WebSphere Application Server V6.0 Network Deployment 概要 1
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WebSphere Application Server V6.0 Network Deployment 概要 1
WebSphere Application Server V6.0 - Network Deployment - WebSphere Application Server V6.0 Network Deployment 概要 1 Agenda 複数マシン構成によるメリット WebSphere Application Server 製品構成/トポロジー WebSphere Application Server Network Deploymentの機能 参考情報 当資料では以下の略語を使用しています。 ( )内が正式名称になります。 製品名 WAS (WebSphere Application Server) ND (WebSphere Application Server Network Deployment) 製品に含まれるコンポーネント DM (Deployment Manager) IHS (IBM HTTP Server) 用語 WLM (Workload Management) 2 複数マシン構成によるメリット 3 Webシステムを構成するコンポーネント 負荷分散 サーバー FW Web サーバー FW アプリケーション サーバー サーバー DB Webシステムを構築する上で最低必要なコンポーネント 負荷分散サーバー クライアントからの要求を受けつけ、Webサーバへ転送 Webサーバー 静的ページの要求であればクライアントに転送 動的コンテンツの要求にはリクエストをアプリケーションサーバーへ転送 アプリケーションサーバー Webサーバーから転送されたリクエストを受付け、動的コンテンツを生成 DB アプリケーションに必要なデータやセッション情報などを保存し、一元管理 Webシステムを構成する上で必要となるコンポーネントについてご説明します。 インターネットやイントラネットを経由してのクライアントからのリクエストをまず受け付ける のが負荷分散サーバーです。負荷分散サーバーではWebサーバーへの負荷分散及 び障害検知を行います。Webサーバーが受け付けたリクエストに動的ページの要求が あった場合、その処理をアプリケーション・サーバーに依頼します。アプリケーション サーバーは処理の内容に応じてデータベースのデータを更新・検索などの処理を行い、 動的ページの生成を行い、結果をクライアントに返します。 また、FWとはファイアウォールを指します。ファイアウォールを導入することにより、外部 の攻撃から社内ネットワークを守り、セキュリティを大幅に高めることが可能となります。イ ンターネットの場合には必須となるコンポーネントになります。 この図では、負荷分散サーバー、Webサーバー、アプリケーション・サーバー、データ ベース・サーバーが全て複数サーバーで描かれています。全てのサーバーを複数台用 意することにより、可用性、耐障害性を高め負荷を分散させることが可能となりますが、こ れは一例なので、FWの配置箇所やWebサーバーの配置箇所、サーバーの台数など は要件によって異なります。 4 複数マシン構成の必要性 Web 連続稼動 サーバー メンテナンスの ための計画停止 障害時の 対応 アプリケーション サーバー パフォーマンス リクエスト数 処理時間 可用性 WebSphere Application Server Express / WebSphere Application Server Baseに おける単一マシン構成は構成・管理については容易ですが、可用性に乏しく、拡張性も ありません。現在のWebサイト環境におけるアクセス数やトラフィックの増加、データ・サ イズの増加、常時接続、回線の高速化によるユーザーのスピードに対する期待から、シ ステムの性能として「パフォーマンス」「可用性」を考慮することは重要となっています。 Webページをクライアントに表示するまでに8秒以上かかってしまうと、ユーザーは他の ページに移動してしまう可能性が高いという「8秒ルール」と以前は言われていましたが、 最近では回線速度の高速化に伴い「6秒ルール」、「3秒ルール」などという言葉も出てき ています。 このようなことから、「パフォーマンス」や「可用性」はシステムを構成する際の要件として も挙げられます。具体的にはパフォーマンスに関するものとして、どれくらいの同時アク セス・ユーザー数を処理することを目標とするか、さらにその際に、1件あたりの応答時 間はどの程度に収めるか、という要件があげられます。可用性に関するものでは、連続 稼動の時間や、計画停止は週次で行えるのか、24時間稼動するシステムなのか、障害 時でもセッションを維持し、クライアントに障害を意識させない、という要件があげられま す。 5 複数マシン構成の必要性 Web リクエストの分散 によるパフォー マンスの向上 サーバー アプリケーション サーバー 二重化によって 可用性を向上 Web サーバー アプリケーション サーバー 複数マシン構成では、複数のサーバーへリクエストを分散することができパフォーマンス の向上につながります。