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Lab 02 仮想アプリケーション 仮想アプリケーション ・パターンによるシステム構築

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Lab 02 仮想アプリケーション 仮想アプリケーション ・パターンによるシステム構築
IBM Software
Lab 02
仮想アプリケーション・パターンによるシステム構築
仮想アプリケーション・パターンによるシステム構築
このハンズオンでは、IBM PureApplication System(以下、PureApp)を使用して、仮想アプリケーションのパ
ターン定義作成と PureApp 内クラウド環境へのデプロイを行います。仮想アプリケーションでは、コンポーネント
を配置し、リンクで結合し、アプリケーションの挙動を指定するポリシーを適用することで、パターンを作成します。
仮想システムと違い、ユーザー・スクリプトなどの複雑な構成を行う必要はありませんし、できません。このハン
ズオンでは、Lab01 と同じインターネット・ショッピングのサンプル・アプリケーション(PlantsByWebSphere)を稼
動させる仮想アプリケーションのパターン定義を行い、デプロイします。
Lab 02 – 仮想アプリケーション・パターンによるシステム構築
Page 1
IBM Software
はじめに
当ハンズオンは下記のステップから構成されます。
2.1 ハンズオン環境について
2.2 仮想アプリケーション・パターンの作成
Web アプリケーションとそのデータストアと言う、典型的な Web アプリケーション・システムを想定した仮想ア
プリケーション・パターンを新規に作成します。アプリケーションの内容は Lab01 と同じです。仮想アプリケー
ションでは、フロントエンドのプロキシー・サーバーやアプリケーションの HTTP セッションのキャッシュ先として
使えるキャッシュ・サーバーを「共有サービス」として提供しているので、これを利用します。
2.3 仮想アプリケーション・パターンのデプロイ
作成したパターンをデプロイします。
当ハンズオンでデプロイする環境は以下になります。
2 台のアプリケーション・サーバー(オートスケール有効)と 1 台のデータベースが稼働する計 3 つの仮想マシ
ンの構成になります。これ以外に、共有サービスの ELB プロキシーとキャッシュを使用します。共有サービスは
既に対象のクラウド・グループ上で稼働しており、その名の通り全受講者から共有して使用されます。
上記構成を仮想アプリケーション・パターンでパターン化し、デプロイします。仮想アプリケーションでは、仮想
システムで用いた「スクリプト・パッケージ」のようなユーザーが別途開発するカスタマイズ部分はなく、全て製品
機能で実現します。(JavaEE アプリケーションとそれが利用するデータのみユーザーが用意します)
