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IBM Lotus Sametime IBM WebSphere Application Server

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IBM Lotus Sametime IBM WebSphere Application Server
IBM Lotus Sametime 管理者向け
IBM WebSphere Application Server 概念の概要
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application
Server 概念の概要
本書では、IBM® Lotus® Sametime® を管理するときに必要となる、用語、一般的なコマン
ド、WebSphere Application Server デプロイメントに関連するサーバーなど、WebSphere®
Application Server のいくつかの概念について説明します。
所要時間
本書の内容を完了するには、約 80 分かかります。
前提条件とシステム要件
本書の内容について、前提条件またはシステム要件はありません。WebSphere Application
Server に関する予備知識も必要ありません。
学習トピック
•
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•
•
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•
•
次の学習トピックを取り上げます。
WebSphere Application Server アーキテクチャーに関連する用語を定義する
WebSphere Application Server プロファイルの機能を説明する
Lotus Sametime トポロジーに関連する WebSphere Application Server の用語を定義
する
Lotus Sametime に関連する WebSphere Application Server の主要プロファイルを説
明する
他の WebSphere Application Server コンポーネントに関してインストールされるサ
ーバー・コンポーネントのタイプを定義する
WebSphere Application Server 設定の継承モデル (リソース・スコープとも呼ばれま
す) を説明する
いくつかの方法を使用して WebSphere Application Servers を始動および停止する
WebSphere Application Server 管理コンソールにログオンする
serverStatus コマンドを使用してサーバーの状況をチェックする
WebSphere Application Server 環境を構成するサーバーを説明する
WebSphere Application Server のデプロイメント・マネージャーの機能を説明する
Lotus Sametime のコンテキストにおける WebSphere Application Server のタイプ
を定義する
Lotus Sametime の コ ン テ キ ス ト に お け る デ プ ロ イ メ ン ト ・ マ ネ ー ジ ャ ー と
Integrated Solutions Console の機能を説明する
Lotus Sametime System Console へのアクセスに関する問題をトラブルシューティン
グする
WASServiceCmd ユーティリティーを使用して、Windows サービスとしてロードする
Lotus Sametime サーバーをセットアップする
アジェンダ
下表に示す順序で、各セクションをお読みください。
タイトル
所要時間の目安 (分)
「IBM WebSphere Application Server の 用 語 」
30
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
「WebSphere Application Server の 一 般 的 な コ マ ン ド 」
30
「Lotus Sametime のコンテキストにおける WebSphere
20
Application Server の タ イ プ 」
合計
80
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
IBM WebSphere Application Server の用語
本書では、IBM WebSphere Application Server の用語と、IBM Lotus Sametime 環境でのこ
れらの用語の使い方を学習します。
所要時間
この内容を完了するには、約 30 分かかります。
目標
本書を読み終わると、次のことができるようになります。
•
WebSphere Application Server アーキテクチャーに関連する用語を定義する
•
WebSphere Application Server プロファイルの機能を説明する
•
Lotus Sametime トポロジーに関連する WebSphere Application Server の用語を定義
する
•
Lotus Sametime に関連する WebSphere Application Server の主要プロファイルを説
明する
•
他の WebSphere Application Server コンポーネントに関してインストールされるサ
ーバー・コンポーネントのタイプを定義する
•
WebSphere Application Server 設定の継承モデル (リソース・スコープとも呼ばれま
す) を説明する
IBM WebSphere Application Server の基本
このセクションでは、よく使われる WebSphere Application Server アーキテクチャーの用
語について学習します。次の図は、WebSphere Application Server 環境の実現可能な 1 つ
のアーキテクチャーを示しています。
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
上図に表示されている各用語の定義を以下に示します。
アプリケーション・サーバー
「WebSphere Application Server 用語集」によると、アプリケーション・サーバーは「分
散ネットワーク内のサーバー・プログラムであり、アプリケーション・プログラムのた
めの実行環境を提供する」ものです。
より具体的に説明すると、次のようになります。
アプリケーション・サーバーは、すべての構成における主要ランタイム・コン
ポーネントであり、アプリケーションが実際に実行される場所です。WebSphere
Application Server のどの構成も、1 つ以上のアプリケーション・サーバーを持
つことができます。... Network Deployment では、中央の管理ポイントから維
持される複数のアプリケーション・サーバーで構成される分散サーバー環境を
構築できます。分散サーバー環境では、ワークロードの分散のためにアプリケ
ーション・サーバーをクラスター化できます。
原典: WebSphere Application Server V6 Technical Overview
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
セル
「WebSphere Application Server 用語集」では、セルは「同じデプロイメント・マネージ
ャーにフェデレートされて、高可用性を持つコア・グループを含めることができる、管理
対象プロセスのグループ」と定義されています。
IBM Redbooks® パブリケーション「WebSphere Application Server V7: Concepts, Planning,
and design」には、より詳しい説明が記載されています。
セルは、単一の管理ドメインにグループ化されたノードです。... Network Deployment
環境では、セルは複数のノード (および、ノード・グループ) で構成することができ
ます。これらはすべて、単一ポイントのデプロイメント・マネージャーから管理され
ます。セル構成に同じプラットフォーム上で実行されるノードが含まれる場合は、同
種セルと呼ばれます。また、混合プラットフォーム上のノードによってセルを構成す
ることもできます。これを異種セルと呼びます。
クラスター
「WebSphere Application Server 用語集」では、クラスターは「ワークロード・バランシ
ングおよびフェイルオーバーのために共同で動作する複数のアプリケーション・サーバー
から構成されるグループ」と定義されています。
次のようにも説明されています。
... クラスターは、ワークロード・バランシングと高可用性を提供するアプリケーショ
ン・サーバー・プロセスの論理コレクションです。クラスターに属するアプリケーシ
ョン・サーバーはそのクラスターのメンバーであり、すべてのメンバーは同じアプリ
ケーション・コンポーネントをデプロイしなければなりません。クラスター・メンバ
ーは、実行するよう構成されているアプリケーション以外は、他の構成データを共有
する必要はありません。たとえば、あるクラスター・メンバーが大きいマルチプロセ
ッサー・サーバーで実行されていて、同じクラスターの別のメンバーが小さいモバイ
ル・コンピューターで実行されている、という状況も可能です。この 2 つのクラス
ター・メンバーのサーバー構成設定は、それぞれに割り当てられているアプリケーシ
ョン・コンポーネントのエリアを除き、大きく異なっています。構成のそのエリアで
は、設定は同じです。クラスターのメンバーは、単一のノードに位置することも (垂
直クラスター)、複数のノードにわたって位置することも (水平クラスター)、あるい
はその組み合わせも可能です。アプリケーションをインストール、更新、または削除
するときは、クラスター内のすべてのメンバーに更新が自動的に配布されます。
原典: WebSphere Application Server V6 Technical Overview
デプロイメント・マネージャー
「WebSphere Application Server 用語集」では、デプロイメント・マネージャーは「論理
グループまたは他のサーバーのセルの操作を管理するサーバー」と述べられています。
デプロイメント・マネージャーの詳細な説明は次のとおりです。
... セルの中央管理ポイントであり、分散サーバー構成の複数のノードおよびノード・
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
グループで構成されます。... デプロイメント・マネージャーはノード・エージェント
を使用して、1 つのノード内のアプリケーション・サーバーを管理します。デプロイ