また、アプリケーション・サーバーを二重化することによって、 「Single Point of Failure」を無くし、可用性の向上にもつながります。 また、アクセス数増大に伴うサーバーの増設も容易に行うことができます。Webサー バーのみ、アプリケーションサーバーのみを増加させることも可能です。複数マシン構 成にすることにより、柔軟に構成を組むことが可能となります。 ここではアプリケーションサーバーの二重化のみしかかかれていませんが、可用性とい う目的では、全てのコンポーネント(負荷分散サーバー、Webサーバー、アプリケーショ ンサーバー、データベースサーバー)の二重化を考慮する必要があります。 6 WebSphere Application Server 製品構成/トポロジー 7 WebSphere Application Server製品位置づけ WebSphere Business Integration Server Foundation NDとともに稼動 とともに稼動 させ、、ハイボ させ リュームな リュームなアプリ ケーションのた ケーションのた めのランタイム めのランタイム。 ランタイム。 プロビジョニング、 プロビジョニング、 ダイナミック WLM機能などを 機能などを 提供 WebSphere Extended Deployment ダイナミックアプリケーションのた ダイナミックアプリケーションのた めのエンジン エンジンを めの エンジンを提供し 提供し、J2EEアプ リケーション、 リケーション、Webサービスの サービスのラン タイム WebSphere Application Server Network Deployment SOAを実現する 実現するJ2EEベースの ベースのビジ ネス・・プロセス統合 ネス プロセス統合エンジン 統合エンジン 旧 WAS Enterprise Edition クラスタリングおよび クラスタリングおよびハイ およびハイ・ ハイ・アベイラ ビリティをを分散環境で ビリティ 分散環境で実現する 実現するデプ するデプ ロイメント・ ロイメント・サービスを サービスを提供 WebSphere Application Server WebSphere Application Server Express 開発環境も 開発環境も備えたWebアプリケー ション・・サーバー。 ション サーバー。シンプルに シンプルにWebサ イトを イトを構築するための 構築するためのアプリケーショ するためのアプリケーショ ンサーバー 製品と今回のセッションの対象となるWebSphere Application の位置づけについてご説明します。 WebSphere Application Server(WAS)と呼ばれるものが、WebSphere Application Server Express、WebSphere Application Server(base)、WebSphere Application Server Network Deployment(WAS ND)の3製品になります。 ・WebSphere Extended Deployment V5.1 (WebSphere XD v5.1) WebSphere Extended Deployment (WAS XD)は、J2EEをオンデマンド・ビジネス向けに強 化し、WAS ND V5.1と共に稼働させることにより、オンデマンド・インフラとして動的拡張性、優 れた運用管理、高パフォーマンス、高可用性を提供します。 WebSphereシステムを仮想化し、 かつ自立的に管理する機能を導入することで、 WebSphereプラットフォームのスケーラビリ ティー、パフォーマンス、可用性を高めるだけでなく、より優れたサービス品質(以後 QoS)を提 供することを可能とします。 以下のような機能を提供します。 •TCO削減を目的とした仮想化および自動化された環境の提供 •ビジネス・ゴールを達成できるように必要なリソースを動的に配置 •ハイ・ボリューム、ハイ・スケーラビリティ、99,999%のアベイラビリティを実現 •ハイ・パフォーマンス・コンピューティングを実現 •大規模システムを効率よく管理するためのランタイム・オペレーションおよびビジュアラ イゼーション ・WebSphere Business Integration Server Foundation V5.1 WebSphere Application Server製品の最上位の製品です。 オンデマンドに対応したアプリケーションを構築・統合することに最適化された、次世代アプリ ケーション・プラットフォームを提供しています。 ビジネス・プロセス統合を可能にする機能として、ビジネスプロセス記述言語の業界標準である BPEL(Business Process Execution Language )をサポートしたJ2EEワークフローの実行環 境を提供します。 