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デジタル時代の カスタマー・ストラテジー 顧客とのリレーションシップ再構築に向けて

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デジタル時代の カスタマー・ストラテジー 顧客とのリレーションシップ再構築に向けて
February, 2016
2016 PwC Mega Trend Forum
デジタル時代の
カスタマー・ストラテジー
顧客とのリレーションシップ再構築に向けて
プライスウォーターハウスクーパース・ストラテジー株式会社
ディレクター 唐木 明子
自己紹介
1996
米系投資銀行の法務部(東京、ニューヨーク) ・ ニューヨーク州弁護士
1998
金融ビッグバン OTCデリバティブ解禁、 大手金融機関の破たん
2001
ニューヨーク勤務中に同時多発テロ
2003
米系戦略コンサルティングファーム参画 戦略コンサルタントへ転身
2006
日本郵政株式会社(民営化準備企画)
2008
Strategy&(当時、Booz & Company)参画
2016
Strategy& | PwC
日本のカスタマーストラテジー、コンシューマー・リテール、金融サービスの
リーダーシップチームの一員としてクライアント企業を支援
2016PwCMegatrend_Karaki_v3.pptx
February, 2016
1
現在、「Customer Strategy」を中心に活動する
Strategy &
Experience
Design
Marketing &
Sales
Service &
Engagement
Pricing &
Profitability
Analytics &
Simulation
• カスタマーエクスペ
リエンスのデザイン
• カスタマーセグメン
テーション
• 提供価値の設計
• カスタマージャー
ニーの設計、など
• マーケティング
戦略
• ポートフォリオ、
ブランド構築
• チャネル戦略、
GTM
• マーケティングROI
• デジタルマーケティ
ングケイパビリティ
構築、など
• サービス戦略に
よる売上最大化
• オムニチャネル
設計
• コンタクトセンター
最適化
• 従業員向けの
コミュニケーション
設計、など
• プライシング・
売上
最大化戦略
• トレードプロモー
ション最適化
• 戦略的価格設定
• 価格ガバナンスの
設計、など
• データ分析とモデ
ル構築
• ビッグデータ分析
と活用
• 顧客の声分析
• ビヘイビアルエコ
ノミクス、など
Strategy& | PwC
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February, 2016
2
現在、「Customer Strategy」を中心に活動する
日本経済新聞出版社
2011年
Strategy& | PwC
Strategy&発行のレポート
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February, 2016
3
デジタル時代のカスタマーストラテジー
デジタル時代の本格化
「カスタマー」(顧客)の重要性
ビジネス・経営への意味合い
Strategy& | PwC
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February, 2016
4
今やスマホは一人に一台以上、今後膨大なデータが蓄積される
携帯電話契約数の推移(千台)
160,000
140,000
120,000
100,000
80,000
60,000
40,000
20,000
0
152,895
124,187
125,000千
+1,663%
9,357
96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
出所:電気通信事業者協会
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5
データの処理能力、スピードも格段に上がっている
アポロ月面着陸時のコンピューターは
ファミコン2台分のメモリ
1985年のスーパーコンピューターは
iPhone4の1/3の処理スピード
著作権上、表記できません。
著作権上、表記できません。
※著作権上、表記できません。
出所: Experts Exchange (http://pages.experts-exchange.com/processing-power-compared/)
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6
分析技術も日進月歩
データ
構造化
時系列分析
時間推移の中での
関係を発見
シグナル分析
ノイズと意味のある情報
を判別
クラスター分析
グルーピングのための
意味のあるデータ項目
および閾値を発見
スプリットテスト
ウェブサイトや商品の
最も効果的な設定を
発見するための実験
分類
データを設定した
カテゴリに分類整理
シミュレーションモデリング
システム上でバーチャル
に行う実験
空間分析
地理的・位相的情報の
抽出
ビジュアライゼーション
情報を発見し伝達する
ためにデータをビジュアル化
予測モデリング
行動を予測ないし推測す
るためのデータ分析
イベントプロセシング
イベントを認識するため
にデータソース連結
感情分析
ソーシャルメディアの情報を
使った消費者の感情・
反応を抽出
ネットワーク分析
ネットワーク間で意味の
あるセグメントと
その関係性を発見
最適化
基準に基づいてプロセス
ないし機能を改善
自動応答
人間が発した質問への
回答を人工知能を使って
発見
自然言語プロセシング
人間の話すことないし
書くことから意味を抽出
伝統的
回帰分析
変数間の関係を発見
技術
新興的
非構造化
出所: PwC
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7
さらに、個人と個人、個人とクラウドがつながり、人々の行動も変わっていく
環 端末の普及
境
の 機器の進化
変
化
連絡
行 友人関係
動
