%
B社
株式交換の対価は A
社株式
(三角株式交換)
100%
C社
本件の株式交換については、B 社と C 社の関係は、完全支配関係又は支配関係のいずれにも該当しない
ため、この株式交換が適格株式交換に該当するためには、共同事業要件を満たす必要があります。また、株
式交換完全子法人である C 社の株主の数は 50 人未満であるため、共同事業要件の一つである株式継続
保有要件を満たす必要があります。
株式継続保有要件の判定について検討すると、A 社以外の C 社の株主については、株式交換により交付を
受ける A 社株式(株式交換完全支配親法人株式)の全部を継続して保有することが見込まれています。そし
て、A 社以外の C 社の株主が保有する C 社株式の数と、A 社が保有する C 社株式の数を合算した株式数
は、C 社の発行済株式等の 100%となりますので、株式継続保有要件を満たすことになります。
(出典:国税庁ホームページを基に PwC 税理士法人が作成。)
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