仮想アプリケーションにおいてデータベース・レイヤーの冗長化は、現時点での PureApp ではまだカバーして
いません。これが必要な場合は仮想システムの DB2 HADR を利用してください。
Lab 02 – 仮想アプリケーション・パターンによるシステム構築
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IBM Software
2.1
ハンズオン環境について
ここでは、ハンズオンの環境について説明します。ハンズオンは、PC 端末のブラウザーから、PureApp コンソ
ールを使用して仮想アプリケーションのパターンを作成します。定義した仮想アプリケーション・パターンをデプロ
イすることにより、結果的にクラウド・グループの計算ノード上に、エンタープライズ・アプリケーション・サーバー
(WAS)の仮想マシンとデータベース(DB2)の仮想マシンが作成されます。今回はフロントエンドとして、共有サ
ービスの1つである Elastic Load Balancer (ELB)を利用し、HTTP セッションの保存先として同じく共有のキャシ
ュ・サービスを利用します。
PureApplication
System
共有サービス
ELBプロキシー
キャッシュ
ハンズオン・ユーザー毎に
3台の仮想マシンをデプロイ
Enterprise
Application
+
Database
ブラウザ
Windows
PC端末よりブラウザ経由でPureApplication System
コンソール、WAS管理コンソール、サンプル・アプリ
ケーションにアクセス
Lab 02 – 仮想アプリケーション・パターンによるシステム構築
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IBM Software
2.2
仮想アプリケーション・パターンの作成
仮想アプリケーション・パターンの作成
PureApp は仮想アプリケーション・パターン定義を作成するためのグラフィカルなユーザー・インターフェース
を提供します。仮想アプリケーションの設計では、EAR ファイルやデータベース・スキーマなどのアプリケーショ
ンの構成内容にフォーカスしたものになります。
__1.
データベース・ワークロード標準の確認
まず PureApp の用語で「データベース・ワークロード標準」と呼んでいるデータベースの定義の確認を
行います。これはアプリケーションが使用するデータとテーブル定義を行うためのファイルをあらかじめア
ップロードしておくものです。その後、その「データベース・ワークロード標準」を仮想アプリケーション・パ
ターン中のデータベース・コンポーネント定義に利用します。
このデータベース・ワークロード標準は、「標準」の名の通り、システムで共有して利用するものである
ため管理権限が必要となり、今回みなさんに用意しているユーザーではアクセスすることができません
ので、手順をご確認いただくことで代替します。
※データベース標準を利用するのではなく、個々のデータベースをそれぞれ定義する場合、仮想アプリ
ケーション・パターンの中のデータベース・コンポーネントでもデータ定義が可能です。
__a.
管理者権限を持つユーザーでログインした場合、PureApp コンソールにおいて、上部
のメニュー・バーから ワークロード・コンソール > カタログ > データベース・ワークロード
標準 のエントリーが存在します。(みなさんのユーザーでは表示されません)。
Lab 02 – 仮想アプリケーション・パターンによるシステム構築
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IBM Software
__b.
「データベース・ワークロード標準」画面上部の「新規(
)」アイコンをクリックすること
で、新規データベース・ワークロード標準が追加できます。
__c.
新規アイコンをクリックすると、以下のようなデータベース・ワークロード標準の「作成」
ダイアログが表示されます。
__d.
今回のハンズオン環境では、以下の通り設定されています。
名前 : UserXX_db_wl
アップロード・ファイル: C:\Lab02\WS_CreateDBPlant.zip を指定しアップロード
Lab 02 – 仮想アプリケーション・パターンによるシステム構築
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__e.
__2.
C:\Lab02\WS_CreateDBPlant.zip にアップロードしたファイルが配置されています
ので中を確認してみてください。DDL や DB を作成する際に使用する ddl や、シェルお
よびデータ(csv ファイル)が含まれています。
テンプレートを使用した仮想アプリケーション・パターン定義の作成
今回使用するデータベース・ワークロード標準の定義を確認しましたので、仮想アプリケーション・パタ
ーンを作成します。
__a.
__b.
__c.
UserXX (XX は各受講者 ID です)/ password で再度ログインします。
(UserXX でログインしていることを確認し)ワークロード・コンソールの上部のメニュー・
バーから パターン > 仮想アプリケーション を選択します。
「仮想アプリケーション・パターン」画面上部の「新規(
)」アイコンをクリックします。
Hints&Tips:PureApp ではデフォルトで 3 つの仮想アプリケーション・パターンのサンプルが提
供されています。「Sample Web application only」パターンは、WAS のみを使用し、「Sample
Java EE Web application」パターンは、WAS と DB2 を使用します。「Sample Secured Java
EE Web application」パターンは、さらに、LDAP が追加されています。
Lab 02 – 仮想アプリケーション・パターンによるシステム構築
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IBM Software
__d.
「アプリケーションの作成」ダイアログが表示されます。パターン・タイプのドロップダウ
ン・リストで「Web Application Pattern タイプ 2.0」を選択し、左部のパターン・タイプのリ
ストから「Blank application」を選択します。(「Blank application」を選択すると、左部の
背景が淡い青色になり、右側の説明の項目に、「Blank application」と表示されます。)
プレビューの項目は、事前定義のコンポーネントはないため、ブランクです。「ビルドの
開始」ボタンをクリックします。
Hints&Tips:「Blank Java EE web application」は、単純な war ファイルをアップロー
ドして実行させる Web アプリケーションのコンポーネントとデータベースが配置された
テンプレートです。今回は ear ファイルを実行するエンタープライズ・アプリケーション
のコンポーネントを使用したいため、「Blank application」テンプレートで1から作って行
きます。
__e.
ブラウザー(FireFox)の新しいタブで、下記のような「Virtual Application Builder」ペー
ジが開きます。
Lab 02 – 仮想アプリケーション・パターンによるシステム構築
Page 7
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__f.