メント・マネージャーは、複数の統合ノードを管理する機能を提供するだけでなく、
複数のシステムおよびプラットフォームにまたがるノードを管理できます。1 つのノ
ードは、単一のデプロイメント・マネージャーによってのみ管理することができ、そ
のデプロイメント・マネージャーのセルに統合されていなければなりません。セル内
のすべてのノードの構成ファイルおよびアプリケーション・ファイルは、マスター構
成リポジトリー内に集中化されています。集中化されたこのリポジトリーはデプロイ
メント・マネージャーによって管理され、各ノードで保持されているローカル・コピ
ーと同期されます。
原典: WebSphere Application Server V7: Concepts, Planning, and design
ノード
「WebSphere Application Server 用語集」での定義では、ノードは「複数の管理対象
サーバーから成る論理グループ」です。
特に、次のようにも説明されています。
ノードは、1 つのオペレーティング・システム・インスタンス内で構成および運用管
理を行うためのアプリケーション・サーバーの管理グループです (仮想化により、1 つ
のマシン上で複数のオペレーティング・システムが可能です)。1 つのオペレーティン
グ・システム・インスタンス内に複数のノードを作成できますが、ノードはオペレー
ティング・システムの境界を超えられません。スタンドアロンのアプリケーション・
サーバー構成には、1 つのノードだけが存在します。Network Deployment では、1 つ
の中央管理サーバーから管理される複数のノードで構成される分散サーバー環境を
構成できます。
原典: WebSphere Application Server V7: Concepts, Planning, and design
ノード・エージェント
「WebSphere Application Server 用語集」によると、ノード・エージェントは「ノー
ド上のすべてのアプリケーション・サーバーを管理し、管理セル内のノードを表す管
理エージェント」です。
さらに、次の説明も加えられます。
分散サーバー構成では、ノードごとに、デプロイメント・マネージャーと連携
して管理プロセスを管理する 1 つのノード・エージェントがあります。ノー
ド・エージェントは、管理者がスタンドアロンのノードをセルに追加 (統合) す
るときに、自動的に作成されます。ノード・エージェントは、Base 構成および
Express® 構成には含まれていません。
原典: WebSphere Application Server V7: Concepts, Planning, and design
簡単にまとめると、ノード・エージェントの目的はデプロイメント・マネージャーと
アプリケーション・サーバーとの間で情報を渡すことです。
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
プロファイル
プロファイルは、「WebSphere Application Server 構成のインスタンス」です。
より具体的に説明すると、次のようになります。
プロファイルはユーザー・ファイルのコレクションであり、製品のコア・ファイルを
共有しています。プロファイルには、独自のスクリプトのセット、環境、およびリポ
ジトリーが含まれています。各プロファイルは、プロファイルの作成時にユーザーが
選択した固有のディレクトリー・パスに格納されています。デフォルトでは、プロフ
ァイルはインストール・ディレクトリーのサブディレクトリーに格納されますが、任
意の場所に配置できます。
WebSphere プロファイルは WebSphere Application Server v6.0 で導入されました。
プロファイルの主な利点の 1 つとして、管理者は複数のアプリケーション・サーバ
ーを単一のマシン上で維持し、すべてのアプリケーション・サーバーが WebSphere
Application Server の 1 つのインストールから同じバイナリーを使用できることが
挙げられます。
複数の製品インストールの代わりにプロファイルを使用すると、管理が大幅に強化さ
れます。製品コア・ファイルの単一セットを維持することにより、ディスク・スペー
スが節約されるだけでなく、製品の更新も簡素化されます。また、新規プロファイル
の作成は、製品全体のインストールよりも効率が良く、エラーが発生しにくくなりま
す。このため、開発者は開発とテスト用に製品の個別プロファイルを作成できます。
WebSphere Application Server Network Deployment では、いくつかのタイプのプロ
ファイル用のテンプレートが用意されています。
•
•
•
•
•
セル
– この環境により、次の 2 つのプロファイルが作成されます。
- デプロイメント・マネージャーによる管理プロファイル
- 管理プロファイルに追加 (統合) されたアプリケーション・サーバー・プロフ
ァイル
管理
– 管理プロファイルによって、複数のアプリケーション・サーバー環境を管理するた
めのコンポーネントが得られます。可能なプロファイルは次のとおりです。
- デプロイメント・マネージャー
- 管理エージェント
- ジョブ・マネージャー
アプリケーション・サーバー
– アプリケーション・サーバー・プロファイルは、エンタープライズ・アプリケーシ
ョンを実行してインターネットまたはイントラネットから利用できるようにします。ア
プリケーション・サーバー・プロファイルには、スタンドアロンのアプリケーション・
サーバーが含まれます。
カスタム
– カスタム・プロファイルには、サーバーを持たない空のノードが含まれます。ただ
し、プロファイルの作成後に、サーバーを追加することができます。
セキュア・プロキシー (構成専用)
– セキュア・プロキシー (構成専用) プロファイルは、DMZ (DeMilitarized Zone) セキ
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ュア・プロキシー・サーバーで使用されます。この構成専用プロファイルは、Integrated
Solutions Console を用いたプロファイルの構成のためにのみ使用されます。プロファ
イルの構成後、プロファイル構成をエクスポートし、それを DMZ 内のセキュア・プロ
ファイル・プロキシーにインポートできます。セキュア・プロキシー (構成専用) プロ
ファイルは、管理コンポーネントに過ぎません。
原典: WebSphere Application Server V7: Concepts, Planning, and design
プ ロ フ ァ イ ル の 詳 細 に つ い て は 、 IBM Education Assistant モ ジ ュ ー ル 「 WebSphere
Profiles」を参照してください。
次の画面は、Lotus 製品がインストールされていないシンプルな WebSphere Application
Server デプロイメント内で、プロファイル、セル、ノード、およびサーバーがどこに位置
するのかを示しています。
メモ: ボックスのカラーは、最初の図のカラー・スキームに対応します。
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次の画面は、デプロイメント・マネージャーを使用する WebSphere Application Server デ
プロイメント (Lotus 製品は未インストール) で、プロファイル、セル、ノード、およびサ
ーバーがどこに位置するのかを示しています。
メモ: ボックスのカラーは、最初の図のカラー・スキームに対応します。
Lotus Sametime のコンテキストにおける WebSphere Application Server の
用語
このパートでは、前のパートで説明した WebSphere Application Server コンポーネントが、
Lotus Sametime System Console、Lotus Sametime Meeting Server、Lotus Sametime Proxy
Server、および Sametime Media Manager とどのように関連するのかを学習します。
Lotus Sametime の次の構成について検討します。
•
スタンドアロン環境 (セル・プロファイル・オプションを使用してインストール済み)
•
垂直クラスター
•
水平クラスター
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Lotus Sametime がインストールされた WebSphere Application Server 構成で、プロファ
イル、セル、ノード、およびサーバーがどのように使用されるのかを下図に示します。
最初の図では、「セル・プロファイル」オプションを使用してすべてのサーバーを同一マシ
ン上にインストールした状態で、Lotus Sametime がインストールされています。Lotus
Sametime の構成時に「セル・プロファイル」オプションを選択すると、2 つのプロファ
イルが各セルに作成されます。1 つはデプロイメント・マネージャー・プロファイルの
<server name>DMProfile で、もう 1 つは統合アプリケーション・サーバー・プロファイ
ルの <server name>PNProfile です。この構成では、アプリケーション・サーバーはデプロ
イメント・マネージャーのセルに統合されます。
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
2 番目の図では、
「ネットワーク・デプロイメント」オプションを使用して水平クラスター
が構成された状態で、Lotus Sametime がインストールされています。水平クラスターは、
Lotus Sametime の構成で最も一般的に使用されるクラスター・トポロジーです。Lotus
Sametime Information Center のトピック「高可用性のための Lotus Sametime サーバーの
クラスタリング」に記述されているように、「水平クラスターには複数の物理マシン (また
はノード) が含まれ、それぞれが 1 つのタイプの Lotus Sametime サーバーを保持してい
ます。水平クラスターは、必要に応じて複数のマシン上のサーバー間でロードを分散しま
す。水平クラスターの利点として、クラスター内の 1 つのマシンで障害が発生しても、ユ
ーザーはLotus Sametime アプリケーションを使い続けることができます」。この図では、
Lotus Sametime System Console はデプロイメント・マネージャーとして示されています
が、クラスターに適合するアクティビティーは、製品内で Lotus Sametime System Console
に認識される任意のデプロイメント・マネージャーを使用できます。つまり、Lotus
Sametime Meetings サーバーは、Lotus Sametime Meetings サーバー用にインストールさ