の 大事な買い物
変
化 急な買い物
1990年ごろ
現在
• 電話は一家に一台
• 端末は用途に合わせて一人数台
• 操作の難しいもの
• 備え付け
• 直感的な操作で、シニアでも2歳でも
操作可能
• 持ち歩く
• 何時に連絡するかも調整
• 事前の準備が重要
• 常にリアルタイム
• 思い立った時に行動
• 遠くの親戚よりも、近くの他人
• SNSで常に近況を把握
• 店に通って熟考する
• 店で商品を、ネットで口コミをチェック
する
• 翌営業日まで待つ
• 注文すれば、今すぐ持ってきてもらえ
るかも
出所: Strategy&
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デジタル時代のカスタマーストラテジー
デジタル時代の本格化
「カスタマー」(顧客)の重要性
ビジネス・経営への意味合い
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February, 2016
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デジタル時代のカスタマーストラテジーとは
デジタルツールを活用した顧客へのサービス提供
のみならず
デジタルツールを活用した優良顧客の発見と、
優良顧客との関係再構築
かつ
それらを可能にする一連の変革への取り組み
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「低成長時代」に移行して以降のマーケティングの重点は、
優良顧客との「リレーションシップ」の構築に移っている
低成長下の問題点
解決の方向性
顧客の希少化
希少な顧客とのリレーションシップの重視
顧客の多様化
多様な顧客のうちの特定(優良)セグメントに特化
供給能力の過剰化
つくって売るだけでなく、サービス化で儲ける
自社設備の重荷化
自前化にこだわらず、外部仕入れを活用・拡大
流通効率化への期待
在庫効率を重視しダイレクトチャネルを活用
価格競争の過当化
顧客単価の高いビジネスで差別価格実現
需要
供給
流通
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希少な
優良顧客
とのリレー
ションシッ
プを持つ、
差別化
された
ブランドの
構築
11
これからは、マス・マーケティングを超えて、カスタマー・ストラテジーという考
え方を持つことが重要
マス・マーケティング
カスタマー・ストラテジー
出来る限り多くの人(コンシューマー)に
同じように好かれたい
固定ファン(カスタマー・顧客)に
より深く好かれたい
基本的 高度成長期の発想の延長で、顧客数を
な考え 増やすことに意識が向かいがち
新商品の多発、マス広告依存、低価格
顧客データを重視し、ダイレクト・チャネ
ル活用やオムニチャネル化に積極的
課長レベルであり、前例踏襲
経営トップ主導で、意識変革を伴う
実態的には広告代理店主導
外部人材も活用し、社内に能力を構築
打ち手 競争に陥りがちな傾向
担い手
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顧客は希少という問題認識を持つ
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広告・販促の支出をパーチェス・ファネルの下流にも行い、既存顧客との関係
性の確立を行うべき
消費者のパーチェス・ファネル
取り組みにおける論点
Awareness(認知)
ターゲット消費者の注目をどれだけ集められるか
Consideration(考慮)
顧客化
Trial(試行)
リレーション
シップ
構築・深化
Occasional
(散発的)
Conversion/
Regular
Retention
(定期的)
(顧客維持)
Penetration
その消費者に自社商品の購入を検討して
もらうために何をすべきか
自社の商品を試用してもらうために何をすべきか
どうやって顧客との関係性を強化できるか
どうすればより高い価値で優良顧客化するか
(安定的)
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デジタル時代のカスタマーストラテジー
デジタル時代の本格化
「カスタマー」(顧客)の重要性
ビジネス・経営への意味合い - 取り組み例
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デジタル化の推進とカスタマーストラテジーの推進は、「カスタマー(顧客)」と
の関係構築と、顧客獲得のためのROIの向上の二つの観点から求められる
デジタル化とカスタマーストラテジーの推進 : 必要性
1. 顧客との関係構築の必要性(なぜカスタマーストラテジー推進が必要か)
– カスタマーがデジタル化し、「顔の見える」環境が整った
– デジタル経験を発端として、属人的なエクスペリエンスの提供へのニーズの拡大
「お客様はとっくにオムニチャネル化しており、問題は、自社がどのくらい広くお客様のニーズ
に応えていくことができるか、である」(大手通販会社幹部)
2. 顧客獲得のためのROIの向上の必要性(なぜ今まで通りではダメなのか)
– 分析と検証により、どの(ような)個人が顧客化の可能性があるのか、以前よりも高い精度で
特定が可能になっている
– 低成長下マージンが圧縮され、顧客化しえない対象に対する活動を行うための投資をする
ゆとりがなくなっている
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日本のCEOのデジタル化に対する危機意識は明らかに遅れている
ステークホルダーとの関わりにおいて、データアナリティクスを、最大の効果を発揮
すると思われるテクノロジーと選択したCEOの割合 (%)
67
73
72
73
51
西欧
米国
アジア太平洋
(日本を除く)
中国/香港
世界
平均
日本
出所: All respondents (126, 97, 386, 145, 314, 1,409)、第19回世界CEO意識調査
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本当にこれで良いのか?
