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Lotus Notes/Domino 6 ローミング・ユーザー機能/マルチ・ ユーザー機能 利用ガイド
Lotus Notes/Domino 6 ローミング・ユーザー機能/マルチ・ ユーザー機能 利用ガイド 1 ローミング・ユーザー機能/マルチ・ユーザー機能利用ガイド 1. はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 2. マルチ・ユーザー機能の仕組み及び設定手順・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 3. ローミング機能の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 4. ローミング機能の設定手順・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 5. ローミング機能の制限事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19 − 特記事項 − • 本資料の記載内容は、正式な IBM のテストやレビューを受けておりません。内容について、できる 限り正確を期すよう努めてはおりますが、いかなる明示または暗黙の保証も責任も負いかねます。本 資料の情報は、使用先の責任において使用されるべきものであることを、あらかじめご了承ください。 • 掲載情報は不定期に変更されることもあります。他のメディア等に無断で転載する事はご遠慮くださ い。 • 本資料の著作権は日本アイ・ビー・エムにあります。非営利目的の個人利用の場合において、自由に 使用してもかまいませんが、営利目的の使用は禁止させていただきます。 • IBM、は IBM Corporation の商標。 Lotus、Lotus Domino、Lotus Notes、は IBM-Lotus の商標。 • Microsoft、Windows、Windows NT、Windows ロゴは、Microsoft Corporation の米国およびその他の 国における商標。 その他、記載された社名および製品名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。 2 1.はじめに 以前の Notes では 1 台のコンピューターで利用するユーザーを切り替える際、ユーザー ID ファイルの切り替えを行っていました。しかしながら、利用者の ID ファイルを切り替 えても、ブックマーク(あるいはワークスペース) 、個人アドレス帳は各々のユーザー毎に 切り替えて利用できませんでした。 Notes/Domino 6.0.1 より実装された新機能のひとつであるローミング・ユーザー機能(以 下「ローミング機能」と記述します)は、サーバー側に Notes のデスクトップ環境に関す る情報(例えばブックマーク等)を保存しておき、Notes クライアントを利用するユーザー がドミノ・ドメイン内のどのコンピューターから Notes を利用しても、複製によって同じ デスクトップ環境を再現できる機能です。また、Notes 6 の新機能、マルチ・ユーザー・イ ンストール機能(以下「マルチ・ユーザー機能」と記述します)を利用することで OS に ログオンするユーザー毎に異なる Notes デスクトップ環境を利用できるようになりました。 OS や Notes のセキュリティ機能を利用してアクセス制限をかけることにより、各個人が 自分のデスクトップ環境を安全に利用することができます。 例えば、通常はオフィスの自分の席に設置されているコンピュータで Notes を使用して いるユーザーがいるとします。そのユーザーが出張などで別の事業所に行ってその事業所 にあるコンピューターで Notes を利用した場合でも、ローミング機能およびマルチ・ユー ザー機能が設定されていると普段使い慣れた自分の席にあるコンピューターで Notes を利 用している時と同様にブックマーク、Welcome Page、個人アドレス帳等を利用できます。 ローミング機能とマルチ・ユーザー機能を組み合わせることにより(それぞれ、単体で 各機能を利用することももちろん可能です)各個人が設定した Notes のデスクトップ環境 を容易にどのコンピューターでも再現できるようになりますので、下記のような使い方を している場合、Notes の使い勝手が大幅に向上させることができます。 ・1 台のコンピューターで、複数のユーザーが Notes を利用する ・1 人のユーザーが、複数のコンピューターから Notes を利用する (業務等で普段使うコンピューターが決まっているとは限らない、等) このローミング・ユーザー及びマルチ・ユーザー機能利用ガイドでは、ローミング機能 及びマルチ・ユーザー機能の仕組みや利用するにあたって必要な設定の手順、注意点をま とめています。実装されたばかりの機能である為、一部現在のリリースでは制限事項もあ りますので、あわせて Notes/Domino 6.0.1 の Release Notes(製品をインストールすると、 ヘルプファイルと同じフォルダにコピーされます)を参照して設定を行ってください。 3 2. マルチ・ユーザー機能の仕組み及び設定手順 マルチ・ユーザー機能を利用すると Windows NT/2000/XP といったマルチ・ユーザー対 応クライアント OS で Notes 6 を利用する際に、OS にログオンするユーザー毎に、個人用 の Notes データー・ディレクトリーを用意し、各ユーザーがそれぞれ自分の Notes データ ー・ディレクトリーを参照して Notes を利用できます(ただし、Domino Administrator、 Domino Designer をインストールするコンピューターでは利用できません) 。 <マルチ・ユーザー・インストールの手順> 1.Notes 6 の CD(Administrator、Designer を含まない物)をドライブにセットします。 2.コンピューターに、管理者権限をもつユーザーにログオンし、setup.exe を実行します。 下の画面で<次へ>をクリックします。 3.使用許諾契約に同意をし、<次へ>をクリックします。 4 4.ユーザー名と組織名を入力します。下に「このアプリケーションを次のユーザーに対し てインストールします」のチェックボックスで「このコンピュータを利用するすべての ユーザー」を選択します。 5.プログラムをインストールするディレクトリーを指定します。 データー・ディレクトリーは OS にログオンするユーザー毎に自動的に作成されますの で、個別に指定する事はできません。 5 6.インストールするモジュールを選択します。通常はデフォルトのままで構いません。 なお、マルチ・ユーザー機能とローミング機能を利用するクライアントではシングル・ パスワード・ログオン(Windows ログオン・パスワードと Notes のユーザーID のパス ワードを同期させ、Notes 起動時にはパスワード入力をスキップさせる機能)を利用でき ない事がありますので注意して下さい(詳細は後述します) 。 7.<次へ>をクリックすると、通常のインストール手順と同様にインストールが進みます。 画面の指示に従ってインストールを行って下さい。 マルチ・ユーザー・インストールでは、一部通常インストールとは異なるディレクトリ ーに Notes が使用するファイルを保存します。参考までに、以下にデフォルトで使用され るフォルダ、ファイルのパスを示しますが、実際の環境によって異なる事がありますので ご注意ください。 6 ・プログラム本体のインストール先ディレクトリー 通常インストール、マルチ・ユーザー・インストールいずれも、インストール時に指 定可能です。Windows 版のデフォルトでは“C:¥Program Files¥Lotus¥Notes”です。 ・ユーザーの Notes データー・ディレクトリー 通常インストールではデフォルトで “C:¥Program Files¥Lotus¥Notes¥Data”に設 定されます。また、Notes データー・ディレクトリーの中にデータベース・テンプレート やモデムファイル、個人アドレス帳が保存されます。 マルチ・ユーザー・インストールでは、OS のユーザー・プロファイルが保存されてい るディレクトリーを使用します。Windows NT では“C:¥Winnt¥Profiles”以下、Windows 2000 では“C:¥Documents and Settings”以下にユーザー名と同じ名前のフォルダが作 成 さ れ ( Windows 2000 の デ フ ォ ル ト で は “ C:¥Documents and Settings¥%USER_NAME%¥Local Settings¥Apprication Data¥Lotus¥Notes¥Data” )、 各ユーザー個人の情報が保存されます。 