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日本企業部門ニュースレター

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日本企業部門ニュースレター
日本企業部門ニュースレター
チェコ
連絡先:
山崎 俊幸
シニアマネージャー
Tel: 420-251-152-343
[email protected]
発行人:
森山 進
地域統括パートナー
Tel: 48-22-523-4971
[email protected]
PwC オフィス
PwC チェコ
www.pwc.com/cz/en/
PwC ベルギー・中東欧
www.pwc.com/jp/ja/japandesk/belgium
本ニュース掲載情報は一般参考情報であり、
各情報につき総合的な分析はされておりませ
ん。個別事情につき何らかの判断をする場合
は、専門家にご相談ください。本ニュース掲
載情報に基づいた行為(不作為)につき、PwC
は何ら責任を負いません。
2015年3月/4月
CEO意識調査2015(チェコ) 懸念はやはり人材
チェコ版 CEO意識調査について
PwCでは毎年、世界各国のCEOを対象に、今後の経済状況や経営課題に関する調査を行っておりま
す。第18回目となる本調査の結果も、例年通りダボスで開催された世界経済フォーラムの年次総会の
場で発表されました。
本号では、特にチェコで事業活動を展開している企業のCEOの方々からのインタビュー結果を抽出
してご紹介致します。チェコ版の調査も今年度で6年目となり、151名のCEOの皆様方にご協力いただ
きました。一部の日本人マネジメントの方々にも調査にご参加いただきましたこと、この場を借り
て、改めて御礼申し上げます。
詳細およびその他の結果にもご興味のある方は、是非、添付ウェブページもご訪問ください。
http://www.pwc.com/cz/en/ceo-survey/index.jhtml
調査結果の概説
今年度の調査結果からは、更なる今後の成長に向けて経営資源を投入していくというCEOの姿勢が
読み取れます。そして、欧州危機はすでに過去のものとなりつつあります。
人材をはじめとした経営資源の効果的かつ効率的な利用や獲得が、今後の成長に向けての重要な要
素となります。しかし、スキル・経験を有する人材の発掘、獲得が困難になることも予想されてお
り、重要な経営上の脅威とされています。伝統的な懸念事項であった腐敗、官僚的対応、重い税負担
を差し置いて、今や最大の心配事になっています。
特に興味深いと思われる項目について、次頁以降でご紹介させて頂きます。
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日本企業部門ニュースレター
2015年3月/4月
CEO意識調査2015(チェコ) 懸念はやはり人材
人材とテクノロジー
エグゼクティブ・サマリー
人材不足
成長軌道にあり
35%のCEOは、今年度中、優秀な従業員が不足
サーベイに参加されたCEOの81%は、今年度、 する事態に陥るのではと懸念しています
売上収益は拡大すると見込んでいます
グローバル思考
人材とテクノロジー
56%のCEOは、リーダーが保持すべき最も重要
70%の会社は、デジタルテクノロジーへの投資 な資質は「グローバル思考」であると考えてい
を増大させる見込みです
ます
戦略的動機付け
政府はパートナーである
現在の報酬システムが事業戦略に合致していな 86%ものCEOは、政府と良好な関係を築くため
いとする会社は 41%にも上ります
なら、より多くの納税も厭わないようです
0%
現有人材の更なる効率利用
現有テクノロジーの更なる効率利用
社内の研究開発力強化
自社の事業領域で合併買収を模索
自社の事業領域で他社と連携
新規事業領域で他社と連携
自力で新規産業へ進出
R&D分野で、学術部門との協調を開始
他社と戦略的提携もしくは連携しつつ新規事業領域へ進出
新規事業領域の会社を合併買収することで新産業へ進出
新規産業に参入するにあたり学術部門と協力
10%
20%
30%
競争力を増強するためには、人材およ
びテクノロジーの効果的な利用が欠かせ
ません(表1)。トップマネジメントは変
化を主導し、強いイニシアチブを発揮す
る必要がありますが、とくに、自発性、
創造性といった人材が有する潜在力を引
き出す方法を考案することが肝要です。
表1:競争力を高めるための施策として検
討しているものは?
40%
50%
60%
70%
80%
71%
58%
22%
19%
15%
10%
10%
10%
10%
5%
3%
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2015年3月/4月
CEO意識調査2015(チェコ) 懸念はやはり人材
戦略的動機付け
チェコ企業のCEOの約半数は、彼らの業績評価尺度や報酬スキームに満足していないようです。15%の回答者は、業績評価方法を
より会社の戦略に合致させるように、近年変更していました。
過去数年間で、チェコにおける働き方は劇的に変化しています。アウトプットそのものは、業績評価上の主たる尺度ではなくな
り、品質、顧客満足度、イノベーション、リスクマネジメントが前面に出てくるようになりました。加えて、技術進歩が我々の働き
方に多大なる影響を与えていることも疑う余地のない事実です。
従来型の業績管理評価システムは、時代にそぐわなくなりつつあり、官僚主義的な弊害、コスト高、非効率性といった諸問題が見
られるようになってきています。換言すれば、組織目標の達成、従業員の動機付けや関与の強化、会社価値の増大といった経営目的
をサポートしなくなりつつあります。過半数の会社は報酬スキームを変更した、もしくは、変更する予定があります(表2)。
リーダーたちは、戦略設定、業績管理および報酬スキームが首尾一貫したものであるべきだと感じています。
表2:業績管理や報酬システム
と、自社の経営戦略との関連性
について、現状に満足していま
すか?
