日本基準トピックス ASBJ 「修正国際基準(国際会計基準と企業会計 基準委員会による修正会計基準によって構成される 会計基準)」の改正案の公表
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日本基準トピックス ASBJ 「修正国際基準(国際会計基準と企業会計 基準委員会による修正会計基準によって構成される 会計基準)」の改正案の公表
日本基準トピックス ASBJ 「修正国際基準(国際会計基準と企業会計 基準委員会による修正会計基準によって構成される 会計基準)」の改正案の公表 2016年3月22日 第300号 ■主旨 2016年3月17日、企業会計基準委員会(以下、「ASBJ」)は、「修正国際基準(国際 会 計基 準 と企 業 会 計基 準 委 員会による修 正会 計 基 準によって構 成される会 計 基準)」(以下、「修正国際基準」)の改正案(以下、「本公開草案」)を公表しました。 ASBJは、2015年6月30日に修正国際基準を公表しています。これは、2012年12月31日 までに国際会計基準審議会(以下、「IASB」)により公表された会計基準および解釈指針 (以下、「会計基準等」)を対象とするIFRSに関するエンドースメント手続(初度エンドース メント手続)を行い、公表されたものです。本公開草案は、その後、2013年中にIASBにより 公表された会計基準等を対象とするエンドースメント手続を行い、公表されたものです。 本公開草案では、企業会計基準委員会による修正会計基準第2号「その他の包括利益 の会計処理」を改正し、以下の2つの項目を「削除又は修正」するよう提案しています。 その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品への投資を ヘッジ対象とした公正価値ヘッジのノンリサイクリング処理 キャッシュ・フロー・ヘッジにおけるベーシス・アジャストメント ・ 原文については、ASBJのウェブサイトをご覧ください。 https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/endorsement/exposure_drafts/20160317.shtml ------------------------------------------------------------------------- 1.経緯 金融庁企業会計審議会が公表した「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面 の方針」(2013 年 6 月)を受けて、ASBJ にて初度エンドースメント手続が実施され、その結果、 2015 年 6 月に修正国際基準が公表されています。 本公開草案は、その後に ASBJ で進められた IFRS のエンドースメント手続の結果を受けて 公表されたものです。 1 2.エンドースメント手続の対象と概要 本公開草案は、2013 年中に IASB により公表された以下の新規のまたは改正された会計基準 等を対象として検討されたエンドースメント手続に基づきます。 (1) IFRS 第9号「金融商品」(ヘッジ会計並びに IFRS 第 9 号、IFRS 第 7 号及び IAS 第 39 号 の修正)(2013 年 11 月公表)(以下、「IFRS 第 9 号(2013 年)」) (2) IFRIC 解釈指針第 21 号「賦課金」(2013 年 5 月公表) (3) 「非金融資産に係る回収可能価額の開示」(IAS 第 36 号の修正)(2013 年 5 月公表) (4) デリバティブの契約更改とヘッジ会計の継続」(IAS 第 39 号の修正)(2013 年 6 月公表) (5) 「確定給付制度:従業員拠出」(IAS 第 19 号の修正)(2013 年 11 月公表) (6) 「IFRS の年次改善 2010-2012 年サイクル」(2013 年 12 月公表) (7) 「IFRS の年次改善 2011-2013 年サイクル」(2013 年 12 月公表) 今回のエンドースメント手続においては、修正国際基準の公表にいたる初度エンドースメント 手続と同様に、「会計基準に係る基本的な考え方」、「実務上の困難さ」、「周辺制度との関連」 を判断基準として、十分な検討を尽くし、それでもなお受け入れ難いとの結論に達したもの のみを「削除又は修正」することを提案しています。 3.「削除又は修正」の内容 今回のエンドースメント手続の結果、IFRS 第 9 号(2013 年)に関して、下記の(1)と(2)の 2 つの項目について「削除又は修正」することが提案されています。いずれも、修正国際基準 の企業会計基準委員会による修正会計基準第 2 号「その他の包括利益の会計処理」を 修正する提案です。 IFRS では、一定の項目について、その他の包括利益累計額から純損益に組替調整額として 振り替える処理(リサイクリング処理)が認められていません。修正会計基準第2 号は、それらの 項目について、リサイクリング処理を求めるよう「削除又は修正」を行っています。 これは、純損益は包括的な指標であるべきであり、リサイクリングを行わないことで純損益の 総合的な業績指標としての有用性が低下するという考えに基づいています。