コンポーネントを仮想アプリケーション・パターンに追加します。左側の資産(Assets)
の一覧から「アプリケーション・コンポーネント」の階層を開きます。今回の仮想アプリケ
ーション・パターンでは、既存データベースに接続する一つのエンタープライズ・アプリケ
ーション(EAR)を利用するため、まず「エンタープライズ・アプリケーション」を、ドラッグ&
ドロップして、右側のキャンバス部分に配置します。
__g.
「エンタープライズ・アプリケーション」のコンポーネントには、EAR ファイルの指定が必
須です。配置した「エンタープライズ・アプリケーション」コンポーネントの右下部の警告
マーク( )にマウスオーバーすると、「プロパティー”EAR”ファイルが必要です。」のメ
ッセージが表示されます。
__h.
この仮想アプリケーション・パターンにてデプロイされるエンタープライズ・アプリケーシ
ョンの EAR ファイルを指定します。中央のキャンバスに配置した「エンタープライズ・ア
プリケーション」コンポーネントをクリックして選択すると、コンポーネントの枠線が点線と
なり、右側のキャンバスに、エンタープライズ・アプリケーションのプロパティー設定画面
Lab 02 – 仮想アプリケーション・パターンによるシステム構築
Page 8
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が表示されます。
__i.
このエンタープライズ・アプリケーションのコンポーネントの名前を
「PlantsByWebSphere」とします。
__j.
右側キャンバスの「EAR ファイル:」プロパティー設定箇所の「編集」ボタンをクリックし
ます。「ファイルの選択」のポップアップ・ウィンドウが表示されます。「ローカル」にて
「C:\Lab02\PlantsByWebSphere_VA.ear」を選択し、「OK」ボタンをクリックします。
Lab 02 – 仮想アプリケーション・パターンによるシステム構築
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__k.
EAR ファイルがアップロードされます。EAR ファイルのプロパティー設定箇所はアップ
ロードが完了するまでグレーアウトされ、完了するとファイル名が表示されます。
プロパティー・パネルでは他にも、アプリケーションのトランザクション関連のデフォ
ルトのタイムアウト値の変更や、このアプリケーション・コンポーネント(WAS)に適用す
る Fix(修正プログラム)を選択することができます。(今回は編集しません)
__l.
再度「エンタープライズ・アプリケーション」コンポーネントの右下部の警告マーク( )
にマウスオーバーすると、今度は「モジュール”PlantsByWebsphere.war”内の res-refname “jdbc/PlantsByWebSphereAjax”に、”既存データベース/データベース/既存 IMS
データベース/既存 IMS TM”への接続が必要です。」のような警告メッセージが表示さ
れます。今回使用する「PlantsByWebSphere_VA.ear」のアプリケーションは、稼動の
ためにデータベースが必要となります。
__m.
左側の資産(Assets)の一覧から「データベース・コンポーネント」の階層を開きます。
今回の仮想アプリケーション・パターンでは、新規にデータベース・コンポーネントを構
成しますので、「データベース(DB2)」を右側のキャンバス部分にドラッグ&ドロップしま
す。
Lab 02 – 仮想アプリケーション・パターンによるシステム構築
Page 10
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__n.
__o.
パターン・キャンバスにて「データベース」が選択された状態(枠線が点線)にすると、右
側のプロパティー・ビューにプロパティー名とプロパティー値が表示されます。
データベースのプロパティーとして以下を入力してください。
名前:
PlantsDataStore
データベース名: plantsdb
【Source】
「データベース・ワークロード標準を適用」を選択
「UserXX_db_wl」を選択
データベース・バージョン:
Linux 対応 DB2 バージョン 10.1
データベース・レベル:
DB2 Version 10.1 for Linux
データベース・サイズ(GB):
3
※データベース・ワークロード標準を選択した後も「データベース・ワークロード標準が
選択されていません」と表示されますが、無視してください。
Lab 02 – 仮想アプリケーション・パターンによるシステム構築
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__p.
