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Document 1687831
大阪償化石研究会飽,特別号.第9-1量.
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1993.12月
加国 mb町 1993
岡山県建山市北西部におけるジュラ紀地帯中の変成岩と非変成農との
地質問係及び付加コンプレックスとしての形成年代
山岡祐二・
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これらは,若桜地域の飛騨外線帯や江尾構造幣(石賀ほか,
はじめに
199 1)と最も近い位置にある.‘三郡変成岩'は結晶片岩の
放射年代によって 3 つのグループに分けられている(柴田・
中園地方に l :t.低温高圧裂の‘三郡変成岩かが広〈分布
している.また.この地織には,弱~非変成の丹波帯の地
西村. 1989). 浄山市北西宮事地域には約 180Maの変成年代
赫す智頭帯が分布する.山岡 (1992)'増加蝉町南郵
膚群に対比されるジュラ紀コンプレックスが散在すること
が知られている(例えば,早坂. 1987; 杉本ほか,
福富.
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から鏡野町にかけての地域で.これらの地質体を岩相と織
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成岩中の砂S普及ぴ砂質片岩の鉱物組成に基づいて 3 ユニッ
岡山県津山市北西部には .A 地帯群(Ichikawa , 1990) 中
トに区分した.また,これらのユニットのうちジュラ紀コ
にフェンスターとして‘三都変成岩'と弱~非変成のジュ
ンプレックスからベルム紀中世後期~ジュラ紀古世のコノ
ラ紀コンプレックスが分布している{原ほか. 1980).また,
ドント及び放散虫化石を報告している.
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島領大学理学部地質学教室. De
Sc i回目. Shima皿 Umve問 ty.
本盤泉工業株式会社.
6・ 1.
今回はジュラ紀コンプレ v クスのチャートや黒色泥岩,
そして*三郡変成倉'中の珪質岩から新たに化石が得られ
たので報告するとともに,今までの資料とこれらを合わせ
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2
山岡祐二
て各岩相の年代,そしでそれぞれのユニ・y トの形成年代の
して黒色場状i尼岩からはジュラ紀古f止の放散虫化石を産出
検討を行なう.また,前回の調査地域(山岡. 1992) のさら
する.徴化石の年代から丹波帯 II 型地層群(石賀, 1983) に,
に南西郁を調査した結果.丹波層群相当層と‘三郡変成岩か
そして砂岩の特徴から|司層群の TIIc サブユニソ卜(楠・
の地質関係について新知見が得られたので報告する.
武蔵野. 1990) に類似する.
魯かだ巴
(3) 中谷ユエッ~尼賓片岩を主体とし.その中に砂質片
地震概要
岩,珪質片岩,塩基性片岩をレンズ状ないしシート状岩体
岡山県望書山市北西部の奥津町から鏡野町にかけて分布す
として含む地質体である.また.全体的に顕著な片漫画の
る先白亜系は,山岡(1 992) によって以下の 3 つのユニット
発途てキ折敷つ'けられる.本ユニットは柴田・西村(1 989) に
に分けられた.
よると。三郡変成岩。の中で最も若い変成年代を示すジュ
(1)議砂岩ユニット 細粒で緑灰色の塊状砂岩を主体とす
ラ紀変成岩とされている.また,早坂(1 987) によると丹波
る地質体である.また,レンズ状の小岩体として次に述べ
苦手 II 型地層群が変成を受けたものとしている.山岡(1 992)
る鏡野コンプレックスユニット中に断層で挟み込まれてい
は岩相や砂質片岩の特徴から源、岩は丹波帯 II 型地層群(石
る.岩相の特徴や砂岩の特徴からベルム系の超丹波帯大飯
賀,
層(Ishiga , 1990) に相当すると考えられる.これはまた,丹
た.
波帯南西却の‘非丹波層群· b 層としているもの(楠・武
蔵野. 199 1)に類似する.
1983) の TIIb サブユニソト(楠・武蔵野.
1990) とし
山岡(1992) によると各ユニットの構造関係は,構造的下
位より中谷ユニゾト,鏡野コンプレックス.そして成砂岩
かがa・@
(2) 鏡野コンプレックスユエット(以下鏡野コンプレックス
ユニットと累重している.また,構造的に繰り返しており.
