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Domino ディレクトリ日本語拡張 (DJX) 概要 2007 年 12 月 10 日

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Domino ディレクトリ日本語拡張 (DJX) 概要 2007 年 12 月 10 日
Domino ディレクトリ日本語拡張 (DJX)
概要
Domino ディレクトリ日本語拡張 (DJX)
概要
2007 年 12 月 10 日
日本アイ・ビー・エム
ソフトウェア開発研究所
-1-
Domino ディレクトリ日本語拡張 (DJX)
概要
目次
1. はじめに........................................................................................................................................................ 3
2. DJX の目的とあゆみ ..................................................................................................................................... 3
2.1 DJX の目的とあゆみ................................................................................................................................ 3
2.2 DJX の導入によって可能となること ...................................................................................................... 4
3. DJX の拡張機能............................................................................................................................................. 4
3.1 ユーザー管理機能への拡張 ..................................................................................................................... 4
3.2 メール/カレンダー機能への拡張............................................................................................................ 6
3.2.1 Lotus Notes クライアントから使用する DJX の拡張機能 ............................................................ 6
3.2.2 Lotus Domino Web Access から使用する DJX の拡張機能 ............................................................ 7
3.2.3 Lotus Web メール から使用する DJX の拡張機能......................................................................... 8
4. Lotus Notes/Domino 8.0 での DJX の主な変更点...................................................................................... 8
5. まとめ ........................................................................................................................................................... 9
-2-
Domino ディレクトリ日本語拡張 (DJX)
概要
1. はじめに
Domino ディレクトリ日本語拡張 (Domino Japanese eXtension、以下 DJX) は、Lotus Notes/Domino の日
本市場向け強化機能を提供することを目的に、Lotus Notes/Domino R5 より日本語版パッケージに同梱され
ているコンポーネントです。現在では、日本で Lotus Notes/Domino をご利用で、かつ日本語対応に重きを
置く殆どのお客様が DJX を利用しています。IBM は DJX を日本市場において必要不可欠のコンポーネント
として位置づけて投資を続けており、実際に日本のお客様のご要望をお聞きしながら、その開発や保守、サ
ポートを日本で継続的に行っています。
本稿では、DJX の解説記事の第 1 弾として、DJX の基本機能、構成などについて概要をご紹介するのに加
えて、2007 年 9 月にリリースされたバージョン 8.0 での主な変更点などについても最新情報としてご紹介