WebSphere Application Server Server Network Deployment 8 WebSphere Application Server V6 製品構成 WebSphere WebSphere Application Application Server Server Network Network Deployment Deployment (ND) (ND) 分散環境で、最新 のクラスタリング、 高可用性)機能、 シングルサーバー HA( の実行環境を提供 管理機能を提供 WebSphere WebSphere Application Application Server(Base) Server(Base) WebSphere WebSphere Application Application Server Server -Express -Express ソリューション の基盤 ISV ® ® ® ® Windows Windows Linux Linux AIX AIX Solaris Solaris HP-UX HP-UX ® OS/400 OS/400 ® z/OS z/OS WAS V6では以下のパッケージが提供されます。 ・WebSphere Application Server V6 - Express ・WebSphere Application Server V6 (以降Base) ・WebSphere Application Server V6 - Network Deployment (以降ND) Express、Base はスタンドアロンで稼動します。NDは複数サーバーによるクラ スタ機能をサポートするパッケージで、負荷分散、可用性のための様々な機能 を提供します。 全パッケージにEJBの実行環境がつき、J2EE 1.4をフル・サポートします。 9 各パッケージの比較 Express Base × 2CPUまで ○ × × × 無制限 ○ × × × × × DB2 Express (Windows/Linuxのみ) ・Rational Web Developer ・AST (Application Server Toolkit ) ○ クラスター構成 クラスター構成 ライセンス上 ライセンス上の制限 IBM HTTP Server Edge Components Tivoli Directory Server (LDAP) Tivoli Access Manager Server 64Bit対応 64Bit対応 DB 開発環境/Deployment 開発環境/Deployment Tool * DB2 Express (Windows/Linuxのみ) ・Rational Application Developer 試用版 ・AST (Application Server Toolkit ) * ND( ND(Network Deployment)) Deployment ○ 無制限 ○ ○ ○ ○ ○ DB2 Enterprise Edition ・ Rational Application Developer 試用版 ・AST (Application Server Toolkit ) * ※開発環境/Deployment ToolはWindowsとLinux/Intel のみ 製品の3つのエディションはすべてJ2EE 1.4に完全準拠しています。またWeb サーバーとして、ApacheベースのIBM HTTP Server(IHS)が同梱されます。 Express、Baseはクラスタリングのサポートがなくシングルサーバーとして稼動します。 複数サーバーを用いたクラスター環境の構築には Network Deployment が必要になり ます。 WAS と の違いはライセンスと64bit対応です。Expressは2CPUまでという制限 があります。 Expressは開発者あるいはISV様向けの製品のためRational Web Developerという開 発ツールが同梱されています。 NDには負荷分散サーバーであるEdge Components、LDAPサーバーのTivoli Directory Server、認証サーバーであるTivoli Access Manager Serverが同梱されて います。 Express Base 同梱されている製品には使用目的が限定されていますので、以下をご参照ください。 ・IBM HTTP Serverは複数台立てることも可能ですし、WASと別筐体でもご使用いた だけます。 ・Edge Componentsは2台構成でもご使用いただけます。 ・DB2あるいはDB2 Expressは、セッション管理リポジトリやメッセージングエンジンのリ ポジトリ等WASの機能を使用するときのみ限定です。アプリケーションデータを保存す る場合には別途ライセンスが必要となります。 ・Tivoli Access ManagerはJACC(Java Authorization Contract for Containers)プロ バイダ目的にのみ使用可能です。 10 WebSphere Application Server の基本構成要素 アプリケーションサーバー J2EE1.4完全準拠のアプリケーション 一つのJavaプロセス J2EEアプリケーション実行環境(以下の機能)を提供 トランスポート HTTP とも呼ばれる アプリケーション・サーバーごとに存在 Webコンテナー サーブレット ,JSPなどの Webアプリケーションの実行環境 Embedded HTTP Server Application Server EJBコンテナー の実行環境 ネーミングサービス 名前をもとにオブジェクトを 検索するためのサービス EJB クライアント JMSプロバイダー インターフェイスを備えた メッセージングシステムをJ2EE上での実装 JMS Web ネーミングサービス サーバー サーバー プラグイン Web Web コンテナー EJB コンテナー HTTPトラン スポート JMS プロバイダー サーバー上の構成要素 サーバー リクエストを受け付ける Webサーバー・プラグイン サーバーのプロセス内で稼働し、アプリケーション・サーバーへの要求をフォワード Web Web HTTP Web ○アプリケーションサーバー J2EE1.4準拠のアプリケーションサーバーで、一つのJavaプロセスとして稼動します。