これでデータベース・コンポーネントが配置できたので、エンタープライズ・アプリケーシ
ョンとデータベース・コンポーネントのリンクを構成して、双方を関連付け、アプリケーシ
ョンがデータ・ソースを使用できるようにします。
中央のキャンバスの「エンタープライズ・アプリケーション」コンポーネント上にマウスオ
ーバーすると、箱の右端に青丸が出現しますので、そのまま、青丸の上にマウスオーバ
ーすると青丸がオレンジ丸に変化します。
__q.
オレンジ丸をクリックし、ドラッグ&ドロップで、「データベース」の箱と矢印を結び付けま
す。
__r.
エンタープライズ・アプリケーション・コンポーネントとデータベース・コンポーネントのリ
ンクを選択状態(青色矢印線が、オレンジ色矢印線になる)とし、データソース・プロパテ
ィーを構成します。右側のパネルに、「エンタープライズ・アプリケーション→データベー
ス」リンクのプロパティー設定画面が表示されます。
Lab 02 – 仮想アプリケーション・パターンによるシステム構築
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IBM Software
__s.
__t.
「データ・ソースの JNDI 名:」の入力欄に” jdbc/PlantsDS “と入力します。
「データ・ソースのリソース参照:」の「選択」ボタンをクリックします。ポップアップが表示
されますので、すべてのリソース参照のチェックボックスを ON にします。このポップアッ
プは、エンタープライズ・アプリケーション・コンポーネントの EAR ファイルが依存するデ
ータ・ソース定義を PureApp が自動的にスキャンして表示しているものです。
この他、データソース・プロパティーとして、「非トランザクション・データ・ソース」の
ON/OFF、「最大接続数」、「接続タイムアウト」のプロパティー値を変更することができ
ます。今回はデフォルト値を使用します。
__u.
データ・ソースのリソース参照を設定することで、「エンタープライズ・アプリケーション」
のコンポーネントに表示されていた警告マーク( )が消滅します。
Lab 02 – 仮想アプリケーション・パターンによるシステム構築
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__3.