また、全ユーザーに共通するファイル(各種テンプレート、ヘルプ、モデム・ファイ ル等)は、Windows 2000 の場合、“C:¥Documents and Settings¥All Users¥Local Settings¥Apprication Data¥Lotus¥Notes¥Data¥share”フォルダに格納されます(以 下、 「共有データー・ディレクトリー」と呼びます) 。 ・Notes.ini 各ユーザー毎の Notes データー・ディレクトリー内に保存されます。Notes 起動時に Notes.ini が見つからない場合(つまり、ユーザーが、とあるコンピューターで初めて Notes を起動したとき)は、共有データー・ディレクトリーにある、スタブの Notes.ini (セットアップを行っていない状態の初期状態の Notes.ini のコピー) を読み込み、 Notes のセットアップが始まります。 7 3.ローミング機能の概要 ローミング機能を有効にすると、各ユーザーのデスクトップ環境を保存している各種の ファイル(ブックマーク・個人アドレス帳等、詳しくは後述します)のレプリカがサーバ ーに保存されます。ユーザーが Notes を起動もしくは終了した際に複製が行われ、最新の デスクトップ環境の情報がサーバーおよびクライアント側で保持されます(設定によって はクライアント側の情報をクリーンアップ(削除)する事も可能です) 。ユーザーが別のコ ンピューターで Notes を利用した場合もサーバーで持っているデスクトップ環境に関する 情報がクライアントにレプリカされるので、常に自分のデスクトップ環境を利用できます。 デフォルトでは、サーバーのデーター・ディレクトリー(Windows 版のデフォルトでは “C:¥Lotus¥Domino¥Data” )の下に “Roaming” (名前は変更可能)というフォルダが 作成され、その中にユーザー毎のサブ・ディレクトリーが作成されます(デフォルトでは ユーザー名からディレクトリー名がつけられます) 。その中に以下のファイルがレプリカが 作成されます。 ・ブックマーク(bookmark.nsf) ・個人ジャーナル(journal.nsf) ・個人アドレス帳(names.nsf) →個人アドレス帳の中に Notes ユーザーID ファイル(*.id)およびユーザー辞書ファイル (*.dic)が添付されます(これらは暗号化されて添付されます。また一般ユーザーからは 見ることができません) 。また、クライアントの Notes.ini で設定可能なパラメーターの一 部(フォント、通信ポート、バックグラウンド印刷、 双方向言語設定、ファイルパス等は ローミングされません)も個人アドレス帳に保存され、ローミングされます。 8 4.ローミング機能の設定手順 まず、大前提としてローミング機能を利用するには、Notes/Domino 6.0.1 以降が必要で す。6.0 および R5.x 等以前のバージョンではローミング機能を利用できませんので、サー バー・クライアント共に必ず 6.0.1 以降にバージョンアップしてください。 ここでは以下の 3 通りの手順について説明します。 A.新規ユーザーの登録時にローミングを有効にする場合 B.既存のユーザーを非ローミング・ユーザーからローミング・ユーザーに変更する場合 C.ローミング・ユーザーを非ローミング・ユーザーに変更する場合 以後、管理者が行う設定とユーザーが行う設定を分けて記述しています。管理者が行う 設定については、必ず管理者の ID を用いて行って下さい。 ○ A.新規ユーザーの登録時にローミング機能を有効にする場合 <管理者が行う設定> 1.管理用クライアント・マシンで Domino Administrator を起動します。 2.[ユーザーとグループ]タブを開き、画面右の「ツール」→「ユーザー」→「登録」を 選択します。認証者 ID を選択し、パスワードを入力します。 3.[基本]タブで[ローミングを有効にする]のチェックボックスを有効にします。 9 4.[詳細]チェックボックスを選択すると、さらにタブが表示されます。このパネルで[ロ ーミング]を選択します。 5.[ローミング]タブでは以下の設定を行います。 ※[基本]タブの[ローミングを有効にする] 、および[Notes ID を作成する]をチェッ クしていない場合は、これらのフィールドが表示されません。 ◇ローミング・サーバーの設定 →ローミングさせる個人情報を保存するサーバーを指定します ・ [メールサーバーにローミングユーザーファイルを置く] ユーザーのローミング情報がメール用サーバーと同じサーバーに保管されます。 ・ [ローミングサーバー] クリックすると[ローミングユーザーのファイルサーバーの選択]ダイアログボ ックスが開き、ここでユーザーのローミング情報を保存するサーバーを指定します。 ◇パーソナル・ローミング・フォルダの設定 →各ユーザーのローミング・ファイルを保存するディレクトリーを設定します ・ [パーソナルローミングフォルダ] ユーザーのローミング情報を保存するサブ・ディレクトリー名です。デフォルト では、指定したサブフォルダの形式に従いますが、カスタマイズも可能です。 ・ [サブフォルダ形式] パーソナル・ローミング・フォルダーの命名に使用する方式です。これにより、 各ユーザー用のデフォルトの個人ローミングフォルダが決まります。 10 ◇ローミング・ファイルの作成処理方法 →ローミング・ファイルをバックグラウンドで作成するかどうか指定します。 ・ [ローミングファイルを即時に作成] <登録>ボタンを押してユーザーを作成する際に、同時にローミング・ファイル を作成します。ファイル作成中は Domino Administrator の操作を行えません。 ・ [ローミングファイルをバックグラウンドで作成] ローミング・ファイルをバックグラウンドで作成します。ファイル作成中も Domino Administrator が使用できます。 ◇ローミング・ファイルのレプリカを保存するサーバーの設定 →ローミング・サーバーが Notes クラスターを利用してクラスター化されている場合 は、ローミング・ファイルのレプリカをクラスター内の別のサーバーに保存するかど うか指定します。 ・ [ローミングレプリカ] ローミング・ファイルのレプリカを保存するサーバーを指定します(Notes のクラ スターを設定している場合のみ有効です) 。 ◇クリーンアップ・オプション →マルチ・ユーザー環境のクライアント・マシンの場合、クライアントのコンピュー ターにレプリカされたローミング・ファイルを削除するオプションを設定できます。 (クライアントがマルチ・ユーザー環境では無い場合はクリーンアップされません) ・ [クリーンアップしない] ローミング・ユーザーのデーターは、ユーザーのローミング先のコンピューター から削除されません(デフォルトではクリーンアップしません) 。 ・ [定期的にクリーンアップ] [クリーンアップ間隔]フィールドが有効になり、ローミング先のコンピュータ ーからローミング・ユーザーのデーターを削除するまでの日数を指定します。 ・ [Notes 終了時にクリーンアップ] Notes を終了するとすぐにローミング先のコンピューターからローミング・ユーザ ーのデーターが削除されます。 ・ [ユーザー確認] Notes の終了時に、ローミング・ファイルをクリーンアップするかをたずねるプロ ンプトが表示されます。<はい>を選択すると、ローミング先のコンピューターか らローミング・ファイルが削除(クリーンアップ)されます。 11 <ユーザーが行う設定(Notes 起動時)> 1.クライアントのコンピューターで Notes を起動します。 2.セットアップ画面に移行しますので通常の Notes セットアップと同様に設定します。 3.設定終了後、サーバー・クライアント間でローミング・ファイルのレプリカが行われ、 以前に別のコンピューターで使用したデスクトップ環境が復元されます。 ※ 以後、別のコンピューターで Notes を利用する場合、その都度 Notes のセットアッ プを行います(クリーンアップ設定によっては、同じコンピューターで利用する場合に も再度セットアップを行う必要があります) 。 12 <ユーザーが行う設定(Notes 終了時)> 1.Notes を終了させると、サーバーにローミング情報を送信するかどうかたずねるダイ アログが表示されますので<はい>をクリックします。 2.クリーンアップに関する設定に従い、クリーンアップが行われます。 ・ [Notes 終了時にクリーンアップ]に設定されていた場合 ダイアログは表示されず、自動的にクリーンアップされます。 ・ [クリーンアップしない]に設定されていた場合 ダイアログは表示されず、クリーンアップされません。 ・ [クリーンアップ時にプロンプトを表示]に設定されていた場合 Notes 終了時に、ローミングが行われた後、次のダイアログボックスが表示されます。 ・ [定期的にクリーンアップ]設定の場合 指定された日時が経過した後、Notes 起動時にクリーンアップが行われます。 13 ○ B.既存のユーザーを非ローミング・ユーザーからローミング・ユーザーに変更する場合 <管理者が行う設定> 1.Domino Administrator を起動し、 [ユーザーとグループ]タブをクリックします。 2.[ユーザーとグループ]タブを開き、変更したいユーザーを選択します。 3.画面右の「ツール」→「ユーザー」→「ローミング」を選択します。以下の項目につい て設定を行い、<OK>をクリックします。設定項目自体は、新規ユーザーをローミング・ ユーザーとして設定する場合と同様ですので前項を参照して下さい。 14 設定終了後、<OK>をクリックします。Domino Directory のユーザー文書の[ローミ ング]タブを開き、 「ローミングを使用」フィールドが<進行中>または<はい>になって いることを確認して下さい。 <ユーザーが行う設定> 非ローミング・ユーザーからローミング・ユーザーへアップグレードする場合、既にユ ーザーが利用しているクライアント・コンピューターに Notes がインストールされ、ロー ミング対象となる個人アドレス帳やブックマークが存在する事が考えられます。これらの 既存のファイルをローミング・ファイルとしてサーバーに複製する手順は下記の通りです。 1.クライアントにあるファイルを確認します。各ファイルがデーター・ディレクトリ直下 に置かれ、ファイル名が次の通りであることを確認します。 ・個人アドレス帳→names.nsf ・ブックマーク→bookmark.nsf ・ジャーナル→journal.nsf もし、ファイル名が異なる場合はバックアップを取った上でファイル名を上記の通り 変更します(OS 側の機能を利用してファイル名を変更します) 。 2.これまで使用してきたコンピューター上で Notes を起動し、メール・データベースな どのデータベースを開き、ホームサーバーに接続します。 3.使用中の Notes デスクトップ環境をローミングの開始点として使用するかたずねるメ ッセージが表示されます。 <はい>をクリックします。 4.さらに確認ダイアログが表示されますので<OK>をクリックします。 15 5.終了後、次のようなダイアログが表示されますので<OK>をクリックします。 6.Notes を終了させると、クライアントにあるファイルがローミング・サーバーに複製 されます。 7.新しく利用するコンピューターで Notes を起動します。新規に Notes をセットアップ するのと同様の手順で設定を行います。セットアップの途中でローミング・ファイルが サーバーからクライアントに複製され、同じデスクトップ環境で利用できるようになり ます。 ※ Notes 終了時については、新規ユーザーをローミング・ユーザーとして登録した際と同 様です。 ○ C.ローミング・ユーザーを非ローミング・ユーザーに変更する場合 ローミング・ユーザーを通常ユーザーへ変更すると、 システム管理プロセスがユーザー 文書のユーザーのステータスをローミングから通常に変更し、ユーザーのローミング・フ ァイルとレプリカを、これらのファイルが存在するサーバーから削除します。 1.Domino Administrator を起動し、 [ユーザーとグループ]タブをクリックします。 2.[ユーザーとグループ]タブを開き、変更したいユーザーを選択します。 3.画面右の「ツール」→「ユーザー」→「ローミング」を選択します。 4.確認ダイアログが表示されますので<OK>をクリックします。 [バックグラウンドで更 新を実行]にチェックを入れるとローミング・ユーザーを非ローミング・ユーザーに変 更するタスクがバックグラウンドで行われ、続けて Domino Administrator を使用でき ます。 16 5.確認ダイアログで<OK>をクリックします。 6.1.∼4.で変更したユーザーのユーザー文書を開きます。 7.[ローミング]タブをクリックします。 [ローミングを使用]フィールドに<いいえ> と表示されるはずです(システム管理プロセスが要求を処理する為、多少時間がかかり ます。ステータスが変わらない場合は時間を置いてから再度確認して下さい) 。 8.ローミング・ファイルを削除します。削除自体はシステム管理プロセスが行いますので、 管理者はシステム管理要求データーベース(ADMIN4.NSF)で、削除要求を承認します。 