と省略する) ì尼質岩基質中にさまざまな大きさ及ぴ形態の
アンチフォーム都に中谷ユニソトが,そしてシンフォーム
砂岩,チャート,黒色塊状i尼岩,緑色岩,石灰岩,そして
部には成砂岩ユニット,鏡野コンプレックスがそれぞれ分
慈賞泥倉の異地位岩体を含む地質体である.チャートから
布する.これらのユニソ卜は全般的には走向が東西方向で
はベルム紀中世後期~トリアス紀新世のコノドント.そし
北傾斜の中~高角度断層で接する.今回調査した南西部地
てトリアス紀中世~新世の放散虫化石,珪質泥岩からは卜
減の鏡野コンプレックスと中谷ょニット!ま走向が西北西一
リアス紀新世からジュラ紀古世と息われる放散虫化石,そ
東南東方向の南傾斜の中角度断層によって按しているのが
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.1 図.西南日本の地帯構造区分を示す概略及ぴ位置図 100万分の1.
日本地質図{地質調査所. 1982) を基に作成.
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第 2 図.岡山県滞山市北西部地域の地質図(山岡. 1992 を修正し,高西部地域を加筆した>.
2. 奥津花闘閃緑岩
3. 石英斑岩
10. 成砂岩ユニヴト
4. 流紋岩類
5-7. 鏡野コンプレックス (5. 泥質混在岩
11. 断層及び推定断層
12,美怖上断層
6. 砂岩
7. チャート)
13. アンチフォーム及ぴシンフォーム
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1.第四紀~第三紀層
8. 中谷ユニット 9
. $;羽層群相当層
14. 走向・傾斜 15,化石産出地点
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山岡祐二
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確起できた.
白亜紀から古第三紀にかけての中
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~酸性火成岩類に貫入きれ,さらに新第三系の勝回層群に
C-26(灰色塊状チャート )G.
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これら先白亜系 I~.
衡上している(河合.
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)(第 2 図,第 3 図) .
Epigondolella 属はトリアス紀新世カーニアン後期からノー
リアンにかけて産出する.
慮出化石と年代
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iandMatsuda(1982) は
美i良一丹波籍地域の層状チャートからこれらを報告してい
関査地域からの化石の選出は,これまで鋭野コンプレッ
クスから Toyohara (1977) や山間(1992) による報告がある.
Toyohara(1977) は調査地城東部の鏡野町謡畠に露出する
る.
C-30及ぴ C-26の白ndolella sp. は形態から判断し
て年代はトリアス紀のものと考えられる.
メランジ中のチャートからトリアス紀中世ラディニアン前
(2)放散血
期と考えられるコノドントを報告しているが,詳細な地点
ンプレックスの 7 地点のチャート,そして黒色境状泥岩か
は不明である.山岡(1 992) によるとベルム紀中世後期及ぴ
らペルム紀.トリアス紀及びジュラ紀の放散虫化石を得た.
トリアス紀中世から新世のチャート,トリアス紀新世から
ジュラ紀古世の珪質i尼岩やジュラ紀古世の黒色塊状泥岩が
明らかにされている.本論において.新たに鏡野コンプレ
中谷ユニットの 2 地点の珪質岩そして鏡野コ
C-29(灰色珪質岩) Follicuω11:ω
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Ishiga ,
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これらは美温帯及び丹波帯からの報告{例え 11 ,
Ishiga ,
ックス及ぴ中谷ユニットの 14地点から年代決定に有効な化
1986) がある
F. jtゆonì,ωs はペルム紀中世後期から新
石が得られた{第 2 図) .
世にかけて産する . Pseudoalbaillella 嵐は石炭紀新世から
(1)コノドント
鏡野コンプレックスの 5 地点の層状チャ
ベルム紀中世後期までの長い期間にわたって産出寸る.こ
ートや塊状チャートから次のようなトリアス紀古世及ぴト
の岩石の年代はこれら両種の生存期間の重なる部分に根当
リアス紀新世のコノドントを得た.
するので,ペルム紀中世後期であろう.この珪質岩は全般
C-27(灰色塊状チャート) Neost叫hodus 加meri
Bender
これはインドのカシミール (Matsuda , 1983) や本邦にお
いては(小池. 1979) の報告などがある.年代 Iまトリアス紀
古世スパシアンを示す (Sweet
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tal.吋
1971) .
C-24(灰色塊状チャート}
白棺dolella
的には著しく再結晶しているが,化石が産出する部分は層
状構造が残っており時灰色を呈する.
C-20, 2
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ト)T:泊ssocampe
(
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Triassocamρe 属は英漉帯犬山地織 (Yao. 1982) で記蹴
きれている.年代はトリアス紀中世ラデイニアン後期から
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G.þo抑制 thiformis は美浪待や丹波帯から報告されている
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iandMatsuda , 1
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. トリアス紀新世カーニア
新世ノーリアン中期を示す.
M -4(黒色塊状 j尼岩), C-3 1(淡赤褐色珪質岩)
Ca担oþtum (
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Canoptum 属 li 犬山地域 (Yao.1982) から報告されてお
り,
ンに産する.
C-30( 白灰色塊状チャート)砂信仰 dolella sp. ,
トリアス紀新世からジュラ紀古世にかけて産出する.
