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短 報 佐 渡,鶴
短 報 佐 渡,鶴 子 層 の 脊 椎 動 物 化 石 を含 む ドロ マ イ トノ ジ ュ ー ル の 放 散 虫 化 石 Radiolarians from Sado Japan. Island, dolomitic nodules of the Tsurushi Formation, 竹 村 厚 司*・ 廣 田 清 治** Atsushi Ⅰ .は な お,Allodesmus じめ に 佐 渡,鶴 従 来,数 多 くの 脊 椎 動 物 化 石 の 産 出 が 知 られ て い る(佐 渡 海 棲 哺 乳 動 物 化 石 研 究 グ ル ー プ, 1977)。HIROTA(1983)は,佐 渡郡 小 木 町 付 近 に 分 布 す る 鶴 子 層 の ノ ジ ュ ー ル の 転 石 か ら,ア カ 科,Allodesmus kernensisを し か し な が ら,こ シ 報 告 した 。 HIROTA kernensisに つ い て は, 統 ・進 化 を 解 明 す る 上 で 重 要 出 層 準 が 不 明確 な の 時 代 論 に 問 題 が 生 じ る 。 し か し,た と え転 石 で あ っ て も,微 化 石 等 の 時 代 決 定 に有 効 な 化 石 が 産 出 す れ ば,そ あ る 。 亀 井 節 夫,小 夫,廣 Ⅱ .地 林巌 雄,笹 川 一 郎,堀 川秀 田清治。 質及び試料 新 潟 県 佐 渡 島 の 第 三 系 は,火 山岩類 及 びそれ ら を お お う堆 積 物 よ り な り(第1図,第2図), の よ う な転 石 に 含 ま れ る 脊 な 標 本 で あ っ た と して も,産 場 合,そ Kiyoharu 以 下 の メ ンバ ー に よ っ て 別 途 に報 告 す る予 定 で 子 層 の ド ロ マ イ ト ノ ジ ュ ー ル か ら は, 椎 動 物 化 石 は,系 TAKEMURA, の 化 石 の 時 代 を知 る 大 佐 渡 研 究 グ ル ー プ(1970a,b),島 (1977),島 津 ・金 井 他(1977)等 津 ・外 山 他 に よ り,そ の 層 序 が 検 討 さ れ て い る 。 火 山 岩 類 は,“ 古 生 層” 及 び 火 成 岩 類 よ り な る 基 盤 岩 類 を お お い,主 し て 安 山 岩 質 の 火 砕 岩,熔 岩,凝 と 灰岩 等 よ りな る 。 新 第 三 紀 の 堆 積 物 は,大 佐 渡地域 での研究 こ と が 可 能 で あ る 。 ま た,Allodesmusは,従 に よ り,下 子 層,中 来,日 根 層 に 区 分 さ れ て お り,こ 本 及 び 米 国 西 海 岸 か らの み 産 出 が 報 告 さ れ て い る(REPENNING and TEDFORD,1977)が, に よ る 対 比 が 最 も 有 効 で あ ろ う。 kernensisの 本 研 究 に 用 い た 試 料 は,佐 ュ ー ル(試 質の岩石 存 良 好 な放 散 虫 化 石 が 含 ま れ て い る こ と を 見 出 し た 。 ま た,露 れ らを第四紀の堆積 渡郡小 木町の成層 した 頁岩 中 に含 ま れ る硬 骨 魚 類 化 石 を含 む ノ ジ 頭 骨 標 本 の ク リ ー ニ ン グ の 過 程 で,基 中 に,保 山 層,沢 物 が 不 整 合 で お お っ て い る(第1表)。 こ の よ う な 国 際 対 比 に つ い て は,浮 遊 性 微 化 石 HIROTA(1983)は,Allodesmus 位 よ り 下 戸 層,鶴 頭 よ り採 取 し た,硬 魚 類 化 石 を 含 む 他 の ノ ジ ュ ー ル 中 に も,時 骨 代決 料1),及 Allodesmus ル(試 料2)の2つ る 頁 岩 層 は,主 い る(島 び,同 kernensisの 町 素 浜 海 岸 の 転 石 で, 頭 骨 を含 む ノ ジ ュ ー で あ る。 この 付 近 に分 布 す に 岩 相 に よ り,鶴 津 ・金 井 他,1977)が,本 子 層 と され て 地 域 で は, 定 に 有 効 な放 散 虫 化 石 が 多 数 含 ま れ て い る こ と 大 佐 渡 中 山峠 付 近 の 模 式 地 よ り も 同 層 が著 し く が判 明 した。 本 論 文 で は 産 出 した放 散 虫化 石 と 厚 い(第1表)。 そ の 年 代 に つ い て 報 告 す る。 は あ る が,岩 *京 都大 学 理学 部 地 質 学鉱 物 学 教室 **日 本 グ ラ ウ ト工業(株) 試 料2の ノ ジ ュ ー ル は,軽 相 及 び 産 出 地 点(第2図)よ 石で り, こ の鶴 子 層 中 の も の と考 え ら れ る。 な お,渡 辺(1977)は,小 佐 渡 に分 布 す る羽 茂 層(鶴 子 層 に 相 当)を,浮 孔 虫,放 散 虫 に よ り,新 遊 性 有 孔 虫,底 潟 新 第三 系 の 七 谷 層 に 対 比 し て い る 。 し か し,こ 種,産 れ らの微 化 石 の 産 出 出層 準 は 不 明 で あ る。 .放 散 虫 化 石 につ い て Ⅲ 産 出 し た 放 散 虫 化 石 種 を 第2表 観 察 に よ り,ノ 5-10%程 に示 す 。 