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IBM Lotus Domino for Linux パフォーマンスと注意事項 2004 日本アイ・ビー・エム株式会社

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IBM Lotus Domino for Linux パフォーマンスと注意事項 2004 日本アイ・ビー・エム株式会社
®
IBM Software Group
IBM Lotus Domino for Linux
パフォーマンスと注意事項
2004年7月
日本アイ・ビー・エム株式会社
ソフトウェア事業
ロータス・テクニカル・セールス
IBM Software Group
特記事項(1/2)
ƒ 当資料は、日本アイ・ビー・エム株式会社で実施した検証結果に基づいて作成しており
ますが、パフォーマンスを含め一切の保証をするものではありません。
ƒ 当資料はIBM Lotus Domino を Linux 環境で使う際の参考資料となりますが、実施し
た検証はひとつのサンプルに過ぎず、他の環境においての動作を保障するものではありま
せん。
ƒ 当資料でご紹介している検証結果は全て xSeries 上で行ったものであり、zSeries での
動作検証は行っておりません。
ƒ 今後の新リリースでの更新情報等に基づき、当資料が予告なしに更新される可能性が
あります。
ƒ 本資料の記載内容は、正式な IBM のテストやレビューを受けておりません。内容につい
て、できる限り正確を期すよう努めてはおりますが、いかなる明示または暗黙の保証も責
任も負いかねます。本資料の情報は、使用先の責任において使用されるべきものであ
ることを、あらかじめご了承ください。
2
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IBM Software Group
特記事項(2/2)
ƒ 掲載情報は不定期に変更されることもあります。他のメディア等に無断で転載する
事はご遠慮ください。
ƒ 本資料の著作権は日本アイ・ビー・エムにあります。非営利目的の個人利用の場
合において、自由に使用してもかまいませんが、営利目的の使用は禁止させていた
だきます。
ƒ IBM、AIX、WebSphere、は IBM Corporation の商標。
Lotus、Lotus、Lotus Workplace Messaging、Lotus Enterprise Integrator、
Lotus Enterprise Script Builder、Lotus Domino Unified Communications
Service、Lotus Instant Messaging/Web Conferencing、Lotus Team Workplace、
Lotus Workplace Team Collaboration、Lotus Learning Management System、
Lotus Virtual Classrooom、Lotus LearningSpace、Lotus Workplace
Collaborative Learning、Lotus Domino Document Manager、Lotus Discovery
Server、Lotus Extended Search、Lotus Workplace Web Content Management、
Lotus Workflow、は IBM-Lotus の商標。
その他、記載された社名および製品名は、それぞれ各社の商標または登録商標で
す。
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目次
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
9.
4
サポートされるプラットフォームに関する最新情報 …………………… P.5
パフォーマンスに関する比較結果 …………………………………. P.6
スケーラビリティーに関する測定結果 ……………………………… P.8
シナリオおよび有効ユーザー数の判断基準 ………………………… P.9
Linux プラットフォームでの注意事項 …………………………………P.10
Linux プラットフォームでの制限事項 …………………………………P.14
現在認識されている問題点 …………………………………………P.15
カーネルパラメータ設定例 ……………………………………………P.16
関連情報 URL ………………………………………………………P.17
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1. サポートされるプラットフォームに関する最新情報
2004/07/26 現在、サポートされている Linux プラットフォームと IBM Lotus Domino バージョンの一覧は以下の通りで
す。
Lotus
Domino
6.0
6.0.1
6.0.2
6.0.3
6.0.4
6.5
6.5.1
6.5.2
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
SLES 8
○
○
○
○
○
○
○
○
TLES 8
○
○
○
○
○
○
Red Hat 7.2
Red Hat 7.3
○*1
○*1
○*1
○*1
○
○
○
○
○*1
○
RHEL AS 2.1
△*2
△*2
△*2
△*2
○*3
○*3
RHEL 3
Update1
○
SLES : SuSE Linux Enterprise Server