以下の機能を提供 します。 ○HTTPトランスポート Webサーバープラグインから送られてくるHTTP通信の受け口です。問題切り分けのために直接 アクセスすることもあります。 ○Webコンテナー サーブレットや JSPの実行環境を提供します。サーブレット・インスタンスの作成、サーブレットの ロードとアンロード、 Requestオブジェクト・インスタンスとResponseオブジェクト・インスタンスの 作成と管理ならびにサーブレットを効率的に管理するためのタスクを実行します。 ○EJBコンテナー EJBの実行環境を提供します。EJBコンポーネントのトランザクション管理を提供します。EJBコン テナが提供する機能を使用することにより、ユーザープログラムにおけるシステム関連のコードの 開発量を削減し、シンプルなコンポーネントとしてのBeanが作成できます。 ○ネーミングサービス オブジェクト(データソース、EJBホーム・インターフェースなど)と名前とを関連づけ、その名前を キーとしてオブジェクトを検索するためのサービスです。 ○JMSプロバイダー JMSとはJava Messageing Serviceの略で、J2EE標準のメッセージングインターフェースです。 JMSプロバイダーはJ2EEサーバー上でJMSの実行環境を提供します。 ○ サーバー のリクエストを受け付けます。 ○ サーバー・プラグイン 受け付けたリクエストを見てサーブレットやJSPへのリクエストであると判断すると、WASへリクエストを転送 します。 Web HTTP Web 11 Network Deployment 管理トポロジー セル ノード A デプロイメント・ デプロイメント・ マネージャー セル・構成情報 サーバーA・構成情報 ノードB・構成情報 サーバーB・構成情報 ノードC・構成情報 サーバーC・構成情報 サーバーD・構成情報 EarEarFile File EarEarFileFile ノード B ノード・ ノード・エージェント セル・構成情報 ノードB・構成情報 サーバーA・構成情報 サーバーB・構成情報 EarEarFile File アプリケーション ・サーバーA サーバーA マスター ノード C ノード・ ノード・エージェント セル・構成情報 ノードC・構成情報 サーバーC・構成情報 サーバーD・構成情報 EarEarFile File ローカル ローカル アプリケーション ・サーバーB サーバーB アプリケーション ・サーバーC サーバーC アプリケーション ・サーバーD サーバーD NDにおける管理トポロジーを表した図です。 WAS NDの管理単位をセルと呼んでいます。セル内には一つのデプロイメントマネー ジャーが存在し、管理下全ての構成情報のマスターを管理します。各マシンごとにノー ドエージェントとよばれる管理エージェントが存在し、ローカルにも構成情報を保管しま す。 構成情報のなかにはセル全体の情報、ノードごとの情報、サーバーごとの情報が含ま れます。EarファイルとはJ2EEアプリケーションファイルです。これもノード単位の管理と、 セル全体ではデプロイメントマネージャーが管理します。 また、ノードエージェントは各アプリケーションサーバーの障害の監視も行います。 NDでサーバーを起動するには、デプロイメントマネージャー、ノードエージェント、アプ リケーションサーバーの3つを起動する必要があります。 12 管理構成要素 セル ノードの集まりで論理的な管理の単位 Deployment Managerはセルを構成する デプロイメントマネージャー(DM) セル内のノードを一括管理 DMの管理コンソールにアクセスすることによりセル内の全てのリソースを管理 ノード 通常は物理的な一つのマシンに対応 一つのマシン上に複数のノードを構成することも可能 アプリケーション・サーバーの集まり ノードエージェント 一つの管理ノードに一つ存在 管理用のエージェント ノード配下のアプリケーションサーバー・Webサーバーを管理 アプリケーション・サーバー Web/EJBコンテナー、ネーミング・サービス、リソース管理、JMSプロバイダーなどが 含まれる ・セル 論理的な管理の単位です。 ・デプロイメントマネージャー(DM) セル内のコンポーネントを一括管理し、セルに必ず一つ存在します。 ・ノード 物理マシンの単位で、アプリケーションサーバーの集まりです。 ・ノードエージェント ノード内を管理する管理用のエージェントです。一つのノードに必ず一つ存在し ます。 ・アプリケーションサーバー Webコンテナー、EJBコンテナー、ネーミングサービス、リソース管理、JMSプロ バイダーなどを提供します。 13 WebSphere Application Server Network Deploymentの機能 14 WAS NDの機能によるメリット 高可用性 ワークロードマネージメント機能 Webサーバー/アプリケーションサーバー障害時にフェイルオーバー可能 High Availability機能による高可用性 ノードエージェントによるアプリケーションサーバーの障害検知 アプリケーションサーバー障害時のメモリによるセッション維持 負荷分散 ワークロードマネージメント機能 管理の容易性 1. 