薄 片 ジュー ル中の放散 虫殻 は石英 か ら な る こ と が 判 明 し た た め,放 散 虫の抽 出 には 度 の 塩 酸 を 用 い た 。 試 料1か 種 以 上,試 料2か 産 出 し た 。 試 料2の ら は10種 ら は30 以上 の放散 虫化石 が 産 出 種 数 が 少 な い の は,試 料 と し た ノ ジ ュ ー ル の 基 質 が 少 量 の た め,産 個 体 数 が 少 な い こ と に よ る。 試 料1か ら は,Spongoplegma variabile(Pl. 1,fig.13),Cyrtocapsella tetrapera(Pl.2, fig.6),Eucyrtidium を 多 く 産 inflatum(Pl.2,fig.10) し,Cannartus laticconus(Pl.1,fig. 3),Cyrtocapsella japonica(Pl.2,fig.5), 第1表 佐渡島地質層序表。島津,1977より。 第1図 佐 渡 島 地 質概 図 。 島 津(1977)よ 第2図 生有 り。 化 石 産 出 地 点.試 料1及 び 試 料2:HIROTA(1983)よ 1.第 四紀層 2.玄 武岩 3.凝 灰岩 4.鶴 り 子 層 頁 岩 ・泥 岩. 出 第2表 産出放散虫化石 bone bedか ら の み 産 出 が 知 ら れ て い る(MITCH- LL,1966;BARNES,1972)。 基 底 約30cmの こ のbone E 部 分 か ら は,サ bedの メ の 歯 の 化 石 及 び, 海 棲 哺 乳 動 物 の 化 石 が 多 産 す る(ADICOTT,1970)。 REPENNING and Mountain Siltの Mammalian TEDFORD(1977)は,Round 年 代 を,North American AgeのBarstovian,West Marine Coast Stagesの“Temblor”(megafossils) 及 びLuisian(microfossils)と Maと 対 比 し,13-14 推 定 して い る 。 今 回 報 告 した佐 渡 の 試 料 の 放 散 虫 化 石 の 年 代 は,中 世 古 tetrapera ・菅 野(1973)のCyrtocapsella Zone及 びRIEDEL and (1978)のDercadospyris a1ata に 対 比 さ れ,上 NIG and 致 す る。 記 のCaliforniaに TEDFORD(1977)の い て は,日 広 域 に わ た り,限 一 部 お け るREPEN- 年 代 の推 定 とほぼ 一 従 っ て,Allodesmus 時 空 分 布 につ SANFILIPPO Zoneの kernensisの 本-Californiaと い う 定 され た 時 代 で あ る とい うこ と が で き る。 Ⅴ .謝 辞 京 都 大 学 理 学 部 地 質 学鉱 物 学 教 室 の 亀井 節 夫 Lithopera renzae(P1.2, tis japonica(Pl.2, dondoensis(Pl.2, ら は,種 fig.12), fig.14), fig.16)等 pera, 類 は 少 な い が,S. E.inflatum等 re- を 伴 う 。 試 料2か variabile, を 産 し,種 に 類 似 し て お り,こ 教 授 には,多 Sethocyr- Theocyrtis C.tetra- 構 成 も 試 料1 れ ら は 同 じ群 集 で あ る と 考 こ の 群 集 の 年 代 は,中 Cyrtocapsella ま た,三 世 古 tetrapera 陸 沖 のDSDP の小 林巌 雄 助 教 授,日 笹 川一 郎 講師,及 対 比 さ れ る。 一 部,及 cyrtidium よ り, Riedel and alata び, REYNOLDS(1980)のEu- inflatum .Allodesmus Zoneに kernensisの 対 比 され る。 産 出 層準 の Ⅳ 年 代 に つ い て Allodesmus kernensisはKELLOGG(1922)が 命 名 し て 以 来,米 Mountain 国California州Bakersfield Silt中 のSharktooth 本歯科 大学新潟歯 学部の び,小 木 町 長金 子 繁 氏 に は, 本 の 貸 与 に際 しお 世 話 に な った 。 文 デ ー タ(SAKAI, SANFILIPPO(1978)のDercadospyris のRound 助 言 を得 た。 新 潟 大 学 理 学 部 地 質 学 鉱 物 学 教 室 上 記 の 方 々 に対 し,厚 く感 謝 す る次 第 で あ る。 ・菅 野(1973)の Zoneに Leg56,57の 1980;REYNOLDS,1980)に Zoneの 西 村 明 子 氏 に は,放 散 虫 化 石 に 関 し,多 くの 御 Allodesmus標 え ら れ る。 方 面 に わ た り御 指 導 を た ま わ っ た。 