れたデプロイメント・マネージャーのみ使用できます。Lotus Sametime System Console を
デプロイメント・マネージャーとして使用することは、IBM Lotus Development によって
推奨されている構成です。
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
3 番目の図では、
「ネットワーク・デプロイメント」オプションを使用して垂直クラスター
が構成された状態で、Lotus Sametime がインストールされています。Lotus Sametime
Information Center のトピック「高可用性のための Lotus Sametime サーバーのクラスタ
リング」では、垂直クラスターは次のように定義されています。
•
•
垂直クラスターには、同じ物理マシン (またはノード) 上でホストされている 1 つの
タイプの Lotus Sametime サーバーの複数のインスタンスが含まれています。
垂直クラスターは、ロードをサーバー間に適切に分散します。垂直クラスターでのマ
シンの保守は、すべてが 1 つのマシン上で行われるため、より簡単で便利です。
水平クラスターの場合と同様に、この図では、Lotus Sametime System Console はデプロ
イメント・マネージャーとして示されていますが、クラスターに適合するアクティビティ
ーは、その製品内で Lotus Sametime System Console に識別される任意のデプロイメン
ト・マネージャーを使用できます。つまり、Lotus Sametime Meetings サーバーは、Lotus
Sametime Meetings サーバー用にインストールされたデプロイメント・マネージャーのみ
使用できます。Lotus Sametime System Console をデプロイメント・マネージャーとして
使用することは、IBM Lotus Development によって推奨されている構成です。
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
Lotus Sametime での WebSphere Application Server プロファイル
前述のように、プロファイルは「WebSphere Application Server 構成の 1 つのインスタン
ス」です。次の表に示すように、各 Lotus Sametime サーバーのインストール済み環境で
は、複数の WebSphere Application Server プロファイルが使用されます。
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表 1. Lotus Sametime サーバーが使用するプロファイル
Lotus Sametime サーバー
WebSphere Application Server プロファイル
Lotus Sametime System Console
v
STSCAppProfile
v
STSCDMgrProfile
v
serverNameMediaDMProfile
v
serverNameMediaPNProfile
v
serverNameMeetingDMProfile
v
serverNameMeetingPNProfile
v
serverNameProxyDMProfile
v
serverNameProxyPNProfile
Lotus Sametime Meeting Server
Lotus Sametime Proxy Server
Lotus Sametime Media Manager
「セル・プロファイル」構成で、これらのプロファイルがオペレーティング・システム・
レベルでどの場所にあるのかを下図に示します。
ログおよび構成ファイルを調べるときは、これらのプロファイルのロケーションを覚えて
おいてください。トラブルシューティングを行っているサーバーに関連するファイルは、
そのサーバーのプロファイル下に位置しています。たとえば、Lotus Sametime System
Console の問題をトラブルシューティングしているときは、Lotus Sametime System
Console のデプロイメント・マネージャー・プロファイル用のプロファイル下でログおよ
び構成ファイルを検索します。デフォルトのインストール・ディレクトリーを使用してい
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る Microsoft Windows マシンでは、Lotus Sametime System Console のログ・ファイルは
C:¥Program Files¥IBM¥WebSphere¥ AppServer¥profiles¥STSCDMgrProfile¥logs¥dmgr デ
ィレクトリーにあります (下図の画面を参照)。
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特定のサーバーの構成ファイルをトラブルシューティングするときも、同様の考え方をし
ます。たとえば、Lotus Sametime System Console の問題を解決しようと試みる場合、構
成ファイルに変更を加えるべき唯一の場所は、Lotus Sametime System Console のデプロ
イメント・マネージャー・プロファイルです。security.xml ファイルは、デフォルトのイン
ストール・ディレクトリーを使用している Microsoft Windows マシンの C:¥Program
Files¥IBM¥WebSphere¥ AppServer¥profiles¥STSCDMgrProfile¥config¥cells¥<cell name>
ディレクトリーにあります (下図の画面を参照)。
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wimconfig.xml ファイルは、デフォルトのインストール・ディレクトリーを使用している
Microsoft Windows マ シ ン の C:¥Program Files¥IBM¥WebSphere¥AppServer¥profiles¥
STSCDMgrProfile¥config¥cells¥<cell name>¥wim¥config ディレクトリーにあります (下
図の画面を参照)。
Lotus Sametime のリソースを構成するときは、クラスター、ノード、セルなど、WebSphere
Application Server のコンポーネントを考慮する必要があります。特定の設定は、Lotus
Sametime System Console を使用して、複数のレベルまたは複数のスコープで構成するこ
とができます。
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
この概念はリソース・スコープと呼ばれています。IBM Redbooks パブリケーション
「WebSphere Application Server V7: Concepts, Planning, and design」では、リソース・ス
コープは次のように定義されています。
リソース・スコープは、下位レベルのスコープ全体でリソースの重複を防ぐ強力な概念で
す。たとえば、ノード内の複数のサーバーが 1 つのデータ・ソースを利用できる場合、ノ
ード・レベルでそのデータ・ソースを 1 度だけ定義することは、データ・ソースを複数回
作成するよりも意味があります (作成途中でエラーが生じる可能性があります)。また、デ
ータ・ソース定義の変更が必要な場合は (おそらく、基礎となるデータベースへの変更が原
因)、データ・ソース定義を 1 度変更すれば、変更がノード内のすべてのサーバーに認識さ
れます。時間とコストが節約されるのは自明でしょう。考慮が必要となるのは、デプロイ
されるすべてのアプリケーションにどのリソースが必要となるのか、それぞれにどのスコ
ープを定義すればよいのかという点です。リソースのスコープは、リソースの作成時に選
択します。
スコープ・レベルを以下に示します。きめ細かさの順番で記述し、最初が最も一般的なス
コープです。
セル・スコープ
セル・スコープは最も一般的なスコープで、他のどのスコープもオーバーライドしませ
ん。セル・スコープ・リソース定義は、より限定的なスコープ・レベルにさらに細分化
することが推奨されています。より限定的なスコープでリソースを定義すると、リソー
スの分離の度合いが高くなります。より一般的なスコープでリソースを定義すると、分
離の度合いが低くなります。より一般的なスコープで定義したリソースの方が、クロ
ス・アプリケーション競合の発生する可能性が高まります。
セル・スコープ値によって、すべてのサーバーの可視性が特定のセルに制限されます。
セル・スコープ内のリソース・ファクトリーはこのセル内のすべてのサーバーに定義さ
れ、このセル内にあって同じ JNDI (Java Naming and Directory Interface) 名を持つア
プリケーション、サーバー、クラスター、またはノードの各スコープ内で定義された任
意のリソース・ファクトリーによってオーバーライドされます。リソース・ファクトリ
ーに必要なリソース・プロバイダーは、アプリケーションによってバインドまたは使用
される前に、セル内の各ノードにインストールしなければなりません。
クラスター・スコープ
クラスター・スコープ値によって、可視性が特定のクラスター上のすべてのサーバーに
制限されます。クラスター・スコープ内で定義されたリソース・ファクトリーは、この
クラスターのすべてのメンバーからの利用が可能で、セル・スコープ内で定義されたも
のと同じ JNDI 名を持つ任意のリソース・ファクトリーをオーバーライドします。この
クラスター・スコープ内で定義されたリソース・ファクトリーに加え、セル・スコープ
内で定義されたリソース・ファクトリーも、このクラスターで利用できます。
ノード・スコープ (デフォルト)
ノード・スコープ値によって、可視性が特定のノード上のすべてのサーバーに制限され
ます。このスコープは、ほとんどのリソース・タイプのデフォルト・スコープです。ノ
ード・スコープ内で定義されたリソース・ファクトリーは、このノード上のすべてのサ
ーバーからの利用が可能で、セル・スコープ内で定義されたものと同じ JNDI 名を持つ
任意のリソース・ファクトリーをオーバーライドします。このノード・スコープ内で定
義されたリソース・ファクトリーに加え、セル・スコープ内で定義されたリソース・フ
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
ァクトリーも、このノード上のサーバーで利用できます。
サーバー・スコープ
サーバー・スコープ値によって、可視性が特定のサーバーに制限されます。このスコー
プは、リソースを定義するときの最も限定的なスコープです。サーバー・スコープ内で