2. 3. 4. 5. 動的キャッシュ機能 拡張の容易性 ND 管理コンソールあるいはコマンドの一つのインターフェースから制御可能 DMによる構成情報の一元管理 クラスター上のアプリケーションへの更新を自動でノード毎に順番に反映( Rollout Update ) パフォーマンス向上 複数アプリケーションサーバーへリクエストを分散可能 Webサーバー/アプリケーションサーバーを別々に増強可能(Webサーバーとアプリ ケーションサーバーが別筐体の場合) による複数マシン構成を構築した場合のメリットを挙げます。 高可用性 アプリケーションサーバーのワークロードマネージメント(WLM)機能や負荷分散サー バー(Load Balancer)によりサーバー障害時にフェイルオーバーさせることが可能 です。 High Availability機能により、全てのJVM間での情報の共有・障害検知・障害リカバリー のための仕組みを提供します。 ノードエージェントによりアプリケーションダウン時も即座に再起動をかけることができま す。 サーバー障害時のセッションフェイルオーバー機能としてメモリによりセッション維持を 行うことができます。 負荷分散 WLM機能、Load Balancerによりリクエストの処理を分散させることが可能です。 管理の容易性 アプリケーションサーバーを管理するコンポーネントであるデプロイメントマネージャー (DM)により管理を一元的に行うことが可能です。アプリケーションのインストール、構 成の変更、Webサーバー/アプリケーションサーバーの起動、停止もブラウザによる 管理コンソールまたはコマンドで制御することができます。また、システムを停止させ ることなく順番にアプリケーションの更新を行うことが可能です。 パフォーマンス向上 パフォーマンスを向上させる機能として、動的コンテンツ(JSPやServletなど)をキャッ シュさせる機能があります。 拡張の容易性 Webサーバーとアプリケーションサーバーが別筐体の場合にはリクエスト数にあわせて それぞれ別々に増強させることが可能です。 15 高可用性/負荷分散のための機能 ワークロードマネージメント(WLM) 3段階でのWLMを提供 WebSphere Application Serverクラスター構成によるWLM Edge ComponentsのLoad Balancer(負荷分散サーバー)によ るWebサーバーへの負荷分散 HTTP Load Balancer (Primary) Load Balancer (Backup) サーバー プラグイン HTTP サーバー プラグイン Web コンテナー EJB コンテナー アプ アプリケーション・ リケーション・ サーバ サーバー アプ アプリケーション・ リケーション・ サーバ サーバー Web EJB コンテナー アプ アプリケーション・ リケーション・ サーバ サーバー DB コンテナー アプ アプリケーション・ リケーション・ サーバ サーバー ① Load Balancerによる HTTPサーバーへの サーバーへのWLM ② Webサーバー・ サーバー・ プラグイ ③EJBクライアントの クライアントの ンによるWebコンテナーへの コンテナーへの WLMプラグインによる プラグイン によるEJB WLM コンテナーへの コンテナーへのWLM NDでは3つのリクエスト・タイプ(HTTPリクエスト, Servlet リクエスト, EJB リクエ スト)毎にワークロード管理(WLM)を行なうことが可能です。 1. HTTPリクエスト 複数Webサーバーへの負荷分散は負荷分散サーバーが行います。 負 荷分散サーバーにはハードウェアタイプとソフトウェアタイプがありま すが、NDにはソフトウェアタイプのEdge Components(Load Balancer)が同梱されています。 2. Servletリクエスト Webサーバー上のWebサーバー・プラグインモジュールが Webコンテ ナーへリクエストの分散を行います。 3. EJBリクエスト EJBリクエストは、 ORB(Object Request Broker)のWLMプラグインが 複数EJBコンテナーに対して分散をおこないます。 16 高可用性のための機能 High Availability機能 JVM障害にフェイルオーバー可能 アプリケーション稼動に必要な、EJB WLMルーティング情報などの共有、更 新 シングルトンサービスの可用性を高めることによりSPOFを除去 トランザクションマネージャー データをディスクに強制的に書き込こみ可能のディスクが必要 IBM NAS(ネットワーク接続型ストレージ)などのフォールトトレランス技術を活用 メッセージングエンジン NodeAgent HAManager DM NodeAgent HAManager HAManager 障害検知 情報共有・更新 (WLM情報・障害情報等) HAManager Application Server シングルトンサービス の引継ぎ heartbeat HAManager HAManager Application Server Application Server 高可用性を実現するための機能の一つとしてHigh Availability機能があります。 以下のような機能を提供します。 ・障害検知 各JVM間でのハートビートにより、JVM障害を検知し特定します。 ・情報の共有・更新 アプリケーション稼動に必要な、EJB WLMルーティング情報・LSD(ロケーショ ンサービスデーモン)情報・DRS(データレプリケーションサービス)情報等を共 有し、必要な場合は即時更新されます。 ・シングルトンサービスの引継ぎ トランザクションログに対するトランザクションマネージャー・サービスのフェイル オーバーを実施します。また、データベースに書き込まれたJMSメッセージに対 するJMSメッセージング・サービスのフェイルオーバーも実施します。 DRS(データレプリケーションサービス)とはクラスター配下のアプリケーション サーバー間におけるデータ複製サービスです。 17 高可用性のための機能 セッションアフィニティ 同一ユーザーからのリクエストを同じサーバーへ振りつづけることでセッ ションを維持 Webサーバープラグインによるアフィニティ Load Balancerによるアフィニティ アプリケーションサーバーへのセッション維持 Webサーバーへのセッション維持 アプリケーションサーバー障害時にはセッションの維持ができない 同じサーバーへ割り振れば セッションを維持することができる セッション オブジェクト セッション・アフィニティ機能を利用することで、ユーザーからのリクエストはセッションが 存在するアプリケーション・サーバー上で実行されることが保障されます。 セッション・アフィニティとはリクエストをセッションが存在しているアプリケーション・サー バーへ割り振るための機能です。従ってアプリケーション・サーバーへの割り振りを実行 するLoad Balancer、もしくはWebサーバーのプラグインがこの機能を提供します。ただ し、アプリケーションサーバー障害時にはセッションを維持することができません。 18 高可用性のための機能 セッションパーシスタンス アプリケーションサーバー障害時のセッ ション維持 セッション情報を別の場所へ避難させるこ とでセッションを維持 セッションオブジェクトの保管場所 作成されたセッション・オブ ジェクトをDBに保管 セッション オブジェクト DB メモリー セッションアフィニティ機能でセッションを 維持し、パーシスタンスでセッションのフェ イルオーバーを可能にすることで、パ フォーマンスを最適化し、アベイラビリティ を向上させることが可能 セッション・オブジェクトを他の へコピー Application Server セッション オブジェクト セッション オブジェクト セッション オブジェクト アプリケーションサーバーの障害時にセッション情報を他のアプリケーション・サーバー へ引き継ぐ機能がセッション・パーシスタンスです。この機能を使用することでアプリケー ション・サーバーの障害時においても処理中のサービスを続行することが可能となりま す。 WAS NDではセッション・パーシスタンスを実現するために“データベース”と“メモリー 間の複製“という2つの機能を提供しています。 データベースではアプリケーション・サーバーが作成したセッションはデータベースに保 管されます。アプリケーション・サーバーがダウンしてセッションが存在しないアプリケー ション・サーバーにリクエストが割り振られるとデータベースに保管されているセッション を取得して処理を実行します。 メモリ間複製ではJVM上にセッションオブジェクトを保管してサーバー間で共有し、アプ リケーション・サーバーがダウンして別のアプリケーション・サーバーにリクエストが割り振 られると複製を保管しているJVMからセッションを取得して処理を実行します。 メモリ間複製の機能としてデータレプリケーションサービス(DRS)が使用されています。 19 管理の容易性 管理コンソールによる一元管理 管理コンソールあるいはコマンドの一つのインターフェースから制御可能 管理コンソールから変更した構成情報はDMのマスターに更新される クラスタを始動するとクラスタメンバーである 全てのサーバーが開始される NDでは管理を容易に行うことができます。 管理コンソールを使用すると、アプリケーションインストール、更新、リソース管理、サー バーの起動停止など一括して行うことができます。管理コンソールで行うことはwsadmin というコマンドツールでも制御することができます。管理コンソールあるいはコマンドによ り変更した情報はDMのマスターに更新され、さらに各ノードへ配布されます。 NDでクラスタ構成を行うと、クラスタを始動させることによりクラスタ配下のアプリケーショ ンサーバー(クラスタメンバー)が起動されます。アプリケーションのインストールもクラス タに対して行うことにより各アプリケーションサーバーへもインストールされるため、管理 が容易です。 20 管理の容易性 Rollout Update機能 クラスター上の複数のクラスターメンバーにインストールされているアプリケーショ ンを、順次更新 サービス全体としては停止することなくプリケーションの更新を行うことが可能 Application Rollout Update 実行 Application サーバー クラスター 管理コンソール クラスターメンバー ① 反映 ② 反映完了 ③ 反映 ④ 反映完了 1 Application クラスターメンバー 2 Application ⑤ 反映 ⑥ 反映完了 クラスターメンバー 3 Application クラスターメンバー 4 管理を容易にする機能としてRollout Update 機能があります。 