TLES : Turbolinux Enterprise Server
RHEL : Red Hat Enterprise Linux
○ :サポート △:制限付きサポート
*1 :SMP(Symmetric Multi Processor)環境では、カーネルバージョン 2.4.18 以上を使用するこ
とが前提となっています。
*2 :単一 プロセッサー環境のみサポートされています。
*3 :Update 2 を適用することが前提となっています。
ƒ
5
上記の表は、各プロダクト毎の動作環境および発表レターに基づいております。最新の情報については、下記URLをご参照下さ
い。( 2004/07/26 現在)
http://www-6.ibm.com/jp/domino07/lotus/home.nsf/Content/product
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2. パフォーマンスに関する比較結果(1/2)
同一スペックのマシン上で、以下の観点でパフォーマンス比較を行いました。
1. Windows と Linux でのプラットフォームの違いによる比較
2. Notes Mail と iNotes Web Access(Lotus Domino 6.5 以降の名称は Lotus Domino
Web Access)でのテンプレートおよびクライアントの違いによる比較
<測定環境>
マシンタイプ : x345
CPU : Xeon 2.40GHz 2way (HyperThreading により、仮想4CPUとして動作)
メモリー : 3GB
HDD : 73.4GB * 6本(RAID5) の内蔵ディスク
Lotus Domino サーバーバージョン : 6.0.1
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2. パフォーマンスに関する比較結果(2/2)
<測定結果>
No.
プラットフォーム
テスト
シナリオ(*1)
有効
ユーザー数(*1)
CPU
使用率
1.Windows と Linux での比較
1 RedHat Linux 7.2
Notes Mail
800
9.0%
2 Windows2000 Server SP3
Notes Mail
800
5.8%
2. Lotus Notes メールと iNotes Web Access での比較
3 RedHat Linux 7.2
Notes Mail
800
9.0%
4 RedHat Linux 7.2
iNotes
400
11.3%
*1:テストシナリオおよび有効ユーザー数の詳細については P.9 の「4. テストシナリオおよび有効ユーザー数の判
断基準」 をご参照下さい。
<考察>
エントリーモデルのマシンにおいては、Windows と Linux でパフォーマンスにほとんど差がないと
いう結果となっています。
また、iNotes Web Access では通常の Lotus Notes メールの約半分の有効ユーザー数で
同一のパフォーマンスが期待できる結果となっています。
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3. スケーラビリティーに関する測定結果
ハイエンドモデルのマシンを利用して、有効ユーザー数(*1)のスケーラビリティーに関する測定を行いました。
<測定環境>
マシンタイプ : x440
HDD : 146GB*14本(RAID5) の ストレージサーバー(FAStT900)
プラットフォーム : Turbolinux Enterprise Server 8 powered by UnitedLinux
+ United Linux Extension Pack for Lotus Domino
Lotus Domino サーバーバージョン : 6.0.1
<測定結果>
No. CPU
メモリー
5 Xeon MP 2GHz 4Way
4GB
Domino
パーティション数
1
6 Xeon MP 2GHz 8Way
8GB
2
テスト
シナリオ(*1)
Notes Mail
Notes Mail
有効
CPU
ユーザー数(*1) 使用率
2800(*2)
30%
4000(*2)
50%
<考察>
上記の通りベンチマークテストにおいては有効ユーザー数4000まで動作することを確認しています。
また、測定結果6については、Disk I/O がボトルネックとなっているという結果が出ており、Disk の本数を増やす
ことでパフォーマンスが向上すると推測されます。
*1: テストシナリオおよび有効ユーザー数の詳細については P.9 の「4. テストシナリオおよび有効ユーザー数の判断基
準」 をご参照下さい。
*2: 2004/09 現在、Lotus Domino 6.5.1 でテストを行っております。結果が分かり次第情報を更新いたしますので、今し
ばらくお待ち下さい。
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4. テストシナリオおよび有効ユーザー数の判断基準
ƒ
テストシナリオ
当資料では、以下の一連の操作を IBM Lotus Notes クライアントから標準メールテンプレート
(Mail6.ntf)に対して行った場合のシナリオを「Notes Mail」、Web ブラウザーから iNotes Web
Access テンプレート(iNotes6.ntf)に対して行った場合のシナリオを「iNotes」としています。
1. ログイン
2. 以下の操作を15分に一回行う
•
5つのメールを開け、1つのメールを削除
3. 以下の操作を90分に一回行う
•
•
•
•
ƒ
1メッセージを作成し、3人に送信 (メッセージの平均サイズ : 100KB)