定義されたリソース・ファクトリーは、このサーバーにデプロイされたアプリケーショ
ンからの利用が可能で、ノードおよびセル・スコープ内で定義されたものと同じ JNDI
名を持つ任意のリソース・ファクトリーをオーバーライドします。このサーバー・スコ
ープ内で定義されたリソース・ファクトリーに加え、ノードおよびセル・スコープ内で
定義されたリソース・ファクトリーも、このサーバーで利用できます。
アプリケーション・スコープ
アプリケーション・スコープ値によって、可視性が特定のアプリケーションに制限され
ます。アプリケーション・スコープのリソースは、Integrated Solutions Console から
構成することができません。アプリケーション・スコープのリソース構成を表示または
変更するには、Rational Application Developer Assembly and Deploy V7.5、または
wsadmin ツールを使用してください。アプリケーション・スコープ内で定義されたリ
ソース・ファクトリーは、このアプリケーションからのみ利用可能です。アプリケーシ
ョン・スコープは、他のすべてのスコープをオーバーライドします。
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
複数のスコープでリソースを定義できますが、最も限定的なスコープの定義が使用されま
す。スコープを選択するときは、次のルールが適用されます。
•
•
•
•
アプリケーション・スコープは、他のすべてのスコープよりも優先されます。
サーバー・スコープは、ノード、セル、およびクラスターの各スコープよりも優先さ
れます。
クラスター・スコープは、ノードおよびセルの各スコープよりも優先されます。
ノード・スコープは、セル・スコープよりも優先されます。
リソースを表示するときは、スコープを選択することにより、そのスコープで定義された
リソースだけにリストを狭めることができます。あるいは、すべてのスコープのリソース
を表示することもできます。リソースは、常に、現在選択されているスコープで作成され
ます。特定のスコープで作成されたリソースは、より下位のスコープに表示されます。た
とえば、ノード・レベルで作成されたデータ・ソースは、ノード内のサーバーに表示され
ます。
Lotus Sametime を構成するときは、この優先階層に留意してください。構成可能なリソー
スがスコープ別に表示される場所の画面を以下に示します。
詳細については、IBM Redbooks パブリケーション「WebSphere Application Server V7
Administration and Configuration Guide」の 第 5.1.5 章を参照してください。
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
WebSphere Application Server の一般的なコマンド
このセクションでは、Lotus Sametime を管理するときに使用される一般的なサーバー・コ
マンドについて学習します。
所要時間
このセクションを完了するには、約 30 分かかります。
目標
このセクションを読み終わると、次のことができるようになります。
•
いくつかの方法を使用して WebSphere Application Servers を始動および停止する
•
WebSphere Application Server 管理コンソールにログオンする
•
serverStatus コマンドを使用してサーバーの状況をチェックする
WebSphere Application Server の始動と停止
WebSphere Application Server を始動および停止するには、いくつかの方法があります。
•
コマンド行から
•
WebSphere Application Server 管理コンソールから
•
Microsoft® Windows® を使用している場合は、Microsoft Windows の「スタート」メニ
ューから
•
Microsoft Windows を使用し、アプリケーション・サーバーがサービスとして登録され
ている場合は、Microsoft Windows サービスを開始することによって
サーバーは、常に正しい順序で始動してください。
1. デプロイメント・マネージャー
2. ノード・エージェント
3. アプリケーション・サーバー
メモ: サーバーを停止する場合は、すべてがシャットダウンされるのであれば、停止順序は
関係ありません。しかし、ベスト・プラクティスとしては、上記と逆の順序でサーバーを
シャットダウンします。
コマンド行を使用してアプリケーション・サーバーを始動および停止する
コマンド行からサーバーを始動するときは、次の手順を使用します。
手順
1. WebSphere Application Server Network Deployment がインストールされている場合
は、最初にデプロイメント・マネージャーを始動する必要があります。デプロイメン
ト・マネージャーを始動するには、コマンド行でデプロイメント・マネージャー・プ
ロファイル下の bin ディレクトリー (たとえば、C:¥Program Files¥IBM¥WebSphere¥
AppServer¥profiles¥MyDMgrProfile¥bin) に移動します。
2. Microsoft Windows システムの場合は、「startManager.bat」コマンドを入力します。
AIX®、Linux®、または Solaris システムでは、コマンドは「startManager.sh」です。
3. 次に、ノード・エージェントを始動します。サーバーのプロファイル下の bin ディレ
クトリー (たとえば、C:¥Program
Files¥IBM¥WebSphere¥AppServer¥profiles¥MyAppSvrProfile¥bin) に移動します。
4. Microsoft Windows システムの場合は、
「startNode.bat」コマンドを入力します。AIX®、
Linux®、または Solaris システムでは、コマンドは「startNode.sh」です。
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
5.
ノード・エージェントの起動に成功したら、「startServer.bat <server name>」コマンド
を入力します。<server name> はアプリケーション・サーバーの名前です。たとえば、
「startServer.bat MyAppSvr」と入力します。
メモ: AIX、Linux、または Solaris システムでは、コマンドは「startServer.sh」です。
注意: Microsoft Windows で実行されるサーバーであっても、サーバー名は大文字と小文字
が区別されます。
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
返される結果は、次の画面のようになります。
メモ: この画面は Microsoft Windows システムで得たものですが、他のオペレーティン
グ・システムでも出力は同様です。
6.
アプリケーション・サーバーを停止するには、
「stopServer.bat <server name>」コマン
ドを入力します。<server name> はアプリケーション・サーバーの名前です。コマン
ドに「-username <WebSphere 管理者のユーザー名>」パラメーターおよび「-password
< パ ス ワ ー ド > 」 パ ラ メ ー タ ー を 追 加 で き ま す 。 追 加 し な い 場 合 は 、 WebSphere
Application Server 管理者の認証情報の入力を求められます。
メモ: AIX、Linux、または Solaris システムでは、コマンドは「stopServer.sh」です。
7.
ノードを停止するには、
「stopNode.bat」コマンドを入力します。コマンドに「-username
<ユーザー名>」パラメーターおよび「-password <パスワード>」パラメーターを追加で
きます。追加しない場合は、WebSphere Application Server 管理者の認証情報の入力
を求められます。
メモ: AIX、Linux、または Solaris システムでは、コマンドは「stopNode.sh」です。
8.
デプロイメント・マネージャーを停止するには、デプロイメント・マネージャー・プ
ロファイル下の bin ディレクトリーに移動します。「stopManager.bat」コマンドを入力
します。コマンドに「-username <WebSphere 管理者のユーザー名>」パラメーターお
よび「-password <パスワード>」パラメーターを使用できます。使用しない場合は、
WebSphere Application Server 管理者の認証情報の入力を求められます。
メモ: AIX、Linux、または Solaris システムでは、コマンドは「stopManager.sh」です。
次のステップ
メモ: サーバーを始動するときは、WebSphere Application Server 管理者の認証情報を入力
する必要はありません。認証情報が必要なのは、サーバーを停止するとき、またはサーバ
ー状況をチェックするときだけです。
Microsoft Windows の「スタート」メニューを使用してサーバーを始動する
Windows マシンでは、「スタート」メニューを使用してアプリケーション・サーバーを始
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
動できます。
手順
1. 最初に、デプロイメント・マネージャーを始動します。次の順序でクリックしてくだ
さい。
「スタート」->「すべてのプログラム」->「IBM WebSphere」->「Application Server
Network Deployment V7.0」(または、インストールされている WebSphere Application
Server に対応するフォルダー)->「プロファイル」->「<デプロイメント・マネージャ
ー・プロファイル名>」(MyDmgrProfile など) ->「デプロイメント・マネージャーの始
動」。
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
2.
3.
デプロイメント・マネージャーの始動後、コマンド・プロンプトを開き、アプリケー
ション・サーバーのプロファイル下の bin ディレクトリー (たとえば、C:¥Program
Files¥IBM¥WebSphere¥AppServer¥profiles¥MyAppSvrProfile¥bin) に移動することに
より、ノード・エージェントを始動します。
「startNode.bat」コマンドを入力します。
メモ: AIX、Linux、または Solaris システムでは、コマンドは「startNode.sh」です。
4.