仮想アプリケーション定義にポリシーを追加する
ここまでで、アプリケーションとアプリケーションが利用するデータベース連携に関する定義は完了しまし
た。さらにポリシーを追加することで、「ログ」や「JVM」、「スケーリング」、「ルーティング」などのアプリケ
ーション稼動環境の特性を指定することができます。
__a.
「Virtual Application Builder」において、「エンタープライズ・アプリケーション」コンポー
ネントを選択します。「エンタープライズ・アプリケーション」の箱の囲み線が点線になり
ます。
__b.
「エンタープライズ・アプリケーション」コンポーネントの箱の右上の「コンポーネント・ポ
リシーの追加」( )ボタンをクリックします。「ルーティング・ポリシー」、「ログ・ポリシー」、
「JVM ポリシー」、「スケーリング・ポリシー」の 4 つのポリシーがリスト表示されます。
Lab 02 – 仮想アプリケーション・パターンによるシステム構築
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各ポリシーの概要は下記表の通りです。
ポリシー名
説明
ルーティング・ポリシー
ルーティング(負荷分散)を設定します。仮想ホスト名と HTTP と
HTTPS のいずれのプロトコルで接続するかを指定します。
ログ・ポリシー
ログ・ファイルの構成を指定します。具体的には、トレース・ログのト
レース・ストリングを設定できます。デフォルトは、「*=info」です。
JVM ポリシー
Java 仮想マシン (JVM) のヒープ・サイズなどのプロパティーを制御
します。
スケーリング・ポリシー
負荷の変化に応じてアプリケーション・プラットフォームが自動的に
スケールアウト/スケールインされる条件を定義します。
__c.
今回はまず「ルーティング・ポリシー」を設定します。リストから「ルーティング・ポリシー」
を選択します。
Lab 02 – 仮想アプリケーション・パターンによるシステム構築
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IBM Software
__d.
「エンタープライズ・アプリケーション」コンポーネントの箱の中に、「ルーティング・ポリシ
ー」のポリシーの箱が追加されますので、それを選択します(「ルーティング・ポリシー」
の箱が点線で囲まれます)。右側のプロパティー・パネルの下の方に「ルーティング・ポ
リシー」のプロパティー設定が表示されます。
__e.
「ルーティング・ポリシー」の設定値として、HTTP または HTTPS のプロトコルの選択と、
仮想ホスト名を指定します。今回は、プロトコルは、デフォルトの HTTP を選択し、仮想
ホストとしては、「userXX.pureapp.ibm.com」を指定します。(XX は受講者 ID。アルフ
ァベットは小文字とします)
ルーティング・ポリシーを設定することにより、仮想アプリケーション・インスタンスは共有サー
ビスの一つ「ELB プロキシー」を使用します。このため、事前に PureApp の管理者が共有 ELB
プロキシー・サービスをデプロイしておく必要があります(今回は事前にデプロイされています)。
ルーティング・ポリシーにて指定した固有の仮想ホスト名で ELB プロキシーに対してアクセスさ
れたリクエストが各仮想アプリケーション・インスタンスに負荷分散されます。
Lab 02 – 仮想アプリケーション・パターンによるシステム構築
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__f.
続いて、「スケーリング・ポリシー」を設定します。「エンタープライズ・アプリケーション」
コンポーネントの箱の右上の「コンポーネント・ポリシーの追加( )」ボタンをクリックし、
リストから「スケーリング・ポリシー」を選択します。
__g.
「エンタープライズ・アプリケーション」コンポーネントの箱の中に、「スケーリング・ポリシ
ー」のポリシーの箱が追加されますので、「スケーリング・ポリシー」の箱を選択します
(点線で囲まれます)。右側のプロパティー・パネルの下の方(スクロールしてください)
に「スケーリング・ポリシー」のプロパティー設定が表示されます。
スケーリング・ポリシーを使用する場合、スケーリング・タイプによらず、リクエストは仮想アプリ
ケーションの前段に配置される共有 ELB プロキシー・サービスにより、バックエンドの仮想アプ
リケーションにルーティングされる必要があります。このため、仮想アプリケーション・パターンに
は、必ずルーティング・ポリシーを合わせて構成する必要があります。
Lab 02 – 仮想アプリケーション・パターンによるシステム構築
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__h. スケーリング・ポリシーのプロパティーを以下のように設定します。