Rollout Update とは、クラスター上のアプリケーションを更新する際、サーバークラス ターに対する更新を全てのクラスターメンバーに同時に反映させるのではなく、ノード毎 に順番に反映させていくという機能です。この機能を使用すると、クラスターを構成して いる複数ノードのうち常にいずれかのノード上のクラスターメンバーは稼動しているため、 サービス全体としては停止することなくプリケーションの更新を行うことができます。 Rollout Update を実行すると、アプリケーションへの更新内容がDMが保持するマス ター構成ファイルに保管されます。この時点ではまだ各ノードとの同期はとれていない ので、アプリケーションの変更は反映されていません。次に、クラスターメンバーが存在 するある1つのノード上において、全てのクラスターメンバー(アプリケーションサーバー) を停止します。停止が完了したら、DMはそのノードと同期をとり、アプリケーションの変 更を反映させます。同期が完了したら、そのノード上で停止した全てのクラスターメン バーを始動します。この時点では、このノード上のアプリケーションだけが新バージョン に更新されていることになります。ここまでの処理をクラスターメンバーが存在する全て のノードに対して繰り返します。このようにして、最後には全てのクラスターメンバーに対 してアプリケーションの更新が完了します。 21 パフォーマンスアップのための仕組み 動的キャッシュ機能 キャッシュ キャッシュ キャッシュ レプリケーション 外部キャッシュ Web Server Servlet/JSPキャッシュ WAS クラスター構成 DB コマンドキャッシュ Webサービスキャッシュ サーブレットやJSPなどによる動的なコンテンツをキャッシュすることが可能 アプリケーション・サーバーの負荷軽減とパフォーマンス向上 キャッシュはJVMヒープに保管 クラスター構成の場合、キャッシュはクラスター内の他のアプリケーション・サー バーにコピー可能 • • • • パフォーマンスを向上させ、アプリケーションサーバーの負荷軽減のための仕組みと して動的キャッシュ機能があります。 動的キャッシュとはJSPやServletなどの動的コンテンツをWASあるいはWebサー バーにキャッシュさせてクライアントからの要求にHitした場合、キャッシュから返すとい う機能です。 キャッシュは外部キャッシュ機能とアプリケーションサーバー上にキャッシュする機能 があります。 アプリケーションサーバー上にはServlet,JSP,Webサービス,コマンドキャッシュが可 能です。また、クラスタ構成の場合には別アプリケーションサーバーへのキャッシュレ プリケーションが可能です。 動的キャッシュのレプリケーションはデータレプリケーションサービス(DRS)を使用し ています。 動的キャッシュ機能はExpress/Baseでも実現可能です。 Edge Components Load Balancer(負荷分散サーバー) サーバーの負荷状況を動的に把握し最適なサーバーへ負荷分散 Primary-Backupの2台でHA構成を取り、障害時Backupサーバーへ処理を 自動で引き継ぐ サーバー障害時、メンテナンス時、サイト混雑時など状況に応じて割振りの 振る舞いを制御可能 クライアントIPによるセッション維持が可能 ND版に同梱される Client Cluster Address Internet Router Edge Server Load (Dispatcher) Balancer Server Server Server ND版にはEdge Componentsという製品が同梱されています。 これは負荷分散ソフトウェアであるLoad Balancerコンポーネントを提供します。 以下が機能の概要になります。 ・監視対象サーバー(Webサーバーなど)の負荷状況を監視し、最適なサーバーへ割り 振ることが可能です。 ・Load Balancer2台構成でプライマリ、バックアップの役割をもち、プライマリ機がダウン 時にはバックアップ機に自動で切り替えが可能です。 ・監視サーバー障害時、サーバーメンテナンス時、アクセス数増大時など状況に応じて 割り振り先の変更が可能です。 ・クライアントIPによるセッション維持が可能です。 ND版に同梱されますがWASとは別コンポーネントで提供されています。 23 SIBus(サービス統合バス) サービス統合に必要な通信インフラストラクチャーを提供 二つの役割 JMSプロバイダー メッセージのルーティング及びフォーマット変換機能 通信の複雑性を隠蔽し新規アプリケーション、システムの変更に柔軟に対応可能 メッセージ転送の信頼性、高可用性、ワークロード・マネジメント及びセキュリティ機能を提供 MQリンク経由でWebSphere MQと接続可能 JMS1.1サポート Webサービスルーティング プロトコル変換機能を提供 WebSphereV6でのESB(Enterprise Service Bus)機能の実装 WebSphereMQ セル WebSphereV6 SI-Bus Web サービス リンク JMS JMS SI-Bus Web サービス JMS JMS は の機能の一つで、サービス統合に必要な通信インフラストラクチャーを提供し、二 つの役割を持っています。 