次に、アプリケーション・サーバーを始動します。次の順序でクリックしてください。
「スタート」->「すべてのプログラム」->「IBM WebSphere」->「Application Server
Network Deployment V7.0」(または、インストールされている WebSphere Application
Server に対応するフォルダー)->「プロファイル」->「<アプリケーション・サーバー・
プロファイル名>」(MyAppSvrProfile など) ->「サーバーの始動」。
Windows サービスを使用してサーバーを始動する
手順
1. 以下の手順を実行するには、すべてのサーバーが Windows サービスとして登録され
ている必要があります。
「スタート」->「すべてのプログラム」->「管理ツール」->「サ
ービス」をクリックし、Windows サービス・ユーティリティーを開きます。ご利用に
なっているオペレーティング・システムによっては、Windows サービス・ユーティリ
ティーを開く手順が異なることがあります。
2. まず、デプロイメント・マネージャーに対応するサービスを開始します。
3. 次に、サーバーのノード・エージェントに対応するサービスを開始します。
4. 最後に、アプリケーション・サーバーに対応するサービスを開始します。
IBM Integrated Solutions Console を使用してサーバーを始動する
手順
1. 管理コンソール・サーバーを始動します (管理コンソール・サーバーが実行されていな
い場合)。
ヒント: サーバーの状況をチェックする方法については、次のパートで学習します。
2. Web ブラウザーで管理コンソールを起動します。
ヒント: 管理コンソールの起動方法については、最後のパートで学習します。
3. 管理コンソールで、
「サーバー」->「サーバー・タイプ」->「WebSphere Application Server」
に移動します。
4. 始動したいサーバーの横のチェック・ボックスをクリックし、「始動」ボタンをクリッ
クします。
サーバーの状況のチェック
特定のサーバーの状況をチェックすることが必要となる場合があります。
「serverStatus」コ
マンドを使用すると、ノード内で構成されている 1 つのサーバーまたはすべてのサーバー
の状況をリスト表示できます。
手順
1. サ ー バ ー の プ ロ フ ァ イ ル 下 の bin デ ィ レ ク ト リ ー ( た と え ば 、 C:¥Program
Files¥IBM¥WebSphere¥AppServer¥profiles¥MyAppSvrProfile¥bin) に移動します。
2. 構成内のすべてのサーバーの状況を表示するには、
「serverStatus.bat –all」コマンドを
入力します。
構成内の特定のサーバーの状況を表示するには、
「serverStatus.bat -<server name>」コ
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
マンドを入力します。<server name> はサーバーの名前です。
メモ: AIX、Linux、または Solaris システムでは、コマンドは「serverStatus.sh」です。
ヒント: コマンドに、「-username <WebSphere 管理者ユーザー名>」パラメーターと
「–password <パスワード>」パラメーターを追加できます。たとえば、
「serverStatus.bat -all
-username wasadmin -password waspassword」と入力します。このパラメーターを追加し
ない場合は、WebSphere Application Server 管理者の認証情報の入力を求められます。
指定したサーバーの状況は、コマンド行に表示されます。
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
3.
別の方法として、WebSphere Application Server 管理コンソールを使用することによ
ってもサーバーの状況をチェックできます。管理コンソールを起動し、「サーバー」->
「サーバー・タイプ」->「WebSphere Application Server」に移動します。構成内の各
アプリケーション・サーバーの状況は、状況列に表示されます。次の画面には、デプ
ロイメント・マネージャー・プロファイルおよび Lotus Sametime システム・コンソ
ール・サーバー・プロファイルの両方から「serverStatus」コマンドを実行したときの結
果が示されています。
メモ: この画面は Microsoft Windows システムで得たものですが、他のオペレーティン
グ・システムでも出力は同様です。
IBM Integrated Solutions Console へのログオン
IBM Integrated Solutions Console (ISC) は、WebSphere Application Server 環境を管理す
るために使用される Web ベースのツールです。
Web ブラウザーを通じて IBM Integrated Solutions Console にアクセスする前に、まず、
コンソールをホスティングするサーバーを始動する必要があります。スタンドアロン環境
では、コンソールはアプリケーション・サーバー上でホストされます。このため、コンソ
ールへのアクセスを試みる前に、アプリケーション・サーバーを始動しなければなりませ
ん。IBM WebSphere Application Server Network Deployment を使用することで利用可能に
なる分散環境では、コンソールはデプロイメント・マネージャー・サーバー上でホストさ
れるので、コンソールへのアクセスの前に、デプロイメント・マネージャー・サーバーを
始動しなければなりません。
WebSphere Administrative Console にアクセスするには、「http://:<WC_adminhost>/ibm/
console」という URL を使用します。WC_adminhost は管理ポートです。
管理ポートが不明な場合は、管理コンソールをホスティングするサーバーのプロファイル
下 の properties デ ィ レ ク ト リ ー ( た と え ば 、 :¥Program Files¥IBM¥WebSphere¥
AppServer¥profiles¥MyDMgrProfile¥properties) で portdef.props ファイルを見つけます。
portdef.props フ ァ イ ル 内 で 、 WC_adminhost は デ フ ォ ル ト の 管 理 ポ ー ト で あ り 、
WC_adminhost_secure は管理セキュリティーが有効な場合に使用されるセキュア・ポー
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
トです。
メモ: デフォルトのポートを使用し、サーバーの管理セキュリティーが有効な場合は、セキ
ュア・ポートに自動的にリダイレクトされます。
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
Lotus Sametime のコンテキストにおける WebSphere Application Server の
タイプ
このセクションでは、WebSphere Application Server を構成するサーバー群と、WebSphere
Application Server 構造での Lotus Sametime サーバー/コンポーネントの位置付けについ
て学習します。
所要時間
このセクションを完了するには、約 30 分かかります。
目標
このセクションを読み終わると、次のことができるようになります。
•
WebSphere Application Server 環境を構成するサーバーを説明する
•
WebSphere Application Server のデプロイメント・マネージャーの機能を説明する
•
Lotus Sametime のコンテキストでの WebSphere Application Server のタイプを定
義する
•
Lotus Sametime のコンテキストでのデプロイメント・マネージャーと Integrated
Solutions Console の機能を説明する
•
Lotus Sametime System Console へのアクセスに関する問題をトラブルシューティン
グする
•
WASServiceCmd ユーティリティーを使用して、Windows サービスとしてロードする
Lotus Sametime サーバーをセットアップする
WebSphere Application Server 環境でのサーバー・タイプ
IBM WebSphere Application Server (サポートされているデータベース・サーバー、ディレ
クトリー・サーバー、および Web サーバーなど) のシステム要件は、「IBM WebSphere
Application Server Detailed Requirements」および「WebSphere Application Server V7:
Concepts, Planning, and design」に記載されています。このパートでは、WebSphere
Application Server デプロイメントで使用される (または、必要な) いくつかのサーバー・
タイプの機能について簡単に説明します。定義するサーバーを下図に示します。これらの
サーバーの機能をすでに理解していて、Lotus Sametime デプロイメントでの使い方を知り
たい場合は、次のパートへお進みください。
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
アプリケーション・サーバー
本書の最初のセクションでは、アプリケーション・サーバーを次のように定義しました。
アプリケーション・サーバーは、すべての構成における主要ランタイム・コンポーネント
であり、アプリケーションが実際に実行される場所です。WebSphere Application Server の
どの構成も、1 つ以上のアプリケーション・サーバーを持つことができます。... Network
Deployment では、中央の管理ポイントから維持される複数のアプリケーション・サーバー
で構成される分散サーバー環境を構築できます。分散サーバー環境では、ワークロードの
分散のためにアプリケーション・サーバーをクラスター化できます。
原典: WebSphere Application Server V6 Technical Overview
Web サーバー
WebSphere Application Server 環境での Web/HTTP サーバーの機能は、「WebSphere
Application Server V7: Concepts, Planning, and design」では、次のように説明されていま
す。
WebSphere Application Server は Web サーバー (WebSphere Application Server に含ま
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
れる IBM HTTP Server など) と連携して機能し、ブラウザーからの要求を、WebSphere
Application Server で実行されているアプリケーションにルーティングすることができま
す。サポートされている Web サーバーとともにインストールする WebSphere Web
Server プラグインが提供されています。このプラグインは要求を適切なアプリケーショ
ン・サーバーに誘導し、クラスター内のサーバー間でワークロード・バランシングとフェ
イルオーバーを実行します。
Web サーバーは WebSphere Application Server とは異なる製品ですが、WebSphere
Application Server 管理プロセスで定義できるため、管理者は Web サーバー・プラグイン
用の適切なルーティング情報を生成するために、1 つ以上の定義済みの Web サーバーに
アプリケーションを関連付けることができます。また、他の状況でも Web サーバー管理
機能を利用できます。
原典: WebSphere Application Server V6.1 Planning and Design
データベース・サーバー
データベース・サーバーは、WebSphere Application Server 環境で必要不可欠な役割を果
たします。
「IBM Terminology」サイトでは、データベース・サーバーは次のように定義され
ています。
1.
2.
3.