ネアンデルタール
ホモサピエンス
ホモサピエンスよりも脳が大きく、
体力に優れていたと言われる
より高度な言葉を使った知識の
世代内、世代間の継承を行う
アノマロカリス
ダンクルオステウス
カンブリア紀の覇者 5億年前
複眼で巧みな狩りを行う
デボン紀の覇者 3.7億年前
カメラ眼でよりクリアな視界を獲得
出所: 「生命大躍進」NHKより、Strategy&
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本当にこれで良いのか?
企業も生物と同様に、
より多くの情報を収集することができ、
より知性の発達し、
よりコミュニケーションを発達させることが、
成長につながるのではないか
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取り組み例1:
顧客データ分析による「優良顧客予備層」の発見
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いわゆるCRMのアプローチにおいても、全顧客を対象とするのではなく、
一部の(優良)顧客を対象に分析を行うと、費用対効果が上がりやすい
CRMのアプローチ
ボトムアップ・アプローチ
トップダウン・アプローチ
• 基本的には全顧客が対象
– 全顧客が少しずつでも採算改
善できれば、全体のインパクト
は大きい
– TVCM、全社的な運動により
取り組みを推進
• 一部顧客のみが対象
– 一部顧客が確実に高採算顧
客になってくれれば、全体の
インパクトは大きい
– 当該顧客を直接ターゲットし
た取組を推進
• 既存のデータベースを活用
– 全顧客データが対象
– 情報更新・維持が重要
↓
• 巨額な投資になるが、投資を回収
するだけの収益につながりにくい
(効果のでないCRMの典型)
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高採算顧客
高採算
見込顧客
• 既存のデータベースから出発
– 一部顧客データを対象
– キャンペーンで情報更新
採算顧客
↓
不採算顧客
• 巨額な投資にならず、投資を回収
するだけの収益につながりやすい
(効果の出やすい(優良)CRM)
不稼動顧客
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先進企業では多様な関係者が参画して、取り組みを進めつつある
データ分析に基づく営業活性化プロジェクトの流れ-例
準備
• プロジェクト立上
• 会社横断でデータ
収集
概要
分析・設計
配信
• モデルの設計、構築、
検証
• モデルをシステムに
組み込み、ユーザーに
配信
利用・分析
• 利用
• 利用結果に基づいて
モデル・システム改善検討
利用
✓ターゲット?
✓アプローチ?