また、ASBJ は 国際的にも、純損益と包括利益は本質的に認識時期の相違であるとの考え方を示しています。 本公開草案は、これらの考えと整合するよう、「削除又は修正」を提案するものです。 (1) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品への投資を ヘッジ対象とした公正価値ヘッジのノンリサイクリング処理 IFRS 第 9 号(2013 年)では、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融 商品への投資をヘッジ対象とした公正価値ヘッジを行っている場合、ヘッジ手段に係る 利得又は損失を、その他の包括利益に残したままとしなければならず、その後純損益に 振り替えること(リサイクリング処理)が禁止されています。 初度エンドースメント手続において、ヘッジ対象である資本性金融商品への投資の公正価値 の変動について、投資の認識の中止時等に、その他の包括利益から純損益にリサイクリング 処理を行うよう「削除又は修正」がなされています。本公開草案は、これと対応するように、 ヘッジ手段に係る利得又は損失についても、その他の包括利益から純損益にリサイクリング 処理をするように、「削除又は修正」する提案をしています。 2 (2) キャッシュ・フロー・ヘッジにおけるベーシス・アジャストメント IFRS 第 9 号(2013 年)では、キャッシュ・フロー・ヘッジについて、対象となる予定取引が その後に実施され、非金融資産又は非金融負債が認識される等の場合に、ヘッジ手段に 関して累積されたその他の包括利益累計額(キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金)を減額して、 当該資産または負債の当初の原価またはその他の帳簿価額に含めることが求められてい ます(ベーシス・アジャストメント)。 本公開草案では、このベーシス・アジャストメントの処理を「削除又は修正」し、キャッシュ・ フロー・ヘッジ剰余金を減額する際に、包括利益計算書のその他の包括利益に反映させる よう提案しています。 4.コメントの募集 本公開草案に対するコメント期限は、2016 年 5 月 31 日です。コメントの募集にあたり、以下の 質問項目が挙げられています。 質問 1 その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品への投資を ヘッジ対象とした公正価値ヘッジを行う場合に、ヘッジ手段に関してその他の包括 利益に認識した利得または損失の累計額を純損益にリサイクリング処理するよう 「削除又は修正」することに同意するか 質問 2 キャッシュ・フロー・ヘッジにおけるベーシス・アジャストメントについて、資本の 内訳項目であるキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金を減額する際に、その変動を 包括利益計算書のその他の包括利益に反映させるよう「削除又は修正」すること に同意するか 質問 3 その他 5.適用時期および経過措置 適用時期は、本公開草案を受けた修正国際基準の改正の公表日以後開始する連結会計 年度から、とすることが提案されています。 また、本公開草案を受けて修正国際基準の改正が公表された以後において、修正国際基準 において採択された IFRS 第 9 号(2010 年)を廃止し、IFRS 第 9 号(2013 年)に置き換える ことが提案されています。 PwCあらた監査法人 東京都中央区銀座8丁目21番1号 住友不動産汐留浜離宮ビル (〒104-0061) お問い合わせ: [email protected] 本資料は概略的な内容を紹介する目的で作成されたもので、プロフェッショナルとしてのアドバイスは含まれていません。個別にプロフェッショナル からのアドバイスを受けることなく、本資料の情報を基に判断し行動されないようお願いします。本資料に含まれる情報は正確性または完全性を、 (明示的にも暗示的にも)表明あるいは保証するものではありません。また、本資料に含まれる情報に基づき、意思決定し何らかの行動を起こされたり、 起こされなかったことによって発生した結果について、PwC あらた監査法人、およびメンバーファーム、職員、代理人は、法律によって認められる範囲 においていかなる賠償責任、責任、義務も負いません。 © 2016 PricewaterhouseCoopers Aarata. All rights reserved. PwC refers to the PwC Network member firms in Japan and/or their specified subsidiaries, and may sometimes refer to the PwC Network. Each member firm is a separate legal entity. Please see www.pwc.com/structure for further details. This content is for general information purposes only, and should not be used as a substitute for consultation with professional advisors. 3