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種子島,熊毛層群(四万十累層群)の放散虫化石群集 ,
409 種子島,熊毛層群(四万十累層群)の放散虫化石群集 岡田博 有 *・阿部邦彦事*・鈴木清史叫*・中世古幸次郎叫叫 Radiolarian Fossil Assemblages of the Kumage Group (Shimanto Belt) in Tanegashima , Southwest Japan Hakuyu OKADA ,* Kunihiko OKABE~ 事 Kiyofumi SUZUKI 事 **and Kojiro NAKASEKO**** Abstract The Kumage Group i n Tanegashima consists o f three tectonostratigraphic u n i t s : flysch , olistostrome and cross-bedded sandstone sequences deposited i n perched basins on t h e inner trench slope , trench and shallowed fore-arc basins , respectively The flysch sequence i s accompanied subordinately by variegated shale which yields abundant remains o f radiolarians. The radiolarian assemblages are assigned t o the Thy γ socyrtis t γ lacaη tha Zone and the T .bromi αZone , indicating the middle t o l a t e Eocene a g e . Red shale matrix o f the olistostrome sequence also contains radiolarians o ft h e middle t ol a t e Eocene. 1. 総括する。 まえがき 木稿をまとめるに当たり, 九州四万十帯の JI} も外側に位 置 する種子 島 の熊毛 重 な 討論 をいただいた 岡 田・鈴木 ・ 岡部は 貴 Dr.J .H.McD.WHITAKER 層 群は四万十帯の形成史を明らかにするうえで 重ー 要 (University o f Leicester) , であり,近年 層序学 的・堆 積 学的研究が活発に 行 わ お世 話 になった 児島 正 慾 (鹿児 島 県教育センタ れている(岡田. WHITAlくER , 1974; 岡田, OKADA and WHITAKER, 1979; 鈴木ほか, 井, 1 9 7 7 ; 1979; 坂 1 9 8 0 ; HAYASAKAel al. , 1 9 8 0 ; TAIRA el al. , 1 9 8 1)。本層群の時代については,大型体化石の産 出が極めで稀なため主に岩相のうえから JL;I'I'I 本との 日南尉群に対比され古 第 三 系と推定されていた(術 本, 1956 , 1962) 。 しかし,最近熊毛層群の下部か ら始新世を示す放散虫化石群(鈴木ほか, 1979) が‘ 荒川忠彦氏,現地で ) ・久保清 文 ( 国 上小 学 校)・中村菊員 IJ ( 図上 中 学 校) ・ 出 来 康雄(硲城中三;:校)・旭慶男(窒南小学校) 各先生に 厚 くお礼申しあげる Q 本研究には文部省科 学 研究費(総研 A N o. 434041 ) の 一 部を使 用 した 。当 局 に 厚 くお礼申しあげる。 2. 地質保説 種 子島 の熊毛層群は(1)フリッシュ相, 中部から漸新世 f愛知J- 中新世初期の芦屋層 群(北九 乱雑堆 積相, 州)海 生貝 化石群に比較される貝化石が発見される る 三 つの tectonostratigraphic units に分けること など (HAYASAKA el α1. , ができる。これらは 島 の長軸方 向 にほぼ平行に東か 1980) ,次第に時代に関す る資料は増加している。 本報 告 では熊毛層群の放散虫化石産出地点を新に 追加するとともに種子岳における放散虫化石資料を 事静岡大 学 理 学 部 I n s t i t u t eo fGeosciences , S h i z u o k aU n i v e r s i t y H サンコーコンサルタント SankoConsu1 t a n tC o r p o r at io n ...千葉 工業 高等学 佼 C h i b aT e c h n i c a lH i g h School . "''''.'''