セッション・キャッシュを使用可能に設定:チェックする
セッション・キャッシュ・グリッドの最大サイズ:1GB
スケールイン/スケールアウトのインスタンス数の範囲:2~3
仮想マシンごとの最大 vCPU カウント:2
仮想マシンごとの最大メモリー・サイズ(GB):4
スケーリング・タイプ:CPU ベース にチェックを入れる
CPU 使用率しきい値範囲~:20% - 80%
およびしきい値が期間(秒)を超えたとき:120
次のアクションによってスケーリング:ノードの追加または削除、最小に vCPU を追加し、
次にノードを追加します。
最初のオプション「セッション・キャッシュを使用可能に設定」にチェックを入れると複数のエン
タープライズ・アプリケーション実行環境間で HTTP セッションが共有されるため、1つの仮想マ
シンに障害が起こった場合でも、他のサーバーに処理内容が引き継がれます。このオプション
を ON にする場合、PureApp から事前に共有キャッシング・サービスをデプロイしておく必要が
あります(今回はデプロイされています)。
続いて、スケーリング・タイプを指定します。スケーリング・タイプは、「CPU ベース」、「応答時
間ベース」、「データベース接続ベース」の 3 種類から選択(組み合わせも可能)し、アプリケー
ション・サーバー・インスタンスの拡張/縮退をトリガーするしきい値を設定します。
Lab 02 – 仮想アプリケーション・パターンによるシステム構築
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いずれもチェックを入れない場合は、自動スケーリングは行われません。
今回は、CPU 利用率をスケーリングのトリガーとして利用します。アクションとしては、まず仮
想CPUの追加を実施し、それでも解消されない場合は、アプリケーション・サーバー・インスタン
スの自動拡張/縮退を行うアクション・タイプを指定します。
CPU 利用率が上限/下限の値からはみ出る時間が指定した「最小時間」を超えると、指定され
たインスタンス数の範囲内でスケールインあるいはスケールアウトが実行されます。
Hints&Tips:その他の、スケーリング・タイプを選択した場合の、設定項目については、次ページの表
を参照ください。
デフォルト値と設定可能
な値の範囲
設定項目
説明
CPU 使用
率がしきい
値範囲 (%)
を超える場
合のスケー
ルイン/スケ
ールアウト
スケーリング・アクティビティーの起
動条件とする CPU 利用率のしきい
値を指定します。アプリケーション・
プラットフォームのプロセッサーの平
均使用率が、このしきい値の範囲を
超えると、アプリケーション・プラット
フォームがスケールインまたはスケ
ールアウトされます。
スケールイ
ン/スケール
アウトのイ
ンスタンス
数の範囲
Web アプリケーションをホスティング
しているインスタンス・メンバーに対
する、スケーリングの範囲を指定し
ます。
追加または
削除をトリ
ガーする最
小時間 (秒)
スケーリング・アクティビティーの起
動条件とする時刻期間を指定しま
す。
デフォルト:120(秒)
Web 応答
スケーリング・アクティビティーの起
デフォルト:1000~5000
静的
応答
時間
ベー
ス
デー
タベ
ース
接続
ベー
ス
○
○
○
○
○
○
○
○
CPU
ベー
ス
デフォルト:20~80%
○
許容値:10~100%
デフォルト:1~10
○
固定
許容値:1~50
許容値:30~1800(秒)
Lab 02 – 仮想アプリケーション・パターンによるシステム構築
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時間がしき
い値範囲
(ミリ秒) を
超える場合
のスケール
イン/スケー
ルアウト
動条件とする Web アプリケーション
の応答時間を指定します。Web アプ
リケーションの応答時間が、このしき
い値の範囲を超えると、アプリケーシ
ョン・プラットフォームがスケールイン
またはスケールアウトされます。
JDBC 接続
待ち時間が
しきい値範
囲 (ミリ秒)
を超える場
合
スケーリング・アクティビティーの起
動条件とする JDBC 接続の待ち状
態を指定します。JDBC 接続の待ち
時間が、このしきい値の範囲を超え
ると、アプリケーション・プラットフォー
ムがスケールインまたはスケールア
ウトされます。
JDBC 接続
プール使用
がしきい値
範囲 (%) を
超える場合
スケーリング・アクティビティーの起
動条件とする JDBC 接続プールの
使用率を指定します。JDBC 接続の
使用率が、このしきい値の範囲を超
えると、アプリケーション・プラットフォ
ームがスケールインまたはスケール
アウトされます。
__i.
(ミリ秒)
許容値:0~10000(ミリ
秒)
デフォルト:1000~5000
(ミリ秒)
○
許容値:0~10000(ミリ
秒)