C-31地点の竣質岩は露頭では褐色の竣質宕に漸移するの
"
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-
2km
第 2 図.地質断面図(山間, 1992 を修正加筆した).
1
5
5
岡山県津山市北西部におけるジュラ紀地帯
が観察される.
岩に不量産合に橿われる.また,鏡野町中谷地区西方では両
鎌野町餓屋地区の害事々美川沿いの中谷ユニソトには,
地質体を境する断層に沿って臼亜紀の石英斑岩舟噴入して
C-31 地点の珪質岩と岩相が類似した淡赤色珪質岩が,東
いる(通商産業省, 1980).以上のことから岡地質体は臼亙
西方向に待状に分布している.このま圭質岩の比較的変成を
紀以前には形成され,断層で按していたと考えられる.
受けていない部分の岩石を採集してフッ化水素酸で表面を
•
考
処理した後,実体顕微鏡で観察したところ海綿の骨針,球
A
. .野コンプレックス漫ぴ中谷ユニットの岩舗と化石年代
形放散乱そして Canoptu閉嵐と息われる Na鴎l1aria が
見られた.
鏡野コンプレックスはさまざまな年代の岩石が複雑に混
M-5 地点(黒色塊状泥岩) P
arahsuum simplum Y
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在化した地質体で,見かけの濁,.と産出化石から推定され
P
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る年代との相関はない.しかし,産出化石の年代と岩組を
検討したところ.以下の関係が認められた.ぞれは.チャ
これらは Parahsuum simplum 群集 (Yao, 1982) に含ま
れ,年代はジュラ紀古世前期から中期を示す.また,これ
ートはベルム紀中世後期からトリアス紀新世と古< ,長い
らの放散虫化石も犬山地域から報告されている.
年代範闘をもっ.珪質泥岩はトリアス紀新世からジュラ紀
(3)形成年代鏡野コンプレックスの形成年代は.メラン
古世.そして黒色泥岩はジュラ紀古世と新しし短い年代
ジ中の基質の部分から化石が得られなかったので正磁な年
幅を示す.調査地域では 2 箇所の露顕で層状チャートから
代はわからない.しかし,クラストの中で最も王子い年代を
上位の経質泥岩へと漸移するのが観察される.また,珪質
示す岩石の堆積以降とすれば,ジニL ラ紀古i!!:前期もしくは
i尼岩は黒色i尼岩と化石年代が近接していることから初生的
中期以降である.
には漸移関係にあったといえる.従って,地層の構造的被
中谷ユニットからは 2 箇所の珪質岩からベルム紀中世後
壌が生ずる前には下位からチャート,珪質i尼岩,黒色泥岩
期,及ぴトリアス紀新世ージュラ紀古t止を示す放散虫化石
と累蓑する層序関係が存在していたと考えられる{第 4 図に
が得られたのみであり形成年代は不明である.少なくとも
この初生的層序はプレートの収束犠において付加体として
ジ ι ラ紀古i!!:から中世以降には構成岩が複雑に混在化き
混在岩を形成する侍に複雑に破域されたのであろう.この
れ,そして引き続き変成作用を受けたと推定される.
ような層序は,丹波格のジュラ紀コンプレックス(石賀.
鏡野コンプレックス及ぴ中谷ユユットは奥津町成地区の
1
9
8
3
),また,鏡野コンプレックスに対比される島根県西
南方地域で白亜紀の流紋岩に貫入され,さらに,その火砕
部の鹿足コンブレソクス(福富. 1990) などから報告されて
第 1 表.産出した放散虫化石及ぴコノドントのリスト{山間. 1992 を修正加量産した>.
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山岡祐二
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石が得られた. C-29地点からはベルム紀中世後期の年代
の放散虫化石. C-31地点からはトリアス紀新世からジュ
ラ紀古世と考えられる放散虫化石が得られた.後者の珪質
岩は源岩が法質泥岩と考えられる褐色の喧質岩に漸移す
る.鏡野町篠島地区付近の鏡野コンプレックスとの境界付
近にも淡赤色珪質岩が東西方向に待状に分布している.こ
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の謹賀宕の下位には一部分で赤色の泥質岩を挟んで塩基性
はトリアス紀新世からジュラ紀古世と考えられる.また,
下位に位置する塩基性片岩の年代はこの珪賓岩より古< .
トリアス紀新世以前と推定される.中谷ユニットの源岩は
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化石の年代及ぴ岩相からジュラ紀コンプレックスであるの
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の応対し,中谷ユニットではトリアス紀新世からジュラ紀
古世にかけて下位より緑色岩,チャートそして珪質泥岩と
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ていたと考えられる.しかし,鏡野コンプレックスの珪質
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で,鏡野コンプレックスと類似した初生約な層序が存在し
泥岩の下位のチャートは灰色でその下に緑色岩を伴わない
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Nassellaria を産出した.このことからこの珪質岩の年代
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片岩が分布する.この珪質岩は Canop,加m 属と,恩われる
累賞する層序が存在していたと考えられる(第 4 図).