大 阪 大 学 教 養 部地 学 教 室 の 中 世 古 幸 次 郎 助 教 授, Hill 献 ADDICOTT, W. O. (1970) ; Miocene Gastropods and Biostratigraphy of the Kern River Area, California. U. S. Geol. Survey Prof. Paper no. 642, 174pp. BARNES, L. G. (1972) ; Miocene Desmatophocinae (Mammalia California : Carnivora) Univ. Pubs. from California. Geol. Sci., vol. 89, pp. 1-68. HIROTA, K. (1983 Ms) ; Note on the Miocene Sealion, Allodesmus. Dept. Geol. Mineral., Fac. Sci., Kyoto Univ., Master Thesis. KELLOGG, R. (1922) ; Pinnipeds from Miocene and Pleistocene deposits of California. California Univ. Pubs., Dept. Geol. Sci. Bull., vol. 13, no. 4, pp. 23-132. MITCHELL, E. D. Jr. (1966) ; The Miocene pinniped Allodesmus. California Univ. Pubs. Geol. Sci., vol. 61, pp. 1-46. 中 世 古 幸 次 郎 ・菅 野 耕 三(1973);日 本 新 第三 紀 の 化 石 放 散 虫 分 帯.地 質 学 論 集,no.8, p.23-33. 大 佐 渡 研 究 グ ル ー プ(1970a);大 佐 渡 南 半 部 の新 第 三 系-佐 渡 の 新 第 三 系 の 研 究(そ 研 報,no.3, pp.1-24. 大 佐 渡 研 究 グ ル ー プ(1970b);大 系-佐 の1).新 佐 渡 北 半部 の 新 第 三 渡 の 新 第 三 系 の 研 究(そ 研 報,no.3, 潟 大地 鉱 の2).新 潟 大地 鉱 pp.25-43. REPENNING, C. A. and TEDFORD, R. H. (1977) ; Otarioid Seals of the Neogene. U. S. Geol. Survey Prof. Paper, no. 992, 93pp. REYNOLDS, R. A. 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Cyrtocapsella japonica (NAKASEKO) 6. Cyrtocapsella tetrapera 7. Dendrospyris stabilis 8. Diplocyclas 9. Dorcadospyris 10. Eucyrtidium 11. Liriospyris 12. Lithopera 13. Lychnocanium 14. Sethocyrtis 15. Stichocorys 16. Theocyrtis sp. cf. microsphaera NAKASEKO sp. HAECKEL GOLL sp. pentagona inflatum mutuaria renzae (EHRENBERG) KLING GOLL SANFILIPPO and nipponicum japonica NAKASEKO NAKASEKO delmontensis redondoensis RIEDEL (CAMPBELL and CAMPBELL and CLARK) CLARK Radiolarians from dolomitic Sado nodules Island, of the Tsurushi Formation, Japan Atsushi TAKEMURA* and Kiyoharu HIROTA** * Department of Geology and Mineralogy , Faculty of Science, Kyoto University, Kyoto 606, Japan ** Nippon Grout Industry Co . Ltd., Osaka 530, Japan ABSTRACT Well-preserved Formation, radiolarians occurred Sado Island, Central Japan. in two dolomitic nodules a skull of Allodesmus blage of these two nodules Cyrtocapsella SUGANO (1973) and Dorcadospyris of this assemblage mostly accords alata Tsurushi One of the two nodules contains a skull and vertebrae of a Teleost and the other contains indicates from the Miocene tetrapera kernensis. The radiolarian Zone of RIEDEL and SANFILIPPO (1978). with the age assignment California by REPENNING and TEDFORD (1977). assem- Zone of NAKASEKO and of Allodesmus The age kernensis in