Domino Administrator で [サーバー]タブ→[分析]タブを開き[システム管理要求 (6)] を展開します。 9.[管理者承認保留中]ビューを展開します。 17 11.ビューから文書を開き、内容を確認し、 [編集モード]に変更します。 12. 内容を確認して[レプリカ削除を承認]をクリックし、文書を閉じます。 13.システム管理要求プロセスが自動的にファイルを削除します。必要に応じて、システ ム管理要求データベースのログを確認し、ログの削除を行います。 18 5.ローミング機能の制限事項 ローミング・ユーザー機能は Notes/Domino 6.0.1 以降で利用できます。それ以前のバー ジョンを使用している場合は、サーバー、クライアント共に 6.0.1 以降にバージョンアップ してから使用してください (6.0 およびそれ以前の Domino が稼動する環境でローミングを 行うとサーバーがクラッシュする等の問題が報告されています) 。また、6.0.1 で実装された ローミング機能には、一部制限事項があります。以下に主なものをあげますが、詳細は 6.0.1 の Release Notes を参照して下さい。 ○ A.ローミング機能で複製される情報 ・ローミング機能で複製される情報 ・ブックマーク ・個人アドレス帳(ユーザー辞書ファイルとユーザーID ファイルが添付されます) ・個人ジャーナル 上記以外の情報は、ローミング・ユーザー機能を用いて複製できません。 ・ローミングできない情報の例 ・署名ファイル ・IMAP および NNTP プロキシー・データベース ・Notes.ini ファイル (個人アドレス帳に保存されているユーザー・プリファレンスは複製されますが、場 合によっては設定を反映させる為に Notes を再起動させる必要があります) ・Desktop.dsk ファイル (Notes/Domino 6 の新機能であるビューのカスタマイズ機能の情報等。 ) ・Cache.ndk ファイル ・Headline.nsf ・各 DB の全文索引 ・個人ビュー/フォルダー ・ユーザーが自身でクライアント・コンピューターに作成したローカル・レプリカ (ただし、ローミング・サーバーのパーソナル・ローミング・フォルダーに任意の Notes データベースのレプリカを作成すると、そのデータベースもローミングされます) 19 ○ B.Windows 95/98 でマシンでローミング機能を利用する場合の注意点 ・Windows の「ユーザー・プロフィール」機能を有効にする 1.[スタート]メニュー→[設定]→「コントロールパネル」を開きます。 2.[ユーザー]をダブルクリックします。 3.ウィザードにしたがって、ユーザーおよびユーザー・プロフィールを作成します。 これにより、Windows にログオンするユーザー毎に異なるフォルダーに個人情報を保 存するようになりますので、複数のユーザーが Windows95/98 で Notes を使用する事が できるようになります。 ・Notes 起動時にクリーンアップが行われる クライアントに保存されているローミング・ファイルを削除するクリーンアップについ ては通常 Domino Directory 側で設定しますが、Windows95/98 マシンでは Domino Directory 側で管理者が[定期的にクリーンアップ]に設定していた場合でも定期的には 削除されず、ユーザーが Windows にログオンし、Notes を起動する際にクリーンアップ されます。 ○ C.Notes/Domino 6 の各種新機能との併用について ・ポリシー設定機能との併用 セットアップ・ポリシーとの併用は未サポートです。 ・シングル・パスワード・ログオンとの併用 シングル・パスワード・ログオンは、Windows のログオン時のパスワードと Notes ユー ザーID のパスワードの同期を取り、Windows ログオン後に Notes を起動するとパスワ ード入力画面をスキップして Notes が起動するという機能です(Windows NT/2000/XP で利用可能) 。ローミング機能利用時にクリーンアップ・オプションを[Notes 終了後に クリーンアップ]等に設定している場合、Notes データー・ディレクトリーが削除されま す。この時シングル・ログオンに必要なファイル(ユーザーID が添付された個人アドレ ス帳)も削除されてしまいますのでシングル・パスワード・ログオン機能は利用できま せん。 