します。なお、本稿に続く解説記事の第 2 弾では、今後の機能拡張についてのご紹介を予定しております(機
能拡張内容が決まり次第掲載します)。
2. DJX の目的とあゆみ
2.1 DJX の目的とあゆみ
Lotus Notes/Domino は、メール/カレンダー機能を中心とした情報共有機能を提供するコラボレーショ
ン・プラットフォームです。ユーザー情報は Domino ディレクトリで一元管理され、一般ユーザーはそのプ
ラットフォーム上に実装された様々なアプリケーションを介して、情報の共有を行うことができます。
DJX は Lotus Notes/Domino R4.6 で広く普及した 『漢字アドレス帳』 の機能を新しいアーキテクチャで
引継ぎ、更に機能拡張する形で Lotus Notes/Domino R5 で誕生しました。図 1 に DJX の主要な拡張履歴を
示します。最初のリリースである R5 では、管理者のための ユーザー管理に対する拡張機能、Notes クライ
アントのメール・カレンダー拡張機能、Web メールに対する拡張機能が備えられました。その後、Notes/Domino
6.0 で登録ポリシーに対応、Notes/Domino 6.5/6.0.3 で Domino Web Access (旧製品名称 iNotes Web Access)
での拡張を追加、 Notes/Domino 6.5.3 で Domino Web Access のオフラインサポートなどの拡張を行ってき
ました。最新の Notes 8.0 では、大きく進化した Notes 8.0 Standard 版での動作にも対応しています。
IBM Software Group | Lotus software
DJX の主要な変更履歴
現在 (2007年12月)
2007年9月
Notes/Domino 8.x サポート
Notes/Domino 8.0
2005年7月
Notes/Domino 7.x サポート
Notes/Domino 7.0
2004年10月
Notes/Domino 6.5.3
Notes/Domino 6.5/6.0.3
Domino Web Access オフラインサポート
2003年10月
iNotes(Domino) Web Access サポート
Notes/Domino 6.0
2002年10月
Notes/Domino 6.x サポート
ポリシー機能サポート
R5.0
1999年4月
DJX スタート
1
図 1 DJX の主要な拡張履歴
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Domino ディレクトリ日本語拡張 (DJX)
概要
2.2 DJX の導入によって可能となること
DJX の導入によって、一般ユーザーが目にする最も大きな変化は、組織階層の表示です。組織階層を表示
するアプリケーションでは、部署や役職の序列による並び替えに対応できていない場合が多く、大抵は入力
順や文字コード順に組織階層を並べてしまいます。しかし、実際の組織には様々な部署、役職が存在し、そ
のすべてが各々の役割を果たしビジネスを行っており、部署、役職の序列によって変化する重みが、入力順
や文字コード順の表示では組織階層の表示に表れてきません。DJX では、管理者が設定する部署や役職に対
する重み付けによる順序での組織階層の表示を行うことができます。(図 2) 部署、役職には各々3 桁の数字
で重み付けを行うことができ、組織階層はその数値順に表示されることになります。これにより、一般ユー
ザーが組織階層を参照するときに、実際の序列に沿った階層内からメールや会議召集の宛先を選択すること
が可能となります。
図 2
DJX によって部署、役職順に並べられた組織階層例
3. DJX の拡張機能
それでは、DJX が実際に提供している各拡張機能について、ご紹介します。
3.1 ユーザー管理機能への拡張
DJX のユーザー管理機能は、主に 2 つの Notes アプリケーションの連携という形で実装されています。
Lotus Domino サーバーのデータディレクトリに格納されている 『DJX 管理ツール』 テンプレート
(djxadmin.ntf) と 『DJX 管理データベース』 テンプレート (djxmstr.ntf) です。管理者が DJX を使用す
る場合、まずはこれらのテンプレートを用いて Domino サーバー上に Notes アプリケーションを作成するこ
とから始まります。
『DJX 管理ツール』 は、ユーザー管理を行うためのアプリケーションの本体です。ユーザー管理を行う際
に必要な情報入力、一時的情報の保持のための機能とユーザー管理実行のために必要なロジックがここに実
装されています。簡単な処理の流れを図 3 に示しました。管理者がユーザー登録や部署の登録などのディレ
クトリ管理を行うためには、まず処理の内容を記述したリクエスト文書を 『DJX 管理ツール』 に作成しま
す(図 4)。リクエスト文書は、『DJX 管理ツール』 の新規リクエスト作成や外部 CSV ファイルの読み込み
などから行うことができます。作成されたリクエストは、ここで一時的に待機状態となります。この時点で
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Domino ディレクトリ日本語拡張 (DJX)
概要
は、『Domino ディレクトリ』に変更内容は反映されていません。実際に 『Domino ディレクトリ』 に変更