大阪大学教貨白lí I n s t i t u t eo fG e o l o g i c a lS c i e n c e s .C o l l e g eo fG e n e r a l Education , Osaka l l n i v e r s i t y . Toyonaka 560目 JAPA ì\:. ら丙へ(1) (3) (2) 厚 層斜交成 層 砂岩相ても代表きれ (2) (3) の )1頃序に配列している。ま た各精造単位は互いにスラストで接している フリ y シュ相は単 層 の 1字 さ1O -50cm のターピダイ 卜が泥岩と正常 互層 をなし,時々赤色,緑色,灰色 の雑色 頁岩 を挟む ハ この雑色 頁 岩は 一 般に放散虫を 多産する。化石が確認された地点のうち時代判定に 有効な放散虫化石群集が得られた地点を第 1 に示す。 -4 同 4 1 0 岡田惇有・岡部邦彦・鈴木清史・中世古幸次郎 l i 必 • 4 U 0 3 < み辛みたね 第 2 図 しまま 南種子町島問付近の含放散虫赤色頁岩試料採取 地点.第 1 図参照. / 唱で: し .-/ F 1 ¥. ュ 午J ア , 第 1 図 ~:西之表. H: 浜 i掌 m. J山旬、、ふ S: 品問 ι i るのが特徴で.いわゆるオリストスローム相を呈す る。この-{}J)には基質が雑色頁岩からなるものがあ 、、〆 ι . . ,.ノ ぺ .,:.J 九fACH刷…一 M一! 」つ/ γ 乱雑堆積平日は鱗状の勢断構造をもっ粘土岩の中に 大小の砕屑粒子や岩屑ブロックが舌L 雑に混在してい ι ヒ行三が 熊毛層群の分布と踏査地域位置図。 Lム乙 第 3 図 告かたね 踊量麗量温E主 コ ζ/ はまつばき 中種子町浜津脇付近の踏査位置図. 第 1 図参照. A . B.C はそれぞれ第 4 図の A , B , り,これからも放散虫化石が得られた(第 48 図)。 C に対応. 厚層斜交成層砂岩相は淘汰のよい厚層(数 m 以上) 中粒砂岩からなり,大規模斜層理や砂漣で持徴づけ トロームとして堆秘したものが海溝付加体をなし られる。高 IJ ~欠自';;にタービダイ卜を{半うことカずある。 てフリッシュ堆積物の基盤を精成していたと考えら 砂岩層の聞に扶在する泥岩には菱鉄鉱質団塊が多く, れる。斜交成層砂岩相はかなり浅化した前弧海盆 甲殻類 Thalassinoides sp ーの生痕が豊富である。 HAYASAKA e t α1. (1 980) が貝化石を発見したのは ごの岩相からである。 ごれらの岩相の堆積環境として.雑色頁岩を伴っ たフリッシュ相 l ま内側海溝斜面上の小海段の堆積物 であり.乱雑堆積物はもともと海溝底にオリストス ( fore-arc basin) の堆積と考えられる。 3. 数散虫化石群 各産出地点、 の放散虫化石群集 l ま第 1 表のとおりで ある。 フリ y シュキ自の雑色頁岩からは Thyrsocyγ lis 411 種子島,熊毛層群(四万十累層群)の放散虫化石群集 ( B J ( C J 100 fT、 (Aj m 100 31209 同 区 表1 Massive 山ds(one 匡2 霊~ Thin叫 Iy 山 a i仇t回旧.,同,同 naat刷 e吋d 53吋 s引t。叩 n同e 加 8 nd 吋 山 5 ha剖l イ戸、 \ ////一一 匡言 BI同凶 a配c由 叫k 由 5 h山 1 . _ ..-'H V a r i e g a tp.ds h a ! e , 医罰 Chaotic de岡山川 h m a t r i ) (01 bl叫 sh山 稔ヶJY.5 一 第 4 図 浜海脇 (A ), 吉田 蔭週 Chaotic d e p o s i t swit山…f \larÎ叩拍d sh山 (B) ,立山 (C) 付近の地質ルートマップと含放散虫赤色頁岩試料採取位読. 第 1 表 種子品熊毛層群産出放散虫化石群 Flysch Faci e s 92-5 Taxa Theoc α冊pe mongolfieri T. αγ madillo Thyrsocyrtis bro 間 za T .tri α cantha Podoc 割 rtis ( Lampterium) Cycl αdopho γ a sinuos α tu γ rlS Bekoma Sp.( ?) Lychnocanium S p . . Nassellaria gen. et s p .indet Spumellaria gen. et S p . indet目 Dictyoprora αγ 四αdillo D. mongolfieri Theocotyle f i c u s Actinommid gen. et s p . indet . Spongodiscid gen. et s p . indet Age 96-2 831-5 9 0 1 Chaotic Facies 31105 31209 504 、- •••• •••••••• • • • ••• • •••••• • • • • •• • • Mid.Eoc. Mid.Eoc. Mid.Eoc. Late Eoc. Mid.