20 ○ D.ローミングに関連するエラーについて ・サーバー ローミング・ユーザーから通常ユーザーにダウングレードした際に、システム管理要求 データベースに、以下のシステム管理プロセスの要求エラーが発生する事があります。 アクション: 削除するレプリカ情報の取得 アクションの動作場所: <username>/<domain> アクションの要求者: <username>/<domain> 要求を受けるサーバー: <servername>/<domain> 開始時間: 08:14:30 AM 12/18/2002 終了時間: 08:14:30 AM 12/18/2002 処理するデータベース: None Errors: Title: File name: ROAMING¥<user roaming directory>¥journal.nsf; Error: The mail file specified for this person in the Domino Directory does not exist on this server. このエラーは、ローミング・ファイルに個人ジャーナル(journal.nsf)が存在しない 場合に発生します。もう一度実行しても、同じエラーで失敗します。この場合は、 [ビュ ーから削除]ボタンをクリックして、ビューからエラーを削除してください。通常、ブ ックマーク、個人アドレス帳、個人ジャーナルの 3 つのデータベースがローミング対象 となりますが、非ローミング・ユーザーからローミング・ユーザーにアップグレードし た場合に、個人ジャーナルがローミング対象ファイルに含まれない場合があります(例 えば、アップグレード時に、ユーザーがクライアントで個人ジャーナルを使用していな い場合ローミング対象に含まれません) 。 ・クライアント 通常の複製実行時に複製にエラーが起きた場合、ローミング・ファイルの複製が成功 していても下記のようなエラーメッセージが表示されてしまいます。必ずレプリケータ ー・ページで複製が失敗した項目を確認して下さい。 21 ○ E ユーザーID ファイルの取り扱いに関する注意点 1.パスワード変更 Notes ユーザーID ファイルのパスワードを変更した場合、パスワード変更後のユーザー ID ファイルはクライアント側にローミングされている個人アドレス帳に添付されます。 必ず複製を行って、サーバー側のローミング・ファイルにも変更を反映させてください。 2.ID ファイルのバックアップの保管が必須 ローミング機能利用時には Notes ユーザーID ファイルは個人アドレス帳に添付されま すが、必ずバックアップとしてフロッピー・ディスク等にも保存して置いて下さい。 ローミング・サーバーがダウンした際や、Notes のバージョン・アップ時等に必要になる ことがあります。また、Domino Administrator より ID の復旧を有効にしておくことを お勧めします。 3.ID 切り替え機能を使用する場合の注意 ローミング機能を利用しているユーザーの ID を、ID 切り替え機能を使用して別のユー ザーの ID に切り替えた場合、必ず元のローミング・ユーザーの ID に切り替えてから Notes を終了させてください。万が一、元のローミング・ユーザーの ID に切り替えずに Notes を終了した場合、ローミングされるべき情報がサーバーに反映されません。 4.名前の変更 Notes には、ユーザーが自分で名前を変更する機能が備わっています(メニューから[フ ァイル]→[セキュリティ]→[ユーザーセキュリティ]を開くと変更が可能です) 。こ の機能は、ローミング・ユーザーは利用できませんので、名前を変更する場合は管理者 が行って下さい。 管理者が Domino Administrator で名前の変更要求を行った後、ローミング・ユーザー は、ローミングしているコンピューター全てで名前の変更の承諾を行う必要があります (下のようなダイアログボックスが、利用する全てのクライアント・コンピューターで Notes を起動した際に表示されますので、必ず<はい>と返答してください) 。 22 また、通常名前の変更後にシステム管理プロセスがローミング・ファイルの ACL を変更 しますが、名前の変更を行った直後にユーザーが Notes のセットアップを開始した場合、 ローミング・ファイルへの ACL の変更が完了していない為にアクセスが拒否され、セッ トアップを正常に行えないことがあります。