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K i t, C

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K i t, C
大阪微化石研究会箆,
特別号,
第 12 号,
臥 51 -59.
NeI崎 ofO泊胞l Mcnø島国惚*唱匙也@ぽ孤.o.s.:掲c. vd,
2001 年 12 月
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四国の北部秩父帯チャー卜相上部ペルム系の微化石層序
桑原希世子*・山北聡紳
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はじめに
部秩父帯と,内帯の美濃一丹波帯の間での,ペルム系一三
畳系境界付近の岩相層序・生層序の対比がより明確となる
ペルム紀/三畳紀境界では,顕生累代で最大の生物大
と期待される.
量絶滅が生じたことが知られている.西南日本の遠洋性堆
謝辞:筆者の一人,桑原は野外調査にあたり西村康悦氏
積物中におけるペルム系一三畳系境界 (P/T 境界)につ
(勝山高校)に協力いただいた.また本研究の一部に文部省
いては,山北 (1987) によるP/T境界発見の報告以来,
科学研究費補助金(特別研究員奨励費)を使用した.記
岩相層序学,生層序学,地球化学等の多面的な研究が急
して感謝します.
速に進められてきている(例えばIsozaki. 1994;Kakuwa.
1996;Kajiwarae
ta1
. 1993など).
試料および方法
四国の北部秩父帯のチャート相 P/T 境界は,生層序
学的には主にコノドント化石により検討されてきたが,放散虫
化石による対比はあまり行われていなかった.本論文では北
部秩父帯の天神丸地域(山北.
1987) および中追地域
(Yamakita.1988) から,放散虫化石およびコノドント化石
についての化石抽出を試みた結果を報告する(第1 図上放
散虫とコノドントの両者を扱うことにより,西南日本外帯の北
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検討地域の位置図.
桑原希世子・山北総
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第 2 困.
天神丸セクションの露頭スケッチ.
回 m州
試料採取位置を示す.
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1.天神丸セクション
布し,
徳島県下の北部秩父帯北半部の先白亜系は剣山層群と
呼ばれているが(平山ほか,
1956) , Yamakita(1988)
はこれを雲早山層,天神丸層,左右山川層,旭ヶ丸層の4
Yamakita(1 988)
はこれを下八川層と呼んだ.徳
島県下の天神丸層同様,松岡ほか(1 998) の上吉田ユニッ
トに対比される.
Yamakita(1 988)
の Loc.C-42 のルート C において,
層に区分した.検討セクションは,ペルム系・三畳系のシー
ペルム系上部統の層状チャートは,チャート/珪質粘土岩E
ト状岩体をなすチャートとジュラ系の砕屑岩からなる天神丸層
層,珪質粘土岩を経て,
に含まれる.天神丸層は,松岡ほか (1998) の秩父累帯
る.珪質粘土岩と P/T 境界の黒色泥岩は軽微な断層で
の包括的地質体区分に従えば,上吉田ユニットに対比され
境される.放散虫用試料としてチャート/珪質粘土岩互層の
る.
P/T 境界の黒色泥岩へ漸移す
層準(層厚 165 cm,試料番号 NAK1-NAK44) を採
天神丸セクションは下位より
ペルム系上部統の灰色層
Yamakita(1988)
取した.また,コノドントについては,
に
状チャート,灰白色珪質粘土岩, P/T 境界の黒色泥岩,
より概略が報告されている珪質粘土岩の試料(試料番号 C-
三畳系下部統の灰白色珪質粘土岩が,小規模な断層を介
42b) について.再検討を行った.
して累重している(第2 図).ベルム系上部統のチャートは林
放散虫化石群集
道ぞいに 60 m にわたって露出するのが観察できる.ペル
ム系チャートには摺曲や断層が多く見られるが.構造の大き
な乱れはない.チャートの層厚は約 20 m 程度と見積もられ
る.
1.天神丸セクション
天神丸セクションから産出する放散虫化石の産出状況を
第 3-4 図に,化石写真を第l 図版に示す.