User
営業活動記録
Planning /
Intelligence
Modeling
目的共有、
取組内容の決定、
必要データ
洗い出し、収集
IT
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視点の提供、
モデルの検証
詳細設計
モデル構築
モデル(計算式)
共有
データ提供
プログラミング、
配信
February, 2016
営業結果分析、
改善案検討
インプット
21
アジアの損害保険会社がデータ分析と顧客行動分析により、重要な顧客セグ
メント別のパーソナライズを実現しサービスレベルを引き上げた例もある
顧客セグメンテーション
SEG A
Web
訪問者
SEG B
A
B
SEG C
SEG D
C
セグメント別の
画面表示の設計
アウトプットテスト
• 顧客行動モデルと行動
経済学のフレームを
使用し、顧客レコメン
デーションを設定
• レコメンデーションの
効果をシミュレーション
により検証
D
「たったこれだけ」
⇒経済性を重視する
顧客セグメントへの表示
購買過程の障害を
セグメント毎に特定
• 効果の高いレコメンデー
ションを実業務に組み
込み
L社
“たった
これだけ”
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顧客データアナリティクスによる「優良顧客」発見における留意点
1. データアナリティクスは、統計的に確度が高いことを意味している。あたる、はずれ
る、ではない
2. データアナリティクスには、インプットのデータが必要。多くの企業では、顧客の
データは思うよりも少ない(顧客の心理状態、行動に関わるデータはないことがほ
とんど)だが、あるものから進める
3. データアナリティクスには、従来のビジネスで培った「視点」が必要。データをやみ
くもに分析すれば結果が出るものではない
4. データアナリティクスを行った後、プロセスは可能な限り自動化するために相応の
システム投資は必要となる
5. 取り組みは相応の投資と労力を継続的に費やして初めて意味のある結果につな
がるため、トップのコミットメントと、ファクトベースで考える文化の醸成が必要
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取り組み例2:
オムニチャネルによる新たな関係性の構築
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いわゆるオムニチャネルとは、オンライン通販と店舗とを融合して顧客に提供
し、自由に「チャネル」を使い分けられるようにすることである
オムニチャネルの取組みの全体像
選択
購入
ピックアップ、
宅配
アフター
サービス
店舗における選択
店舗で購入
パートナー店舗で
ピックアップ
店舗で返却
オンラインでの選択
PCで購入
宅配
郵送で返却
SNSでの口コミ
のチェック
スマートフォンで
購入
最寄の店舗で
のピックアップ
カスタマーサービス
の活用
サーチ
顧客
代表的な
取組み内容:
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「お取り寄せ購入」
オンラインで購入、
店舗でピックアップ
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「試着予約」
オンラインでサーチ、
店舗で試着、購入
「エンドレスアイル」
店舗で在庫切れの商品を
注文、宅配で自宅へ送付
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ショールーミング
店舗で確認、試着して、
オンラインで商品購入
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オムニチャネルへの取組みは様々に進んでいるが、顧客へのメリットの大きさ
はそれぞれ異なる
主要なオムニチャネル取組みのパターンと意味合い
「お取り寄せ」
概要
「試着予約」
「エンドレスアイル」
• 店舗を受取、決済の • オンラインで予約した • 店舗で在庫切れの
拠点として活用
商品を店舗に取り
商品を注文、宅配で
寄せ、試着購入
自宅へ送付
「ショールーミング」
• 店舗で商品や説明を
提供、インターネットの
情報も店舗内で提供
• 海外では車でのピッ • 店舗のメリット(質感・サイズの確認や、対面の • 価格情報のみを提供
クアップ、国内では人
説明)と、オンラインンのメリット(無限の品揃え、 する場合、オンライン
口密集メリットを生か
簡単なリピート購買)の両方を活かした新たな
の価格競争に店舗も
評価
価値が提供しやすい
して、宅配待ち不要
巻き込まれる可能性
がある
のサービスとして拡
大しつつある
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オムニチャネルの成功の要件は明らかになってきている
成功するオムニチャネル
1. 顧客ターゲットを明確に絞る
– 店舗だけ、オンラインだけ、では解決の難しい問題を持つ
顧客(例:ベビー・マタニティ)
– ヘビーユーザー、リピート顧客となりうる顧客
2. こだわりのある情報コンテンツと商材を扱い
売り場を確立している
– ある程度の高価格が許容される商材
– 広い品揃えや、カスタム化が必要な商材
– 玄人による情報やアドバイスが効くサービス
3. ダイレクト・チャネルのバックオフィスを確立する
– 小口配送のフルフィルメント
– 顧客データ分析と活用
– スマホ・アプリの使い勝手の改良
4. 店舗チャネルにメリットを還元する
– 優良顧客を識別し、店舗での優遇サービスを提供して、
関係性をさらに高める、など
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失敗するオムニチャネル
1. 幅広い顧客ニーズに応えようとする
– 既に店舗で満たされているニーズに対応
– 同業他社に容易に模倣されてしまう内容
– (ライト)ユーザー数を増やそうとする方針
2. 傘下グループ企業の寄せ集め
– 顧客ターゲットの統一性もない
– 単なるリンクの集合体
– こだわりがなく、取扱商品数も少ない
3. 片手間で通販を行おうとする
– 在庫管理や出荷をきめ細かくできない
– 受取の利便性だけを重視(差別化できない)
– 低価格以外に訴求できるものがない