鏡野コンプレックスの陸糠併用岩からジュラ紀古世以降
の化石が得られないことから,この地質体はジュラ紀古世
の付加コンプレックスといえる.この地質体は丹波幣 11 型
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1983) の TIIc サブユユソト(楠・武蔵野.
図…附置 bltd駒附霊童 mt:x
1990) ,島根県西部の鹿足コンプレックスの K4ユニソト(福
.4 図.鏡野コンプレ y クス及ぴ中谷ユェ・y トの復元した
富, 1990) などに対応される.
層序と地質年代.
地層群{石賀.
中谷ユニットの砕屑岩起源の岩石からは化石が得られな
いため形成年代は不明であるが,珪質岩の年代と岩棺から
クスが衝上しているとした.今回新たに調査地南西地域の
ジュラ紀古世から中世には付加コンプレックスとして形成
鏡野町中谷地区の南西部にも鏡野コンプレックスと同様の
され,そして変成作用を受けたと考えられる.
岩相をもっ地質体が分布することが明らかになった.岩相
B. 鏡野コンプレッタスと中谷ユニットとの地質関係
及び産出化石から判断すると,この地質体は鏡野コンプレ
これまで高圧変成岩と非変成岩との関係はスラストで接
ックスと閑じものである.また,両ユニ、y トを境する断層
するという考えが主であった(例えば,西村ほか, 1
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が認められた.この断層は未闘結の破砕絡を幅 1 mt~ ど伴
武闘・西村.
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しかし.最近では高圧変成岩の産状
い,その中に幅 10cm ほどの断層粘土を挟んでいる.また,
は構造的上位は正断層で下位は逆断層で境され,上健及ぴ
この断層の下盤には臨結した破砕帯が幅約 5cm 存在する.
下量産を弱ー非変成岩で挟まれるサンドイツチ構造をなすと
両地質体の努開面や片理面の走向・傾斜はこの断層を境に
する見解が出されている(磁崎・丸山, 199 1).西村ほか
して対称的に変化する.ょこの断層の下盤に位置する中谷ユ
(1989) は,山口県錦町地域に分布する‘三郡変成岩" (都
ニットの地震体の片理のステソプは下向きに階段款になっ
i長層群}と弱変成古生層(錦層群)との関係は,後者が前者
ている.また,餓片状の勢開は上に開いた形で上向きに重
の上に街上するスラスト(北山スラスト)によって接すると
なっている.この片理や鱗片状の努開の方向性から判断す
Hirayama(1992) は,最近,放機逸を中心とし
ると ζ の断層は正断層の可能性がある.なお,第 5 凶にル
た構造解析によって北山スラスト(西村ほか. 1989) は低
ート?・y プを第 6. 7 図に露頭スケソチを示しである.津
していた.
角度正断層であることを明らかにした.
山間 (1992) は中谷ユニ・y トと鏡野コンプレックスとの境
界はスラストで按し,中谷ユニットの上に鏡野コンブレッ
山市北西部地域は新第三系の勝困層群の堆積以降に美7手
術上を伴う造構速動があり(第 2 図の地質図に記入してい
る.河合.
1952) ,両地質体を境する断腸は未回結の断層
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岡山県海山市北西部におけるジュラ紀地帯
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4 第 5 図.調査地域南西部の鏡野コンプレックスと中谷ユニットとの境界付近のルートマップ.
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鏡店図.第 5 聞の境界断層の露頭スケ y チ.
破砕帯を伴っている.このことは両地質体の初生の構造関
係、(困結した破砕帯)が衝上運動に伴って二次的に動いてい
ることを表している.なお.第 8 図に新しい解釈に基づく
模式的な断面図を示す.
附
辞
本研究にあたり,島根大学理学部地質学教室の石賀裕明
助教授には野外での討論をはじめ貴重な御助言をいただき,
また,原稿を読んでいただいた.同教室地史学ゼミナール
の石田耕太郎氏には室内作業において協カしていただいた.
1
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山間祐二
第 7 図.第 6 凶の断層下盤の中
谷ユニットの片理と鋪片状勢開の
スケッチ.
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第 S 図.調査地域の南北を横断
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宿泊の函では奥津町奥津JII 西の光永御夫妻をはじめ高橋き
ん,鏡野町教宵委員会の方々にお世話になった.記して感
謝する.
文献
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岡山県海山市北西部におけるジュラ紀地帯
第 11 図版
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