を反映させるためには、管理者は 『DJX 管理ツール』 から 「リクエストの実行」 を行います。「リクエ
ストの実行」 が問題なく完了してはじめて、『Domino ディレクトリ』 に処理内容が反映されます。
図 3 DJX 管理ツールを用いたユーザー管理フロー
図 4
DJX 管理ツールの入力画面
『DJX 管理データベース』 は、DJX でユーザー管理を行うとき、『Domino ディレクトリ』 に格納されな
い DJX 独自のデータを保持するためのマスターデータテーブルとして使用されます (図 5)。ほとんどのユ
ーザー/グループ/組織の情報は、基本的に Domino ディレクトリに格納されますが、一部 Domino ディレク
トリで対応できない部分があります。その一部データを保持することが 『DJX 管理データベース』 の目的
です。『DJX 管理ツール』 からユーザーデータなどを編集する際、管理者はその編集データが 『Domino デ
ィレクトリ』 に格納されるものなのか、『DJX 管理データベース』 に格納されるものなのか意識する必要
はありません。
『DJX 管理ツール』 が必要に応じて判断し、データの編集を行います。格納されるデータは、
『DJX 管理ツール』 から間接的に編集することになります。
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Domino ディレクトリ日本語拡張 (DJX)
概要
図 5
DJX のデータ保持構造
また、Domino ディレクトリは Domino サーバーをセットアップする際に標準の設計で作成されますが、DJX
の拡張機能を使用するためには Domino ディレクトリに DJX 特有の設計要素を追加しておく必要がありま
す。それら DJX 特有の設計を Domino ディレクトリに反映するには、『DJX Domino ディレクトリ』 テンプ
レート (djxdd.ntf) で Domino ディレクトリの設計を置換します。DJX 特有の設計要素は標準の Domino デ
ィレクトリの設計にいくつかの要素を追加したものであり、標準の設計には一切変更を行っていません。そ
のため、Domino ディレクトリの設計を DJX のテンプレートで置換しても、標準の機能には全く影響はあり
ません。
3.2 メール/カレンダー機能への拡張
上にも記述しましたが、DJX の機能は Lotus Notes クライアント、Lotus Domino Web Access、Web メー
ルといった Lotus Notes/Domino で用意されている様々な Lotus Notes/Domino アプリケーション上で使用
することができます。ここでは、それらの各アプリケーション上での DJX の拡張機能について、最新版の
Lotus Notes/Domino 8.0 の DJX での実装をもとに、各機能をご紹介します。
3.2.1 Lotus Notes クライアントから使用する DJX の拡張機能
Lotus Notes クライアントの中心となるアプリケーションが『メール』 アプリケーションです。Lotus
Notes/Domino では、メールテンプレート (mail8.ntf) という形でその機能は提供されています。DJX では、
その標準メールテンプレートに拡張を行った 『DJX メールテンプレート』 (djxmail8.ntf) を提供していま
す。DJX の拡張機能を Lotus Notes クライアントから使用するためには、各ユーザーのメールデータベース
の設計を 『DJX メールテンプレート』 で置換します。
『DJX メールテンプレート』 の設計を適用したユーザーのメールデータベースからは、DJX 特有の部署別
宛先選択機能を使用することができます。部署別宛先選択機能は、Lotus Notes 本体が提供する宛先選択ダ
イアログとは別に、序列に沿った組織階層の表示に特化したダイアログを追加で提供しています(図 6)。こ
のダイアログは、メールや会議召集作成画面の [部署別宛先...] ボタンから呼び出すことができます。ボタ
ンを押すと、[宛先の選択] ダイアログが起動し、ユーザーはメールや会議召集の宛先を組織階層の中から選
択することができます。また、この組織階層は管理者が設定した任意の部署順、役職順に表示され、日本市
場で重要視される序列に沿った組織階層の表示を実現しています。
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Domino ディレクトリ日本語拡張 (DJX)
図 6
概要
Notes クライアントを拡張した DJX の宛先選択ダイアログ
3.2.2 Lotus Domino Web Access から使用する DJX の拡張機能
既存の Web ブラウザから Domino サーバーにアクセスするだけで、Lotus Notes クライアントの 『メー
ル』 アプリケーションの代表的な機能を提供するのが、Lotus Domino Web Access です。以前は Lotus Domino
Web Access のためのテンプレートが用意され、Lotus Domino Web Access を使用するためには専用の『Domino
Web Access 』 テ ンプ レ ー トに メ ール ア プリ ケ ーシ ョ ン の設 計 を置 換 する 必 要が あ り まし た 。Lotus