はい、社内システムはよく構築されており長い間稼動している
2%
8%
はい、ただ最近、新たな市場環境に適合させる必要があった
44%
31%
必ずしもそうではない、したがって来年に多少の変更を計画し
ている
いいえ、来年に重要な変更を予定している
15%
いいえ、しかし現時点ではその問題を解決するための明確な方
針を持っていない
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2015年3月/4月
CEO意識調査2015(チェコ) 懸念はやはり人材
人材の欠乏
人材が社内で最も価値ある資産の一つであることは、CEOはす
でに認識しています。だからこそ人事労務問題や人材資源のため
に多大なる時間をかけており、今後も重要な経営管理課題の一つ
となり続けるでしょう。今回のサーベイでは、2015年における最
重要課題として、スキル・経験を有する従業員の不足が挙げられ
ています。CEOは、この脅威を、不安定な法制度環境、多額の税
負担や腐敗といった問題よりも、よほど懸念しています。経営効
率を高める必要性から、有効な人事計画の策定、従業員数の最適
化のみならず、いかに知識・経験を有する質の高い労働力を確保
できるかという課題に気を揉んでいるようです。
約4分の3の会社が、来る1年間、必要なスキルを有した人材の
獲得可能性を心配しています(表3)。
労働コストの効果的管理のため、CEOは様々な柔軟な就労形態
を模索しているようです。多くの会社では、雇用を増やす、もし
くは、少なくとも現状維持を予定しており、就労者にとっては賃
金の上げ圧力が生まれるよい環境となっています。
しかしながら、一律に昇給させるという時代は終焉し、多くの
会社では、限られた経営資源を有効活用するために、如何にして
有能な従業員に、より多くの利益を分配・還元できるかというス
キーム作りに真剣に取り組んでいます。
表3:来年度、事業活動に重要なスキルを有する人材が獲得・利用
できないことを、どの程度心配していますか?
重要な人材
の利用制限
35%
0%
20%
とても心配
40%
40%
60%
いくらか心配
25%
80%
100%
心配なし
政府はパートナーである
チェコ企業のCEOは、チェコでの納税手続きは容易ではないと
感じています(表4)。また、4分の1超の回答者は、最近、税務
当局による調査活動がさらに厳しくなったと述べています(表
5)。
少なくとも向こう2年間は、税率の重要な変更や租税負担の増
加は予定されていません。しかし、幾つか計画されている制度変
更によって、納税手続き上の事務負担が増える可能性はありま
す。
世界銀行と弊社が協同で実施した「Paying Taxes 2015」調査で
は、チェコの納税環境は、世界で119番目にランクされ、低位に
留まっています(リンク先ご参照)。
http://www.pwc.com/gx/en/paying-taxes/
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2015年3月/4月
CEO意識調査2015(チェコ) 懸念はやはり人材
もし近い将来、国際会計基準(IFRS)での課税ベース計算が認められることがあれば、少なくともIFRSをすでに適用している外
国企業にとっては、実務上の負担の大いなる軽減につながるでしょう。この試みは、金融機関を手始めに導入される可能性はありま
す。加えて、徴税活動の電子化がさらに進めば、納税手続きはより簡素化し改善されることでしょう。
興味深いことに、大半の経営者は、より多くの税負担を強いられる結果になるとしても、会社の評判や国家・地方政府と良好な関
係を維持することを優先するという立場をとっています(表6)。
表4:チェコでの納税実務の困難さは、3~5年前の状況と比較してあまり改善は
見られない
表6:以下のどちらの立場に合意されますか?
数年前と変わらず、依然、複雑である
4%
15%
14%
数年前と変わらないが、とくに問題はない
56%
25%
更に複雑になっている
むしろ容易である
86%
表5:税務当局による調査対応は、3~5年前の状況と比較してほとんど同じか、
強化されている
税務調査は数年前と同程度
1%
26%
たとえ追加の税負担を被っても、会社の評判や政府との良好な関係性
の維持は、我々にとって優先事項である
たとえ税務当局と係争状態になったり、会社の評判が傷つくリスクが
あっても、節税対策を実行することが、我々の優先事項である
税務調査はより厳格化している
73%
税務調査はより沈静化している
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2015年3月/4月
CEO意識調査2015(チェコ) 懸念はやはり人材
リーダーに求められるスキルは、グローバル思考
チェコは小国ではありますが、グローバル経済に開かれているため、世界・欧州経済の動向に強く影響を受けます。そのため、
CEOは世界市場全体が安定・拡大することを願っています。グローバル思考を有しつつ、グローバル環境がチェコ現地の事業活動へ
与える影響の分析ができる能力が、リーダーには求められています(表7)。また、明確な戦略を有し、それが革新的であることも
同程度に重要な要素です。そして、CEOは革新的な文化の後ろ盾となることが求められています。
多くのCEOは変化をうまく御することに自信をもっており、積極的にそのような機会を探っているともいえます。彼らは、近未来
に到来するであろう劇的変化をもはや回避しようとはしていません。変化や変動する環境は必要悪的な存在ではなくなり、新たな事
業機会であると捉えているのです。
当案件に関する詳細情報、その他ご関
表7:リーダーに期待される能力は、今後5年間でどう変わるでしょうか?
心事項などがございましたら、お気軽に
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60% 山崎までご連絡ください。
現地の活動視点からグローバルな思考ができる
56%
ビジョンや戦略を持っている
46%
革新的である
44%
組織文化を根付かせることができる
22%
リスクを積極的に管理できる
22%
危機局面を適切に管理運営できる
20%
他者を啓発できる
より次元の高いリスクを許容できる
www.pwc.com/cz/en
山崎 俊幸
Senior Manager
Japanese Business Practice
+420 251 152 343
[email protected]
17%
9%
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PricewaterhouseCoopers Česká republika, s.r.o., which is a member firm of PricewaterhouseCoopers International Limited,
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