-Lat e Eoc. 412 岡田 1専有・岡部邦彦・鈴木清史・中世古幸次郎 tnα anth αZone と T.b γ oml αZone を特徴づける放 散虫化石群が識別される つ 各化石群を含む層準はス ラストで繰り返しでいるように思われる 。 乱雑堆積相からは Theocolyle (icus を多産するこ とカ苛tEE忍された υ 4 時代 Plate 1 ts p . indet 1 , Actinommid , gen. e X190 (Loc.31105) 2 , Spongodis.c id , gen. e ls p . indet . X190 (Loc.831-5) 3. Theocampe mongol{ieri (EHRENBERC) X 340 (Loc.31105) 4. Lychnocanium sp X190 放散虫化石群集が示 す時代;主 lnac αnlha Zone が始新世中期を , が始新世後期を指示する。また , Thyrsocyrlis 5. X340 T.bromia Zone Theocolyle (icus は始新世中~後期を示す。従って,フリ y シュ堆積 6. 7. 斜交成層砂宕層については,合有只化石群が漸新 世後其)j~中新世初期の北九州芦屋層群貝化石群に対 比されているが(H AYASAKA e l al. , 1980) , 造構的 配置からみると上述のフリッシュ堆税物と同日4・異相 の可能性もある。 文献 橋本 勇, 1956 : 屋久島の時代未詳 M 群の脳序とその地 質権造および種 子 島西部の熊毛肝群に関する 1 , 事実. 橋本 総括 ;!L 大教養地学研事長, 勢, 1962: 2 の (2) , 23-34. 九州南部における時代未詳M 群研究の 九大教養地学研事[i, (9) , 13-69. HAYASAKA , S . . FUKUDA. Y. and HAY~\1 A , A. , 1980: Discovery of molluscan fossils and paleoenviron mental aspects of t h e Kumag 岳 Group , i n Tan 岳ga-shima , South Kyüsh 白. Japan. P ro[. Sα bu γO Kanno Mem. Vol. , 59-7 0 . 岡田博有. 1977: 九州四万十紫、層群砂岩の予察的研究 とくに岩 石 帯 (Pe t rographi c Zone) の提唱ー. 大理石汗報(地質). 九 12(3) , 203-214. 問団↑専有. WHITAKER. J .H . McD. , 1974: 栂子 μ の[国 万十層群.地質 学 会第 81 年大会講演要旨集. 201. OKADA. H. and WHITAlくER , J .H .¥ l ' ! c D . . 1979: Sand volcanoes of t h e Palaeogene Kumage Group. Tanegashima. Southwest Japan. Jour. Geol 5 ( 4 ) . 187-196. Soc. Japan. 8 坂井 卓. 1980: 種 子 ・屋久島の四 7] 十帯緑色岩類の虚 状と起源.琉球列島の地質 学 研究, 鈴木清史・中世古幸次郎・陥l 田博有, 古民毛層群の 1苗 rf , 会講演聖書旨集, mi圭および時代 5 , 27-37. 1979: 種子島市部, 地質学会第 86 年大 134 TAIRA , A . . OKADA , H 目, WHITAlくER J .H.McD. and SMJTH , A .J. , 1981: The Shimanto Belt of Japan: Cretaceous-Lower Miocene act vemarg匤 eol. Soc. London Spec. Publ. , sedimentation. G ) n press . /riocanlha (EHRE:¥BERC) (EHRENBERC) (Loc.831-5) Podocy γ tis X340 (EHRENBERC) (Loc.831-5) Cycladopho γα hispida X 340 8. 世中~後期にわたることカ市在認された ζ αγmα dillo (Loc.31105) Thyrsocy γ /Ìs X 340 物と乱雑堆積物とは時代差は小さく.いずれも始新 (Loc.31209) Theoco間pe diames αRIEDEL (Loc.831-5) & S 九.'\FI Ll PPO 種子島.熊毛層群(四万十累層群)の放散虫化石群集 Plate 1 413