スケジュールを1件作成
3人の会議招集を作成
会議招集に返答
有効ユーザー数の判断基準
ベンチマークツールで上記テストシナリオに基づいて負荷テストを行った際、1トランザクションあたり
の処理が 200ms 以内に終了する程度のパフォーマンスを得られたユーザー数を、有効ユーザー
数としています。(ユーザーの体感レスポンスは2秒程度と推測されます)
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5. Linux プラットフォームでの注意事項 (1/3)
1. 1プロセスあたりのスレッド数の上限が1024
Linux カーネルのデフォルトの上限値が1024 となっているために、1プロセスあたりのス
レッド数が制限されてしまいます。
回避方法:
SLES8/TLES8 の場合はExtension Pack for Lotus Domino を使用、Red Hat
Enterprise Linux 2.1の場合は、Update2以降を使用していただくことで回避可
能です。
2. ネットワークキューのデフォルトサイズが不十分
Linux 上でカーネルパラメータ tcp_max_syn_backlog を介して設定されたネットワークキューのデ
フォルトサイズに問題があります。デフォルト値は 5 ですが、特定の条件下ではこの大きさは十分
ではありません。他の UNIX システムでのデフォルトは 20 になっており、こちらの設定の方が適して
います。
回避方法:
/proc/sys/ipv4/tcp_max_syn_backlog (ipv6 では /proc/sys/ipv6/tcp_max_syn_backlog) に保存さ
れている値を 20 以上に変更します。この値は実行カーネル内のパラメータなので、システムをブートするた
びにこの変更を行なわなければなりません。簡単な実行方法としては、起動スクリプト (rc.local など) 内
にエントリを作成する方法ができます。
※ 現行最新の Linux パッケージでは tcp_max_syn_backlog の値は20より大きな値(1024など)に設定されて
いるため、この部分の変更は必要ありません。
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5. Linux プラットフォームでの注意事項 (2/3)
3. サポートされる日本語ロケール
Linux 版 Domino Server では以下の日本語ロケールがサポートされます。下記以外のロケー
ルでは仕様どおりの動作を保証しません。
ja_JP.ujis、ja、ja_JP、ja_JP.eucJP
ロケールの設定方法:
ログインシェルが sh、bash のとき
export LANG=ロケール名
ログインシェルが csh、tcsh のとき
export LANG ロケール名
4. NIS と Domino を共に使用するとクラッシュ
Linux 上で動作する NIS (Network Information System)がスレッドセーフでないことが原因で、
NIS を Lotus Domino サーバーと共に使用するとクラッシュが起こり、データベースが破壊される
可能性があります。
回避方法:
Lotus Domino サーバーの notes.ini ファイルに以下の変数を設定します。
NOTES_USESNIS=1
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5. Linux プラットフォームでの注意事項 (3/3)
5. 大規模構成時にメモリー・エラーが発生する
メモリーの使用率が非常に高いサーバーで以下の様なエラーが発生し、サーバーがクラッシュする
現象が報告されています。
エラーメッセージ:
PANIC: Cannot attach to shared memory region, due to insufficient access (probably
owned by another user or group)
回避方法:
以下の Notes.ini パラメータのどちらかを設定して共有メモリのサイズを制限することにより、
現象を回避することが可能です。
•
ConstrainedSHM=1
このパラメータを設定すると、Linux 環境では Lotus Domino サーバーが使用する共
有メモリサイズを 3GB までに制限します。
• ConstrainedSHMSizeMB=<MB 単位で設定>
このパラメータを設定すると、Lotus Domino サーバーが使用する共有メモリサイズを
設定した値(MB) までに制限します。
※ 基本的に、システムの RAM (PercentAvailSysResources/100)、Notes.ini
ConstrainedSHMSizeMB、ConstrainedSHM の低い方の値をとります。
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5. Linux プラットフォームでの注意事項 (補足)
„
ConstrainedSHMSizeMB 設定例
IBM 社内で行ったベンチマーク測定を行った際にも、同様の現象が発生しました。その際に設
定したパラメータ値による結果は以下の通りです。
【測定環境】
No
実メモリ
4GB
システム全体の共有メモリの大きさ
8GB
1プロセス毎の共有メモリの大きさ
2GB
有効ユーザー数
2800
設定値(MB)
結果
500
1500ユーザーを超えたところでメモリ不足というエラーが発生し、
様々なタスクに影響を与える。
エラーメッセージ : Insufficient memory.