4. 店舗チャネルに過剰に遠慮する
– ダイレクトの魅力をアピールできない
– 店舗への側面支援に徹してしまう
February, 2016
27
デジタル時代のカスタマーストラテジー
デジタル時代の本格化
「カスタマー」(顧客)の重要性
ビジネス・経営への意味合い - 実現に向けて
Strategy& | PwC
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28
デジタル化は、企業とカスタマー(顧客)のあらゆる接点、顧客満足度向上に
連なるあらゆる企業活動に影響する
企業のデジタル化とカスタマー(顧客)
カスタマー(顧客)
インター
フェース 営業員・店舗 ウェアラブル
携帯端末
デジタル
デジタル
商品設計・開発
ケイパ
マーケティング
ビリティ
電話
従業員
チャット/動画
PC
販売・回収
外部提携先
CRM・
お得意様サービス
SNS
チャネル管理
ワークフローの自動化、ルールの管理
ツール
システム
データ
Strategy& | PwC
データの収集・管理
企業コンテンツの管理
分析プラットフォーム
データとサービスの融合
関連データを収集、
管理する体制、事例蓄積
データを取り出せる
環境の整備
分析ツール、分析スキル
アプリケーションの統合、
双方向化
顧客属性データ
取引・販売データ
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お客さまの声
顧客行動データ
February, 2016
営業データ
外部データ
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カスタマー・ストラテジー推進に向けて、トップ主導の大きな変革が必要となる
デジタル化のための推進要素
成功のための条件
新しい商品、
サービスの提供
顧客との
関係再構築
オペレーション
• トップ主導の長期的な視野をもった、
継続的な取り組みと投資
技術基盤とデータ
• 従来の組織の「サイロ」を超越した
取組みの推進
組織とガバナンス
• マーケティングを超えた、カスタマー
ジャーニーと、組織のフロントからバック
まで一貫した取り組みの推進
企業文化とチェンジマネジメント
• 仕事の進め方、考え方の根本的な変革
出所:Strategy&“The 2015 chief digital officer study”
Strategy& | PwC
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近年、デジタル化の推進と組織の変革を担う Chief Digital Officer
(CDO)が台頭している
CDOを設置している企業の割合(業界別 2015年)
業界区分
設置あり
コミュニケーション/メディア/エンターテインメント
食品/飲料/農業
消費財/小売/卸売
保険
輸送/旅行/観光
銀行
製薬/医療/化学
テクノロジー/電機
自動車/エンジニアリング/機械
公益/石油/ガス
その他
金属・鉱業
合計
75
73
133
105
96
178
107
88
106
196
161
96
1,414
設置なし
11
9
13
9
8
13
7
3
3
5
4
1
86
合計
86
82
146
114
104
19
114
91
109
201
165
97
1,500
割合(%)
13
11
9
8
8
7
6
3
3
2
2
1
6
出所:“ The 2015 chief digital officer study”、フィナンシャルタイムズ、OneSource/Avention 、Strategy&分析
Strategy& | PwC
2016PwCMegatrend_Karaki_v3.pptx
February, 2016
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デジタル化とカスタマーストラテジーの推進に向けて
経営の
トップマターに
なっているか
1.
ビジネスモデルの変革になるため、前例踏襲型のミドルでは推進不能
2.
広告代理店任せでは困難、デジタル系の人材の登用・獲得をしようとしているか
3.
海外の大手競合から既に周回遅れになっている現状を理解できているか
カスタマー
(優良顧客)のこと
をきちんと理解
できているか
4.
比較的少数の優良顧客が利益に貢献しているという構造が理解できているか
5.
その優良顧客の購買行動(情報源、選択基準)を理解しているか
6.
優良顧客の購買頻度、金額拡大のための打ち手はあるか
7.
勘や根性ではなく、ファクトベースでの意思決定、及び、PDCAができているか、
変革しようとしているか
8.
働き方が(良い意味で)抜本的に変わることに、抵抗はないか
9.
顧客や市場に関する情報を紙(又は暗黙知)から、デジタル化しようとしているか
デジタル化の
素地
はできているか
Strategy& | PwC
10. 旧来型「基幹系システム」を保守する情報システム部門の他に、顧客や市場に
関する情報環境やツールを整備するチームがあるか、設置しようとしているか
2016PwCMegatrend_Karaki_v3.pptx
February, 2016
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© 2016 PwC. All rights reserved.
PwC refers to the PwC network and/or one or more of its member firms, each of which is a separate legal entity. Please see
www.pwc.com/structure for further details.
This content is general information purposes only, and should not be used as a substitute for consultation with professional advisors.
Strategy& | PwC
2016PwCMegatrend_Karaki_v3.pptx
February, 2016
33
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