データベース・マネージャーを使用して他のソフトウェア・プログラムまたはコンピ
ューターにデータベース・サービスを提供するソフトウェア・プログラム。
データベース・アプリケーションとデータベースがインストールされるサーバー。
データベース・マネージャーを実行して他のソフトウェア・プログラムまたはコンピ
ューターにデータベース・サービスを提供する専用コンピューター。
「データ・サーバ
ー」も参照してください。... 情報をセキュアで効率よく管理するサービスを提供する
サーバー。
ディレクトリー・サーバー
「IBM Terminology」サイトでは、ディレクトリー・サーバーは次のように定義されていま
す。
クライアントの代わりにディレクトリー情報を追加、削除、変更、または検索できるサー
バー。ディレクトリーは、階層ツリー構造で編成された名前と関連属性を検索できるデー
タ構造です。エンタープライズ・アプリケーション・サーバーのコンテキストでは、ディ
レクトリー・サーバーにより、アプリケーションがユーザー・プリンシパルを検索し、ユ
ーザーが保持している属性とユーザーがメンバーになっているグループを判断できます。
この情報を使用して、認証および許可に関する決定を下すことが可能です。
原典: WebSphere Application Server V6.1 Planning and Design
ディレクトリー・サーバーに使用される一般的なプロトコルは Lightweight Directory
Access Protocol (LDAP) です。「IBM Terminology」サイトでは、LDAP は次のように定義
されています。
X.500 モデルをサポートし、より複雑な X.500 Directory Access Protocol (DAP) のリソー
ス要件を負わないディレクトリーへのアクセスを、TCP/IP を使用して提供するオープン・
プロトコル。たとえば、LDAP は、インターネットまたはイントラネット・ディレクトリ
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
ー内のユーザー、組織、および他のリソースを特定するために使用できます。
プロキシー・サーバー
「IBM Terminology」サイトでは、プロキシー・サーバーは次のように定義されています。
1.
2.
他のサーバーに向けられた要求を受け取り、クライアントの代わりに (クライアントの
プロキシーとして) 動作して、要求されたサービスを受け取るサーバー。プロキシー・
サーバーは、クライアントとサーバーが直接接続の互換性を持たない場合に使われる
ことがあります。たとえば、サーバーのセキュリティー認証要件を満たせないクライ
アントに対し、いくつかのサービスを許可する必要がある場合などです。
アプリケーションまたは Web サーバーによってホストされている HTTP Web 要求
の仲介として機能するサーバー。プロキシー・サーバーは、企業内のコンテンツ・サ
ーバーの代理として機能します。
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
Lotus Sametime 8.5 の コ ン テ キ ス ト に お け る WebSphere Application
Server のタイプ
IBM Lotus Sametime 8.5 システム要件文書の「Detailed system requirements - Sametime
8.5」には、いくつかの要件の中でも特に、サポートされているデータベース・サーバー、
ディレクトリー・サーバー、HTTP サーバーなどについての記述があります。前のセクシ
ョンでは、WebSphere Application Server 環境を構成する主なサーバーの機能について簡
単に説明しました。このセクションでは、Lotus Sametime 8.5 のコンテキストで、これら
のサーバー・タイプを取り上げます。要件に記述されているサーバーの一部を下図に示し
ます。
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
アプリケーション・サーバー
ほとんどの Lotus Sametime 8.5 サーバーは、IBM WebSphere Application Server プラッ
トフォーム上で稼働し、それ自体もアプリケーション・サーバーです。各サーバーの目的
を簡単に示すと、次のようになります。
•
•
IBM Lotus Sametime System Console は、Lotus Sametime コンポーネントをインス
トール、構成、および管理する中央の場所を提供します。
The IBM Lotus Sametime Meeting Server は、中央のミーティング・プレースをコミュ
ニティー・メンバーに提供します。
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
•
•
•
IBM Lotus Sametime Media Manager は、Lotus Sametime ミーティングとチャット用
のオーディオおよびビジュアル・サービスを提供します。
IBM Lotus Sametime Proxy Server は、ブラウザー用 Lotus Sametime クライアント
をホストします。
IBM Lotus Sametime Gateway Server は、外部のインスタント・メッセージング・コ
ミュニティーと在席確認を共有する方法を提供します。
メモ: IBM Lotus Sametime Community サーバーは、WebSphere Application Server ではな
く、IBM Lotus Domino® サーバー上で実行されます。
データベース・サーバー
いくつかの Lotus Sametime サーバー/コンポーネントには、データベース・サーバー、特
に IBM DB2® が必要です。これは、Lotus Sametime 8.5 のインストール・ファイルとと
もにダウンロードできます。詳細については、ダウンロードした文書「IBM Lotus Sametime
Standard 8.5」を参照してください。Lotus Sametime System Console、Lotus Sametime
Meeting Server、および Lotus Sametime Gateway Server のすべてに DB2 が必要です。
Lotus Sametime System Console には、ユーザー・ポリシー情報とデプロイメント・トポ
ロジー情報を格納するために DB2 が必要です。この情報は、インストーラーがサーバーを
セットアップするとき、およびランタイムに他のサーバーに接続するときに提供されます。
Lotus Sametime Meeting Server には、ミーティング・ルームのユーザー・データを格納す
るために DB2 が必要です。Sametime Gateway Server には、ポリシー情報用に DB2 が
必要です。
ディレクトリー・サーバー
Lotus Sametime System Console 、 Lotus Sametime Meeting Server 、 お よ び Lotus
Sametime Gateway Server のすべてに、LDAP ディレクトリー・サーバーが必要です。
LDAP ディレクトリーには、ローカルの Lotus Sametime コミュニティーに属するユーザ
ーのユーザー・レコードが含まれています。これらのサーバーは必要に応じて LDAP ディ
レクトリーを検索し、Lotus Sametime ユーザーを認証できます。
プロキシー・サーバー
Lotus Sametime デプロイメントでは、プロキシー・サーバーにいくつかの役割があります。
1 つの例として、IBM WebSphere Proxy Server は、Lotus Sametime Meeting Server のク
ラスター用にルーティング・タスクとキャッシング・タスクを処理するよう構成されてい
ます。IBM WebSphere Proxy Server は、Lotus Sametime のインストールに含まれる
WebSphere Application Server とともに配布されます。Lotus Sametime のシステム要件に
は、セキュア・ネットワークのために使用できる、サポートされているプロキシー・サー
バーがいくつかリストされています。
デプロイメント・マネージャーとIBM Integrated Solutions Console
IBM WebSphere Application Server Network Deployment エディションでは、デプロイメン
ト・マネージャーを使用して、WebSphere Application Server 環境に関連するサーバーと
コンポーネントを管理します。単一のデプロイメント・マネージャーから複数のサーバー
を管理する環境を分散サーバー環境と呼んでいます。デプロイメント・マネージャー自体
は、特定の WebSphere Application Server セル内の特定のノード内にあるすべてのサーバ
ーとコンポーネントを集中的に管理するサーバーです。
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
また、デプロイメント・マネージャーは、分散サーバー環境で利用できる強力で先進的な
デプロイメント機能をホストします。これには、高可用性、動的スケーラビリティー、お
よびワークロード・バランシングとフェイルオーバーのための先進のクラスタリングが含
まれます。分散サーバー環境では、環境内で WebSphere コンポーネントとプロセスを始
動および実行するために、デプロイメント・マネージャーがマスター構成ファイル (.xml フ
ァイルなど) および Java™ EE アプリケーション・ファイルを保持しています。デプロイ
メント・マネージャーは、その構成ファイルを、関連する各ノードにローカルに保持され
ている構成ファイルと同期します。各ノードにはノード・エージェントがあり、デプロイ
メント・マネージャーはノード・エージェントと通信することにより、構成情報とファイ
ル転送を同期し、他の管理アクティビティーをこれらのノードに実行します。
デプロイメント・マネージャーと、デプロイメント・マネージャーが存在するセルと同じ
セルに統合されたノードとの間のファイル同期プロセスは、常に一方向 (つまり、デプロイ
メント・マネージャーからノードへ) となります。ノード・レベルで行われた構成変更は一
時的なものであり、次回のファイル同期の際にデプロイメント・マネージャー上のマスタ
ー構成によって上書きされます。
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
統合は分散サーバー環境での重要なプロセスであり、デプロイメント・マネージャーによ
って処理されます。統合は、ノードがデプロイメント・マネージャー・セルの一部になる
ためのプロセスです。統合時には、WebSphere Application Server 環境をそのノード上で
管理するために、ノード・エージェント・サーバーがノード上に作成されます。
デプロイメント・マネージャーによってホストされ、WebSphere Application Server の分
散サーバー環境で管理タスクを実行するツールが、IBM Integrated Solution Console です。
本書を通して言及してきた IBM Integrated Solutions Console については、WebSphere
Application Server v7.0 Information Center のトピック「Integrated Solutions Console の概
説」で、次のように詳しく定義されています。
Integrated Solutions Console は、システム管理のための単一の共通インターフェースを提
