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社会保険申告方法変更 Déclaration Sociale Nominative (DSN)

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社会保険申告方法変更 Déclaration Sociale Nominative (DSN)
www.pwc.com/
Déclaration
Sociale
Nominative (DSN)
社会保険申告方法変更
PwC フランス日系企業部
Déclaration Sociale Nominative (DSN)
社会保険申告方法変更
Perspectives 概要
Déclaration Sociale Nominative (DSN) 社会保険の申告方法が変わります。新たな申告方法のテスト期間
は既に 2013 年よりスタートしており、2016 年の 1 月の本格移行に向けて準備が進んでいます。
DSN は、12 種類存在する社会保険の申告を一本化します。給与明細書に記載規定された内容を通じて、す
べての情報が当局に申告されます。それに伴い申告の簡略化が可能になり、企業の申告作業の負担は軽減
されます。
DSN 申告のメリットを享受するためには、十分な事前準備が必要です。対応が遅れますと、実際に DSN で申
告するときに混乱が生じます。DSN に対応するために、早期にプランニングを立てて DSN への移行準備を
進めることが重要です。
対象企業
2015 年 5 月から一部の企業が DSN 申告の対象になります。その範囲は、下記の通りです:

社内で給与明細発行を行っている企業:社会保険料の合計納税額が 200 万€以上の場合

外部へ給与明細発行を委託している企業:は社会保険料の合計納税額が 100 万€以上の場合
2016 年 1 月から全ての企業が DSN に移行しなければなりません。
DSN 移行への 3 ステップ
DSN で何が変わるか

発行される給与明細書を通じて、自動的に社会保険当局へ必要情報が伝達・申告されます。

給与明細発行の翌月 5 日又は 15 日に給与明細を通じて当局に自動的に申告されます。

病欠、離職、病欠後の職場復帰等の個別事項については、同様に給与明細を通じて自動的に申告され
ますが、毎月 5 日又は 15 日といったように定期的な形では申告されません。
DSN のメリット

社会保険の全ての申告が一本化されます。

給与明細の発行により毎月申告が可能になります。

給与明細の発行はすべてソフトを使用して電子化されます。

電子申告という方法なので、手続きの簡略化が可能になります。

当局から求められる情報が簡略化及び均一化されます。

企業にとり、事務負担を軽減することができます。

新たな申告方法により当局への情報伝達が確実となり、ミスの発生を抑えることができます。
DSN 移行によるインパクト
DSN 移行による考えうるインパクトは下記の通りです。
1: 給与計算・給与明細作成プロセスへのインパクト

入力データの正確さの確保のための確認作業の強化

給与計算・給与明細作成プロセスの最適化

DSN の新ルールに対応するための給与計算プロセスの見直し
2: 労務管理者へのインパクト

給与計算上のミス回避のための確認作業の強化

人事担当者と給与計算担当者との連携を通じての確認作業強化の必要性

人事部内で DSN 申告への対応策を講じる必要性
3:給与明細作成ソフトへのインパクト

DSN に対応する給与明細ソフトの導入

現行の給与システムと DSN に対応するシステムの同時並行、そして新たなシステムへの移行による
データ伝達の確保
4:人事マネージメントへのインパクト

現行の給与明細作成担当者の人材見直し

効率的に給与明細書を作成するために担当チームの再編成の必要性の検討

作成担当者の人材育成

人事マネージメントに必要とされるソフトの見直し(電子給与明細書等)
以上から、DSN への対応は、新たな給与明細ソフトを導入するといった単なる技術的方法では不十分である
といえます。その理由は、DSN 申告を正確に行うために各社会保険の内容を熟知している人事担当者が関
与する必要があるためです。つまり、一見 DSN は簡略化のメリットが多いように捉えられますが、実際は人事
担当者と給与明細を専門にするプロフェッショナルが連携して行わなければ正確さが確保されない、困難な
申告方法であるともいえます。
DNS 移行までの段階的チェックポイント
準備段階
<チェックポイント>

年間の社会保険に関わる手続・分量の把握

当局への現行の申告方法と DNS との相違の把握

当局が要請する情報の内容の理解

現行の給与システムが DSN に対応するシステムか否かの確認
<対応策>

現在の状況が DSN に対応しているのかの分析することが出来ます (データ内容、プロセス、ソフトテスト等)

人事管理システムの DSN との対応性、データの信頼度等の分析

DNS 対応システム導入のリスク分析及び DSN 対応のシステム導入によるメリット分析

組織及び関連部署へのインパクト分析
実施段階
<チェックポイント>

DSN に対応するためのスタッフチーム編成。どんなメンバーを任命するのか検討

正確な給与計算・明細発行のための確認作業を可能にするチームの編成

DSN 対応を効率化するために、いかに担当者のチーム編成を行うのか

DSN 対応のための投資規模の把握・検討

DSN に対応するシステムの導入の負担の検討・分析
<対応策>

DSN に対応するシステムの導入に向けてのステップを事前に計画し、実際に導入するまでのプラニングを
立てる。

DSN に対応するシステムの導入にあたっての中心的リーダー的役割を果たす担当者の任命

短期/中期/長期での導入及び実施プランの作成
最後に
DSN への移行はフランスの12ある社会保険の申告手続きを一本化します。給与明細書の発行によりすべて申告がで
きるため、企業にとり事務処理負担が軽減されるという大きなメリットがあります。その分、企業の競争力を高めることにも
貢献できると考えられます。
従業員にとっても、給与明細書の理解が容易となります。そして、給与明細作成がすべて電子化されるために、当局へ
の正確な情報伝達、そして申告が可能となります。
DSN への移行は、2012 年に成立した Warsmann 法の最も注目すべき改革措置です。Warsmann 法は、行政手続きの
簡略化によりフランスビジネス環境の改善を目指す法律です。DSN への移行を含んだこの法律については成立して以
来、毎年新たな改正案が提出されています。企業の行政手続に伴う負担を減らすことが企業の経済競争力を高めると
いうフランス政府の認識の現れとも捉えられます。DSN への移行以外にも、企業経営上の改革としては、決算広告手続
義務の緩和等が実施されており、簡略化の本格的な取組が行われています。
【お問い合わせ】
PwC フランス日系企業部
◆猪又 和奈
+33-1-5657-4140(直通)
[email protected]
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