Notes/Domino 8.0 からは、標準のメールテンプレートの機能として、特別な設計の置換を行うことなしに、
ユーザーは Domino Web Access を使用することが可能となっています。DJX ではこの変更を受けて、これま
で Domino Web Access に対して行っていた拡張を 『DJX メールテンプレート』 に統合しました。『DJX メ
ールテンプレート』 の設計を適用しているユーザーは、 Web ブラウザから自分のメールデータベースにア
クセスすることで、その拡張機能を使用することができます。(ただし、管理者が Domino サーバー側で DJX
が提供する djxform8.nsf を Forms8.nsf に変更しておく必要があります。)
Notes クライアントや後述の Web メールへの拡張では、DJX で新たなダイアログを追加する形で拡張を行
っていますが、Domino Web Access に対しては Domino Web Access 本体のもつ宛先選択ダイアログに拡張を
行っています(図 7)。DJX 対応した Domino Web Access の [宛先の選択] ダイアログでは、『DJX 部署別階
層』 を表示順として選択することができます。ユーザーはその表示順を選択することで、管理者が設定した
序列に沿った組織階層の表示の中から、宛先を選択することができます。
図 7 Domino Web Access の受信ボックスと DJX 部署別階層を表示する Domino Web Access の宛先ダイアログ
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Domino ディレクトリ日本語拡張 (DJX)
概要
3.2.3 Lotus Web メール から使用する DJX の拡張機能
Lotus Domino では、Lotus Domino Web Access が提供される以前から、サーバー上のメールアプリケーシ
ョンに Web ブラウザからアクセスする方法として『Web メール』を提供しています。DJX ではこの 『Web メ
ール』 上でも、序列に沿った組織階層の表示をするための拡張を行っています。拡張は Notes クライアン
トに対する拡張と同じく、序列に沿った組織階層の表示に特化したダイアログを追加する形で提供されてい
ます。このダイアログは、Web メールのメール作成画面の [日本語名宛先...] ボタンから呼び出すことがで
きます(図8)。
[日本語名宛先...] ダイアログでは、宛先を選択するためのリストを 「よみがな順」と「部署順」の2つ
の表示順に切り替えることができます。「よみがな順」はその名の通り登録されたよみがなの順番に Domino
ディレクトリに登録されているユーザーを表示します。また、「部署順」は管理者が設定した序列に沿った
組織階層を表示します。ただし、『Webメール』 の日本語名宛先ダイアログでは、一つの階層内を一つずつ
表示することが仕様となっており、一度に複数の階層に渡る表示を行うことはできません。
図 8
Web メールのメール作成画面と DJX の日本語名宛先ダイアログ
4. Lotus Notes/Domino 8.0 での DJX の主な変更点
Lotus Notes/Domino 8.0 では、DJX に関して次の変更を行いました。
z
z
z
z
z
メールファイル名の長さの制限を 8 文字から 64 文字に変更しました。
ユーザーのよみがなとして、これまで使用可能だったひらがなのほかに、全角の数字も使用することが
できるようになりました。
ユーザー登録時に、ユーザーの[メールシステム] を設定することができるようになりました.設定でき
るメールシステムは "Lotus Notes" と "Domino Web Access" を選択することができます。"Domino Web
Access" を設定する場合は、[ユーザーのメールデータベースにユーザー ID を保存する] オプションを
選択することも合わせて可能となっています。(図 9)
ユーザー登録時に、ユーザーのメールデータベースの [データベース制限値] と [データベース警告限
界値] を設定することができるようになりました。(図 10)
[DJX 宛先選択ダイアログ] のサイズ変更を行うことができるようになりました。
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Domino ディレクトリ日本語拡張 (DJX)
概要
図 9 追加された[メールシステム]と[ユーザーのメールデータベースにユーザー ID を保存する]オプションの設定欄
図 10 追加された [データベース制限値] と [データベース警告限界値] の設定欄
5. まとめ
DJX は、Lotus Notes/Domino の日本語版に同梱され、日本のビジネス環境に即した管理者のための拡張機
能と一般ユーザーのための拡張機能を Lotus Notes/Domino に提供しています。DJX を活用することで、日
本の市場に適した組織内外とのコラボレーションを Lotus Notes/Domino 上で違和感なく実現することがで
きます。DJX は今後も、日本のお客様のご要望を取り入れ、Lotus Notes/Domino を日本のお客様のベストな
コラボレーションツールとするべく、開発を継続していきます。
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