供します。これは、IBM および IBM 以外の製品が、共通のコンソール・フレームワーク
に対する個々のプラグインとして管理ユーザー・インターフェースを構築できるメイン・
プラットフォームを提供します。Integrated Solutions Console プラットフォーム上で実行
するために製品管理機能を標準化すると、ルック・アンド・フィールと振る舞いがより一
貫したものになるので、新規の管理コンポーネントを導入する際の学習曲線と採用曲線が
緩和されます。管理者は、単一のブラウザー・ベースのコンソールから、複数の IBM およ
び IBM 以外の製品と対話することができます。
デプロイメント・マネージャーと Lotus Sametime System Console
Lotus Sametime 8.5.x は い く つ か の 方 法 で デ プ ロ イ す る こ と が で き ま す が 、 Lotus
Sametime System Console (SSC) をデプロイメント計画における構成の中央ポイントとし
て使用する方法が推奨されています。Lotus Sametime がいったんデプロイされると、その
ランタイム機能は、主に IBM Integrated Solutions Console および Lotus Sametime
System Console を使用して管理できます。文書「IBM WebSphere Application Server
Introduction for Lotus」では、Lotus Sametime System Console は Java EE テクノロジー
に基づいて構築され、IBM Integrated Solutions Console 内のポートレット・セットをとも
なうプラグインであり、デプロイメント・マネージャー上でホストされる、と説明されて
います。次の図を使用して、もう少し詳しく説明しましょう。
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
Lotus Sametime Console Server セル (上図のラベル「SSC Cell」) で実行されるアプリケ
ーション・サーバー、つまり Java 仮想マシン (JVM) には、デプロイメント・マネージャ
ー、ノード・エージェント、および Lotus Sametime System Console Server の 3 つがあ
ります。前述したように、IBM DB2 上で稼働する Lotus Sametime System Console デー
タベース (上図のラベル「STSC DB」) は、ユーザー・ポリシー・データおよび Lotus
Sametime デプロイメント・トポロジー・データの大部分を格納していて、このデータを
Lotus Sametime サーバーのセットアップ時にインストーラーに送ったり、ランタイムにサ
ーバーに接続するために提供したりします。ノード・エージェントは、デプロイメント・
マネージャーとSametime System Console Server 間の通信に使用されます。デプロイメン
ト・マネージャーは Integrated Solutions Console をホストし、ISC 内の Sametime
System Console ポートレット (上図のラベル「SSC Portlets」) はSametime サーバーお
よびコンポーネントを管理するユーザー・インターフェースを提供します。SSC フレーム
ワーク・アプリケーションは、Lotus Sametime インストーラーが接続する REST API を
駆動するために使用されるだけでなく、アプリケーションが SSC からの情報を更新する
ために接続するポリシーと管理インターフェースを提供します。
ISC と SSC の重要な機能の 1 つは、デプロイメント・マネージャー・レベルで行われた
変更を、デプロイメント・マネージャーと同じセル内のノードに確実に伝搬させることで
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
す。トレース・レベルの増加など、Sametime System Console Server で変更を行ったとき
は、デプロイメント・マネージャーに存在するマスター構成に変更を保存することが重要
です。変更をノードに知らせるには、「システム管理」->「変更をマスター・リポジトリー
に保存」->「ノードと変更を同期化」->「保存」を選択することにより、ファイル同期をトリ
ガーします。同期が完了した後は、サーバーの再始動が必要です。
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
Lotus Sametime System Console にアクセスできないときのチェック箇所
Lotus Sametime System Console にアクセスするには、デプロイメント・マネージャー、
ノード・エージェント、および Lotus Sametime System Console アプリケーション・サー
バーがすべて稼働している必要があります。3 つのサーバーが始動されていることを確認
したら、IBM Integrated Solutions Console (ISC) にログインし、Web ブラウザーから
「http://<WC_adminhost>/ibm/console」を使用して ISC 内の Sametime System Console
にアクセスします。使用する正しいポートの決め方の詳細については、本書の前のセクシ
ョン「IBM Integrated Solutions Console へのログオン」で説明されています。
Lotus Sametime System Console へのアクセスでトラブルが発生することがあります。た
とえば、IBM Integrated Solutions Console へのログインに失敗し、
「接続できません」また
は「Web ページを表示できません」というようなエラーがブラウザーに表示されることが
あります。通常、これらの特定のエラーは、デプロイメント・マネージャーが実行されて
いない場合に発生します。最初に試みる手法として、ご使用になっているオペレーティン
グ・システムのコマンド・プロンプトで「serverStatus」コマンドを実行し、3 つのサーバ
ーが稼働していることを確認するとよいでしょう。
「serverStatus」コマンドの適切な構文に
ついては、本書の前のセクションのトピック「サーバーの状況のチェック」を参照してく
ださい。
デプロイメント・マネージャーが稼働している場合は、
「serverStatus」コマンドの実行結果
として、「ADMU0509I: The Deployment Manager "dmgr" is STARTED」と表示されます。
デプロイメント・マネージャーが稼働していない場合は、
「serverStatus」コマンドの実行に
よって、
「ADMUxxxxI: The Deployment Manager "dmgr" cannot be reached. It appears to be
stopped」と表示されます。
メモ: コンソール・メッセージのコード「ADMUxxxxI」の数値の部分は、始動しているサ
ーバーとその状況に応じて異なります。
デプロイメント・マネージャーが稼働していない場合は、オペレーティング・システムに
適したコマンドを使用して始動してください。サーバー状況をチェックするための正しい
ロケーションへの移動や、デプロイメント・マネージャー・サーバーだけでなく、ノード・
エージェント・サーバーおよび Lotus Sametime System Console アプリケーション・サー
バーの始動に関するステップ・バイ・ステップの説明については、本書の前のセクショ
ン「WebSphere Application Server の一般的なコマンド」を参照してください。
また、ISC へのログインが成功しても、特定の Lotus Sametime System Console オプショ
ンにアクセスできない場合もあります。下図に、デプロイメント・マネージャーが稼働し
ているときに発生するエラーの例を示します。Integrated Solutions Console には正しくロ
グインできますが、Sametime System Console の一部のオプションにアクセスできない場
合の例です。この動作の原因として、Lotus Sametime System Console アプリケーション・
サーバーが稼働していないことが考えられます。
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
この場合、適切なディレクトリーで「serverStatus –all」コマンドを発行し、ノード・エージ
ェントと Sametime System Console サーバーの両方の状況を確認するとよいでしょう。
どちらか一方、または両方が稼働していない場合は、そのサーバーを始動してください。
繰り返しますが、操作手順の確認や「serverStatus」コマンドなどの出力例の表示について
は、本書の前のセクション「WebSphere Application Server の一般的なコマンド」を参照し
てください。
3 つのすべてのサーバーが始動されていることを確認したにもかかわらず、まだ Lotus
Sametime System Console へのアクセスに問題がある場合は、最初に、デプロイメント・
マネージャー・プロファイルの log ディレクトリー
(<appserver_install_root>¥profiles¥STSCDMgrProfile¥logs¥dmgr) にある systemOut.log
ファイルで、
「AIDSC」で始まるエラーをチェックします。Sametime System Console の
すべてのエラーは、この文字列とそれに続く 4 桁の数字で始まります。次に、Sametime
System Console アプリケーション・サーバーの systemOut.log ファイルで「AIDSC」エラ
ーをチェックします。この systemOut.log は、Sametime System Console アプリケーショ
ン・サーバーの log ディレクトリー
(<appserver_install_root>¥profiles¥STSCAppProfile¥logs¥STConsoleServer) にあります。
Integrated Solutions Console へのログインを試みたのに空白画面が表示される場合は、
LDAP サ ー バ ー が ダ ウ ン し て い る か 、 ア ク セ ス で き な い 可 能 性 が あ り ま す 。
<appserver_install_root>¥profiles¥STSCDMgrProfile¥logs¥dmgr (または、トレースを有効
にしている場合は、同じロケーションの trace.log) にあるデプロイメント・マネージャー
の SystemOut.log に、次のようなエラーが含まれています。
"[date time] 0000002f exception E com.ibm.ws.wim.adapter.ldap.LdapConnection
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
getDirContext com.ibm.websphere.wim.exception.WIMSystemException: CWWIM4520E
The'java.naming.CommunicationException: <servername>:389 [Root exception is
java.net.ConnectException: Connection refused]' naming exception occurred during
processing.