2
1000
エラーは発生しなかった。
3
1500
設定しなかった場合と同様、Panic エラーでクラッシュした。
1
※ 上記値は参考値であり、動作を保障するものではありません。
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6. Linux プラットフォームでの制限事項
ƒ ネットワークプロトコルの制限
Windows ではサポートされているプロトコルのうち、AIX、Solaris等 UNIX 版ではサ
ポートされていないネットワークプロトコルについては、Linux プラットフォームでも同様に
サポートされていません。
サポートしているプロトコル
• TCP/IP
• X.PC
サポートしていないプロトコル
• NetBEUI/NetBIOS
• NetBIOS over IP
• NetBIOS over IPX
• SPX
• SPX II
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7. 現在認識されている問題点
ƒ NSD機能が正しく動作しない
p-thread パッケージと GDB の問題のため、Linux 上で NSD 機能が正しく作動
しません。GDB プロセスがマルチスレッドプログラムにアタッチし、スレッドでのマッピン
グ時にエラーが発生する場合があります。このようなエラーが発生すると、GDB プ
ロセスでは Domino 6 コマンドスクリプトの処理が中止され、それによって GDB が
プログラムにアタッチされたままになり、NSD が停止します。
暫定的な回避策:
この問題に対しては根本的な回避策はありませんが、GDB がプロセスに 5 分間以
上アタッチされていることに気づいたら、GDB プロセスに kill コマンドを送信することが
できます ("kill -9 GDBPIDHERE")。 これによって GDB は die によって強制終了さ
れ、NSD は次の実行可能な Domino を続行します。この問題については、将来のリ
リースで修正を行う予定です。
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8.カーネルパラメータ設定例
P.8 の 4000有効ユーザーで動作検証を行った際に使用したカーネルパラメータの値は以下の通
りです。 SuSE Extention Pack を導入すると設定される値でもあります。
設定例
設定方法(箇所)
共有メモリ
1プロセス毎の大きさ(byte)
2116976640
/proc/sys/kernel/shmmax
8192
/proc/sys/kernel/shmmni
1プロセス毎のセグメント(領域)数の上限
セマフォ
セマフォID毎のセマフォの数
システム全体のセマフォの数
250
/proc/sys/kernel/sem
18432
一度に実施できるセマフォ操作の数
32
セマフォIDの最大値
1024
その他
システム全体のファイルディスクリプタ数の上限
49152
/proc/sys/fs/file-max
1プロセス毎のファイルディスクリプタ数の上限
49152
ulimit -n
512
ulimit -s
8192
ulimit -u
1プロセス毎のスタックの大きさ(KB)
システム全体で起動できるプロセス数の上限
ファイル読み込み時のアクセス記録を抑制
noatime
/etc/fstab
※ 上記値は参考値であり、動作を保障するものではありません。
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9. 関連情報 URL
ƒ Lotus Domino for Linux (Redbook)
http://publib-b.boulder.ibm.com/Redbooks.nsf/RedbookAbstracts/sg246835.html?Open
ƒ United Linux
http://www.unitedlinux.com/jp/
ƒ NotesBench コンソーシアム
http://www.notesbench.org/
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