この場合、システム管理プロセスが ACL の 変更を行うのを待つか、管理者が直接 ACL を変更するかの対応が必要です。 ○ F.ローミングに関する複製の設定 ・ユーザーがローミングを行う際の複製を手動で<無効>にした場合でも、Notes をセッ トアップする際に自動的に有効になります。 ・ローミングから非ローミングにダウンロードされたユーザーについては、自動的に Notes 起動時と終了時の複製が無効になりません。ユーザーの個人アドレス帳のロケーシ ョン文書を開き、 [Notes 起動時の複製] [Notes 終了時の複製の確認]を手動で無効にす る必要があります。 ・Notes ユーザーID ファイル、ユーザー辞書が使用中の場合は複製されません。 Notes 終了時に必ず複製してください。 23 ○ G.ネットワーク帯域の消費 ローミング・ユーザー機能は、Notes 起動時及び終了時にサーバーに個人情報を複製する 為、ローミングを使用しない場合に比してネットワーク帯域を多く必要とします。 Notes/Domino 6 では新たに「ネットワーク圧縮」機能が利用できるようになりましたの で、ローミング・ユーザー機能利用時には併せて「ネットワーク圧縮」も利用するよう設 定することをお勧めします( 「ネットワーク圧縮」機能を利用すると、サーバー、クライア ント共に CPU 使用率が若干上がりますので注意して下さい) 。 ○ H.Windows と Macintosh の間でローミング機能を利用する場合の注意 ・ユーザー辞書は Windows→Mac 間・Mac→Windows 間ローミングできない ユーザー辞書は、異なる OS 上の Notes の間ではローミングできません。例えば Windows と Macintosh の両方を使用しているユーザーがいる場合、Windows の Notes で作成したユーザー辞書は別の Windows マシンにローミングされますが、Macintosh コンピューターにはローミングされません。 ・個人アドレス帳のロケーション文書のブラウザ設定 個人アドレス帳のロケーション文書の[ブラウザ]タブの設定を、利用する全てのプ ラットフォームでサポートされているブラウザに設定してください。 詳しい設定方法は Domino Administrator Help を参照して下さい。 ○ I.その他の注意事項 ・パススルー・サーバー経由でのローミング パススルー・サーバー経由で、非ローミング・ユーザーからローミング・ユーザーへ のアップグレードを行うことはできません。 ・ローミング・ユーザーのセットアップ時に Domino 6.0.1 サーバーで認証する Domino R4.x/R5.x/6.0.x の混在環境では、ユーザーのセットアップ時に必ず Domino 6.0.1 以降のサーバーで認証する必要があります。 24 ・クリーンアップ設定が反映されるのはセットアップ時のみ サーバー管理者が、ローミング・ユーザーのクリーンアップ設定を変更した場合、変 更がクライアントに反映されるのは、ユーザーが Notes のセットアップを行う時です。 従ってローミング・ユーザーがクライアント・コンピューターで Notes のセットアップ を行った後に、サーバー管理者がそのユーザーに対するローミングのクリーンアップ設 定を変更しても、Notes のセットアップを行わない限り変更は反映されません。 ・グリッド表示の禁止 ローミング機能を利用する場合、ホームページにグリッド表示のブックマークを使用 しないよう注意して下さい。通常の Welcome Page もしくはその他のデーターベースを 使用します。 ・クライアントのセットアップが正常に進行しない場合は パスワード変更の猶予期限が過ぎている場合、ローミング・ユーザーのクライアントのセ ットアップが正常に進みません。この場合、該当ユーザーのユーザー文書の[パスワード 確認]を<いいえ>に設定してから再度クライアントでセットアップを行ってください。 25 ・ 「データベースについて」文書が毎回表示される ユーザーが新しいマシンにローミングする度ごとにデータベースを開く際に「データベ ースについて」文書が表示されます。 この他細かい注意点が多数ありますので、詳細は Domino Administrator Help、Notes Help、Release Notes を一読されることをお勧めします。 26 日本アイ・ビー・エム株式会社 ソフトウェア事業部 ロータス技術部