試料採取の層準を第2 図に示す.放散虫化石抽出のた
め,チャート層を約 50 cm 間隔で試料採取した(試料番
天神丸セクションの層状チャート層下部,
TEN65-
して,チャートと黒色粘土岩の聞に挟在する厚さ5cm 程度
FollicuculJus c
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uslagenarius など Follicucullus 属が多産す
る. また
Latentifistula spp ・ , G
ustefana
の珪質粘土岩を採取した(試料番号 Tj-B200) .なお Tj­
obliQueannulata などの種が産出する.これらはペルム系
号 TEN46-TEN73) .チャート層最上部の 1m は単層ご
とに (TEN1 ・ TEN45) 試料採取した.コノドント用試料と
TEN70 からは
B200 の付近では断層によるずれが認められず,チャート,
上部統下部 Follicucullus
珪質粘土岩,黒色粘土岩が累重している.
yamakitai群集帯
2
.
る種群であり,同化石帯に対比される.
中追セクション
高知県伊野町北部の中追渓谷付近には.チャートと砂岩
泥岩互層を主とする盤然相砕屑岩類からなる先白亜系が分
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(Kuwahara
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チャート層の中部, TEN49・TEN64 の放散虫化石の保
存状況は悪いが,
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層状チャート層最上部からの放散虫化石産出状況.
天神丸セクション,
第 4 歯.
天神丸セクションの上部ペルム系からのコノドントおよび放散虫化石産出状況
第 3 図.
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桑原希世子・山北聡
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NAK14-NAK39 は .
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aopt白羽群集帯に
対比可能である.
さらに Albaillella の産出個体数を1枚のプレパラート上で
excelsa8個体.
excelsa 4 個体および
Albai
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eJla triangularis 1 個体. NAK26 では
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個体. NAK20 では Albaillella e
xcelsa3個体および
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NAK30 と NAK26 の間に . A
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aexcelsa 多産帯
計数すると,
NAK44 では Albaillella
NAK30 では AlbaiJlella
と Albaillella tr.必ngularis 多産帯との境界があると判断
される.
。q
コノドント化石群集
トー
同園圃圃軍=
.
"
天神丸セクション,中追セクションとも,黒色泥岩直下の
珪質粘土岩から産出するコノドントは. platformが広く.
』岡田閉園田ー
量豊富
rina の低いタイプの gondolellids を主とし,
.~.・
丘二二
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山北
(
19
87). Yamakita(1 988) により, Permiantype の
Neogondolellasp.
として報告されている.
Tj-B200 および C-42b のいずれの試料からのものも,ほ
とんどは雌型印象化石であるが,多くは Neogondolella
changxingensis および Neogondolella subcarプnata
'-ーー』・ー.
.
.
第 5 回.中迫セクションの上部ペルム系からのコノド
ントおよび放散虫化石産出状況
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に同定できる.特に. C-42b からは,両種が多産する{第
2 図版) .この 2 種は,ペルム系上部統上部の
and
Wang. 1981;ClarkandWang.1988;Ding , 1993
Changxingian を特徴づけるものである (Wang
など).
なお,
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が産出する.
Alba
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inflata, Triplanospongosmusashiensis などが検出
される . A
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atriangularis および Neoalbaillella
チャート層の上部, TEN1-TEN48 からは.
optima は,ペルム系上部統上部の Neoalbai11ella op幽
t加国群集帯を特徴づける種であり,同化石帯に対比可能・
である.また. TEN1-TEN48 では Albaillella
laris が多産することから,
帯(桑原,
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は.
Neogondolella 属を新属
属に分類されている.しかし
lowersurface
Kozur が分類基準とした.
の細かい形状や free blade の有無,
c
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rina の高さなどの妥当性には,検討の余地があり,これに従
うといずれの属に分類されるか形態からは決めがたいケースも
少なくない.ここでは,従来どおり属名を Neogondolella の
ままとしておく
西南日本の P/T 境界付近のセクションの対比
天神丸・中追両地域の P/T 境界付近の地層がコノド
ント化石と放散虫化石の両者で年代対比が可能となった.
1997) に対比できる.
2
. 中追セクション
放散虫化石の保存状態は不良であるが
Kozur (1 989)
を含む多数の属に分割しており,上記の 2 種は Clarkina
チャート層とその上位に累重する珪質粘土岩は,いずれもベ
Albaillella
triangularis, A
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asp. など
が識別される(第 5 図,第1 図脹) . A
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ルム系上部統上部の Changxingian である.このデータ
は西南日本内帯と外帯で P/T 境界付近の岩栴を比較す
るうえで有効である.