1. JMSプロバイダー機能 ・メッセージのルーティング及びフォーマット変換機能を提供します。 ・通信の複雑性を隠蔽し新規アプリケーション、システムの変更に柔軟に対応可能しま す。 ・メッセージ転送の信頼性、高可用性、ワークロード・マネジメント及びセキュリティ機能 を提供します。 ・WebSphere MQ製品と接続可能です。 ・JMS1.1をサポートしています。 2. Webサービスルーティング機能 ・SIBus上の既に定義してある宛先をWebサービスとして外部からアクセスできるように します。(インバウンド・サービス) ・SIBus上のアプリケーションからWebサービスをコールできるようにします。 (アウトバウ ンド・サービス) ・Webサービスのプロバイダーとリクエスターの間にSIBusを配置しWebサービスの Gatewayとして機能させられるようにします.この機能はND環境下でのみ使用可能 です。(ゲートウェイ・サービス/プロキシー・サービス) ESBとは複数のサービスを繋ぎあわせるためのバスです。サービス間のメッセージのプロトコル 変換、ルーティング、ロギング、セキュリティ等の機能を持ちます。ESBはSOA(Service Oriented Architecture)の通信基盤となるとされています。 SOAとは各種のプログラムを「サービス」として位置づけ、記述言語を通じて呼び出し利用する アーキテクチャです。SOAは、多数のサービスを組み合わせ新しい価値を持つサービスを 作り出すことを目的としています。 SIBus WAS 24 参考情報 25 サポートOS 最新の情報は下記Webサイト参照 http://www-306.ibm.com/software/webservers/appserv/doc/latest/prereq.html OS Windows AIX Sun Solaris HPHP-UX Linux/Intel Linux/AMD OS/400 z/OS Base NDのみ HPHP-UX 64bit Linux/Intel 64bit Linux/AMD 64bit Windows バージョン Windows 2000 Advanced Server, Server, Professional SP4 Windows Server 2003 Datacenter, Enterprise, Standard or SP1 AIX 5.1、AIX 5.2、AIX 5.3 Solaris 8、9、10 HP-UX 11iv1 Red Hat Linux Enterprise AS/ES/WS 3.0 UP2,3,4 Red Hat Linux Enterprise AS/ES/WS 4.0 SuSE Linux Enterprise Server 8 SP3,4 、9,9SP1 OS/400 5.2, 5.3 z/OS 1.4, 1.5, 1.6 z/OS.e 1.4, 1.5, 1.6 HP-UX 11iv2 UP2 Red Hat Linux Enterprise AS/ES 3.0 UP3,4 Red Hat Linux Enterprise AS/ES 4.0 SuSE Linux Enterprise Server 9、9 SP1 Windows Server 2003 Enterprise or SP1, x64 Editions ※2005年9月現在 WebSphere Application ServerはWindowsから各種Unix系OS、iSeries、zSeriesま で、すべてのプラットフォームで稼動します。稼働環境は、随時更新されますので、最新 の情報は、Webサイトで確認してください。 http://www-306.ibm.com/software/webservers/appserv/doc/latest/prereq.html 26 参考情報 WebSphereサポート情報トップページ http://www-306.ibm.com/software/webservers/appserv/was/support/ オンラインマニュアル http://www-306.ibm.com/software/webservers/appserv/was/library/ WebSphere Developer Domain(技術情報) http://www-6.ibm.com/jp/software/websphere/developer/index.html WebSphere Application Server ND V6.0導入ガイド http://www-6.ibm.com/jp/software/websphere/developer/was/wv6/nd/index.html 前提ハードウェア/ソフトウェア http://www-306.ibm.com/software/webservers/appserv/doc/latest/prereq.html FixPackダウンロード http://www-306.ibm.com/software/webservers/appserv/was/support/ WebSphere製品サポートライフサイクル情報 http://www-306.ibm.com/software/info/supportlifecycle/list/w.html RedBook http://www.redbooks.ibm.com/redbooks.nsf/portals/Websphere/ 27