デフォルト:20~80%
○
許容値:1~100%
続いて、「JVM ポリシー」を設定します。「エンタープライズ・アプリケーション」コンポー
ネントの箱の右上の「コンポーネント・ポリシーの追加( )」ボタンをクリックし、リストか
ら「JVM ポリシー」を選択します。
Lab 02 – 仮想アプリケーション・パターンによるシステム構築
Page 20
IBM Software
__j.
「エンタープライズ・アプリケーション」コンポーネントの箱の中に、「JVM Policy」のポリ
シーの箱が追加されますので、「JVM Policy」の箱を選択します(点線で囲まれます)。
右側のプロパティー・パネルの下の方(スクロールしてください)に「JVM ポリシー」のプ
ロパティー設定が表示されます。
__k.
「JVM ポリシー」の設定では、デバッグ・オプション、詳細ガーベッジ・コレクション
(verbose:gc ログ)の有効化、一般 JVM 引数、JVM のビット・レベル、ヒープ・サイズを
設定できます。
今回は、「冗長ガーベッジ・コレクションを使用可能にする」のチェックボックスを ON に
変更します。
Lab 02 – 仮想アプリケーション・パターンによるシステム構築
Page 21
IBM Software
__4.
仮想アプリケーション・パターン定義を保存します。
ここまでで、仮想アプリケーションのパターン定義は完了です。クラウド環境に仮想アプリケーションをデ
プロイする前に、仮想アプリケーション・パターン定義を保存する必要があります。
__a.
「Virtual Application Builder」画面の左上のツール・バーから「名前を付けて保存」をク
リックします。
__b.
「アプリケーションの保存」ダイアログが表示されます。
名前欄に「UserXX_VA_Pattern」(XX は受講者 ID)、「アプリケーション・テ
ンプレートとして保存」のチェックボックスは OFF のままにします。「OK」ボ
タンをクリックします。
__c.
保存が完了したら、ブラウザーにて「Virtual Application Builder」タブの右上の×ボタ
ンをクリックし、「Virtual Application Builder」ページをクローズします。
Lab 02 – 仮想アプリケーション・パターンによるシステム構築
Page 22
IBM Software
__d.
もとの PureApp コンソールに戻り、ワークロード・コンソール > パターン > 仮想アプリ
ケーション のリストに「UserXX_VA_Pattern 」(XX は各受講者 ID です)が追加された
ことが確認できます。
Lab 02 – 仮想アプリケーション・パターンによるシステム構築
Page 23
IBM Software
2.3
仮想アプリケーションのデプロイ
仮想アプリケーションのデプロイ
以上で、仮想アプリケーション・パターンが作成できました。この仮想アプリケーション・パターン定義には、デ
モアプリケーション「PlantsByWebSphere」とそのデータベース、さらにルーティング・ポリシー、スケーリング・ポ
リシー、JVM ポリシーを定義しました。この仮想アプリケーション・パターンを PureApp 内のクラウド環境にデプ
ロイします。
__1.
PureApp のワークロード・コンソールから仮想アプリケーション・パターンをデプロイします。
__a.
(画面を遷移してしまった場合)PureApp のワークロード・コンソールに戻り、上部のメニュー・
バーから パターン > 仮想アプリケーションを選択します。
__b. 左側のリストから、「UserXX_VA_Pattern」(XX は各受講者 ID です)を選択します。中央のメイ
ン・パネルに、定義した仮想アプリケーション・パターンの情報が表示されます。
__c. 右上のツール・バーから「デプロイ」ボタンをクリックします。
Lab 02 – 仮想アプリケーション・パターンによるシステム構築
Page 24
IBM Software
__d. 「仮想アプリケーションのデプロイ」ダイアログが表示されます。名前欄は
「UserXX_VA_Instance」(XX は各受講者 ID です)とし、環境プロファイルに「Demo_Env_
Profile」を指定します(それしか選択の余地のない場合は固定されているのでそのままで結構
です)。
__e. ここで「OK」を押すと実際のデプロイが始まりますが、申し訳ありませんが、
今回は「キャンセル」をクリックして下さい。
なお、「拡張」を展開すると、仮想アプリケーションのインスタンスが稼動する仮想マシンにログ
インするための SSH 鍵を生成することができます。なお、デプロイ後に PureApp のコンソール
から、対象インスタンスに SSH 鍵を登録することも可能です。
Lab 02 – 仮想アプリケーション・パターンによるシステム構築
Page 25
IBM Software
__2.
実際に「OK」を押した場合、以下のように仮想アプリケーションのデプロイが始まります。
__a. 状況メッセージが、メイン・パネル上部に表示されます。
__b.
しばらくすると、下記のように、「…をデプロイしています。」の表示に変わります。
「ここをクリック」のハイパーリンクをクリックして、仮想アプリケーション・インス
タンスのページに遷移し、デプロイ状況を確認することができます。。
また、ワークロード・コンソールからインスタンス > 仮想アプリケーション を選択し、
左側のリストから「UserXX_VA_Instance」(XX は各受講者 ID です)を選択しても構い
ません。
__c.
下記の仮想インスタンスのページが表示されます。
インスタンスの状況画面は自動的にリフレッシュされます。以降のハンズオンで、デプロイ後
のインスタンスを確認します。
※状況欄が「実行中」( )になるまで同時に実行されているデプロイの数に依存しますが、
単独でも少なくとも 10 分程度の時間はかかります。手動で表示を最新にするには、画面左上
リフレッシュ・ボタン(
)をクリックします。
以上で、ハンズオンは終了です。お疲れ様でした。
Lab 02 – 仮想アプリケーション・パターンによるシステム構築
Page 26
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