第6 図に西南日本の P/T 境界周辺のセクションの対
四国の北部秩父帯チャート栂上郎ペルム系の徹化石層序
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倫ult
bl帥 mud針。ne
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~曲.ystonel,出向畑町
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C con国田恒
N国〉・Waid町福
Radiol剖幅 ns
第 6 園.
西南日本チャート相上部ペルム系の対比.
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rPem首組 cherty
facies 加 SoU'血westJapan.
比を行った.美濃一丹波帯では以下のようなデータが報告さ
層で切られている.郡上八幡 C セクションでは,黒色泥岩
れている.
中に珪質粘土岩およびチャートの薄層が挟在し,保存不良
丹波帯,菟原セクション(桑原ほか,
e
ta l.,
1991;Yamakita
1999) では,最上部ペルム系チャートから ,
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aoptin7a
Neo・
ながら Neoalbaillella opt加1a 帯の化石群集を含む〈桑原
ほか, 1991). 現時点では,黒色泥岩そのものの年代指標
群集帯の化石群集が識別されており
は得られておらず,黒色泥岩の一部は最上部ペルム系であ
(桑原ほか, 199 1).チャートの上位に整合的に重なる黒色
るのか,最前期三畳系の黒色泥岩中にペルム系の透質粘土
炭質粘土岩より最前期三畳紀のコノドントが発見されている
岩およびチャートの薄層が挟み込まれているのかは不明であ
(Y田n剖dta
e
tal., 1
9
9
9
)
.
る.
美濃帯の霊仙鍋尻山セクション(Ishiga
桑原.
e
ta 1., 1982;
1997) では,チャート,珪質粘土岩,黒色粘土岩
概略的には,西南日本の遠洋性堆積物中の最上部ペル
ム系は層状チャートから珪質粘土岩を経て,最前期三畳紀
と整合的に累重することが確認された(山北・門田,
の黒色泥岩へと移化する.最上部ペルム系からは,
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a changxingensis, Neogondole
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gondole
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atriangularis
2000).
黒色粘土岩直下の珪質粘土岩から ,
で代表される Neoalbaillel1a
subc8Iプnata が,黒色粘土岩と珪質粘土岩の境界から 30
optin7 a 群集帯の放散虫化石と , Neogondolella
s
.Neogondolellasubcarinata で特徴
changxingensi
cm 下位からは Albaillella triangularプs が検出されてい
づけられるコノドント群集が産出する.とのζとは,内帯と外
る.
帯という地質体の違いによらず,共通した微化石群集の産出
美謹帯の根尾地域岩井谷東南方の NC セクションでは,
チャートと珪質粘土岩の互層中に Albaillella excelsa 多
に基づいて生層序学的な対比が可能であることを示してい
る.
産帯と Albaillella triangularis 多産帯との境界が認めら
最上部ペルム系のチャート/珪質粘土岩のE 層や,珪質
れる.これ以外の美濃帯のセクション(根尾和井谷セクショ
粘土岩の層厚はセクションにより異なるが,内帯と外帯という
ン,郡上八幡 A セクション,
白骨セクション;いずれも桑
地質体の違いによる傾向は認められない.岩相・化石相の
原. 1997) は,層状チャート中に Albaillella excelsa 多
共通性からみて,西南日本の遠洋性堆積物中の P/T 境
産帯と Albaillella triangularis 多産帯との境界が認めら
界は,黒色泥岩の基底にある可能性が高い.
れる.いずれのセクションにおいても,チャート層の上限は断
暴原希世子・山北総
56
文献
桑原希世子,
Clark, D.L
.andWan
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.C
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.1
9
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上部ペルム系放散虫生層序ー
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1998 ,付
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山北聡, 1987 ,四国東部秩父帯中のチャート相二畳一三
93 , 1
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山北聡・門田直樹, 2000 ,霊仙鍋民山セクション最上部
の再検討,第 7 回放散虫研究集会ーJRS2000- 講演要
旨集.0・4.
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