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
ログにこのエラーがある場合、あるいは LDAP サーバーの問題が疑われる場合は、パラメ
ーター「allowOperationIfReposDown=true」を wimconfig.xml ファイルに追加してくださ
い。このパラメーターが wimconfig.xml にあると、LDAP サーバーにアクセスできない場
合でも、Integrated Solutions Console にログインし、Sametime System Console にアクセ
スできます。機能不良の LDAP サーバーが定義されている場合は、必要な変更を行えます。
本書のセクション「Lotus Sametime での WebSphere Application Server プロファイル」
で説明したように、wimconfig.xml ファイルは <appserver_install_root>¥ profiles¥
STSCDMgrProfile¥config¥cells¥<cell name>¥wim¥config ディレクトリーにあります。この
ファイルをテキスト・エディターで開き、次の行を検索します。
重要なメモ: 一般に、構成ファイルの編集は推奨されていません。wimconfig.xml ファイル
に変更を加えるときは、細心の注意が必要です。誤って変更すると、サーバーにアクセス
できなくなるおそれがあります。
<config:realmConfiguration defaultRealm="defaultWIMFileBasedRealm">
<config:realms delimiter="/" name="defaultWIMFileBasedRealm"
securityUse="active">
以下に示す場所に正確にパラメーター「allowOperationIfReposDown="true"」を追加し、
ファイルを保存します。
<config:realmConfiguration defaultRealm="defaultWIMFileBasedRealm">
<config:realms delimiter="/" name="defaultWIMFileBasedRealm"
securityUse="active"
allowOperationIfReposDown="true">
この変更により、入力した認証情報が稼働/実行中の LDAP サーバーによって受け入れら
れる限り、管理者は Integrated Solutions Console にログインできます。いったんログイン
すると、LDAP リポジトリーの構成を表示し、必要な変更を加えることができます (たとえ
ば、ログイン時に WebSphere Application Server が照会を試みてログイン障害の原因とな
る機能不良の LDAP サーバーを取り除きます)。これを行うには、
「セキュリティー」->「グ
ローバル・セキュリティー」を選択し、「ユーザー・アカウント・リポジトリー」セクショ
ンで利用可能なレルム定義の統合リポジトリーを選択し、「構成」を選択します。レルム内
の定義済みのリポジトリーが表示されます。設定が現在の LDAP サーバーを反映するよう
必要な変更を加え、
「リポジトリーの管理」を選択し、必要な変更を行います。
「OK」を選
択した後は、
「グローバル・セキュリティー」ページの一番上にある「保存」を必ず選択し、
変更がマスター構成に保存してください。
Lotus Sametime サーバーを Windows サービスとして自動的にロードする
ためのセットアップ方法
Microsoft Windows オペレーティング・システムでは、前のセクションで示したアクセス問
題を避けるために、Lotus Sametime System Console に関連するサーバーを確実に始動す
る方法の 1 つとして、サーバーを Windows サービスとして定義する方法があります。こ
れにより、オペレーティング・システムの開始時に、これらのサーバーを常に始動できま
す。しかし、デフォルトでは、WebSphere Application Server のどのコンポーネントをイ
ンストールするときも、そのコンポーネント用の Windows サービスが自動的に作成され
ないという全体的な欠点があります。Lotus Sametime サーバーを Windows サービスとし
てロードするようセットアップする方法はいくつかあります。
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
1 つの方法としては、バッチ・ファイルを作成して実行します。Lotus Sametime 8.5 Wiki の
記事「Sametime 8.5 Components as a Windows service」の説明に従ってください。
バッチ・ファイルを手動で作成するとタイプミスなどの問題が生じやすいため、別の方法
として WebSphere Application Server の WASServiceCmd ユーティリティーを使用する
方 法 が あ り ま す 。 WASServiceCmd ユ ー テ ィ リ テ ィ ー を 使 用 し て Sametime System
Console サーバーを Windows サーバーとしてセットアップするには、以下の手順を実行
します。
1.
2.
3.
WASServiceCmd を使用して WebSphere Application Server 用の Windows サービ
スを作成するために、圧縮されたファイルを文書からデタッチします。
Windows のコマンド・プロンプトを開き、<appserver_install_root>¥bin ディレクトリ
ーに切り替えます。
「wasservicecmd.bat」と入力し、ENTER を押します。メニュー・オプションのリス
トが表示されます。
IBM Lotus Sametime 管理者向け IBM WebSphere Application Server 概念の概要
「1」を入力して最初のメニュー・オプションを選択します。このユーティリティーを
開始したアプリケーション・サーバーのディレクトリーに関連するプロファイルのリ
ストが表示されます。同じプロファイルのリストが、<appserver_install_root>¥profiles
ディレクトリーにあります。
5. サービスとしてセットアップしたいサーバーが含まれるプロファイルに対応する数字
を入力します。
この例では、
「STSCDMgrProfile」が、Lotus Sametime System Console サーバーのデ
プロイメント・マネージャーに関連するプロファイルの名前です。このプロファイルに
対応する数字を選択すると、setupcmdLine.bat が起動され、このプロファイルに関連
するセルとノード、およびそのノードに関連するサーバーのリストが表示されます。こ
の例では、デプロイメント・マネージャー・サーバーの「1 dmgr」が「Servers」の下
にリストされています。
6. サーバーに付けるサービス名を入力します。たとえば、サーバーはデプロイメント・
マネージャー・サーバーなので、
「STConsoleServerDM」または「ConsoleServerDM」
と入力します。上記の手順の実行例を下図に示します。
4.
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サービスに名前を付けた後は、サービスの始動およびセキュリティーの設定に関するいく
つかの質問がユーティリティーによって表示されます。これらの質問と選択肢を下図に示
します。
7.
8.
9.
10.
目的の再始動ポリシーを選択します。
目的の始動タイプを選択します。
WebSphere セキュリティーを有効にするかどうかを指定します。
「Execute」コマンドが表示されるので、「Y」を入力してサービス作成プロセスを実行
します。
11. コマンドが完了すると、再び目的のメニュー・オプションに対応する数字の入力を求
められます。「1」を入力し、ノード・エージェントの Windows サービスをセットア
ップするための手順を初期化します。
12. サービスとしてセットアップしたいサーバーが含まれるプロファイルに対応する数字
を入力します。上記のステップ 5 の図では、
「STSCAppProfile」が、Lotus Sametime
System Console サーバーに関連するプロファイルの名前です。
13. 表示されたサーバーのリストから、
「2 nodeagent」を選択します。
14. 目的のサービス名 (例: ConsoleServerNodeagent) を入力します。
15. 目的の再始動ポリシーを選択します。
16. 目的の始動タイプを選択します。
17. WebSphere セキュリティーを有効にするかどうかを指定します。
18. 「Y」を入力して、サービス作成プロセスを実行します。
19. Lotus Sametime System Console サーバーにも、これらの手順をもう 1 度繰り返しま
す。
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「スタート」->「実行」を選択し、「services.msc」と入力することにより、サービスの作
成に成功したかどうかをチェックできます。「IBM WebSphere Application Server v7.0 - 」
で始まるサービスを探してください。上記の手順を実行した結果を下図に示します。
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セルに関連する残りの Lotus Sametime サーバーについても、Windows サービスを構成す
る上記の手順を繰り返します。
サービスをセットアップするどちらの方法を使用しても、サービスはオペレーティング・
システムの起動または再起動とともに始動しますが、クラッシュ後に始動するとは限りま
せん。サーバーが始動しない、または適切に始動しているか疑わしい場合は、サーバーご
とに startServer.log などのログをチェックし、サーバーが完全に始動しているか確認する
とよいでしょう。startServer.log ファイルは、各プロファイルの各サーバー用に存在し、
<appserver_install_root>¥profiles¥<profile name>¥logs¥<server> ディレクトリーにありま
す。
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